ひろし X O③ C XXOOXф
第 2節 問題を分析する視点
本節 にお い て は
,教
科 書 で扱 われ てい る全 て の問題 を分析 し,導
入題 に適切 な問題 につ い て検討 す る。 分析 の視 点 を 「問題 の型 」,「 題材 」,「 式 の構 造(比 の3用法)」 と した。問題 の型 につ い て は
,岡
田 (2008)を も とに,表 2‑8の
よ うに3つ
に分類す る もので あ る。 以 下 で例 を挙 げて述べ る。「全体部分型」 とは
,く
らべ る量 が も とにす る量 の一部 となってい るもので, 以下の よ うな問題 の ことである。表
2‑8
問題 の型問題 の型 説 明 例
全体部分型 くらべ る量 が も とにす る量の一部 となつて い る。
シュー トの成績 畑に占める花壇の面積
対比型 異 な る もの に属す る
2量
の関係 を扱 つてい る。テープの長 さの倍関係 学級 にお ける男女
伸縮型 ひ とつ の量 自体 が時間変化 に ともな つて変 化 す る。
ゴムの伸 び 値段 の変化
定員 に対す る希望者
バスケ ッ トボール の試合 を しま でのシュー トの記録 です。 シュー
した。 下 の表 は
,か
ず お さん た ちの,試
合 卜の記録 を,数
で表 して くらべ ま しょ う。かずお OX◎ XOOX◎
みゆき ○ OX× OXOXXO
ひろし XO00XX◎ ф Xф
‐32‐
「対比型」 とは
,異
な るものに属す る2量
の関係 を扱 ってい るもので,以
下 の よ うな問題 のことである。けい子 さんの学級 は
,男
子 が16人 ,女
子が20人
です。 女 子 の人数 をも と に した男子 の人数 の割合 を求 めま しょ う。(C社教 科書,p.87)
「伸縮型」 とは
,一
つ の量 自体が時間変化に ともなつて変化す るもので,以
下 の よ うな問題 の ことである。′
次 に 「題材」 とは
,問
題場 面の ことである。例 えば,伸
縮型 とは,ひ
とつ の量 自体が時間変化 に ともなって変化す るものであるが
,伸
縮型 の題材 は,ゴ
ムの伸びや値段の変化 な どがある。
さらに
,式
の構造(比の3用
法)と は,比
の3用
法 の どれ を用いて問題 を解 く のか とい うことである。表
2‑8を
もとに教科書6社
で取 り扱 われ ている問題 を 「問題 の型」,「題材 」,「式の構造(比の3用法)」 で整理す ると表
2‑9の
通 りとなつた。青 い ゴム と赤 い ゴムが あ ります。 30 cmの 青 い ゴム を引つば る と 75 clllま で 伸 び ま した。40 cmの 赤 い ゴム を引 っぱ る と 96 cmま で伸 び ま した。 青 い ゴム
と赤 い ゴムで は
,
どち らが よ く伸 び た と言 えるで しょ うか。.
【青 い ゴム】
も との長 さ のび た長 さ
【赤いゴム】0 もとの長 さ のびた長 さ
表
2‑9
「割合」で取 り扱 われている問題教科書会社 問題 の型 式 の構造
(比の3用法)
A
社 ドシジボ■クレの試 合 の成1績3本
のテー プ 学級 文庫 の本バ スケ ッ トボール の シュー ト 人数 の割 合
豆腐 のたん ぱ く質 の害1合 バ スケ ッ トの シ ュー ト 新幹線 の乗 車率
世 界 の人 口 ジ ュー スの果汁 か さ
ドー ナ ツの売上 道 の り
重 さ 長 さ
虫歯 の罹患率
セ ー ター の値段 (害1合の増減)
ス ニー カー の定価 (割合 の増減)
盲導犬 の頭数
全体部 分型 対比型 全体部 分型 全 体部 分型 全体部 分型 全体部分型 全体部 分型 伸縮型 伸縮 型 全体部 分型 全 体部 分型 伸縮型 全体部 分型 全 体部 分型 全体部 分型 全体部 分型 伸縮型 伸縮型 伸縮型
第‐1用法 第1用法 第1用法 第 1用法 第 1用法 第 1用法 第 1用法 第
1用
法 第 1用法 第2用
法第
2用
法 第2用
法 第3用
法 第3用
法 第3用
法 第3用
法 第2用
法 第3用
法 第3用
法B
社体験学習の
1希望調
1査花壇 の面積
クラブの希 望調査 運動場 の面積
クラブの定員 人 口
辞典 の代金 手袋 の代金
セ ー ター の代金 (割合 の増減) 本 を借 りた人
伸縮1型
全体部 分型 伸縮型 全体部 分型 伸縮型 全 体部 分型 対比型 伸縮型 全体部 分型 全体部 分型
第■ 用法 第 1用法 第
2用
法 第2用
法 第3用
法 第3用
法 第3用
法 第2用
法 第1用
法第 1用法
C
社バ
│ネケッ ー ー
トボ■ル
│の│シ■■‐ 卜の成績
飛行機 の混み 具合 学級 にお け る人数 バ スの混み具合 電車 の混 み具合
ソフ トボール の打率 ペ ンキを塗 つた害1合
シャツの値 引 き され た金額 花畑 の害1合
全体部1分型 伸縮 型 全体部 分型 伸縮型 伸縮型 全 体部 分型 全体部分型 伸縮型 全 体部 分型
第 1用法 第
1用
法 第 1用法 第 1用法 第1用
法 第1用法 第2用
法第
2用
法 第3用
法‐34‐
D
社 輪投‐げの成績ゴムひ もののば した長 さ 算数 が好 きな人
電 車 の乗 車率 買い物
野球 の試 合 に勝 った
