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第2章  汚水管渠の整備

第3節  更新用地の取得

※「下水道施設の改築について」平成15年6月19日付け国都下事第77号国土交通省都市・地域整備局下水道部下 水道事業課長通

1 浄化センター敷地拡張

(1)耐用年数と手狭な敷地

 下水道事業を構成する水処理施設及びその設備には、それぞれに本来の機 能を発揮できる耐用年数があり、管理者は適切な維持管理のもと、将来の更 新時期に備えた改築計画を作成する必要がある。また、これらの施設改築に 関して国は国庫補助の対象となる経過年数を施設ごとに定めている。主なも のを挙げると水処理施設沈殿施設50年、反応タンク施設50年、消毒施設50 年、反応タンク設備15年、最終沈殿池設備15年などである。

 昭和36年(1961)に事業着手し、昭和40年(1965)より運転を開始した山 形市浄化センターも、平成14年(2002)頃から最初沈殿池等の水槽をはじめ とする相当数の水処理施設及び汚泥処理施設が段階的に耐用年数を迎えるこ とから施設の更新が不可欠となっていた。しかも、これらの施設更新は、既 存の処理施設の運転を続けながらの作業とならざるを得ないが、事業着手以 来、処理場の敷地は必要に応じて拡張を行ってきたものの、地元の同意を得 ることが難しく、必要最小限の敷地での施設の建設・運転を余儀なくされて いた。その結果、将来的に耐用年数を迎える浄化センターの相当数の処理施 設の更新作業を考慮すると、この最小限の敷地では余裕がなく、新たな用地 拡張なしでは更新作業ができなくなるとの問題点が指摘されていた。

●用地買収の経緯

昭和36年度  12,208.10㎡  昭和51年度  7,288.85㎡

昭和37年度  9,716.79㎡  昭和54年度  11,736.74㎡

昭和38年度  13,974.02㎡  昭和55年度  19.36㎡

昭和41年度  2,094.44㎡ 

第3節 更新用地の取得

(2)周辺の宅地化

 昭和36年(1961)当時の事業着手時は、処理場周辺が田畑であり、郊外型 施設として位置づけられ、その周辺の田畑が緩衝緑地帯の一部とする考え方 もできたが、昭和45年(1970)以降、市街地の拡大にともなって処理場周辺 の宅地化が進み、臭気を含めた住民の苦情も年ごとに増える傾向にあった。

さらに、平成4年度に準備委員会が発足した嶋土地区画整理事業により、処 理場の西側を中心とした周辺全てが宅地化されることになれば、近年の環境 に関する市民意識の変化を考えると、臭気を含めた苦情の増加に拍車がかか るのは明白であると予想された。また、これまでのような田畑であっても地 元の同意が困難であるのに、宅地化になってからの用地の買収、拡張は、住 民の同意に加えて莫大な費用がかかることになり、実質不可能になると懸念 された。この嶋土地区画整理事業を機会に、山形市として将来の浄化センター の更新・維持管理及び周辺環境の整備を見込んで拡張用地を求めなければな らないと判断されたのであった。

●山形市浄化センターの周辺宅地化の変遷  (都市計画法、市街化区域編入の経緯)

① 昭和45年(1970)3月30日(当初)

処理場敷地の南側(江俣2丁目)が隣接

② 平成2年(1990)10月19日

敷地の東側(馬見ヶ崎3丁目)が隣接。

馬見ヶ崎土地区画整理事業期間平成2年〜平成10年。

③ 平成8年(1996)12月24日

敷地の北側(河原田)、西側(田端)が隣接。

嶋土地区画整理事業期間平成10年〜平成19年。

第3章第3節

平成14年(2002)

昭和43年(1968)5月

昭和53年(1978)11月 浄化センター周辺の変化

平成14年(2002)

昭和43年(1968)5月

昭和53年(1978)11月

浄化センター周辺の変化 2 処理場敷地面積拡張の経緯

 処理場敷地については、拡張計画が以前よりあったものの、いわゆる迷惑 施設に対する地元の同意を得ることが困難で凍結した状態にあった。平成6 年(1996)当時、国は下水道の全国普及率が70%に達した後に、処理方式の 高度処理化を進める意向を示しており、本市も将来対応が迫られていた。さ らに周辺環境対策、将来の改築計画に対応するため、事前に必要敷地を確保 し、将来に備える必要があった。

