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青 い ゴム

50‑20=30cm

白い ゴム

72‑30=42cm

根拠

「だって…・」

50  ci

2.プ

ロ トコルの分析 と考察

(1)B組  

ゴムの伸びの授業

‑1 2つ

の数 量 の差 で判 断

l Cl 僕 が考 えた式 は,まず青い ゴムを 「

50‑20=30Jで

̲30(cm)と い うの は, ここ と こ この長 さを指 す って い うこ とで。

2T  

こ こだ よね 。 この式 で 白い ゴム も出 した '

るこ とを容認 していた。

……  ^   ^    立 と 日  ニ ̲♪ ユ ̲´   ヽ 一 、レ ‖・12r       :

‑2 2つ

の数量 を加減でそろえて判断

       

       l 4C4 

僕 は

,伸

ば した全体 の長 さを50cmにそろえて

,そ

れ で伸び …伸 びってわかる

? │

:

伸びの長 さつて

,伸

ば した全体か ら元 の長 さを引いた ら

,伸

びが出 るのわか る

?│

!

5C4 

それで

,青

い ゴムが

50(cm)で

,自い ゴムを50cmに一 白い ゴムを伸 ば した全体 の

長 さを50

… え ?

(cm)に した ら

,青

30(cm)で

白は

20(cm)伸

び るつて こ とわかる? │

これ元の長 さは

2o(cm)と 30(cm)で

す よね。それはわか ります よね ?そ れで,(いゴム)って伸ば した全体の長 さが50(cm)っ て ことはわか ります よね?

うん うん。

それで, 白い ゴ ム 々勝 手 に 伸 ば した 全 体 の 長 さを50(cm)に変 え る。

(中

)…

10C4ここ (ゴムが伸びた長 さ)を 50cmにそ ろえた ら,「伸 ば した全体 の長 さ一元の長 さ」

l

をすると

,伸

びの長 さが出るから

,青

(いゴム

)は

,「50‑20=30」 にして,こ こか

:

ら白を… ここ(白い ゴムが伸 びた状態 の72cmを指す)を 50cmに変 えた場 合だか ら,│

:

(板書の内容 「72‑22=50」

)つ

て ことになって,(板書 の内容 「50‑30=20」

)に

るので

,伸

びてい るのが30(cm)と

20(cm)だ

った ら

30(cm)の

方 が よ く伸びて るi ん で

,30(cm)の

方 …青 の方だ と思います。

(中

)…

H C7 元 の長 さ と,こ この伸びた長 さの関係 を言 つているの に,こつち (白い ゴム

)だ

けを伸 ば しちゃった ら,こつち (青ャ主ゴム)と こっち (白い ゴム

)の

関係 つてま っ た く別 の ものにな る じゃないですか。白いゴムの元の長 さを変えない と,こ (白い ゴ

ムの元の長 さと伸ば した長 さ)の割合が変わって しま うか ら…それ は○○ くんが,こ っち

:

(白い ゴム

)だ

け変 え ちゃ ってい るか らダ メなん だ と思 い ます。 :

98‐

比例 的推論 の ないカロ減 に よ り,ゴ ムの長 さをそ ろえ よ うとす る意 見 が 出た こ と で,「 も との ゴム」 と 「伸 び た状態 の ゴム」の数 量関係 を保 ち なが ら

