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モバイル電子決済のコスト優位性

ドキュメント内 Public Key Infrastruc (ページ 196-200)

非接触ICカードの運用が前進したことや、携帯電話の使い方も成熟してきたことを勘 案し、さらに、これまでの普及度合いやコンソーシアムに参加しているメンバーの数など を総合的に考慮すると、およそ上記のような可能性を指摘することができよう。これらの いずれが普及するかを検討するにあたって、導入コストを上回る利益が得られるかといっ た観点から答えを出すことはできるだろうか。例えば交通利用に限ってみてみると、これ まで現金で支払っていた地下鉄代やバス代を非接触ICカードに移行していくときに、ど のような項目の費用が、どの程度の普及段階では、どのぐらい削減されるか、といった予 測を立てることはできよう。既に香港の交通カードはもはや社会インフラとして根付き、

メリットを実証的に調べることは可能であろうし、現金ハンドリングコストが人件費や土 地代などの関係でおそらくは香港よりも割高であろう東京においては、導入メリットが高 く投下資本の回収が早いことを説得できそうである。

ここで問題となるのはユーザ側の新方式に対するインセンティブである。決済装置のつ いた特殊な端末を好んで買う人がいるのか、その値段によって状況は違ってくるとはいえ、

画像の美しさや重さやデザインといった複合的な要素をぎりぎりのレベルで統合して優劣 を競っている携帯電話の市場においては、決済方式のついている特殊な端末をわざわざ買 うのではなく、最新の人気ある機種がこうした機能を搭載しなければ意味がない。こうし てみると、モバイル電子決済が普及するかどうかは、前提となる環境が整うかどうか、あ るいは整えるか否かにかかっており、現時点で結論を導くことはできない。しかし、モバ イル電子決済の社会的意義を考えると、その普及に向けた課題を考察しておくことは必要 である。

7 おわりに

今年度のモバイル電子決済TFでは、クレジット(後払い)、デビット(即時払い)、

プリペイド(前払い)などの電子決済を、携帯電話などのモバイル端末を活用して実現す るための要件について掘下げた検討を行った。本年度の活動を締めくくるに当たってTF メンバから寄せられた次年度活動に関係する意見・要望は大略以下のようなものである。

1.技術的観点

高度で多様なサービスが可能な技術的条件が整ってきつつあるが、その中でも携帯機器 と連携して安全かつ多機能な決済が可能な媒体として非接触ICカードの動向が注目され る。接触型ICカードは既に標準化が済み、決済系への導入が進んでいるのに対し、非接 触型は一部を除き仕様制定がされておらず、早期の標準化が必要と考えられる。ローカル・

ワイヤレス・インタフェースについても携帯電話への搭載が進む中、主たる用途は決済系 であるので、各種方式間の調整・標準化が望まれる。このような中で本WGは何ができる か検討する必要がある。一方、現実的な観点から、現行モバイル決済システムの問題点(例 えば、常時接続、ディスプレイ画面の小ささ、通信費の高さ等々)を洗い出し、今後進む べき方向の検討とともにその対応策・解決策を考える必要がある。

2.法制度的観点

各種決済の媒体がプラスチックカードからICカード、ICチップに移行する中で、従 来のプラスチックカード・ベースの法制度からICカード等メモリ機能を中心とした法制 度への見直しが必要になる。関連する法令は、電波法、消費者契約法、電子契約法、民法、

銀行法等多岐にわたるが、従来の法制度の元では健全な決済利用、消費者保護、不正行為 防止等新しい環境に立った諸要請に応えられないことが予想されるため、将来を見通した 総括的発展的な法制度を検討することが望まれる。

3.運用的観点

データ管理・サービス運用面で、以下のような数々の課題が挙げられる。

①ICカードと搭載アプリの所有権、アプリの発行・更新・強制停止処置等に関する取決め

②携帯機器等の紛失、盗難に伴う個人情報の流出、不正使用対策

③損害発生時における各プレーヤの責任分界点、コスト負担等に関する取決め

④個人情報の商業利用(位置情報等)と個人情報(プライバシー)保護のトレードオフ

⑤コーディネータ機関の設立:諸規則の策定、セキュリティ評価、端末認定等

以上のような経緯から、本WGではこれまでの活動成果と課題を継承しつつモバイルE Cのプライバシー、およびそれを実現するためのセキュリティについての調査検討を計画 している。さらに今後のネットワーク環境に鑑み、検討範囲を携帯電話によるECからブ ロードバンド、デジタル放送他をも含めたユビキタスコマースに拡大して調査検討を行う ことを計画中である。

参 考 資 料

1. モバイル電子決済関連技術動向

ドキュメント内 Public Key Infrastruc (ページ 196-200)