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マルチボディダイナミクス(MBD)シミュレーション

ドキュメント内 PMV の基本構成と運動特性解析⼿法 (ページ 44-50)

ロールモーメント⼊⼒

2.3.1. マルチボディダイナミクス(MBD)シミュレーション

⼀般に知られているように,旋回中には内傾(リーン)し停⾞すれば転倒する

⼆輪⾞のモデルは⾃動⾞のそれとはモデル構造が異なるため,⾃動⾞⽤の⾞両 運動シミュレーションツールと⼆輪⾞⽤のそれとは,全く別のシミュレーショ ンツールとして構成され,それぞれの上で構築された⾞両モデルに互換性はな い.本著では,

アクティブに内傾する PMV のモデル化に,⾞両運動シミュレー ションシステム(ドイツ

IPG Automotive 社の CarMaker)を⽤いた.ここでは,

2-2 に基づき,第 3 章以降で使⽤する MBD モデルについて順に解説する.

2-2

アクティブに内傾する PMV モデル全体像

33.1.33.2.33.3. 車両構成 車両諸元 想定横加速度想定旋回半径 目標ロール

前二輪・後一輪 前輪操舵・後輪駆動 2-4 記)基準諸元 記)操舵角比16.0 2-10,(2-1) (2-2) (2-3) T

P

=4000 T

I

=100, 70, 50 T

D

=0

前二輪・後一輪 前輪駆動・後輪操舵 前輪操舵・後輪駆動 2-3,2-4 記)基準諸元 記)操舵角比2-7, 16.0 2-9,2-10,(2-1) (2-2) (2-3) T

P

=4000 T

I

=100 T

D

=0

前二輪・後一輪 前輪操舵・後輪駆動 2-4 記)基準諸元 記)操舵角比 16.0 2-10,(2-1) (2-2) (2-3) T

P

=4000 T

I

=50 T

D

=0 タイMC2-11MC2-11MC2-11

44.4.節 前二輪・後一輪 前輪操舵・後輪駆動 2-4 記)基準諸元 記)操舵角比16.0 2-10,(2-1) (2-2) (2-3) T

P

=4000 T

I

=50 T

D

=0 MC2-11

5 前二輪・後一輪 前輪駆動・後輪操舵 2-3 記)基準諸元 記)操舵角比2-7 (2-2)

2-9,(2-1) (2-3) T

P

=4000 T

I

=0 T

D

=0 MC2-11

ール角追従 制御定数T

P

,T

I

,T

D

2.3.2. モデルの基本構成

作成した PMV モデルは,前⼆輪,後⼀輪の三輪⾞であり,旋回中には内傾し

ながら⾛⾏する.本研究での実験では,PMV のモデルとして前輪操舵+後輪駆 動のものと,後輪操舵+前輪駆動のものを準備した.第

5

5.3.節 (14)

では,前 輪駆動+後輪操舵の PMV モデルを⽤いた.⼀般には前輪操舵+後輪駆動が想定 されるが,後輪操舵+前輪駆動の構成は,旋回中に内傾する PMV として社会実 証実験段階にある TOYOYA i-ROAD(図 2-2)が採⽤している.

第3章 3.1.節

(12)(15)

,第 3 章 3.3.節

(13)(15)

,第

4

4.4.節 (15)(16)

では,前輪操舵+

後輪駆動の PMV モデルを⽤い,第 3 章 3.2.節

(11)(15)

では前輪操舵⾞と後輪操舵

⾞を⽐較するために,両⽅のモデルを⽤いた.

⾃動⾞⽤の⾞両運動シミュレーションツール上で旋回中に内傾するモデルを 構築するために,少なからず⼯夫をしている.旋回中に内傾する PMV のモデル として,⾃動⾞モデルのスタビライザーに内傾側の捻りトルクを付加するアク ティブスタビライザーの機能を⽤いた.前輪操舵,後輪操舵を問わず,前⼆輪の サスペンションに設定した.これは必ずしもこのタイプの PMV として必要な要 件ではないが,今回⾞両機能を例⽰的に発現させるために,モデル製作の都合上 で採⽤した.

2.3.3. PMV の基本諸元

⾞両の基本諸元を図 2-7 および表2-3,表2-4に⽰す.

2-3 と表2-4は,操

舵⾓⽐以外は同様である.

第 3 章 3.2.節

(11)(15)

と第

5

5.3.節 (14)

で⽤いる後輪操舵モデル(表2-3)では,

オーバーステア傾向にある⾞両の安定性確保のために,図 2-8 に⽰すように,

⾞速上昇とともに後輪の実舵⾓を抑制される.操舵⾓から⾒ると⾞速上昇とと もに旋回半径が⼤きくなり,⼀般的なアンダーステア特性と同様の⾞両特性と なる.後輪操舵⾞は,必然的にステアバイワイヤとなるので,

実⾞構築の場合に

も,このような可変ギヤ⽐は容易に設定可能である.

第 3 章 3.1.節

(12)(15)

,第 3 章 3.2.節

(11)(15)

,第 3 章 3.3.節

(13)(15)

,第

4

4.4.節

(15)(16)

で⽤いる前輪操舵⾞(表2-4)では,⼀般の⾃動⾞同様,に可変ギヤ⽐の必

要がない.前輪操舵⾞両モデルでは,

操舵⾓と前輪実舵⾓の⽐は低速時のギヤ⽐

16.0 のまま保つこととした.なお操舵輪が左右⼆輪の前輪操舵⾞両では,左右 輪の軌跡の差を考慮し,左右輪に切れ⾓差を与えるが,今回は簡単の為に左右の 切れ⾓差を与えていない.

