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第7章  経営の健全化対策

第3節  地方公営企業法の全適用

第7章第3節

り、下水道事業が赤字になれば、一般会計からの繰入の増加や下水道使用料 金の値上げ等で市民に大きな負担をかけることになる。そこで設備の運営と 維持に適した企業会計方式を採用することになった。

2 導入の経緯

 平成16年(2004)12月16日に国土交通省より「下水道経営に関する留意事 項等について」という通知があった。平成15年度の地方公営企業決算の概要 が総務省より公表され、それによると各自治体の下水道事業経営が総じて厳 しい状況にあることや、国としてもその状況を改善しなければならないこ と。また国土交通省下水道部と(社)日本下水道協会が共同で設置した下水 道政策研究委員会下水道財政・経営論小委員会で「下水道財政・経営の今後 の方向」についての中間報告が提出され、今後の下水道事業の経営について 検討する事項として通達を出した。

 「下水道財政・経営の今後の方向」の内容は6つの項目があった。

⑴ 明確な経営目標と経営見通し

⑵ 適切な下水道使用料金の改定

⑶ 接続の徹底

⑷ 経営情報の公開・透明化

⑸ 企業会計の導入

⑹ 意識改革

 この中の⑸について、その内容は

 「事業の計画性や透明性の確保、公費で負担すべき部分の明確化等に向け て、企業会計方式の導入による財務諸表等の作成が有効です。

 今後は、企業会計方式を導入し、経費負担の原則が明確に示すとともに、

収入、コスト、資金の調達状況等が適切に区分して表示される財務諸表等を 通して、下水道事業の経営状況を理解しやすくすることが必要不可欠です。」

 というものであった。企業会計方式の勧めである。

 下水道経営に関する指標等(全国値)も掲載されており、当時各地の下水 道事業で地方公営企業法を適用した事業数の割合は5.7%しかなく、圧倒的 に官庁会計方式が多かった。

 しかしながら、平成17年(2005)に策定した『山形市新行財政改革プラン』

では下水道事業に地方公営企業法の全適用の方向性を打ち出しており、以前 から市議会においても、下水道がある程度の整備が済んだところで、企業会

り、下水道事業が赤字になれば、一般会計からの繰入の増加や下水道使用料 金の値上げ等で市民に大きな負担をかけることになる。そこで設備の運営と 維持に適した企業会計方式を採用することになった。

2 導入の経緯

 平成16年(2004)12月16日に国土交通省より「下水道経営に関する留意事 項等について」という通知があった。平成15年度の地方公営企業決算の概要 が総務省より公表され、それによると各自治体の下水道事業経営が総じて厳 しい状況にあることや、国としてもその状況を改善しなければならないこ と。また国土交通省下水道部と(社)日本下水道協会が共同で設置した下水 道政策研究委員会下水道財政・経営論小委員会で「下水道財政・経営の今後 の方向」についての中間報告が提出され、今後の下水道事業の経営について 検討する事項として通達を出した。

 「下水道財政・経営の今後の方向」の内容は6つの項目があった。

⑴ 明確な経営目標と経営見通し

⑵ 適切な下水道使用料金の改定

⑶ 接続の徹底

⑷ 経営情報の公開・透明化

⑸ 企業会計の導入

⑹ 意識改革

 この中の⑸について、その内容は

 「事業の計画性や透明性の確保、公費で負担すべき部分の明確化等に向け て、企業会計方式の導入による財務諸表等の作成が有効です。

 今後は、企業会計方式を導入し、経費負担の原則が明確に示すとともに、

収入、コスト、資金の調達状況等が適切に区分して表示される財務諸表等を 通して、下水道事業の経営状況を理解しやすくすることが必要不可欠です。」

 というものであった。企業会計方式の勧めである。

 下水道経営に関する指標等(全国値)も掲載されており、当時各地の下水 道事業で地方公営企業法を適用した事業数の割合は5.7%しかなく、圧倒的 に官庁会計方式が多かった。

 しかしながら、平成17年(2005)に策定した『山形市新行財政改革プラン』

では下水道事業に地方公営企業法の全適用の方向性を打ち出しており、以前 から市議会においても、下水道がある程度の整備が済んだところで、企業会

※ 平成18年3月1日定例会議事録

計の導入を示唆されていた。

 平成20年(2008)6月18日の市議会定例会での質疑での上水道と下水道の 組織統合に関連して、下水道事業の企業会計化の質問が出され、市川昭男市 長は次のように答えている。