,そ

ろえな けれ ばな らい とい う

,比

例 的推論 の顕在化 が な され た。

‑3 2つ

の数量 を乗除でそろえて判断 (公倍数

)       i

12C3       ,何

故 1.5倍を したか とい

うと,「 20× 1.5干30」 や んな。だか ら伸び た量 を1.5(倍

)し

た ら…僕 は30cmに

そ ろえ よ うとして、だか ら.20cmに 1.5をかけて,50cmに 1.5をかけた ら「50×

1.5=75(cm)」 になつたので

,青

い ゴムの方 が3cm…30cmに合 わせ た ときに,3cml だ け青い ゴムの方 が伸び る量 が多 い。

A組

の児童 の

5割

以上 は割合 の考 え方

,2割

の児童 は,「 Ⅱ

 2つ

の数量 の差 で判 断」 を してい る中で

,公

倍数 の考 え方 を理解 で きない児童 や

,必

要性 を感

じない児童 か らは疑 間 の声 が上が った。

iⅣ

1 2つの数量 を割合で判断

13  C2 何倍:つてい う風 に考 えてみたか ら

,私

は 「50÷20=2.5」 ,「72÷ 30=2.4」,

2.5倍の方 が よく伸 び ることになるか ら

,私

は青い ゴムが伸 び る と思いま した。

14 T 

ミサ トさんは一何 か言 って くれたね。自分が こ う見たいつてい うのは何 だつたの?

!15 C2 

割合 で…

L。̲.̲.… .… :….̲.…・ ―・ ―・ ¨

A組

にお いて は

,割

合 の考 え方 を

5割

以上 の児童 が納得 して 聞 いて いた。 も し も,「 Ⅲ

‑2 2つ

の数 量 を加減 でそ ろえて判 断」 の意 見 が 出 て きて い なか った ら

,数

の多 い意 見 に流 され

,納

得 しない まま合意形成 させ られ る方 向へ と向 か った と思 われ る。 しか し,「 Ⅲ‑2」 の意 見が 出 るこ とで

,比

例 的推論 を顕在 化 させ

,な

,害

1合で比べ なけれ ばい けないのか を深 く追求す る こ とが で きた。

3.事

後調査 の結 果

伸縮 型(ゴムの伸 び)の 授 業 を行 つた

B組

にお ける事 前・事 後調査 の結果 は, 次頁 の表

45の

通 りで あ る。調査 問題 につ いて は

,第 4章

1節

3項

と同 じ

もので あ る。

B組

にお け る

,児

童 の変容 を検討 す るた めにマ クネ マー検 定 を行 つた ところ,

問題 イ

,問

題 オ にお い て事前調 査 と事後調 査 の間に有 意 な差 が見 られ た。 問題 イ は

,伸

縮型(定員 に対す る希 望者 の割合 )の 問題 で あ る。 問題 の題 材 は こ とな

るが

,問

題 オ と問題 の型 が同 じで,「伸縮型」である。 したが つて

,第

1用法の 学習 においては

,問

題 の題材 よ りも問題 の型 に影響 を受 ける と言 える。

5‑4 B組

事後調査 と検定の結果

問題 の型

事 前 事 後

p値

正答率(人) 正答率(人)

全 体 部 分型(部分 と部分) 41.1(14) 52.9(18) 0.4532

伸縮型 42.8(13) 64.7(22)

酬顆鼈

全 体 部 分 型 76.4(26) 85.3(29) 0.3710

全体部分型(部分と部分) 52.9(18) 58.8(20) 0.7892

伸縮型 23.5(8) 58.8(20)

鰤輔 榊

( )内

,正

答者数

 *p<.05

さ らに

,全

体 部 分 型 の 正 答 率 をみ る と問題 ア

,問

題 工 と も に若 干 の 上 昇 は あ る が 有 意 な差 が あ るま で に は至 っ て い な い。 した が つて

どち らの構 造 の 問題 で 導入す るにせ よ

,構

造 の異 な る問題 があ ることを認識 させ ることが単元 の導入 段階 においては重要 になうて くると思われ る。 また

,構

造 の異 な ることを児童 に認識 させ るために

,図

式化 して場面 を とらえ させ るこ とが重要 になって くる

と思われ る。

本節 にお いて明 らか にな った こ とは

,以

下 の通 りで あ る。

・ ゴム とい う具体物

,テ

ー プ図 に よる半具体物 が あ るた め

,数

対 の比例 関係 を

認識 しやす い。(比例 的推論 を内包 してい る。)

。「伸縮型」 の問題 は

,文

脈 の影響 を受 けに くく

,転

移 しやす い。

‐100‐

第 6節   実践授業の考察

1.割 合以外によるくらべ方と割合によるくらべ方の使い分けについて

問題 の型 の異 な る

2つ

の授 業 を行 つた結果 として

,児

童 が割合 以外 に よる く らべ方 と割 合 に よる く らべ方 の使 い分 けにつ いて どの よ うに変容 があ つた か, 実態調 査(Ⅱ )の 問題 ウを も とにま とめた ものが

