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本時の課題

ドキュメント内 算数科における割合の概念形成に関する研究 (ページ 125-132)

(3)第 12時

③   本時の課題

<問

題 文

>

下 の表 は

,あ

る月 までのプ ロ野球 の試 合 の結果 です。どのチ ー ムが

1番

成績 が よいで しょ つか。

 

本 時の指導

本 時 は

,本

単元 の終末 に位 置す る。 本 単元 で は

,導

入 時 にお い て

,割

合 以外 に よる く らべ方 と割合 に よる く らべ方 が ある こ とか ら,「 そ ろ えて く らべ る」 こ とを意識 させ て い く。 しか し

,単

元 が進 む につれ て

,子

どもの意識 は

,比

3

用法 を用 いて比較 量

,基

準量

,割

合 を求 め る こ とに向か う。 そ こで

,本

時 は,

6チ

ー ムの成績 を く らべ るこ とを通 して

,割

合 の考 えの よ さ を再認 識 し

,必

要 に応 じて使 い分 け をす る こ とが で き る よ うに したい。 試 合 数 が 同 じで あれ ば,

「勝 ち数」等 の 1つの量 で くらべ るこ とがで き

,試

合数 が半数 以下で あれ ば

,1

位 にはまず な らない等

2チ

ー ムを く らべ るには

,様

々 な方法 が あ る。 しか し

,6

チー ム を一度 に くらべ る ことがで きるのは

,割

合 であ る。また

,6チ

ー ムを一度 に くらべ よ うとす る と

,試

合数 (基準量

)が

そ ろつて いない こ とに意 識 を向 け るこ とが で き る。 また

,関

連 して

,個

人 の成 績 につ い て触 れ る こ とで

,必

ず し も

,割

合 だけで成績 を表 してい るわ けで はな く,「ホー ムラン王」 の よ うに

,割

合 ではな く

,1つ

の量 のみ で表す もの もあ る こ とを知 り

,な

,そ

の よ うに表 す

のか もつ と調 べ てみ たい と思 わせ

,意

欲 を高 め るこ とがで き る よ うにす る。

「勝ち数」,「負 け数」

「勝 ち数― 負 け数」

「分数表示表略」

「割合」

中 日 ドラゴンズ

横浜De NAベイス ターズ 広 島東洋 カープ

読売 ジャイア ンツ

阪神 タイ ガー ス

⑤   本時の展開

主 な 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点

本時 の課題 をつかむ。

 

順位 を予想す る

。 勝利数が1番多いのは読売だ。

 

プ ロ野球チー ムの順位 を決 めるために, どの よ うな情報 が必要 か話 し合 り。

・ 負 けの数 もあつた方 がいいのでは。

。 全部 で何試合 したのかな。

・ 引き分 けは ど うす るの ?

課題 を解決 し

,交

流す る。

・勝利数 が多いか ら

,読

売 が1番だな。

。「勝利数 ―敗北数」をす る と

,読

売 と中 日

が同 じになつて困 るな。

・敗北数 に注 目す ると中 国が1番だな。

。試合数が違 うか ら

,そ

ろえるこ とはで きな いかな。

割 合 以外 に よつて く らべ る よ さと割 合 に よつて くらべ るよさを話 し合 う。

・試合数がそろつていれ ば

,差

に よつて くら

べ るのが簡単だ。

      

。で も

,そ

ろっていないチー ムが あるか ら,

一度 に6チー ム くらべ るな ら割合がよい。

本時 で学習 した こ とを ノー トにま とめ る。

野球 の個人成績 の例 を提示 し,成績 の表 し方 は多様 にあ り,必要 に応 じて使 い分 け が され てい る ことに気 づかせ る。

0 6チ

ームの勝利数 を提示 し,順位 を予 想 させ る。

○ 勝利数以外 に必要 な情報 が ないかを 考 え させ,多様 な く らべ方 が 出やすい よ

うに させ る。

○ 敗北数 も提示す る こ とで,「部分 と部 分」の文脈 を「部分 と全体」で捉 え直す 必要性 を認識 させ る。

 

自分 の解 答 の根拠 を明 らか に して,考 えを説明 させ る。

○ ペ ア学習 を取 り入 れ,自分 の考 えの よ さ,友だちの考 えの よさを認識 させ,一 般化 を図 りやす い よ うに させ る。

 

計算 は

,電

卓 を使 用 させ る。

 

基準量が異 なってい るこ とに注 目さ せ

,全

体 をま とめて くらべ る場合には,

割合 の方 が良い こ とに気づ かせ る。

※割 合以外 と割合 に よ る考 え を適 用す る 場 面の違 い を理解す ることが できたか。

 

割合 に よつて くらべた方 が よい場合 と割合 に よつて くらべた方 が よい場合 を整理 して,自分 の言葉 で ノー トにま と め させ るこ とで,割合 の適用場 面につ い ての理解 を深 め させ る。

 

成績 の表 し方 の多様性 に気 づかせ,な,その よ うに して くらべ るのか関心 を 高 め させ る。

どの チームが

1番

か な

?

