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非接触ICインタフェースの特性とモバイル電子決済への適用

ドキュメント内 Public Key Infrastruc (ページ 81-87)

5.6.1 標準化の動き

非接触ICカードを例に検討するに当たっても、どの仕様を前提にするかで大きく変わ ってくる。下の表は、近接型非接触ICカードの国際仕様である ISO14443 の特性である。

タイプA、Bは標準化作業が終わっており、タイプCに関しては審議中止となった。既にJ R東日本や香港など、本格的な導入がなされており、高速処理という面では、各国から評 価を得られ始めており、ISOメンバー国からの提案でタイプAの高速処理モードを旧タ イプC仕様で適合させようとの動きも出てきている。もしこの提案が本格審議されれば 2002年度中に国際標準化仕様として認められる可能性も出てきている。

いずれにしても携帯電話等のモバイル端末に非接触ICインタフェースを搭載する検討 を行う上では、この旧タイプCが非接触ICカード・リーダ/ライタ間通信が可能なこと から、重要なキーワードになる。

 

方式 概要 メリット デメリット 備考

非接触IC チップ搭載

非接触ICカードのコ アモジュールを携帯電 話に内蔵し、アンテナ は、携帯電話筐体外面 部分等に形成。

非接触ICのコア モジュールは、数 ミリ角なので、内 蔵は比較的容易。

非接触ICの仕様は 複数あり、どのタイ プに絞り込むか、生 産ラインで内蔵する 形になるのでリスク はある。

携帯電話から決済データを送受 信するパターンは「非接触IC チップ内蔵携帯電話⇔リーダ/

ライタ」となり、携帯電話と外部 の非接触ICカード等と連動し た活用はできない。

デュアル・

インター フェース ICチップ 搭載

非接触ICカードと接 触ICカードのデュア ル・インタフェースの ICチップを携帯電話 に装着できる形で、ア ンテナは、携帯電話筐 体外面部分等に形成。

デュアル・インタ フェースのIC チップは、今後、

各社から出てくる ものと思われ、海 外でも搭載の動き が出てきている。

デュアル・インタ フェースのICチッ プでUIM的に利用 できるチップは、消 費電力等の面からも 時間がかかるものと 思われる。

携帯電話から決済データを送受 信するパターンは「非接触IC チップ内蔵携帯電話⇔リーダ/

ライタ」となり、携帯電話と外部 の非接触ICカード等と連動し た活用はできない。

非接触IC カード・

リーダライ タ搭載

非接触ICカードの リーダ/ライタを超小 型モジュール化し、ア ンテナはモジュール一 体化、もしくは携帯電 話筐体外面部分等に形 成。

携帯電話にリーダ

/ライタを搭載し た場合、送受信先 がリーダ/ライタ でも、非接触IC チップ内蔵各種媒 体であってもデー タの送受信が可能 (タイプによる)。

携帯電話に搭載でき るリーダ/ライタを 供給できるメーカー が、現時点では限ら れるので、オープン 化がなされなければ 難しい。

携帯電話から決済データを送受 信するパターンは「非接触IC・

リーダ/ライタ内蔵携帯電話⇔

非接触IC・リーダ/ライタ内 蔵決済端末および接触ICチッ プ内蔵各種媒体」が可能となり、

様々なアプリケーションの実現 できる。

表 5-6 非接触ICカード ISO14443の仕様別特性

 

前頁でも示したように、非接触ICインタフェースを携帯電話に搭載するパターンは、

大きく分けると、非接触ICチップを搭載するパターンと、非接触ICリーダ/ライタ・

モジュールを搭載するパターンに分けられる。この違いは、2点ある。1つは、携帯電話に 非接触ICリーダ/ライタ・モジュールが搭載された場合、送受信する相手方がリーダ/