 しかし、敷地の拡張は施設の特性上、地元の同意を得ることが困難で、事 業着手以来、必要時に最低限の敷地拡張を繰り返してきた浄化センターに は、敷地面積に余裕がなかった。将来的に相当数の施設が耐用年数を迎える なか、浄化センターの四方が宅地化すれば、施設更新の際に用地を拡張(確 保)することは、莫大な事業費(用地費、家屋補償費)により不可能になる と危惧された。区画整理事業による宅地化により用地取得が困難になる前に 施設用地を確保しなければ、いざ必要になった時に処理場敷地拡張ができず に、将来の施設更新計画や住民苦情に対応できなくなることが懸念された。

 そこで、嶋土地区画整理組合と協議しながら用地買収することにより、こ れらの問題を一気に解決するため、平成6年(1994)1月20日、山形市下水 道建設課から嶋土地区画整理組合、山形市都市計画課、都市整備課等関係機 関へ用地確保を依頼した。

(1)環境問題への対応

 当初、処理場面積の拡張理由として、排水の放流先となる河川の環境対策 として、高度処理施設の導入が検討されていた。これに加えて、周辺の宅地 化が進むにつれて、臭気等の住民苦情が年々増してきており、浄化センター では覆蓋施設などの臭気対策を行ってきた。嶋土地区画整理事業によって処 理場の四方全てが宅地に囲まれることになれば、事業着手時の田畑に囲まれ た郊外施設から中心市街地施設へと処理場の位置づけが変わり、臭気対策だ けではなく、周辺環境等との調和を考慮した処理場施設計画の見直しが求め られる。そのため緑化による臭気の拡散、緩和を含めた緩衝緑地帯等の計画 再検討が必要であると判断された。

(2)敷地拡張用途(理由)の変更

 平成13年(2006)6月の山形県下水道推進室とのヒアリングにおいて、国

第3章第3節

の方針により、高度処理で用地買収を行った場合、5年以内に高度処理施設 の建設を行わなければならず、山形市が平成20年(2008)までに汚水管渠整 備100%を目指し事業計画を推進している現状では高度処理関連への事業費 投入は不可能であると判断された。よって処理場敷地拡張の主な理由を緩衝 緑地帯、施設更新とした上で、将来必要になる可能性のある高度処理施設や 融雪施設等を踏まえ、これまでの郊外施設ではなく、都市施設として、将来 計画を検討しなければならないと敷地拡張用途(理由)の見直しがなされた。

(3)拡張(予定)面積

 浄化センターが所有している既存の敷地面積は59,633㎡である。その内、

市道浄化センター江俣線を挟んで北側に所有している土地(資材置場)は嶋 土地区画整理区域の中に入っているので、浄化センター敷地から削除し、最 終的に、実質用地買収面積19,696.6㎡で嶋土地区画整理組合と合意した。

 なお、拡張可能面積の算定(補助事業可否の判定)については、以下のと おりに検討された。

 処理場の補助対象となる用地買収範囲は、処理施設面積の最大4.5倍以内 である。よって拡張予定面積2.1ha以上の敷地を確保することは可能である。

※「下水道事業の手引き」第3章補助対象範囲と補助率区分より

 しかし、これは施設建設当時(新規時)であり、山形市は認可当初の昭和 36年(1961)から40年間、現況面積で処理場を運営してきた実績がある。こ の実績があるため、用地拡張に必要な理由(施設計画)を明確に整理にしな ければ100%の補助はあり得ないというのが山形県の見解であった。

 このため施設稼働後40年を経過したために必要となったこと(緩衝緑地 帯、施設更新)を将来の環境問題等への備えも踏まえ、検討、調査し、最終 拡張となる必要用地面積(2.1ha)全てが補助対象となるよう市と県の間で 協議を重ね整理された。

(4)事業申請と認可

 嶋土地区画整理事業を機に、更新用地と緩衝緑地帯を確保するために計画 された用地拡張は、関係機関の了承のもと、山形県に対し、平成16年(2004)

12月1日に都市計画法に基づく山形市公共下水道事業計画変更認可申請を 行った。申請理由には、水処理施設及び汚泥処理施設が段階的に耐用年数を 迎えるにあたり、施設更新用地の必要性、及び周辺の宅地化に伴う環境への

