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第4章  特定環境保全公共下水道事業計画

第6節  雨水事業計画

第1章第6節

※ 『山形市下水道30年史』より

 昭和45年(1970)12月14日の第1次拡張事業計画変更認可で初めて雨水の 計画が組み入れられる。最初の計画は「犬川排水区第4分区」で、計画面 積は207.8ha。あこや町や小白川町、東原町、小荷駄町などである。管渠は 矩形型の管(ボックスカルバートとよばれるもの)で、それを地下に埋めた。

管渠の長さは6,780m。事業費は5億9,400万円であった。

 道路の舗装が進み、雨水が地下に浸透する量が少なくなると、道路などの 側溝へ流れ、水路へ集中して、わずか10㎜/時程度の雨でも道路が冠水する 箇所が出始めていた。汚水管が整備されてくると、生活排水が用水路へ流れ 込まなくなり用水路の水量が減少してくる。五堰に農業用水を求めていた農 家からは、雨水を農業用水として使いたいとの要望もあり、都市部に雨水管 渠の整備を行い、その排水口を下流の用水路へつなぐ雨水処理の仕方が基本 となった。都市部は公共下水道事業で整備し、用水路の先から田畑までを農 業排水路事業で整備を行う。都市部の雨水整備はかつての農業用水路を利用 して計画された。(表1−6−1)

 しかし当時、公共下水道事業の主力は汚水にあり、市民からも強い要望が あったために、整備は汚水が重視されており、雨水整備はどうしても後回し になったのも事実であった。

市街地中心部の冠水 平成20年(2008)市内十日町 ボックスカルバート 1,200×1,000m

※ 『山形市下水道30年史』より

 昭和45年(1970)12月14日の第1次拡張事業計画変更認可で初めて雨水の 計画が組み入れられる。最初の計画は「犬川排水区第4分区」で、計画面 積は207.8ha。あこや町や小白川町、東原町、小荷駄町などである。管渠は 矩形型の管(ボックスカルバートとよばれるもの)で、それを地下に埋めた。

管渠の長さは6,780m。事業費は5億9,400万円であった。

 道路の舗装が進み、雨水が地下に浸透する量が少なくなると、道路などの 側溝へ流れ、水路へ集中して、わずか10㎜/時程度の雨でも道路が冠水する 箇所が出始めていた。汚水管が整備されてくると、生活排水が用水路へ流れ 込まなくなり用水路の水量が減少してくる。五堰に農業用水を求めていた農 家からは、雨水を農業用水として使いたいとの要望もあり、都市部に雨水管 渠の整備を行い、その排水口を下流の用水路へつなぐ雨水処理の仕方が基本 となった。都市部は公共下水道事業で整備し、用水路の先から田畑までを農 業排水路事業で整備を行う。都市部の雨水整備はかつての農業用水路を利用 して計画された。(表1−6−1)

 しかし当時、公共下水道事業の主力は汚水にあり、市民からも強い要望が あったために、整備は汚水が重視されており、雨水整備はどうしても後回し になったのも事実であった。

市街地中心部の冠水 平成20年(2008)市内十日町 ボックスカルバート 1,200×1,000m

表1−6−1 雨水事業認可一覧

認可年月日 主な地域 面積ha(合計) 備  考

第一期事業 S36.12.1 七日町、山形駅前などの市街地中心部 255.3

第二期事業 S45.12.14 雨水事業区域初犬川排水区第4 分区各河川に合わせた8つの排

水区を計画する 207.8 雨水桝92個マンホール10個 S48.11.29 中部排水区第1から第3まで追加 550.8(758.6)

第三期事業 S51.1.23 雨水事業区域追加犬川排水区第 4分区の拡張、馬見ヶ崎川排水

区第1から第3まで追加 337.8(1,096.4) 雨水桝1,786個マンホール48個 第四期事業 S58.7.1 雨水事業拡張し、汚水と同じ区域にする 369.6(1,466.0)

第五期事業

単独公共下水道 S63.3.25 中部、八ヶ郷堰、嶋堰排水区を除外 △319.0(1,853.0)

流域関連公共 S63.3.30 上記の区域に松山、鉄砲町、篭田、陣馬、江南など 706.0(1,853.0) 最上川流域下水道(山形処理区)