ボ ランテ ィア を した こ とが あ る児童 児童 数
服 の値 段 (割合 の増減)
人 口 値 引 き率
全 体部 分型 伸縮型 全体部分型 伸縮型 全体部 分型 全体部 分型 全体部 分型 伸縮型 伸縮型 伸縮型 伸縮型
第11‐用1捧 第 1用法 第 1用法 第
1用
法 第 1用法 第1用
法 第2用
法 第3用
法第
2用
法 第2用
法 第1用
法E
社バネタ
│ット
.ボー ■ルの
│シ■ .T卜 の
1成績
委員 会 の希望調査
サ ッカー クラブ に入 つてい る割合 ジュー ス に含 まれ る果汁
バ スの乗 車率
必要 なガ ソ リンの量 動物 の体重 の増加 量 牛 乳 の値 段
必要 な 肉の量
マ ジ ックペ ンの値段 (割合 の増減)
全体部分 型 伸縮型 全体部分型 全体部分型 伸縮 型 対比型 伸縮型 伸縮型 全体部 分型 伸縮型
第 1用法 第 1用法 第 1用法 第
2用
法 第2用
法 第2用
法 第3用
法 第3用
法 第3用
法 第2用
法F社 サツー カ
││■│の│シ■
│■│卜│の成績
クラブ の希望調 査
学級 にお け るむ し歯 の あ る人 ハ ンカ チの定価
コン ビニエ ンスス トアの売上 電池 の代金 (消費税)
スーパ ーマー ケ ッ トの来店者数 スーパ ー の売 り上 げ 目標
ぼ うしの代金
お か しの重 さ (増量)
品物 の代金 (割合 の増減)
全体部1分型 伸縮型 全体部 分型 伸縮 型 伸縮 型 伸縮型 伸縮型 伸縮型 伸縮型 伸縮型 伸縮型
第
1用
‐法 第 1用法 第 1用法 第 1用法 第2用
法 第2用
法 第3用
法 第3用
法 第2用
法 第2用
法 第2用
法(1)問
題 の型問題 の型 につ い て は,「 全 体部 分型 」や 「伸 縮 型 」 の問題 の 占め る割 合 が多 く,「 全体部 分型 」 で導入 した場合 には 「伸縮型 」 を,「 伸縮 型 」 で導入 した場 合 には,「 全 体 部 分型 」 を次 時 に学習す る こ とで
,双
方 の構 造 を捉 え させ よ うとす る意 図 が あ る と思 われ る。一 方
,対
比型 の問題 は,あ
ま り扱 われ てい ない。児童 た ちに とつて あま り意 味 の あ る解決 したい課題 で は ない と思 われ る。 例 え ば
,2量
を く らべ る とい つた場合 に,「Aの
辞典 の代 金 は,Bの
辞典 の代金 の何 倍 です か。」 と問 われ,解
決 す る必 要性 の あ る場 面 は想 像 しに く く,「1ダ
ー ス360円
の鉛 筆 と10本
で290円
の鉛筆 は どち らが得 です か。」 と問われ る と1本
あた りを求 め る必 要性 が あ るが
,こ
の よ うな問いは,割
合 の学 習 で は な く,除
法 の学習 にな る。 また,「
Aの
辞 典 の代金 とBの
辞典 の代金 で は,
どち らがい く ら高 い です か。」 と問 われ る と,辞
典 を買お うとす る とき に,値
段 の差 と内容の差 で どち らを選 ば うか と考 え る場 面 が想 像 され る。 この よ うに,「 害1合の考 え」 を用い る必 要性 の ない もの もあ る。 した が って
,何
で も割 合 に よつて く ら 入 ることができるとして しま うと,適
切 に差 と割合 を選択す ることができな く なると思われ る。(2)題
材「割合の考 え」を用いて表 されている事象は
,我
々の生活 の中に多数存在 し てい るので,各
教科書 にお いて さま ざまで あ る。 この こ とは,児
童 に とつて「割合の考え」は身近であると捉 えられ るが
,他
方で は,多
くの事象 が存在す るために,外
延 を提 えに くくしてい る とも言 える。 したがつて,児
童 の 「割合 の考 え」が適用で きる範 囲 (外延)を
豊 かに してい く学習で あ る一般化が重要 になつて くる と思われ る。(3)式
の構造 (比の3用
法)比の
3用
法 の学習順序 は,全
ての教科書において,第 1用
法,第 2用
法,第
3用
法 とな。ってい る。 また,第 1用
法,第 2用
法については,言
葉 の式が明示 され,第 3用
法 については,3社
が明示 され,残
りの3社
は,第 2用
法 をもと に基準量 を□ とおいて,式
変形 によつて求 め るよ うに してい る。 この ことに関しては
,田
中ほか(2002)において,以
下のよ うに述べ られてい る。「かつては
,割
合 の文章題 を解 くのに,右
のよ うな比の三用法 と呼ば れ る3つ
の式 を公式 としてま とめて使わせ ていた。子 どもたちが苦手 にす るとい う事実 な どか ら1つの式で表 しておいて,他
の場合 は式 を変形 して活用す る とい う方法 を とる方が よい と思 われ る。」(p.175)
このよ うに
,3つ
の式 を公式 として児童 にあたえることよ りも1つ
の式に帰着 させ,問
題 文か ら関係 を捉 えることを意識 させ る方 が児童 の負担が軽減 され る と考 え られ る。6社
の教科書 で扱 われている問題 は,「全体部分型」 と「伸縮型」の問題 が多 いが,
どの型 の問題 もバ ランスよく触れ る機会があることが必要であ る。.
‐36‐