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Corpora do PLE

ドキュメント内 ポルトガル語の接続法とその習得 (ページ 183-186)

第 7 章 分析結果

7.2. 時制別の産出

7.2.1. Corpora do PLE

まずはPLEのデータから得られた結果を提示する (表 45)。なお、以降では表中では紙 幅の関係で接続法未完了過去を「接続法過去」と表記する。

表 45 Corpora do PLEより、被験者の習熟度別接続法各時制の産出

被験者群 接続法現在 接続法未来 接続法過去 産出数 割合 産出数 割合 産出数 割合 合計

A1-A2 54 73% 6 8% 14 19% 74

B1-B2 92 72% 19 15% 17 13% 129

C1-C2 46 69% 14 21% 7 10% 67

全体 192 72% 39 14% 38 14% 269

初級のA1-A2レベルから接続法現在のみならず、未来や過去の産出が見られるのが特徴 的である。全習熟度を通して、全接続法形式中で接続法現在の産出が約 70%と圧倒的に多

く、次いで接続法未完了過去、接続法未来が同程度となっている。レベル別に見ると、A1-A2 では接続法現在に次いで接続法過去の産出割合が接続法未来に対し多くなっているが、

B1-B2レベルでは接続法未来の産出が接続法過去をわずかに逆転し、C1-C2レベルでは接

続法未来が接続法過去に対して圧倒的に多くなっている。

続いて、母語別の時制形式の産出を考察する (表 46)。

表 46 Corpora do PLEより、被験者の母語別接続法各時制の産出

母語 接続法現在 接続法未来 接続法過去 合計

ドイツ語 7 3 3 13

ブルガリア語 6 0 0 6

カタルーニャ語 0 0 1 1

チェコ語 1 0 0 1

朝鮮語 6 10 0 16

クロアチア語 1 0 0 1

スロヴァキア語 0 1 0 1

スペイン語 17 1 1 20

スペイン語・イタリア語 0 0 1 1

フランス語 0 0 1 1

ヒンディー語 2 0 0 2

英語 26 2 4 32

イタリア語 52 10 8 70

コンカニ語 4 1 1 6

コンカニ語・英語 1 0 0 1

不明 2 0 0 2

ポーランド語 26 4 7 37

ポルトガル語 10 2 2 14

ポルトガル語・フランス語 1 1 0 2

ルーマニア語 30 4 8 42

ロシア語 0 0 1 1

全体 192 39 38 269

在、未来、過去を相対的にバランスよく産出しているのがドイツ語、イタリア語、ポーラ ンド語、ルーマニア語、そしてポルトガル語母語話者である。一方で、スペイン語母語話 者は接続法現在に集中した産出を見せており、接続法未来が用いられなくなっている母語 からの影響が考えられる。また、朝鮮語母語話者では接続法未来の産出が突出しており、

接続法現在の産出を上回っていることも興味深い。

最後に、母語話者集団をさらに習熟度別に分類して、疑似的に習得過程を考察する (表 47)。

表 47 Corpora do PLEより、被験者の母語と習熟度別接続法各時制の産出

母語 習熟度 接続法現在 接続法未来 接続法過去 合計

ドイツ語 A1-A2 8 3 2 13

ブルガリア語 B1-B2 6 0 0 6

カタルーニャ語 B1-B2 0 0 1 1

チェコ語 A1-A2 1 0 0 1

朝鮮語 C1-C2 6 10 0 16

クロアチア語 B1-B2 1 0 0 1

スロヴァキア語 B1-B2 0 1 0 1

スペイン語 A1-A2 3 0 0 3

B1-B2 14 1 1 16

スペイン語・イタリア語 B1-B2 0 0 1 1

フランス語 A1-A2 0 0 1 1

ヒンディー語 B1-B2 2 0 0 2

英語 A1-A2 20 1 4 25

B1-B2 6 1 0 7

イタリア語 A1-A2 12 1 3 16

B1-B2 31 9 5 45

C1-C2 9 0 0 9

コンカニ語 B1-B2 4 1 1 6

コンカニ語・英語 B1-B2 1 0 0 1

不明 B1-B2 2 0 0 2

ポーランド語 A1-A2 3 0 2 5

C1-C2 23 4 5 32

ポルトガル語 B1-B2 2 2 0 4

C1-C2 8 0 2 10

ポルトガル語・フランス語 A1-A2 1 1 0 2

ルーマニア語 A1-A2 8 0 0 8

B1-B2 23 4 7 34

ロシア語 B1-B2 0 0 1 1

全体 169 39 36 269

初級 (A1-A2) レベルから接続法産出が見られるのはドイツ語、チェコ語、スペイン語、

フランス語、英語、イタリア語、ポーランド語、ポルトガル語・フランス語、ルーマニア 語母語話者である。また、複数の習熟度からなる被験者集団はスペイン語、英語、イタリ ア語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語母語話者となっている。全体的に初級 学習者による産出は接続法現在に偏っている。初級から中級になるにつれて接続法形式全 体の産出が増え、時制形式の種類も豊富になる傾向が見て取れるが、英語母語学習者やド イツ語母語学習者は初級から産出、形態素の種類ともに豊富である。なお、イタリア語と ポルトガル語では上級学習者による産出が中級と比較して接続法現在に集中している傾向 にあるが、頻度の小ささより接続法習得の後退を断定するのは難しい。

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