の方針により、高度処理で用地買収を行った場合、5年以内に高度処理施設 の建設を行わなければならず、山形市が平成20年(2008)までに汚水管渠整 備100%を目指し事業計画を推進している現状では高度処理関連への事業費 投入は不可能であると判断された。よって処理場敷地拡張の主な理由を緩衝 緑地帯、施設更新とした上で、将来必要になる可能性のある高度処理施設や 融雪施設等を踏まえ、これまでの郊外施設ではなく、都市施設として、将来 計画を検討しなければならないと敷地拡張用途(理由)の見直しがなされた。

(3)拡張(予定)面積

 浄化センターが所有している既存の敷地面積は59,633㎡である。その内、

市道浄化センター江俣線を挟んで北側に所有している土地(資材置場)は嶋 土地区画整理区域の中に入っているので、浄化センター敷地から削除し、最 終的に、実質用地買収面積19,696.6㎡で嶋土地区画整理組合と合意した。

 なお、拡張可能面積の算定(補助事業可否の判定)については、以下のと おりに検討された。

 処理場の補助対象となる用地買収範囲は、処理施設面積の最大4.5倍以内 である。よって拡張予定面積2.1ha以上の敷地を確保することは可能である。

※「下水道事業の手引き」第3章補助対象範囲と補助率区分より

 しかし、これは施設建設当時(新規時)であり、山形市は認可当初の昭和 36年(1961)から40年間、現況面積で処理場を運営してきた実績がある。こ の実績があるため、用地拡張に必要な理由(施設計画)を明確に整理にしな ければ100%の補助はあり得ないというのが山形県の見解であった。

 このため施設稼働後40年を経過したために必要となったこと(緩衝緑地 帯、施設更新)を将来の環境問題等への備えも踏まえ、検討、調査し、最終 拡張となる必要用地面積(2.1ha)全てが補助対象となるよう市と県の間で 協議を重ね整理された。

(4)事業申請と認可

 嶋土地区画整理事業を機に、更新用地と緩衝緑地帯を確保するために計画 された用地拡張は、関係機関の了承のもと、山形県に対し、平成16年(2004)

12月1日に都市計画法に基づく山形市公共下水道事業計画変更認可申請を 行った。申請理由には、水処理施設及び汚泥処理施設が段階的に耐用年数を 迎えるにあたり、施設更新用地の必要性、及び周辺の宅地化に伴う環境への

配慮、緩衝緑地帯用地確保による周辺地域と調和した施設の整備推進が挙げ られ、事業期間を用地取得期間に整合させて平成21年(2009)3月31日とした。

 これに対し、平成16年(2004)12月10日に山形県より事業計画変更の認可

(第9期事業)を得て、土地の購入を進め、浄化センターの敷地を変更前の 約57,800㎡から変更後の約77,400㎡に拡張。現在、環境対策施設として緩衝 緑地帯とするとともに、将来の施設更新用地を下水道汚泥から製造したコン ポスト肥料の試験農園として、市民のコンポストモニターに実証してもらう など、有効活用を図っている。

 なお、山形広域都市計画下水道の都市計画決定(変更)に伴う処理場敷地 面積の推移は次の通りである。

昭和36年(1961)6月17日第1期事業計画認可 宮町終末処理場38,750㎡ 

昭和45年(1970)7月1日第2回認可変更

山形広域都市計画市街地区域の線引きに伴う下水道計画の拡張により、約 63,300㎡に拡張

昭和55年(1980)2月19日第4回認可変更

宮町終末処理場の名称を山形市浄化センターに変更、敷地面積を約77,200㎡

に拡張

昭和57年(1982)12月13日第6回認可変更

山形市浄化センター敷地面積の変更 約77,200㎡ → 約57,800㎡

平成16年(2004)12月10日第14回認可変更

浄化センターの敷地面積の拡張 約57,800㎡ → 約77,400㎡

<山形市浄化センター拡張用地協議の主な経緯>

平成4年度:嶋土地区画整理組合設立準備委員会が発足

平成5年度:処理能力変更(72,000㎡→52,000㎡、20,000㎡を流域へ)と高 度処理用地(三次処理用地)として浄化センターの用地拡張(2.1ha)する旨、

第3章第3節