特定環境保全

公共下水道 H3.1.29 中野目、灰塚、渋江、成安、中野、船町、内表、山寺など 216.0(2,069.0) 最上川流域下水道(山形処理区)

第六期事業

単独公共事業 H3.3.28 土樋など 65.0(2134.0) 流域関連公共 H3.4.22 南栄町、松山、東山形、妙見寺、吉野宿、鈴川、千歳など 982.0(3,116.0) 第七期事業

流域関連公共 H7.3.17 落合町、高原町、滑川、東青田、中桜田、柳原など 781.0(3,897.0) 特定環境保全

公共下水道 H7.3.17 漆山、新関、千手堂、七浦、見崎など 261.0(4,158.0) 単独公共事業 H7.9.25 流通センター処理区、青柳 1.0(4,159.0) 第八事業

流域関連公共 H10.6.30 山形ニュータウン、蔵王温泉、蔵王成沢など 570.0(4,729.0) 特定環境保全

公共下水道 H11.10.25 山形県立中央病院・保健医療短期大学 33.0(4,762.0) 第九期事業

流域関連公共 H13.9.25 松原、谷柏、菅沢、門伝、飯塚、西部及び立谷川工業団地ほか 124.0(4,886.0) 流域関連公共 H17.10.31 小白川、あこや町、あさひ町、

東原町、南原町の一部、流通セ

ンター、西蔵王など 313.0(5,199.0) 単独公共下水道 H18.3.28

小白川、あこや町、あさひ町、

東原町、南原町の一部を流域へ 振替流通センター処理区の二重 計上のため調整

△68(5,056) 流域関連公共 H24.3.23 雨水事業一部削除 △3.0(5,053.0)

第1章第6節

※ 「山形市の下水道」より

単独公共下水道 H24.3.23 雨水施設計画の変更に伴う幹線 延長の追加、変更。区域の変更 なし

2 雨水対策の遅れ

 昭和45年(1970)の「公害国会」以来、全国で下水道の役割は重視される ようになったが、その中心は汚水であった。しかし、溢水も以前から一部地 域で発生しており、雨水管渠整備は行わなければならなかったが、山形市の 公共下水道事業は処理区域が市内中心部であり、処理区域外の溢水には対応 できなかった。そこで汚水の処理区域以外でも下水道事業で雨水整備ができ る仕組みである「都市下水路」を活用することになった。

 山形市の場合、昭和56年(1981)度から立谷川都市下水路事業に着手した。

昭和57年(1982)3月1日に認可された立谷川都市下水路のあと、昭和57年

(同)11月5日に鈴川第1、同年11月10日に鈴川第2、昭和59年(1984)7 月10日 昭和63年(1988)8月23日に滝山都市下水路がそれぞれ認可され、

整備事業に入っている。

 立谷川都市下水路は、山形市で最初の工業団地として造成された立谷川工 業団地の雨水排水を目的としたもので、昭和40年(1965)代から団地の道路 や駐車場の舗装で、雨水が道路の側溝だけでは排水できずに道路が冠水する 状況が相次いだ。そのために都市下水路として整備し、その後平成6年(1994)

から順次公共下水道・特定環境保全公共下水道区域へ編入された。

 鈴川第1・第2、滝山の各都市下水路については、平成3年度に公共下水 道へ編入。新たに大坊川都市下水路が平成元年(1999)11月24日に、漆山都 市下水路が平成2年(1990)10月16日にそれぞれ認可され、ともに平成7年

(1995)度に大坊川は公共下水道区域へ、漆山は流域関連特定区域へ編入さ れた。

 都市下水路については、このように流域・特環下水道事業へ編入されたこ とにより、整備率は平成2年度末(1991年3月31日)で、認可面積3,116ha に対して328haで10.5%。さらに平成7年度末(1996年3月31日)でも約 16%。平成20年(2008)3月31日で26.6%となった。下水道事業での雨水管 渠整備は、幹線的に整備していく事業である。浸水する地域が事業区域内で、

大きなボックスカルバートを地中へ埋めるための土地整備も必要となる。計 画的に事業を進めていくうえで、大きな事業費が必要となるが、市民の要望 は汚水整備が主流で、雨水整備にはなかなか手が回らなかった。

