5.10 モバイル電子決済における技術的要件
5.10.2 電子決済端末に求められる要件
のデータ入力に難がある。ついては少ないボタン操作で処理が完了することが必須と なる。
(2) メモリ容量・省電力
携帯電話自体の処理速度、供給電力、メモリサイズ等には制限があるため、コマー ス関係のアプリケーションについて検討を要する。
(3) リカバリーリクエスト対応
携帯電話が個人に帰属するパーソナルデバイスである以上、決済についても場所や 状況(移動中等)については全ての状況で対応が必要。この場合接続環境が劣化した 状態での通信についてユーザの不安間を解消する手建てが必要となる。
(4) ネットワークを経由したアプリケーション管理
携帯電話内に格納されるアプリケーションについては、紛失時等の対応を想定し、
ネットワーク上での削除が可能になるようなスキーム等ユーザ保護の視点が必要とな る。
ゼーションと伝票発行とギャザリング(売上処理)を行うG−CAT(Gathering-CAT)
に分けられる。
CCTは、各情報処理センターが独自の呼称を付けていることが多い。例えば、ビ ザ・インターナショナル社が提供するカード情報処理ネットワーク(ジー・ピー・ネ ット)の専用端末SG−Tもこの 1 つである。ICカード対応やモバイルEC対応な どの新技術/新機能搭載は、このCCTが前提となっている。
デビットカード端末については、クレジットカード用機能も搭載した相乗り端末も 登場している。
これらカード決済端末に加えて、「電子決済端末」が登場するということになる。
表 5-12 カード決済端末の種類
カード決済端末 概要
CAT
(Credit Authorization Terminal)
クレジットカード加盟店の信用照会端末
CAT C A F I S (Credit And Finance Information System)に接続されている端末
CAT オーソリゼーション/伝票発行 S−CAT
(SimpleCAT)
オーソリゼーション専用 G−CAT
( Gathering-CAT
)
オーソリゼーション/伝票発行/ギャザリング
CCT
(Credit Center Terminal)
各情報処理センターが独自に開発した端末
デビットカード端末 デビットカード加盟店の信用照会端末
(2) カード決済端末の普及台数
CATの普及台数については、シーメディア社のモバイルメディア・マガジン(V OL78(2002年1月/2月)「特集 新たな決済手段の可能性 mコマースが市場に与 えるインパクト」)によると、「現在、店頭カード端末の普及台数はPOSレジ内蔵 のスリット型が90万台で50%が稼働中とみられており、カード端末単体型が77万台 ほど普及していると言われている」という。稼働中のCATは122万台(=90万台×
50%+77万台)ということになる。
また、デビットカード端末の普及台数については、日本デビットカード推進協議会 の発表(「デビットカードサービス」の現状について(2002 年1 月期)(2002年 1 月24日))によると、2002年1月現在「累計端末台数が約18万台となる」という。
単純に足し算してしまうと、カード決済端末は現在、約140万台も稼働しているこ とになる。
参考までに、出荷台数については、社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)
の発表(わが国におけるコンピュータ端末(〜金融端末装置、流通POS端末、ハン ディターミナル〜)の平成12 年度出荷実績ならびに 3カ年出荷予測について(2001 年5月17日))によると、2000年度の出荷台数が16万4千台、2003年度には28 万4千台になると予測している。「1998年度まで減少傾向を続けていたが、デビット 決済サービスの始まった1999年度に増加に転じ、更に2000年度は大幅増となり、デ ビット決済サービスの開始が要因である」という。また、「今後、デビット決済の本 格的運用が進むにつれ、従来のクレジット決済中心の端末から複数決済型端末へのリ プレースが本格的に進むものと考えられる」としている。
表 5-13 カード決済端末の2000年度出荷実績と2003年度出荷実績予測
(単位:台、百万円)
台数 前年度比 金額 前年度比
2000年度
出荷実績 164,492 − 14,309 −
2003年度
出荷実績予測 284,458 173% 24,912 174%
出典:電子情報技術産業協会
(3) カード決済端末のICカード対応
各クレジットカード会社は2002年度から、現在の磁気式クレジットカードをICカ ード化する。これに伴い、カード決済端末のICカード対応化が進められている。
日本クレジットカード協会(JCCA)は、2001年11月にEMV仕様に準拠した
「ICカード対応端末機能仕様書」を公表しており、2002年度の半ばまでの製品リリ ース、2003年度の本格導入開始を目指している。
このカード決済端末は、現時点では接触ICカードを前提としている。
5.10.2.3 電子決済端末に求められる要件
(1) 要件検討の前提
電子決済端末に求められる要件は、接触ICカード対応のカード決済端末に求めら れる要件に、以下の2点を考慮して付け加えればよいと考える。
・非接触ICカード・インタフェースに対応すること
・(カード型ではなく)携帯電話の形態に対応すること
接触ICカード対応のカード決済端末に求められる要件は「ICカード対応端末機 能仕様書」で明確となっていると思われるので、ここでは、先の 2点を考慮した要件 のみについて触れる。
(2) 電子決済端末に求められる要件
電子決済端末に求められる要件は、下記の3点に集約できると考える。
・携帯電話の形態に対応した非接触ICカード・インタフェース機能
・カード型との共存
・仕様の標準化
「携帯電話の形態に対応した非接触ICカード・インタフェース機能」とは、現在 のカード・スロットの代わりに、携帯電話をかざして利用できるようなハードウェア 構造と、非接触ICカード・インタフェースを処理するソフトウェアを意味する。
「カード型との共存」を挙げたのは、過去の投資活用の観点から、100 万台を優に 越える既存のカード決済端末に電子決済端末の機能を追加する方式が妥当だと思われ るからである。例えば、韓国Harex InfoTech社のZOOPは、赤外線インタフェース を搭載した携帯電話による決済方式だが、既存の磁気式クレジットカード用のカー ド・スロットに差し込めるZOOP用アダプタを提供している。このようなアプロー チも一案と考える。
「仕様の標準化」については、然るべき団体において「非接触ICカード・インタ フェース搭載携帯電話対応端末機能仕様書」とでも言うべき仕様を策定し、端末メー カーへ提供することが必要と考える。