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Corpora de PEAPL2

ドキュメント内 ポルトガル語の接続法とその習得 (ページ 186-191)

第 7 章 分析結果

7.2. 時制別の産出

7.2.2. Corpora de PEAPL2

C1-C2 23 4 5 32

ポルトガル語 B1-B2 2 2 0 4

C1-C2 8 0 2 10

ポルトガル語・フランス語 A1-A2 1 1 0 2

ルーマニア語 A1-A2 8 0 0 8

B1-B2 23 4 7 34

ロシア語 B1-B2 0 0 1 1

全体 169 39 36 269

初級 (A1-A2) レベルから接続法産出が見られるのはドイツ語、チェコ語、スペイン語、

フランス語、英語、イタリア語、ポーランド語、ポルトガル語・フランス語、ルーマニア 語母語話者である。また、複数の習熟度からなる被験者集団はスペイン語、英語、イタリ ア語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語母語話者となっている。全体的に初級 学習者による産出は接続法現在に偏っている。初級から中級になるにつれて接続法形式全 体の産出が増え、時制形式の種類も豊富になる傾向が見て取れるが、英語母語学習者やド イツ語母語学習者は初級から産出、形態素の種類ともに豊富である。なお、イタリア語と ポルトガル語では上級学習者による産出が中級と比較して接続法現在に集中している傾向 にあるが、頻度の小ささより接続法習得の後退を断定するのは難しい。

B1 256 63% 48 12% 102 25% 406

B2 38 59% 12 19% 14 22% 64

C1 35 76% 4 9% 7 15% 46

全体 355 64% 69 12% 129 23% 553

PLEと同様、PEAPL2でも全習熟度を通じて接続法現在の産出が60%から80%近くを占

めている。一方でPLEと比べて、全体的に接続法過去の産出の割合がやや高い。接続法未 来と接続法過去の産出はA1レベルではほとんど見られず、A2 レベルより少しずつ見られ るようになる。両者はA2、B2、C1 の各レベルではほぼ同等の産出であるが、被験者数の 多いB1レベルでは接続法過去が未来に対して2倍近く産出されている。

次に被験者の母語別にまとめる (表 49)。

表 49 Corpus de PEAPL2より、被験者の母語別別接続法各時制の産出

母語 接続法現在 接続法未来 接続法過去 合計

ドイツ語 57 12 24 93

ドイツ語・スペイン語 2 1 3

ドイツ語・フランス語 1 1 2

ブルガリア語 6 1 7

バウレ語 2 2

バスク語 1 1

バスク語・スペイン語 1 1

カタルーニャ語 2 2

チェコ語 16 3 1 20

中国語(広東語) 13 1 5 19

中国語 20 4 3 27

朝鮮語 6 6

クロアチア語 1 1

スロヴァキア語 4 4

スロヴェニア語 1 1

スペイン語 29 3 13 45

スペイン語・カタルーニャ語 1 3 4

スペイン語・ガリシア語 3 2 5

フィンランド語 2 2 4

フランス語 14 3 7 24

フランス語・ポルトガル語 1 1 2

ガリシア語 9 4 13

ギリシア語 5 5 10

ヒンディー語 1 2 3

英語 84 23 31 138

イタリア語 25 1 14 40

日本語 11 5 2 18

リトアニア語 1 1 2

オランダ語 12 2 5 19

ポーランド語 12 6 18

ルーマニア語 1 1

ロシア語 10 1 11

スウェーデン語 1 1 2

トルコ語 3 1 4

ウクライナ語 1 1

全体 355 69 129 553

接続法各形式を合計 (概ね現在:未来:過去=6:1:2) と比較して相対的にバランスよく産出 しているのはドイツ語、英語母語話者である。全体の産出はやや少ないものの、フランス 語母語話者とオランダ母語話者もバランスよく産出している。一方で、スペイン語、ガリ シア語、イタリア語を母語とする被験者集団は接続法未来の産出が少なくなっている。ま た、チェコ語、日本語、ポーランド母語話者は相対的に接続法未来の産出が多く、接続法 未完了過去の産出が少なくなっているのが特徴的である。