ライタ搭載端末であっても、非接触ICチップ搭載端末であっても、データの送受信が可 能なことである。もう 1 つは、単体では電源を有しない超薄型化した非接触ICチップを 紙、プラスチックなど様々な媒体に貼り付けもしくは透き込むことにより、そのアプリケ ーションはローカル&ネットワーク連動型モバイル電子決済の図でも示したように無限大 に広がることである。

このことは、他のローカル・ワイヤレス・インタフェースとは大きな違いであり、ユビ キタス社会において、例えば、携帯電話を使ったパーソナル・ナビゲーションであれば数 センチ以内の誤差で位置確認が可能となり、携帯電話と非接触ICカードとを組み合わせ た、よりセキュアな電子決済も実現可能となる。

5.6.2 カードと携帯電話との連動 

携帯電話などのモバイル端末とカードは、単独で活用したり、連動して活用したりする ことにより、各々の特性を活かした活用が可能となる、そこで各々のメリット、デメリッ トの比較を下の表で行った。

日本提案 Type A Type B Type C(旧)

キャリア周波数(fc)

変調度 100% 10% 10%

変調方式

符号化方式 Modified Mirror NRZ-L Manchester サブキャリア(fs=fc/16) 847kHz 847kHz なし

変調方式 論理値で負荷変調

変調度(振幅)

符号化方式 Manchester NRZ-L(BPSK) Manchester 初期通信速度 106kbit/s 106kbit/s* 212kbit/s 通信速度の変更

212k,424k,847k bit/s可(改訂提 案)

212k,414kbit/s 可

212k,414k〜

6.7Mbit/s可 カードからリー

ダへの通信 キャリアの周波数で負荷変調

30/H^1.2 mVp-p ISO/IEC14443-2に規定 リーダからカー

ドへの通信

13.56MHz±7kHz ASK

表 5-7 カードと携帯電話単独および連動

                     

 

   

図 5-8 カードと携帯電話の連動イメージ

概要 メリット デメリット 備考

カード クレジットカードや キャッシュカードは、

2002年から2003年にかけ て接触型ICカード化が 本格化、運輸・交通およ び公共系は非接触IC カードでの導入が本格 化。

カードは薄型で手に馴染む 大きさなので利用しやす く、電子決済の多くは、

カードをツールとして利用 されている。財布の中に複 数枚保持して使い分けもし やすい。既に標準化がなさ れている。

利用履歴等を確認するに は、表面に印字するか、

ビューア的な端末が必要に なる。また、電子マネー的 な決済の場合、入金機など に装着してバリューをリ ロードしなければならず、

面倒である。

ICカードは接触型から非 接触型へ移行するものと思 われるが、財布内に複数の 非接触ICカードを保持す ると、正常に作動しない ケースも想定され、相乗り などが加速する可能性もあ る。

携帯電話 次世代携帯電話のスター トに伴い、加入者識別I Dの登録を基本機能とし たICカードベースのU IMが搭載されはじめ、

日常店舗での電子決済を 実現するためローカル・

ワイヤレス・インタ フェースの搭載が具体化 し始める。

携帯電話等のモバイル端末 にローカル・ワイヤレス・

インタフェースを内蔵させ た場合、端末単体でネット ワーク決済と店頭などにお けるローカル決済にも対応 でき、利用履歴、残高等も 目視できる。

バッテリーが無くなると使 えないケースもある。電波 を受けやすく、着信にすぐ 対応できるよう、胸ポケッ ト等に入れているケースも 多く、紛失する機会も増え る。

携帯電話へのローカル・ワ イヤレス・インタフェース 搭載が進展する上で、主た る利用は決済であるので標 準化が不可欠。例えば非接 触ICカード・インタ フェースを前提とした場合 でも、幾つかのタイプが存 在するので、早期の調整が 求められる。

カード&

携帯電話連動

携帯電話に接触型IC カードを装着して決済等 に活用する事例は海外で はある。  日本では今 のところ導入の予定がな いが、非接触ICカー ド・リーダライタが携帯 電話に搭載された場合 は、非接触ICカードと 連動した活用がはじめる 可能性がある。