2-3,表2-4に⽰したように,この PMV は普通乗⽤⾞に⽐べ全⻑と全幅が 約1/2 で,

実は図 2-9

に⽰すように全⻑と全幅の⽐は普通乗⽤⾞と変わらない.

ところが全⾼は普通乗⽤⾞並であり,等価的に全⾼が 2 倍⾼いことになる.転 倒を防ぐために,旋回中は⾞両を内傾させることが必要になる所以である.

図 2-7 モデル⾞両の⼨法諸元

2-3 後輪操舵PMV の⾞両諸元 (1 名乗⾞)

item unit value

Total length m 2.645

Total width m 0.88

Total height m 1.445

Wheel base m 2.02

Front distance from GC m 0.807 Rear distance from GC m 1.213

Front tread m 0.85

Gravity center height m 0.358 Steering Gear Ratio 16.0

item unit value

Total mass kg 369.79

Front mass distribution kg 222.057 Rear mass distribution kg 147.733 Roll inertia moment kgm 2 58.776 (Sprung inertia moment) kgm 2 42.996 Pitch inertia moment kgm 2 197.328 (Sprung inertia moment) kgm 2 118 Yaw inertia moment kgm 2 187.280 (Sprung inertia moment) kgm 2 102.28 Fig. 2-8

Total length Wheel base

Gravity center height Front distance from GC Rear distance from GC

Tota l he ight

Total width

Front tread

2-4 前輪操舵PMV の⾞両諸元 (1 名乗⾞)

図 2-8 ⾞速と後輪操舵⾓の関係

⾃動⾞技術会⾃動⾞諸元表」データなどに基づき作成

図 2-9 旋回時に内傾する PMV は従来とは異なる位置づけ

item unit value

Total length m 2.645

Total width m 0.88

Total height m 1.445

Wheel base m 2.02

Front distance from GC m 0.807 Rear distance from GC m 1.213

Front tread m 0.85

Gravity center height m 0.358 Steering Gear Ratio 16.0

item unit value

Total mass kg 369.79

Front mass distribution kg 222.057 Rear mass distribution kg 147.733 Roll inertia moment kgm 2 58.776 (Sprung inertia moment) kgm 2 42.996 Pitch inertia moment kgm 2 197.328 (Sprung inertia moment) kgm 2 118 Yaw inertia moment kgm 2 187.280 (Sprung inertia moment) kgm 2 102.28

1/16 (5deg)

1/32 (2.5deg)

(0deg) (7.5deg)

0 30 60 90

Gear ratio (Rear Steer Angle δ at e.g. Steering Wheel Angle = 80deg)

Vehicle speed km/h

20km /h e.g.

Veloc

ity 30km /h 40km /h Spe cifi

ed

=

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

Crown Prius

Demio Smart Alto

i-ROAD

Study Case

Total Length (mm)

Tot al W idt h ( m m )

Equa l R atio Small cars Short

Tilting PMVs

2.3.4.

仮旋回半径,仮横加速度,⽬標内傾⾓の設定

1)

仮旋回半径

5

(14)

と第 3 章 3.2.節

(11)(15)

で⽤いる後輪操舵モデルの場合,図 2-10 に⽰

すように,前後輪は地⾯に略垂直でスリップ⾓も無視できるとして,後輪の実舵

⾓と前後⾞軸間距離から,

幾何学的な単純計算で仮の旋回半径を求める.同様に 第 3 章 3.1.節

(12)(15)

,第 3 章 3.2.節

(11)(15)

,第 3 章 3.3.節

(13)(15)

,第

4

4.4.節 (15)(16)

で⽤いる前輪操舵⾞は,図 2-11 に⽰すように,前輪の実舵⾓を⽤いる.前輪操

舵,後輪操舵とも,仮旋回半径(PTR)は,式(2-1)で求まる.

2)

仮横加速度

仮旋回半径(PTR)が,

式(2-1)で求まったので,⾞両速度(v)を⽤いて,式(2-2)のように仮の横加速度(PLA)が求まる.前輪操舵,後輪操舵とも,この関係 は同様である.

3)

仮旋回半径,仮横加速度,⽬標内傾⾓の設定

そこで,この仮横加速度にバランスするように,式(2-3)に⽰す⽬標内傾⾓

(TRA)を設定する.

式(2-3)における値 A

により,この⽬標内傾⾓(TRA)を任

意に変更できる. 式(2-3)から明らかなように, ⽬標内傾⾓

(TRA)が,モーター サイクルのリーンウィズのように,仮の横加速度(PLA)とちょうど釣り合う時 が,A=1.0 である.前輪操舵,後輪操舵とも,この関係は同様である.なおこ の内傾⾓は,⾃動⾞の運動では通常ロール⾓と呼ばれ,モーターサイクルではリ ーン⾓,あるいはチルト⾓と呼ばれる.正負の記号に注意すれば,いずれも同じ

意味と理解して問題ない.

PTR = l / sin(δ) ・・・(2-1)

・・・(2-2)

・・・(2-3) PLA = sin(δ) v 2

l

( )

TRA = A tan -1 sin(δ) v 2

l g

PTR ; Provisional Turning Radius δ ; Tire Steered Angle PLA; Provisional Lateral Acceleration v ; Vehicle Speed TRA ; Target Roll Angle l ; Wheel Base A ; User Amplification Factor

図 2-10

実舵⾓と⾞軸間距離から幾何学的に仮旋回半径を求める(後輪操舵)

図 2-11

実舵⾓と⾞軸間距離から幾何学的に仮旋回半径を求める(前輪操舵)

ドキュメント内 PMV の基本構成と運動特性解析⼿法 (ページ 44-50)