第2章 汚水管渠の整備
第1節 新規設備の整備
1 汚水処理方式の変遷
浄化センターの設備は、大きく分けて汚水中の汚濁物質を物理的な沈殿や 微生物の働きなど生物反応等により浄化する水処理施設と、水処理施設から 排出される汚泥を処理する汚泥処理施設によって構成されている。
昭和36年(1961)に認可を受けた山形市の公共下水道計画は、浄化した水 を灌漑用水として再利用することを目的としてスタートした。このため、処 理方式は微生物の働きによって汚水を浄化する高級処理が採用された。昭和 35年度(1960)山形市公共下水道宮町終末処理場第1期事業計画には、処理 方式及びその決定理由として、「放流水を灌漑用水として還元利用すること と、処理場の周辺付近一帯が将来市街地化した場合を考慮して、活性汚泥法 による高級処理を行うこととした」とある。また、処理技術の点では「曝気 槽はStep aeration方式を採用するが、Conventional Process(従来法:標準 活性汚泥法)も採用できるようにしておくこと」とした。
活性汚泥法による高級処理とは、汚水中の固形物や油脂などを物理的に沈 殿・浮上させて分離除去する簡易処理の後に、好気性微生物などの働きによっ て汚水中の汚濁物質である有機物(多糖類,脂肪およびタンパク質等)を分 離し、取り除く浄化法である。また、活性汚泥とはバクテリア等の好気性微 生物の集合体であり、酸素の供給を得ると有機物を餌に爆発的に増殖して綿 くず状の塊(フロック)を形成し、これが水に溶けた泥のように見えること から活性汚泥と呼ばれている。
活性汚泥法には工程の違いにより幾つかの種類がある。その代表である標 準活性汚泥法とステップエアレーション法は、汚水と活性汚泥を混合するエ アレーションタンク(曝気槽)、及び活性汚泥と上澄み水を分離する最終沈 殿池を組み合わせたプロセスが基本となる。
エアレーションタンクに活性汚泥を混合した汚水を流入させ、大量の空気
(酸素)を吹き込み(曝気)、攪拌すると、活性汚泥に汚水中の溶存有機物
第3章 浄化センターの整備
1 汚水処理方式の変遷
浄化センターの設備は、大きく分けて汚水中の汚濁物質を物理的な沈殿や 微生物の働きなど生物反応等により浄化する水処理施設と、水処理施設から 排出される汚泥を処理する汚泥処理施設によって構成されている。
昭和36年(1961)に認可を受けた山形市の公共下水道計画は、浄化した水 を灌漑用水として再利用することを目的としてスタートした。このため、処 理方式は微生物の働きによって汚水を浄化する高級処理が採用された。昭和 35年度(1960)山形市公共下水道宮町終末処理場第1期事業計画には、処理 方式及びその決定理由として、「放流水を灌漑用水として還元利用すること と、処理場の周辺付近一帯が将来市街地化した場合を考慮して、活性汚泥法 による高級処理を行うこととした」とある。また、処理技術の点では「曝気 槽はStep aeration方式を採用するが、Conventional Process(従来法:標準 活性汚泥法)も採用できるようにしておくこと」とした。
活性汚泥法による高級処理とは、汚水中の固形物や油脂などを物理的に沈 殿・浮上させて分離除去する簡易処理の後に、好気性微生物などの働きによっ て汚水中の汚濁物質である有機物(多糖類,脂肪およびタンパク質等)を分 離し、取り除く浄化法である。また、活性汚泥とはバクテリア等の好気性微 生物の集合体であり、酸素の供給を得ると有機物を餌に爆発的に増殖して綿 くず状の塊(フロック)を形成し、これが水に溶けた泥のように見えること から活性汚泥と呼ばれている。
活性汚泥法には工程の違いにより幾つかの種類がある。その代表である標 準活性汚泥法とステップエアレーション法は、汚水と活性汚泥を混合するエ アレーションタンク(曝気槽)、及び活性汚泥と上澄み水を分離する最終沈 殿池を組み合わせたプロセスが基本となる。
エアレーションタンクに活性汚泥を混合した汚水を流入させ、大量の空気
(酸素)を吹き込み(曝気)、攪拌すると、活性汚泥に汚水中の溶存有機物
第3章 浄化センターの整備
第1節 新規設備の整備
が吸着し、活性汚泥を形成する好気性微生物はこれを摂取、酸化分解しなが ら爆発的に増殖する。汚水中の有機物を取り込み重くなった活性汚泥は、最 終沈殿池にて沈降し、清澄な上澄み水と分離される。最終沈殿池に沈降した 活性汚泥は、エアレーションタンク中の活性汚泥濃度を一定に保つために一 部はエアレーションタンクに返送する。残りは余剰汚泥として汚泥処理施設 に排出される。活性汚泥法はこれらの工程を連続的に行う浄化法である。
標準活性汚泥法とステップエアレーション法の違いは、エアレーションタ ンクへの汚水の流入方法の違いにある。標準活性汚泥法ではエアレーション タンクに一ヵ所から汚水を流入させる。これに対しステップエアレーション 法では汚水を数回路に分割して流入させる。このため微生物への負荷が軽 減、均一化され、生物反応の効率化が図られることから、より流入量の多い 汚水処理に対応できる。反面、エネルギーや人手などの維持費がかさむこと になる。
下水道事業認可4年後の昭和40年(1965)に供用を開始した浄化センター
(旧宮町終末処理場)は、当初、市民の下水道利用も少なく汚水の流入量も 日量2,000㎥台とわずかだったため、沈砂池と最初沈殿池で汚濁物質を沈降 させるだけの簡易処理でスタートした。その後、下水道の利用率が上昇し、
活性汚泥法による高級処理の主な流れ