,表 5‑5で

あ る。

 1年

生の児童数 は

,30人

, 5人欠席 しま した。6年生の児童数 は

,30人

6人欠 席 しま した。 どち らの学年が欠席 した人が多い と言えますか。(第 1用 法

,P<1,比

)

表5‑5  割合以外によるくらべ方と割合によるくらべ方の使い分け

割合以外 割 合 無答 ヽ

A事前 36.4%(12) 60.6%(20)

3%

A事後

36.4%(12)

0%

(0)

B事前 50.0%(17) 38.2%(13) 23.5%(4) B事後

愧魃 ‖ 躙

I 38.2%(13)

2.9%(1)

 A組

,全

体部分型衝 球の順位)の授業

,B組

,

伸縮型(ゴムの伸び)の授業を行つた。

問題 ウにおいて

,く

らべ る視点の 「Ⅲ

‑1 1つ

の数量で判断(一方 の量がそ ろ

つてい る)」 で解答 した児童 の割合 は

,A組

,事

前調査が

36.4%で ,事

後調査 では

,63.6%に

なつた。

B組

,事

前調査が

50.0%で ,事

後調査 が

58.8%で

あ った。 この結果か ら

,全

体部分型(野球の順位)の授業 を行 った

A組

の方が,害1

合以外の くらべ方 と割合 によるくらべ方 の使 い分 けについては大 き く変容 を促 した ことになる。

それでは

,全

体部分型(野球 の順位)の授業 と伸縮型(ゴムの伸 び)の授業では 何が異なっていたのかを考察す ることにす る。

全体部分型(野球 の順位)の授業 においては

,割

合以外 によつて くらべ られ る 場合 と割合 によつて くらべ られ る場合 は どんな場合 なのかが話合 いの中心 とな った。 したがつて,「勝 ち数」,「負 け数」,「試合数」のいずれかがそ ろつていれ ば「Ⅲ

‑1 1つ

の数量で判断(一方 の量がそ ろつてい る)」 を用いて くらべ ること

がで き るが

,そ

ろってい ない場合 には

,割

合 を用いて くらべ る必 要 が あるこ と を話 し合 うこ ととな った。そ のた め

,A組

にお いては

,事

前調 査 か らす ると

,大

幅 に差 で解答す る児童 が増 えた と言 え る。

一方

,伸

縮型(ゴムの伸 び)の 授業 において は

,ま

ず ,「 よ く伸 び る とは どの よ うな こ とか」 が疑 間 とな り

,伸

び た分 の長 さで比べ るのか

,伸

びた害1合で く ら べ るのか を議論 した。 さらに

,加

法方 略 と割 合 の考 えで どち らが良い のか とい

うこ とに議論 が展 開 してい つた。 そ の 中で

,比

例的推 論 の顕在 化 が な され

,比

例 関係 を用 い てそ ろえ る

,割

合 の考 えや

,公

倍 数 の考 えが適 切 で あ る こ とは意 識 づ け られ た。 しか し

,害

J合以外 で く らべ る よさを十 分考 え るまで に は至 らな

か った。

また

,害

J合以外 に よ る くらべ方 と割 合 に よ る くらべ方 の吟 味 の視 点 か らす る と

,基

準量 が 同 じ場 合 や 異 な る場 合 な どた く さんの数 対 の関係 を く らべ よ うと す るこ とは

,基

準 量 がそ ろつてい ない こ とヘ ロを向 け るきつか けに な ってい る

よ うに思 われ る。

上記 の考察 を踏 ま え

,全

体部 分型 の授 業 で行 える こ とと

,伸

縮型 の授業 で行 える こ とを次項 以降 にて述 べ る こ ととす る。

2.問

題 の型 の違 いに よる児童 が数量 を くらべ る視 点の違 い

問題 の型 の違 いが

,授

業 にお け る児童 の視 点 に どの よ うに影 響 してい るか は,

5‑6の

通 りで あ る。

56 

問題 の型 と割合学習 において児童 が数量 を くらべ る視点 問題 の型 授業 において児童 か ら出 され た くらべ る視点 全体部分型

I‑2 1つ

の数量 だけで判断

2 2つ

の数量 を加減 でそろえて判断

  

