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非接触型ICカード

ドキュメント内 Public Key Infrastruc (ページ 30-35)

2.4 ICカードの動向

2.4.2 非接触型ICカード

モバイル自体がカードの持つ決済機能を持つには、非接触型ICカードとの融合が現実 的であり、脚光を浴びつつある。

もちろんモバイル自体が保有する決済機能はリアル、バーチャル双方で使用できること が要件となる。

リアルでの店舗、自販機、交通機関等で利用するには、接触ICカードと同様に金融機 関、交通機関、クレジットカード業界、プリペイドカード業界等が発行する非接触ICカ ードと相乗りして共通で使用できる端末インフラ整備が重要である。社会的コストの節減、

ユーザの利便性、事業者負担のコスト節減等から鑑みれば当然のことと考えられるが、我 が国においては非接触型の標準仕様を定めているのは行政分野のみであり、民間分野であ るクレジットカード、銀行カード、プリペイドカード業界においては、現在時点ではカー ド、端末、ネットワーク等の標準化が進んでいない。

交通分野において、日本サイバネティック規格が定められているが、クローズドな世界 での仕様であり汎用性は有していない。

実用化動向については、交通分野でJR東日本がSuicaカードの名称で2001年 11 月18日より実用化しており、既に2月末現在で200万枚のカードを発行している。JR西 日本、「するっと関西」等も2003年より実用化する予定となっている。行政ICカードの 分野では、住基カードが2003年8月よりスタートする予定である。汎用性プリペイドカー ド業界では、ビットワレット社のEdyカードが実用化され、既に250万枚発行している。

関連するクレジットカード業界、金融業界は主流が接触ICカードであるため、非接触I Cカードについては標準仕様がなく実用化事例はない。

韓国においては国民カード社がソウルの地下鉄、市営バスの機関と連携して非接触IC カードによるクレジットカードを実用化し、450万枚のカードを発行している。

また、本年度4月より銀行21社、クレジットカード会社7社、決済VAN事業者5社、

公的機関でもある金融決済院が連携して、韓国における統一電子マネーカードである

K-Cashカードを発行し、内外より注目されている。

国民カードの非接触カードはISO/IEA14443タイプAに準拠したカードであり、K-Cash カードは同じく ISO/IEA14443 タイプBに準拠したカードであるが、近い将来、端末側の リーダ/ライタで互換性をとり、相乗りすることも検討している。

(1) 非接触ICカードの標準化動向と端末インフラ整備の要件

今後の主流と目されている近接型の非接触ICカードは、既にISO/IEA14443規格 としてタイプAとタイプBの標準化が終了している。現在JIS化の作業を進めてお り、本年度中にはJIS化が完了する予定である。

また、このタイプB仕様を採用した実験プロジェクトとして、IT整備都市のシス テムが一部稼動している。

しかしながら、現在、日本で実際に大量に製造配布されているのは、JR東日本の

「Suica」が採用しているタイプであり、一般的にタイプC(仮称)注1と呼ばれ ている方式である。交通分野においては、2001年3月に日本サイバネティックス協議 会が、JR、私鉄、地下鉄、バスなど公共交通機関の共通乗車券の標準仕様として日 本サイバネティクス規格を制定しており、JR西日本やするっと関西、バス会社各社 が採用を表明している。現在この日本サイバネティクス規格に準拠しているのはタイ プCのみである。

また、タイプCは香港やシンガポール、中国などでも交通用途を中心に採用されて おり、既に全世界で2,500万枚以上が使われている。

この方式は、日本を中心にISOに答申すべきとのことで標準化活動がなされてい るが、各国の思惑もあり、2001年1月に検討が中止された。今後規格化されるかどう か定かではないが調整中である。

また、同じくタイプCを使ったもので、「Edy」と呼ばれている電子マネーシス テムも本年度より一部の店舗で稼動を開始した。

日本における非接触ICカードの標準化活動としては、日本ICカード推進協議会 が非接触ICカード仕様書(2001年6月 第1.0版発行)を要求仕様としてまとめて おり、日本の標準仕様のたたき台となる可能性を秘めている。

決済の制度面からみると、非接触ICカードを利用したプリペイドカードでは、カ ードリーダにカードをかざすだけで決済が終了する。また、本人確認を必要としない 決済手段であるので、暗証番号も不要である。したがって、この点で匿名性があり、

決済スピードが速いなど利便性が高い小額支払に向いた決済手段であり、本人確認機 能とのトレードオフの関係にあるといえる。ただし、カードを落とした場合には、他 のプリペイドカードと同様に他人に使われてしまう可能性がある。

