命 XOXOIX0
第 3節 実態調査 (I)の 結 果及 び考察―割合学習の導入問題の適正について一
1.実 態調査(1)の 結果
問題
Aの
調 査結果 は,下
の表4‑1の
通 りで あ る。10問全体 で の正 答 率の平均 は,57.8%で
あ った。 正答率 が最 も高 か ったの は,①
の第 1用法 で あ り,低
か ったのは③
,⑤
の第1用
法 の 「部分 と部分」 の文脈 を 「部分 と全 体」 に捉 え直す 問題 で あつた。詳 しくは,次
に述べ る。表
4‑1
実態調査(I)問題Aに関す る結果(3)式の構造 (4)問題 の型 (4)題材 (5)割合 (=P) 正答率
① 第 1用法 全体部分型 く じ P〈 1 89,2%
② 第3用法 伸縮型 人 数 P〉 1
%
50,0%③ 第 1用法 全体部分型 人 数 P〈 1 25.0%
④ 第2用法 伸 縮型 定 員 P〉 1 % 67.9%
⑤ 第1用法 全 体部分型 面 積 P〈 1 25.0%
⑥ 第2用法 伸縮型 買 い物 P〉 1 71,4%
⑦ 第3用法 全体部分型 く じ P〈 1 /1ヽ数 50.0%
③ 第2用法 伸縮型 人 数 P〉 1
%
75.0%⑨ 第3用法 伸縮型 定員 P〉 1 /1ヽ数 67.9%
⑩ 第 1用法 伸縮型 定員 P〉 1 小 数 57.1%
全 体 平 均 57,8%
表
4‑2
実態調査 (I)問 題Bに関す る結果設
問 採 点 基 準 正答率
解 答 68,9%
理 由 式や計算
,言
葉 な どによる説 明があるか。 58.6%総 合 解答 と理 由の双方 が正答 であ る。 55.2%
② 割合 と割合 を比較 す る。 86.2%
(2) サ ッカー のシュー トの うま さについて割合 の
考 え方 を用いてい るか。 48.3%
バ スケ ッ トボール のシュー トの成績 について,
資料 を参考 に割合 の考 え方 を用いてい るか。 55.2%
‐78‐
(1)割
合 以外 に よる くらべ 方 と割合 に よる くらべ 方 の実 態問題
B(2)で
は割合 の考 えを用 い るこ とがで きなか った児童 の うち13.7%が
割合 の考 え方 を用 い て 回答 す る こ とが で きた。 そ の一 方 で
,10.3%の
児童 が害1 合 の考 え方 を用 い るこ とがで きていた に もかかわ らず,問
題B(3)で
は,割
合 の考 えを用 い る代 わ りに,差
に よつて く らべ よ うと した。 また,差
に よつて くらべ よ うと していた児童 が
31%い
た こ とか ら,割合 を学習 した児童 で あつて も, 差 に よる くらべ方 か ら割合 に よる く らべ方へ は課題 が残 る と言 え る。(2)比
の3用
法 における立式の困難性①第1用法
⑩第1用法
⑤第1用法
③第1用法
③第2用法
⑥第2用法
④第2用法
⑨第3用法
⑦第3用法
②第3用法
′
´ ´´′
図
4‑2
実態調査問題A調査結果図
4‑2に
おいて,○
印がついている問題 は 「部分 と部分」 の文脈 で与 え られ た ものである。③,⑤
の正答率 は25.0%と
低 く,上
の①,⑩
も同 じ第1用
法で あるが正答率 に差があ る。 したが つて,文
脈 に関係 な く 「部分 と全体」 に捉 え 直す ことは困難で ある と言 える。図
4‑2に
おいて,①
と⑩ には正答率の差がある。① は 「全体部分型」,⑩
は「伸縮型」 とな り問題 の型 が異 なる。実態調査 を行 つた児童 は,「全体部分型」
の導入題で害J合学習 を始 めてい る。そのため,「伸縮型」の問題 の理解 が不十分 であつた可能性 がある。
□印がついてい る問題 は
,第 2用
法である。「定員」,「品物 の代金」,「人数」とそれぞれ文脈は異なるが ,比 較的安定 して正答率が高かつた。児童にとつて 身近でないと思われた題材⑥においても ,高 い正答率を示 している。④だけ誤 答もしくは ,⑥,③ が誤答 とい う児童が 5割 いることから ,④ ,⑥,③ が同じ
第 2用 法であることに気づけてお らず ,式 の構造― を提えるために図式化 して考 えさせる必要
'性がある。
○印
(点線
)がついている問題は
,第3用 法である。 「人数」
(③)と「くじ」
(⑦)の問題は正答率が等 しかつた。最も正答率が高かつたのは 「定員」
(⑨)を求め る問題であつた。
(3)児
童 に とつて,問
題場 面 を提 えやす い文脈 表4‑3
問題 の型 と比 の3用法第1用法 第2用法 第 3用 法
く じ ① 89。
2%
⑦50.0%
人 数 ③
75.0%
②50.0%
定 員 ⑩ 57.1% ④
67.9%
⑨67.9%
面 積
買い物 ⑥
71.4%
表
4‑3を
横 に見 る と,「くじ」 に関す る問題や 「人数」 に関す る問題 は,そ
の正答 にば らつ きがみ られ る。その一方で,「定員」 に関す る問題 は
,用
法 に関係 な く比較的安定 してい る と思われ る。つま り:
どの用法 を学習す る上 で も,児
童 に とつて理解 しやす い文脈 であ る と思われ る。 しか し
,今
回の調査 では,数
の与 え方 を統一 していない部分があ り
,十
分 に明 らかになった とは言 えない。0 百分率の理解の実態