ICカードと携帯電話を連 動した場合、カード内の利 用履歴や残高が目視でき、

カードにバリューのリロー ドが可能となる。また、より セキュリティが求められる サービスではICカードと 携帯電話を合札的に組み合 わせてはじめてサービスが 受かられるなど、鍵的な利 用が可能となる。

カードと携帯電話とが連動 した利用なので、決済系 カードの標準仕様がベース となり、標準化作業等に時 間を要する可能性がある。

携帯電話と非接触ICカー ドとの連動が出てきた場 合、運輸・交通系は非接触 ICカード仕様があるが、

決済系は、まだ存在してい ない。非接触IC「カード 型」および「携帯電話型」で 実現する上での早期の標準 化が求められる。

電子決済

クレジット,デビット,プリペイド

モバイル カード

カード&モバイル

連動

非接触IC

インターフェース 対応リーダライタ

① ②

銀行

モバイル電子決済 対応自動販売機 モバイル電子決済 対応店頭端末

⑮ ⑭

チップ1

チップ2 クレジット決済

デビット決済

プリペイド決済 ネット店舗

提供事業者

コンテンツ 提供事業者 サービス・プロバイダー

ローカル型 モバイル電子決済

ネット型 モバイル電子決済

認証機関

情報処理 センター

クレジット 決済事業者

プリペイド 決済事業者

デビット 決済事業者 有線通信

事業者

無線通信 事業者

①ローカル型電子決済対応携帯電話

非接触ICインターフェース搭載要件(ICチップ、コンビチップ、

RWモジュール)、認定、偽造改ざん、耐タンパー性

②非接触ICインターフェース

電波的要件 電波法、ノイズ対策、距離、スキミング等

③非接触ICインターフェース対応リーダライタ

リーダライタ認定、据え置き型、可搬型、耐タンパー性、回収義務等

④非接触ICインターフェース対応店頭電子決済端末

挿入型、かざし型、POS連動型

⑤非接触ICインターフェース対応自動販売機

⑥有線ネットワーク事業者

⑦無線ネットワーク事業者

⑧情報処理センター

⑨クレジット決済事業者

⑩デビット決済事業者

⑪プリペイド決済事業者

⑫サービス・プロバイダー

⑬認証機関(電子証明書発行・認証)

⑭無線基地局

⑮ネット型電子決済対応携帯電話  

                             

図 5-9 非接触ICインタフェース搭載携帯電話と電子決済ネットワークの要素

5.6.3 携帯電話内ICチップとセキュリティ 

携帯電話を活用したモバイル電子決済を実現する上で、クリアしなければならない要素 は多岐に渡る。図5-9は携帯電話に内蔵もしくは装着されるICチップをはじめ、店舗の電 子決済端末、ネットワークなどの要素を記載したものであるが、ECOMモバイルWGの 電子決済TFでは、この枠組みをベースに、ビジネスモデル、技術要素などの検討を行っ た。

携帯電話に装着されるICチップは、例えばUIMや非接触ICモジュールが想定され、

各々に決済用データ等を格納できるセキュアなメモリを有することが前提となる。UIM は当面接触型のICカードのチップを活用した形態で、決済系標準ICカード仕様である EMVベースのUIMも技術的には可能な段階にきているが、コプロセッサを搭載した公 開鍵暗号方式のPKI対応となると、消費電力も高まる面もあるが、技術的には早晩実現 されるものと思われる。ただ、PKIベースの仕組みを携帯電話サービスで実現するには、

そのコストを誰が負担するのか、金融決済系も電子認証局要素を持ち、キャリアも持つ形 を取るのかなど課題も多い。しかし、下の図に示すような要素を担保していく上ではPKI は避けて通れない段階に入るものと思われ、特に新聞等で発表されているような、携帯電 話に電子マネー的な機能を実現していく上では不可欠な要素となるものと思われる。

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