第2章 汚水管渠の整備
第2節 流域関連公共下水道
1 市街地周辺の下水道整備
最上川流域公共下水道(山形処理区)事業は、昭和53年(1983)6月に2 市2町(山形市、天童市、中山町、山辺町)の関係者により、最上川流域下 水道事業(山形処理区)促進協議会を設置。昭和58年(1983)1月17日付県 告示第74号で都市計画決定し、同年6月に事業認可を申請。11月22日に建設 省から認可され事業が始まっている。幹線管渠の建設は昭和61年(1986)に 開始された。
山形市は昭和63年(1985)3月30日に初めて流域関連公共下水道事業の認 可を得ている。これは単独公共下水道事業区域の整備にある程度の目処が付 き、その余力を市街地周辺の整備に向けたもので、これにより山形市の下水 道事業は単独公共下水道事業と流域関連公共下水道事業の2事業となり、第 5期事業に入る。
認可された流域関連公共下水道事業の区域は、西第1・西第2分区(単独 から移行)、南部市街地の南第2分区、西第3分区、北部陣場分区の計706ha で、最上川流域公共下水道の終末処理場や幹線管渠がまだ整備されていない ことから、単独公共下水道事業区域に組み入れて管渠整備を先に進め、処理 場、幹線管渠が完成次第、単独から流域へ切り替える予定だった。幹線管渠
(汚水)は中央幹線管渠、南第1号・2号幹線、小立幹線、滝山幹線、桜田 幹線、その他山寺幹線等、全13幹線が計画された。
当初計画されたこれらの区域の整備が平成4年度(1992)に完成する見込 みが立ち、最上川流域公共下水道(山形処理区)の処理場も平成4年2月に 共用開始される見通しが立ったことから、山形市は区域の拡大を図り、平成 3年(1991)4月22日に変更認可(第6期事業)を得て、鈴川地区とすでに 認可を受けた区域の周辺を取り込み、さらに七浦中継ポンプ場を整備計画に 入れている。これにより計画面積は、中央幹線処理区が当初計画の706haか ら1,256haになり、さらに鈴川幹線区域432haを追加して合計で1,688haに拡大
第2節 流域関連公共下水道
している。
最上川流域下水道(山形処理区)は、山形県山形浄化センター(天童市大 町)での処理開始に伴い、平成4年(1992)2月1日に供用が開始された。
また、七浦中継ポンプ場は平成6年(1994)3月18日に完成、供用を開始し ている。この中継ポンプ場は山形市方面から勾配をつけて自然流下させた汚 水をポンプで汲み上げて、再び山形浄化センター方面に自然流下させるため の施設で、汚水量は認可計画で日平均11,559㎥(日最大15,539㎥)、全体計画 で日平均18,359㎥(日最大24,838㎥)と計画された。なお、この中継ポンプ 場の整備により、鈴川地区等、より広い範囲への下水道整備が可能になった。
第7期事業に入り、平成7年(1995)3月17日の変更認可(指令下水第 138号山形県知事)では落合町、高原、滑川、東青田、中桜田、柳原等を編入。
事業期間を平成13年(2001)3月31日に延伸した。
また、平成10年(1998)6月30日の変更認可(指令下水第33号山形県知事)
に始まる第8期事業では、整備計画が構想されていた山形ニュータウン、及 び蔵王温泉、蔵王成沢地区等を編入。事業期間を平成18年(2006)3月31日 に延伸した。
山形ニュータウン(蔵王みはらしの丘)は、昭和61年(1986)策定の山形 市第5次総合計画「いきがいろまん・山形21」で構想された地域開発計画で、
山形市大字松原、黒沢、上山市金瓶、久保手、北町にまたがる地域に、地域
七浦中継ポンプ場
第 2 章第 2 節
振興整備公団(現:都市再生機構)の土地区画整理事業として平成13年(2001)
8月に工事着手、平成15年(2003)7月に住宅地の第1期分譲が開始されて いる。
総面積約171ha、計画戸数約1,700戸、計画人口約7,000人と県内最大級の規 模を誇るまちづくりで、平成10年度(1998)に設置された学識経験者や県・市・
地域振興整備公団関係者による「山形新都市まちづくり委員会」での検討を 基に、平成12年度(2000)に「山形新都市まちづくり計画」が策定され、「蔵 王に抱かれた美しいまち」を目標に、都市再生機構、山形県、山形市、上山 市が事業区域を全面的に買収し、都市再生機構施行の土地区画整理事業とし て整備している。山形市はその中核エリアに地域交流型のスポーツコミュニ ティ施設の整備を計画しており、また、県と市は下水道を含めた公共公益施 設について事業の進捗と調整しながら整備を進めている。なお、「蔵王みは らしの丘」の名称は、公募によって選定され、県内外4,891点の応募の中か ら採用された。
2 蔵王温泉地区
蔵王温泉地区は、夏は快適な避暑地、冬はスキーや樹氷で賑わう山形市の 重要な観光拠点であり、同地区の環境整備の一環として、下水道の早期整備 が必要なことから、平成2年(1990)に策定された山形市排水基本構想では、
単独処理区と位置づけられた。平成6年(1994)8月31日には蔵王温泉地区 の公共下水道の早期着工・完成について、蔵王温泉組合長・蔵王温泉環境協 会長等227名の署名簿を添えた陳情があった。
こうしたことから単独処理区を前提に、平成6年(1994)に基礎調査を実 施、平成7年(1995)に基本計画を策定し、全体計画目標年次を山形市公共 下水道全体計画との整合を図り平成27年度とした特定環境保全公共下水道蔵 王温泉処理区の全体計画を策定。その内容は、概ね次の通りである。