割合で判 断

伸縮型 Ⅱ

  2つ

の数 量 の差 で半J断

‑2 2つ

の数 量 を加減 でそろえて判断

  

割合で判 断

共 通

I‑1 

分布 で判断

‑1 1つ

の数量 で判 断(一方 の量 がそ ろ つてい る)

‑3 2つ

の数量 を乗除 でそろえて判断 (公倍数)

102・

実施 した授 業 におい て,「全体部分型 」で は,「

I‑2 1つ

の数 量 だ けで判 断」,

「Ⅲ

‑2 2つ

の数 量 を加減 でそ ろえて判 断」,「 Ⅳ

 

割合 で判 断 」 が く らべ る視 点 と して 出た。「イ申縮型 」 で は,「 Ⅱ

 2つ

の数 量 の差 で判 断 」,「 Ⅲ

2 2つ

の 数量 を加減 でそ ろえて判 断」「Ⅳ ‐

害J合で判断 」の視 点 が出た。共通 と して挙 げ てい る 「

I‑1 

分布 で判 断」 と 「Ⅲ

‑1 1つ

の数量で判 断(一方 の量 がそ ろつて い る)」 「Ⅲ

‑2 2つ

の数量 を乗 除 で そ ろえて判 断 (公倍 数)」 につ い ては

,扱

う数値や課題 の提示 の仕 方 に よ り影響 を受 け る と考 え られ る。

3.「 伸縮 型 」 と「全体部分 型 」の授 業の特徴

「伸縮型」 と 「全体部分型 」 の授業 には

,そ

れぞれ 次 の よ うな特 徴 があ る と 思 われ る。

「伸縮型 」(ゴムの伸 び)

 

比例 的推論 を内包 し

,比

例 関係 を意識 して比べ よ うとす る こ とが で きる。

 

帯 小数 で導入 す る こ とがで き

,害

1合の適 用範囲へ の認識 を拡 張す るこ とが で き る。

 

「○倍 」 とい う児童 の持 つてい る倍概念 に近い数値 を扱 うこ とがで きる。

 

元 の ゴムが あ るこ とで

,基

準量 を1とみ ることへ の意識 付 けが しやす い。

 

課 題 を量 と して捉 えやす い6

「全体部分型」(野球 の成績)

0 1つ

の数 量 で判 断す る視 点 が出 る こ とで,害1合以外 に よつて くらべ る場合 に つ いて考 え を深 め るこ とがで きる。

 

部 分 と全 体 の文脈 であれ ば

,全

体 が何 で あ るか同定 しや す い。

○   半分より多い ,少 ないといつた感覚で比べることができる。

○   図式化 した場合 ,関 係をとらえやすい。

害1合の問題 には

,大

き く

3つ

の構 造 が あ る と考 え

,そ

の中で も大部 分 を占め る

「伸縮型 」 と 「全体部 分型 」 に絞 つて授業 を計画 。実施 して きたが

,そ

れ ぞれ に特徴 が あ る。 また,「 伸縮型 」、だけ を学習 したので は:害1合 を捉 え る ことは不 十分 で あ り

,反

対 に 「全体部 分型 」 だ けを学 習 して も不十 分 で あ る。 この こ と につ い て は

,各

教科書 にお いて も

どち らか

=方

の問題 の型 で導入 を行 つた後 す ぐに他 方 の問題 の型 を学習す る こ とか らも言 える。しか し

,授

業実 践 を行 い, 児童 の授 業 で の様 子

,実

態調 査 の結 果 等 を分析 す る中で

,割

合 学習 とい う児 童 に とつて捉 え る こ とが難 しい 関係概 念 を視 覚 的 に捉 えやす く

,比

例 的推論 が 内 包 してい る伸縮型(ゴムの伸 び)で 導入 す る方 が よいの ではないか と考 える。

ドキュメント内 算数科における割合の概念形成に関する研究 (ページ 101-110)