‐122‐

終章   本研究のま とめ と今後の課題

本研 究 の 目的 は,① 先行研 究 をふ ま えて割合 学習 の困難性 とそ の改善策 を考 察 す るこ と

,②

考 察 した 困難性 とその改善策 を も とに

,割

合 学習 の概 念 形成 を促 す授 業 の在 り方 を考察す るこ とであ つた。 これ をふ ま えて

,本

節 では

,第 1章

か ら第

6章

までのそれ ぞれ の内容 をま とめ

,次

に全体 的 なま とめをす る。

1節  

本 研 究 の ま とめ

1:各

章のま とめ

1章

では

,害

J合学習の困難性 について先行研究 を概観 し

,本

研 究 の問題意 識 を明 らかに した。

1節

では

,割

合指導の変遷 について学習指導要領等 をもとに概観 した。 も とは

,歩

合算 として扱 われていた ものが

,割

合 と歩合算 が同義 とな り

,さ

らに 異表現 としての百分率 が導入 され て

,現

在の指導内容 が構成 されて きた と言 え

る。 また,「割合」の捉 え方 について

,以

下の よ うに述 べた。

害1合

Pを

用 いて

2組

以上 の数 量 関係 を比較す るた めに

,2つ

の数 または

,同

種 の

量 の

A,Bに

つ いて

,Aが Bの

可倍 で あ るか を表 した数

Pを ,Aの Bに

対す る

1合とい う。」

2節

では,害J合学習 の困難性 と しては

,先

行研 究 を も とに

,①

割 合 の概 念 形成

,②

1合に よる く らべ方 と割合 に よる く らべ方

,③

比較 量 と基準 量 の同定,

④ 同種 の量 と異種 の量 の接続

,⑤

児童 の割合 の見方

,⑥

割合 の活用 の

6つ

に分 類 した。

3節

で は

,第 2節

で明 らか とな つた割合 学習 の困難性 に対す る改 善策 につ いて概観 した。 先行研 究 にお け る改善策 の多 くは

,③

比較 量 と基準 量 の同定 に 関す るものが多 か った。

4節

では

,本

章 において概観 して きた先行研 究 を踏 ま え割合学 習 の課題 に ついて述 べ た。 また

,本

研 究 は

,割

合学 習 の導入 にお いて

,害

1合に よ る くらべ 方 を理解 す る過 程 に焦 点化 し割合 の概 念形成 を促す授 業 づ く りを考 察 す る こ と

に した。

2章

で は

,割

合 について,「 害1合学習 にお いて児 童 が数 量 を く らべ る視 点」

や 「問題 の型 」 な どの分析 の基 準 を示 し教材研 究 を行 つた。

1節

で は,「 割合 学習 にお いて児童 が数 量 を くらべ る視 点 」 を示 し

,以

降 に

お ける教材 の分析 の基 準 とした。

2節

では

,問

題 を分析す る視 点 として

,岡

田 (2008)を も とに,「 問題 の型 」 を用 い るこ とに した。それ らを も とに,各教科書会社 で扱 われ て い る題 材 を,「問 題 の型 」,「 式 の構造(比の3用)」 を表

2‑7に

整理 した。

さらに

,第 3節

にお いて,「 単位 量 当た りの大 き さ」,「害1合」 の導 入題材 につ いて分析 した。 その結 果 か ら,「 問題 の型 」,「 扱 う量」,「 比例 的推論 」,「 害1合,

「扱 う数 値」 を視 点 と して

,第 6学

年 を対象 とした割 合 学習 の題材 を伸縮型(ゴ ムの伸 び)と全 体部分型(野球 の順位 )の

2つ

を選択 した。

3章

で は

,概

念形成 につ いての先行研 究 を概観 し

,そ

の課題 を考 察 した。

1節

で は

,認

識論 の視 点 か ら概 念形成 を促す手法 として

,構

成 的 アプ ロー チ を用 い た指導 法 を も とに多 くの問題 解決型 の授業 が提 起 され てい る。多様 な 考 え方 を社 会 的相 互 作用 を通 して練 り上 げ るには