下水排除方式は、下水道事業効果の早期達成と投資効率を考慮して分流式 とする。計画区域面積は、蔵王温泉中心区域及びこれらに隣接し生活基盤を 一体とする区域を合わせて汚水・雨水ともに49haとする。温泉施設等からの 排水については原則として下水道に取り込むが、湧出する温泉水そのものは 下水道処理の対象とせず、洗い場排水のみを処理対象とする。計画人口は定 住人口900人、日平均従業員2,700人(日最大4,000人)、日最大宿泊観光人口 16,000人、日最大日帰り観光人口15,000人。処理施設は、流入負荷の変動に
振興整備公団(現:都市再生機構)の土地区画整理事業として平成13年(2001)
8月に工事着手、平成15年(2003)7月に住宅地の第1期分譲が開始されて いる。
総面積約171ha、計画戸数約1,700戸、計画人口約7,000人と県内最大級の規 模を誇るまちづくりで、平成10年度(1998)に設置された学識経験者や県・市・
地域振興整備公団関係者による「山形新都市まちづくり委員会」での検討を 基に、平成12年度(2000)に「山形新都市まちづくり計画」が策定され、「蔵 王に抱かれた美しいまち」を目標に、都市再生機構、山形県、山形市、上山 市が事業区域を全面的に買収し、都市再生機構施行の土地区画整理事業とし て整備している。山形市はその中核エリアに地域交流型のスポーツコミュニ ティ施設の整備を計画しており、また、県と市は下水道を含めた公共公益施 設について事業の進捗と調整しながら整備を進めている。なお、「蔵王みは らしの丘」の名称は、公募によって選定され、県内外4,891点の応募の中か ら採用された。
2 蔵王温泉地区
蔵王温泉地区は、夏は快適な避暑地、冬はスキーや樹氷で賑わう山形市の 重要な観光拠点であり、同地区の環境整備の一環として、下水道の早期整備 が必要なことから、平成2年(1990)に策定された山形市排水基本構想では、
単独処理区と位置づけられた。平成6年(1994)8月31日には蔵王温泉地区 の公共下水道の早期着工・完成について、蔵王温泉組合長・蔵王温泉環境協 会長等227名の署名簿を添えた陳情があった。
こうしたことから単独処理区を前提に、平成6年(1994)に基礎調査を実 施、平成7年(1995)に基本計画を策定し、全体計画目標年次を山形市公共 下水道全体計画との整合を図り平成27年度とした特定環境保全公共下水道蔵 王温泉処理区の全体計画を策定。その内容は、概ね次の通りである。
下水排除方式は、下水道事業効果の早期達成と投資効率を考慮して分流式 とする。計画区域面積は、蔵王温泉中心区域及びこれらに隣接し生活基盤を 一体とする区域を合わせて汚水・雨水ともに49haとする。温泉施設等からの 排水については原則として下水道に取り込むが、湧出する温泉水そのものは 下水道処理の対象とせず、洗い場排水のみを処理対象とする。計画人口は定 住人口900人、日平均従業員2,700人(日最大4,000人)、日最大宿泊観光人口 16,000人、日最大日帰り観光人口15,000人。処理施設は、流入負荷の変動に
対応できる長時間エアレーション法を採用。日最大処理水量7,100㎥を計画、
放流先は酢川であった。
しかし、平成7年12月から平成8年9月まで、処理場の位置選定や処理方 式、管渠計画等、計4回の検討会を実施した結果、蔵王温泉地区一帯は地滑 り指定区域ならびに地滑りが懸念される地域が広範囲に分布しており、また 場所によっては地下水がpH2以下、土壌pH3〜5と強酸性で、杭基礎やコン クリート建造物の腐食が懸念されることから、下水処理場のように大部分が 地下構造物である施設の立地条件として温泉地内は不適であるという結果が 出された。
これを受けて、処理場の位置の再検討を行い、蔵王温泉地区から約3㎞離 れた同志平付近が最終案として選択されたが、この立地もまた山間寒冷地及 び自然公園法の規制区域内であることから環境対策を含む処理場建設費、及 び維持管理費が多大になるとされ、また、処理場位置が蔵王温泉地区より3
㎞離れたことによって、流域関連公共下水道計画区域である蔵王半郷地区と わずか5㎞に近づいたことから、今後の事業進捗状況によっては流域関連公 共下水道に接続統合することも可能と判断され、さらに両者の経済比較で は、処理場建設よりも流域への接続に計画変更した方が約22億円の経費削減 が見込めると試算された。
これにより、国と県との協議を経て平成9年度に最上川流域下水道(山 形処理区)山形流域関連公共下水道として都市計画決定を取得。平成10年
(1998)6月30日の流域関連公共下水道事業計画変更認可(第8期事業)で 全体計画目標年次を平成27年(2015)とする事業認可を取得し、事業に着手 した。なお、計画の内容は、平成8年度の全体計画から処理場の建設を除き、
計画区域面積:50ha(地区外流入区域は含まない)、計画下水量:日平均4,324
㎥/日、日最大6,168㎥に変更した。
同年10月に蔵王温泉組合に対し事前説明会を実施し、同年12月に地元説明 会を開催。平成12年(2000)7月28日に蔵王幹線整備に着手している。なお、
蔵王幹線の布設ルートは、山形市の市街地と蔵王温泉を結ぶ主要地方道蔵王 公園線に計画されたが、この道路は急峻な地形箇所や大小の曲線区間が大部 分を占め、道路勾配も平均7%と急勾配であることから、従来の設計手法
(流速を毎秒3.0mとした場合)を用いると工事費が嵩むばかりでなく、長 期に亘る工事期間を要すること、維持管理が困難であることなどから、その 対策として、幹線管渠の整備(延長10㎞、高低差720m)との経済比較及び
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