※ 「山形市の下水道」より

単独公共下水道 H24.3.23 雨水施設計画の変更に伴う幹線 延長の追加、変更。区域の変更 なし

2 雨水対策の遅れ

 昭和45年(1970)の「公害国会」以来、全国で下水道の役割は重視される ようになったが、その中心は汚水であった。しかし、溢水も以前から一部地 域で発生しており、雨水管渠整備は行わなければならなかったが、山形市の 公共下水道事業は処理区域が市内中心部であり、処理区域外の溢水には対応 できなかった。そこで汚水の処理区域以外でも下水道事業で雨水整備ができ る仕組みである「都市下水路」を活用することになった。

 山形市の場合、昭和56年(1981)度から立谷川都市下水路事業に着手した。

昭和57年(1982)3月1日に認可された立谷川都市下水路のあと、昭和57年

(同)11月5日に鈴川第1、同年11月10日に鈴川第2、昭和59年(1984)7 月10日 昭和63年(1988)8月23日に滝山都市下水路がそれぞれ認可され、

整備事業に入っている。

 立谷川都市下水路は、山形市で最初の工業団地として造成された立谷川工 業団地の雨水排水を目的としたもので、昭和40年(1965)代から団地の道路 や駐車場の舗装で、雨水が道路の側溝だけでは排水できずに道路が冠水する 状況が相次いだ。そのために都市下水路として整備し、その後平成6年(1994)

から順次公共下水道・特定環境保全公共下水道区域へ編入された。

 鈴川第1・第2、滝山の各都市下水路については、平成3年度に公共下水 道へ編入。新たに大坊川都市下水路が平成元年(1999)11月24日に、漆山都 市下水路が平成2年(1990)10月16日にそれぞれ認可され、ともに平成7年

(1995)度に大坊川は公共下水道区域へ、漆山は流域関連特定区域へ編入さ れた。

 都市下水路については、このように流域・特環下水道事業へ編入されたこ とにより、整備率は平成2年度末(1991年3月31日)で、認可面積3,116ha に対して328haで10.5%。さらに平成7年度末(1996年3月31日)でも約 16%。平成20年(2008)3月31日で26.6%となった。下水道事業での雨水管 渠整備は、幹線的に整備していく事業である。浸水する地域が事業区域内で、

大きなボックスカルバートを地中へ埋めるための土地整備も必要となる。計 画的に事業を進めていくうえで、大きな事業費が必要となるが、市民の要望 は汚水整備が主流で、雨水整備にはなかなか手が回らなかった。

3 雨水への関心

 山形市の場合、人々の関心は汚水であったが、大都市では汚水の整備が終 わり雨水整備へと向かう。平成3年度(1991)からの建設省の第七次下水道 整備五箇年計画では、総事業費16兆5,000億円をつぎ込み、下水道整備が遅 れている中小市町村へ重点的に進めるよう促した。そのなかで登場してきた のが下水道モデル事業である。

 昭和63年(1988)に下水汚泥資源利用モデル事業が創設されると、平成2 年(1990)から矢継ぎ早に各モデル事業が登場する。山形市では、その中か ら「水循環・再生下水道モデル事業」の制度に従い、大坊川せせらぎ親水公 園を国に申請。平成10年(1998)5月22日に認定された。この事業は公共下 水道事業として大坊川の雨水幹線を整備したが、その管渠の上が更地になっ ており、その更地を親水公園として整備するというものである。事業は平成 10年(1998)から平成12年(2000)まで、総事業費は2億5,000万円であった。

雨水管渠整備は平成元年から始め平成6年度に完成していたが、親水公園の 整備は平成11年度から開始、完成は平成13年度である。

 下水道は雨水も汚水も地下に管渠を埋めているため、市民の目にふれるこ とはないが、市民生活に大きな恩恵を与える事業である。こうした親水公園 を作ることによって、下水道事業の大切さをアピールしたのである。同じよ うに「嶋堰せせらぎ緑道整備事業」は、平成19年(2007)に採択され、平成 21年度に完成した。

 また雨水も灌漑用と思われたり、単なる側溝と誤解される事も多く、雨水 管渠の計画を進めるにあたっては、住民の理解を得られるように地道な説明

大坊川新世代下水道支援事業のパンフレットより

第1章第6節