一方、非接触ICカードと暗証番号を組み合わせて本人確認を行い、決済を行うカ ードや、PKI(公開鍵暗号法)を搭載した非接触ICカードも開発されており、接 触ICカードと同等の機能を備えるようになってきた。

(2) 端末インフラ整備の現状

タイプCは、以下の業界でインフラの整備が始まっている。

a) 駅関係

首都圏を中心とした駅の改札ゲート、券売機、バスの料金徴収機、店舗端末、自 販機などに実装されており、既に首都圏を中心に1万台程度の台数が設置されてい る。

注1 タイプCは従来の呼称を使った。詳しくはp.211「(5)高速化への改善」参照。

b) 一般店舗

今回のプリペイドカードは金融カードの位置付けである関係上、どちらかと言う と電子マネー型のEdyとしての機能に相当する。したがって、昨年からEdyの 契約加盟店の設置が始まった場所での利用が主体と考えられるので、今後、このシ ステムが拡大展開していくのを見守ることが必要と考える。

非接触ICカードのタイプA、タイプB方式は、日本では大々的なシステムでは ないが、既に入退出システムのゲート装置等での実用化がなされている。また今後、

本格的な大規模システムとしては、IT整備都市構想に基づく大容量、多目的なタ イプBカードの開発と商品化が急ピッチで進むと考えられる。

一方、正確にはISOの規格にはなっていないがISO/IEA14443準拠のタイプC では、国内カードメーカーとして既に香港の「オクトパスカード」、「Suica」、

「Edy」などを製造しており、非接触ICカードのタイプCのICカード製造技 術は完成しているといえる。また、海外カードメーカーとしてもインフィニオン・

テクノロジー社など数社が開発を行っている。

一方、業務用のリーダ/ライタは、駅の改札ゲート、券売機、バスの料金徴収機、

店舗端末、自販機などに実装されており、既に首都圏を中心に 1 万台程度の台数が 設置されている。個人用のリーダ/ライタとしては、パソコンに付属して既に10万 台程度が配布されている。

問題点としては、これら駅の改札ゲート装置では応答スピードが要求されるため、

ある程度、電波を強くする必要から電波法に基づき、個別の電波利用の申請を実施 しているが、この点も今後の改善すべき課題と考えている。なお、電波法は2002年 度中に改正される予定である。

(3) 技術面から

このように、非接触ICカードを利用する際には、利便性を生かしつつ、運用面、

システム面、セキュリティ面からそれぞれのリスクを検討して、目的にあった使い方 と、十分なセキュリティ対策やシステムでのバックアップを検討する必要があると言 える。

技術面からは、非接触ICプリペイドカードを作成するにあたり、カード・端末・

ネットワークを通して、偽造・変造・盗聴などセキュリティシステムとしての対策は 接触ICカードと同じ条件である。

これらの条件は、接触ICカードでは「EMV Co.」等での認定制度が制定されて、

実際にカードと端末の認定が稼動されているが、非接触ICカードでは、現時点でこ の様な制度が確立していない。

したがって、非接触ICカードでも、接触ICカードに見られるようなカード、端末で のセキュリティ技術を含めた認定制度の確立などを制定する必要があると考えられる。

図 2-6 プリペイドカードの認定制度

ビジネスの視点からは、非接触ICカードは、金融決済でも特に、小額支払用途に 向いているカードであり、消費者の利便性の向上を図る上でも検討する必要があると 考える。

しかしながら、カードそのものはもちろんであるが、モバイル型カードシステムの 利用環境を構築するにはインフラ、特に共通端末の普及が鍵となり、この端末を誰が、

どのように設置していくかということがビジネス上の課題といえる。

いずれにしろ、ビジネス面から非接触ICカードを利用したモバイル型非接触IC カードシステムを検討するには、以下の点を考慮する必要があると考える。

a) 端末の共同利用システム

今後、非接触ICカード市場に投入される決済系端末にクレジットカード、デビ ットカード、プリペイドカード等の機能のソフトウェアもしくはハードウエア・モ ジュールを搭載して、1台の端末で相乗りを実現することが必要条件となる。また、

タイプA、B、Cなどの複数の通信プロトコルが読み取り可能なリーダ/ライタや、

接触ICカードと非接触ICカードのリーダ/ライタの両方を搭載した端末も検討 が必要である。

このためには、カード仕様の選択を含めた端末の機能を検討していくことが必須 の条件となる。

また、端末の相乗り効果としては、端末設置コストの低減があげられる。

プリペイド端末

プリペイドネットワーク

プリペイド       クリァリングセンタ プリペイド

認定制度 の確立

プリペイド端末

プリペイドネットワーク

プリペイド       クリァリングセンタ プリペイド

認定制度 の確立

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