スクリーン(網)で大きなゴミ・異物を除去 沈砂池にて石や砂を沈殿させて除去
最初沈殿池にて沈降しやすいゴミや油脂等を沈殿・浮上させて除去
エアレーションタンクにて汚水に活性汚泥を混合し、空気を送り込んで活性汚泥に溶存有機物を吸 着させ、微生物に摂取、酸化分解させる。
最終沈殿池にて有機物を取り込み重くなった活性汚泥を沈殿させ、清澄な上澄み水と分離。沈殿し た活性汚泥の一部はエアレーションタンクに返送し、残りは余剰汚泥として汚泥処理施設に排出 塩素混和池にて、最終沈殿池からの上澄み水に塩素消毒を施し河川に放流
第3章第1節
汚水の流入量も昭和45年(1970)には日量8,380㎥にまで増大。同年、水質 汚濁防止法も制定されたことからエアレーションタンクと最終沈殿池などを 整備し、昭和46年(1971)5月18日からステップエアレーション法による汚 水処理を開始した。
浄化センターの汚水処理能力、及び計画処理人口は、宮町終末処理場第1 期事業計画認可申請書では処理能力20,898㎥/日(計画人口77,400人)、全体 計画では54,000㎥/日(計画人口200,000人)としていたが、昭和45年度(1970)
事業認可変更(第1次拡張事業計画)で処理能力36,666㎥/日(計画人口 135,800人)に、昭和50年度(1975)事業認可変更(第2次拡張事業計画)
では処理能力97,000㎥/日(計画人口147,700人)に拡大された。しかし、昭 和57年度(1982)の事業認可変更では、最上川流域下水道(山形処理区)事 業が開始されることから、江俣幹線系統施設計画を浄化センター整備計画か ら削除し、城西幹線系統施設計画のみとしたため、処理能力72,000㎥/日(計 画人口100,050人)に縮小された。
計画人口はさらに昭和62年度(1987)事業認可変更で78,600人に、平成2 年度(1990)事業認可変更(単独公共下水道)で82,000人に変更され、最上 川流域下水道への移行に伴う平成7年(1995)9月25日の事業変更認可によ り浄化センターの計画処理能力は72,000㎥/日から52,000㎥/日に縮小され た。計画人口も82,000人から69,190人に縮小されている。(表3−1−1)
このような流入下水量の変化、計画処理能力の変更により、浄化センター の汚水処理方式もそれまでのステップエアレーション方式から標準活性汚泥 法に変更し、汚水処理の省力化、使用エネルギーの削減、施設全体の効率化 を図っている。
汚水の流入量も昭和45年(1970)には日量8,380㎥にまで増大。同年、水質 汚濁防止法も制定されたことからエアレーションタンクと最終沈殿池などを 整備し、昭和46年(1971)5月18日からステップエアレーション法による汚 水処理を開始した。
浄化センターの汚水処理能力、及び計画処理人口は、宮町終末処理場第1 期事業計画認可申請書では処理能力20,898㎥/日(計画人口77,400人)、全体 計画では54,000㎥/日(計画人口200,000人)としていたが、昭和45年度(1970)
事業認可変更(第1次拡張事業計画)で処理能力36,666㎥/日(計画人口 135,800人)に、昭和50年度(1975)事業認可変更(第2次拡張事業計画)
では処理能力97,000㎥/日(計画人口147,700人)に拡大された。しかし、昭 和57年度(1982)の事業認可変更では、最上川流域下水道(山形処理区)事 業が開始されることから、江俣幹線系統施設計画を浄化センター整備計画か ら削除し、城西幹線系統施設計画のみとしたため、処理能力72,000㎥/日(計 画人口100,050人)に縮小された。
計画人口はさらに昭和62年度(1987)事業認可変更で78,600人に、平成2 年度(1990)事業認可変更(単独公共下水道)で82,000人に変更され、最上 川流域下水道への移行に伴う平成7年(1995)9月25日の事業変更認可によ り浄化センターの計画処理能力は72,000㎥/日から52,000㎥/日に縮小され た。計画人口も82,000人から69,190人に縮小されている。(表3−1−1)
このような流入下水量の変化、計画処理能力の変更により、浄化センター の汚水処理方式もそれまでのステップエアレーション方式から標準活性汚泥 法に変更し、汚水処理の省力化、使用エネルギーの削減、施設全体の効率化 を図っている。
表3−1−1 浄化センター(旧宮町終末処理場)の計画処理能力、及び計画人口の推移
処理能力 計画人口
第1期事業 昭和36年
1961.12. 1認可 20,898㎥ /日 77,400人
第1期計画
全体計画処理能力:54,000㎥ /日 計画人口:200,000人 第2期事業
昭和45年
1970.12.14認可 30,666㎥ /日 135,800人 第1次拡張事業計画 第3期事業
昭和51年
1976. 1.23認可 97,000㎥ /日 147,700人 第2次拡張事業計画 第4期事業
昭和58年
1982. 7. 1 72,000㎥ /日 100,050人
最上川流域下水道(山形処理区)事業が開始されることから、浄化センター整備計画 から江俣幹線系統施設計画を削除し、城西幹線系統施設計画のみとしたため削減
第5期事業 昭和63年
1988. 3.25認可 72,000㎥ /日 78,600人 第6期事業
1991. 3.28認可平成3年 72,000㎥ /日 82,000人
第7期事業
1995. 9.25認可平成7年 52,000㎥ /日 69,190人
第3章第1節