,新

た な認 知 的不 協 和 が児 童 を混乱 させ る可能性 が あ り

,そ

の後 の学習 に対 す る教 師 の見通 しが重 要 にな る こ とを金 本

(1998),江

(2012),古

藤 (1998)の 提起 してい る こ とを も とに述 ベ た。

2節

では

,各

教科 にお け るアー ギ ュメ ン ト

,ア

ァ ギュメ ンテー シ ョンの先 行研 究 を概観 した。社 会科 にお け る リヴォイ シングを用 いた指 導法 や 理科 にお け るル ー ブ リックを用 いた評 価 方法 は

,学

級 の児童 の実態 に応 じて補 ってい く もので あ り

,1単

位 時 間 を通 してのアー ギ ュメ ンテ

=シ

ョン を行 って い る磯 田 (2009)に お け る先 行研 究 を も とに割合 の概 念 形 成 の可 能性 を検討 す る ことに し た。

3節

では

,儀

田 (2009)の アー ギ ュメンテー シ ョン研 究 か ら

,他

者 の考 え を 角翠釈 し, よ さに 目を向 けてい くこ とが概念 形成 を促 す こ とに影 響 を与 えてい く

こ とを述 べた。

4章

では

,割

合概 念の形成 に関す る実態調査 を

,害

J合学習 を終 えた第

6学

年児童 を対象 に行 つた。

1節

では

,実

態調 査 の結果 について以下 の よ うに述べ た。 第

1用

法 にお い

124‐

ては

,文

脈 に関係 な く問題 の型 が影響 を してい る と言 え る。ま た

,第 2用

法 は,

題材 に関係 な く

:比

較 的安 定 してい た。伸縮 型(定員 )の 問題 は用法 に関係 な く 比較 的安 定 してお り

,そ

の要 因 として,「基準 量」が同定 しや す い こ とが考 え ら れ る。 百分率 につ いて は

,基

準量 を

100と

み てい る こ とへ の理解 が不 十分 で あ った。

割合 以外 に よる く らべ方 か ら割合 に よる く らべ方へ の概 念 拡 張 につ いては, 割合 学習 を終 えた段 階 の児童 で あつて も一 定数割合 以外 で く らべ る児 童 がい る

こ とか ら

,導

入課題 を工夫 し

,割

合 以外 の く らべ方 の整理 をす るこ とで

,適

切 に割合 の考 えを用 い る こ とがで きる よ うにす る必要 が あ る。

5章

では

,割

合学習 を終 えた児童 に対す る実態調 査 の結果 か ら

,導

入 にお け

る割 合 以外 に よる く らべ方 と割合 に よる くらべ方 の吟 味 を十 分 に行 う必要性 を 感 じ

,学

び直 しの意 味 で

,第 6学

年 を対象 とす る授 業 実践 を計 画・実施 した。

1節

では

,第 2章

にお け る教材研 究 と第

4章

にお ける実態調査(I′)の 結果 をふ ま えて

,次

2っ

の 目的 で授 業 を計画 した。①割 合以外 に よる く らべ方 と 割合 に よる く らべ方 を吟 味す る授 業 を通 して

,割

合 の概 念形 成 を促 す授業 の在

り方 を検討 す る。② 問題 の型 の異 な る授 業 を行 うこ とで

,割

合 学習 において児

童 が数 量 を くらべ る視 点 に どの よ うな違 いが表れ るの か明 らか にす る。そ こで, これ ま で児童 が学習 した こ とのない題 材 を扱 うた めに

,伸

縮 型 (ゴム の伸び)と 全体部分型(野球 の順位 )を 選択 した。

5節

で は

,そ

れ ぞれ の授 業実践 を通 して明 らか に なつた こ とは以 下の よ う に述べ た。

「伸縮型」(ゴムの伸 び)

 

比例 的推論 を内包 し

,比

例 関係 を意識 して比べ よ うとす る こ とが で きる。

 

帯小数 で導 入す る こ とがで き

,割

合 の適 用範 囲へ の認識 を拡 張す ることが で き る。

 

「○倍」 とい う子 ども達 の持 つてい る倍概念 に近 い数値 を扱 うこ とがで き る。

 

元 の ゴムが あ るこ とで

,基

準量 を1とみ る ことへ の意識付 けが しやすい。

 

課 題 を量 と して捉 えやす い。

ドキュメント内 算数科における割合の概念形成に関する研究 (ページ 125-132)