母語話者集団をさらに習熟度別に分類して、疑似的に習得を考察する (表 50)。

表 50 Corpus de PEAPL2より、被験者の母語と習熟度別接続法各時制の産出

母語 習熟度 接続法現在 接続法未来 接続法過去 合計

ドイツ語 A1 4 1 5

A2 3 1 4

B1 40 9 17 66

B2 10 2 6 18

ドイツ語・スペイン語 B1 2 1 3

ドイツ語・フランス語 A2 1 1 2

ブルガリア語 B1 5 5

B2 1 1 2

バウレ語 C1 2 2

バスク語 B1 1 1

バスク語・スペイン語 B1 1 1

カタルーニャ語 A2 2 2

チェコ語 B1 11 3 1 15

B2 5 5

中国語(広東語) B1 11 1 3 15

C1 2 2 4

中国語 A2 2 2

B1 8 3 1 12

B2 2 2

C1 8 1 2 11

朝鮮語 B1 6 6

クロアチア語 B2 1 1

スロヴァキア語 B2 3 3

C1 1 1

スロヴェニア語 B1 1 1

スペイン語 A2 3 1 4

B1 16 2 8 26

B2 5 4 9

C1 5 1 6

スペイン語・カタルーニャ語 B1 2 2

B2 1 1 2

スペイン語・ガリシア語 B1 3 2 5

フィンランド語 B1 1 1

B2 2 1 3

フランス語 A1 1 1

B1 10 6 16

B2 3 3 1 7

フランス語・ポルトガル語 B2 1 1 2

ガリシア語 A2 1 1

B1 8 4 12

ギリシア語 B1 5 5 10

ヒンディー語 B1 1 1

C1 2 2

英語 A2 2 1 3

B1 71 21 30 122

B2 5 2 7

C1 6 6

イタリア語 A2 2 1 3

B1 23 14 37

日本語 A2 1 1

B1 3 2 1 6

B2 1 1

C1 7 2 1 10

リトアニア語 B1 1 1 2

オランダ語 A2 1 1 2

B1 11 1 4 16

B2 1 1

ポーランド語 B1 11 6 17

B2 1 1

ルーマニア語 A2 1 1

ロシア語 B1 7 1 8

C1 3 3

スウェーデン語 A2 1 1 2

トルコ語 A1 3 3

A2 1 1

ウクライナ語 C1 1 1

全体 355 69 129 553

全体的に初級では産出数が少ないうえに接続法現在に偏っており、B1レベルで接続法未 来、過去の産出が増え、B2レベル以降では各母語話者集団によって異なる傾向を示してい る。ドイツ語とトルコ語母語学習者はA1レベルから、ドイツ語・フランス語、カタルーニ

ャ語、中国語、スペイン語、フランス語、ガリシア語、英語、イタリア語、日本語、オラ ンダ語、ルーマニア語母語学習者ではA2レベルから接続法が産出されている。一部を除き これらの学習者集団では初級レベルとB1レベルを比較することができるが、いずれも産出 数、産出形態素の種類ともにB1 で大幅に多くなる傾向が見られる。一方でブルガリア語、

チェコ語、中国語 (広東語)、スペイン語・ガリシア語、フィンランド語、ヒンディー語、

ポーランド語、ロシア語ではB1レベルと、B2または C1レベルとの比較ができるが、ロ ウデータ (粗頻度) を見る限り産出数、産出形態素の種類ともに劇的な伸びはなく、集団に よっては少なくなってしまう例が見られる。B1レベル全体の被験者数及び産出被験者数の 多さがこれらの原因となっているのは明らかであるが、B2、C1レベルでは産出被験者数一 人当たりの産出数もB1より低くなっており、極端に接続法産出を繰り返す被験者が少なく なっていることも一因であると考えられる。

ドキュメント内 ポルトガル語の接続法とその習得 (ページ 186-191)