表 4‑3の 結果をさらに 「百分率」 と「小数」の観点で見ていくと ,② ,④ は 百分率 ,⑥ ,③,⑨ は ,小 数になっている。これ らの結果から ,若 干ではある が ,100%を 超える文脈においては ,小 数で表記されている方が ,児 童にとつて 場面を提えやすいと言える。
・ 80‐
(5)割
合 の活用調査結果 につ いて は
,表 4‑2の
通 りであ る。問題B(1)①
の誤 答理 由 として 最 も多 か ったの は,東
小 学校,西
小学校 どち らも 「25%と
割 合 が 同 じ」で あ る ので,件
数 も同 じで あ る と答 えた ものだった6こ
れ は,百
分率 が何 を 100と 考 えてい るか理解 が不 十 分 で あ る と考 え られ る。 また,正
答 して い る場 合 で も,比較 量 を求 めて か ら回答 してい る場合 が多 く
,同
じ割 合 で あれ ば,基
準量 を く らべ るだ けで よい こ とを理解 してい る児童 は,17.2%で
あつた。 問題B(1)②
の よ うに
,割
合 と割合 を比較 す る問題 では,66.6%の
児 童 が,害
1合■割合 で,何倍 か を求 めていた。 しか し
,問
題B(1)①
の結果 を含 めて,考
察す る と,害
1合 を量 として捉 えてい るか ど,う か を判 断す る こ とは難 しい と言 える。
資 料 等 を与 えず に
,サ
ッカ ー の シ ュー トの うま さにつ い て尋 ね て み る と,48.8%の
児童 は,自 分 の主観 的 な規 準 として,言
葉や数,表
を用 いて回答 した。48.3%の
児童 は,割
合 の考 えを用 いて,言
葉 や式,表
等 を用 いて回答 した。<主
観 的な基準による解答例>
・表 を書いて説明 しよ うとし
,差
で くらべている(差の考 え)・シュー トの蹴 り方が うまい人
・ゴールまでの距離 を計算 して うてる(能力)
。ボこル を取 られずにシュー トをす ること(技能)
。みんなにパスを回 しなが ら
,ゴ
ール前にきてそ こか らうつ(能力)。パスを出すのが うまい人(全般 の技能)
。蹴 る力が3会い(能力)
また,「 た くさん点 を取 る (シュー トを決 めた数 (部分 に着 日))」 とい う回答 を した児童 が数名 いた。 これ らの児童 は
,サ
ッカー を習 らてお り,サ
ッカー において は,害J合 の考 えで シュー トの うま さを くらべ るのでは な く,「 何 点取 つた か(比較 量)」 で くらべ る こ とを知 ってい るか らであ る。 この よ うに
,シ
ュー ト の うま さは,必
ず しも害1合に よつて くらべ るわ けで は な く各 種 目の領 域 固有性 があ る もので あ る。2.調
査結果の考察一割合学習の導入題材の適正について一
問題
A,Bの
実態調査 の結果か ら考察 され ることは以下の通 りである。① 第
2用法は ,文 脈に関係なく ,正 答率は安定している。
② 「定員」を用いた問題は ,用 法に関係なく比較的安定している。
③ 百分率が何を
100として表 されているか理解が不十分である。
④
l割合の学習後においても ,割 合以外によつてくらべようとする傾向にあ る児童が 3割 程度存在する。
⑤ 割合の考えを適切に用いることに困難性がある。
上記 の うち①
,③ ,④ ,⑤
につい て はず先行研究 で既 に述 べ られ て い るこ と と重複 す るが,②
につ いては,今
回新 た に見出せ た内容 にな る。したが って,「 定員 」(伸縮型 )を 用 いた問題 を中心 に学習 してい くこ とで
,児
童 の理解 を促 す こ とに繋 が つてい くので はないか と考 える。
また
,⑤
よ り,教
科書 に則 つた害J合の導入 において,割
合 以外 に よ って く ら べ ることと割合 によつて くらべ るこ とのよさを十分吟 味せず に,割
合 に よつて くらべ るこ とへ と方 向付 けを して しま う可能性 がある。 す る と,割
合 の学習 を してい る時 には,割
合 の考 えを使 うこ とはで きて も,「 くらべ る」場 面 にお い て 割合 以外 に よる く らべ 方 と割合 に よる くらべ方 を使 い分 け る こ とが難 しいた め, 割合以外 に よつて く らべ て しま う傾 向 にあ るのではないか と考 える。したが つて
,割
合 以外 に よる くらべ方 と割合 による くらべ方 の よ さを十分 に 吟味す る学習 をす るべ きではないか と考 える。本節 にお いて明 らか になつた こ とは
,以
下の通 りで あ る。。第
2用
法 は,「 定員 」,「品物 の代金 」,「人数 」 とそれ ぞれ題 材 は異 な るが,比
較 的安 定 して正答 率 が高 か った。
、
。「定員 」 に関す る問題 は
,用
法 に関係 な く比較 的安 定 してい る。。若干 ではあ るが
,100%を
超 え る文脈 におい ては,小
数 で表 記 され て い る方 が, 児童 に とつて場 面 を提 えやす い。。百分率が何 を100と 考 えてい るか につ いて理解 が不十分 で あ る。
・割合 を既習 の児童 で あつて も
,割
合 以外 に よる くらべ方 か ら割合 に よる く ら べ方へ は課題 が残 る。‐82‐