 「……下水道事業でございますが、来年度から下水道、上水道を統合する 予定で現在準備体制を進めております。下水道事業の起債残高につきまして は、汚水の整備事業が今年度でおおむね終了いたします。今年度、20年度末 がピークであろうというふうに思っておりますが、その後の事業費の減少に よりまして、新たな起債に対して償還元金の方が多くなるために、起債残高 は減少していくことになります。しかしながら、元利償還金の公債費、これ は年々増加をしてまいります。これにつきましては、ピークが平成28年度に なるだろうというふうに見込まれておりまして……一般会計からの支援ある いは経営の安定化を目的として、制度化されております資本費平準化債ある いは公営企業借換債等を活用しながら、できるだけ企業経営の安定化を図っ ていきたい……」

と答え、平成21年度の上下水道組織統合と同時に企業会計方式を導入するこ とを公表した。

3 企業会計方式の導入について

 下水道事業は、地方財政法第5条第1項に規定する地方公共団体の行う企 業(公営企業)とされている。また、地方財政法第6条・同法行令第37条で 指定されている13事業で、その事業は特別会計を設けて経理しなければなら ず、適正な経費負担区分を前提とした独立採算制が義務付けられており、こ の13事業に下水道事業は含まれている。

 ただし、地方公営企業法の全部または一部を適用するかは各自治体の任意 であり、もし同法の全部または一部を適用した場合は企業会計方式の特別会 計を設けて経理しなければならない。つまり、下水道事業が必ず企業会計方 式を適用するどうかは、各自治体の任意だが、導入した場合は企業会計で経 理をすることになる。平成16年(2004)12月16日の国土交通省の通知にもあっ た通り、同法を適用する自治体は増えている。(表7−3−1)

 この地方公営企業法も、平成23年度以降順次改正されている。

平成24年(2012)4月施行 資本制度の見直し

平成26年度の予算及び決算から 地方公営企業会計基準の抜本改正

第7章第3節

表7−3−1 地方公営企業法適用事業数

年 度 法適用 法非適用

平成20年度 318 3,369 3,687

平成21年度 377 3,258 3,635

平成22年度 406 3,231 3,637

平成23年度 454 3,171 3,625

平成24年度 502 3,131 3,633

※平成26年度版『下水道経営ハンドブック』より

 この地方公営企業法を適用し、具体的なメリットは

・経営状況が明確化するため下水道使用料が適切に算定できる。

・起債制度において有利な取扱が認められている。

・資産の有効活用が図れる。

・経営の弾力化が図れる。

・職員の経営意識が向上する。

などである。

 市民にとって下水道事業は、なくてはならないものになっている。ただ事 業規模が大きいため、経営の健全化と効率化が必要である。山形市の下水道 事業は、同法を適用することで安定的な経営を目指している。

表7−3−1 地方公営企業法適用事業数

年 度 法適用 法非適用

平成20年度 318 3,369 3,687

平成21年度 377 3,258 3,635

平成22年度 406 3,231 3,637

平成23年度 454 3,171 3,625

平成24年度 502 3,131 3,633

※平成26年度版『下水道経営ハンドブック』より

 この地方公営企業法を適用し、具体的なメリットは

・経営状況が明確化するため下水道使用料が適切に算定できる。

・起債制度において有利な取扱が認められている。

・資産の有効活用が図れる。

・経営の弾力化が図れる。

・職員の経営意識が向上する。

などである。

 市民にとって下水道事業は、なくてはならないものになっている。ただ事 業規模が大きいため、経営の健全化と効率化が必要である。山形市の下水道 事業は、同法を適用することで安定的な経営を目指している。

第8章

建設の時代から維持管理の時代へ

平成25年3月 山形市上下水道事業基本計画

※ 第1章第1節参照

1 山形市下水道長期計画

 昭和63年(1988)10月に策定された「山形市下水道長期施行計画(昭和63

〜80年度)」では、下水道の多様化に合わせ「排水処理の基本的な考え方」が 盛り込まれた。それによると公共下水道は市街化区域を対象としているが、

それを観光地(蔵王・山寺)まで範囲を広げようとし、また農村集落は農村 下水道で対応、公共下水道の認可区域外は合併浄化槽で対応しようというも のだった。

 その後、平成5年(1997)10月に「山形市下水道事業長期計画」が策定さ れた。この時は平成元年度に策定された「排水処理基本構想」を基に、その 構想の実現を目指したものとなった。計画達成年度は平成20年度である。

 平成14年(2002)3月に「山形市下水道事業長期計画書」が策定される。

計画書の冒頭で「平成12年度末になると普及率が75.5%となっており、生活 環境の改善を図るとともに、河川の水質改善など水環境・水循環の創出に寄 与しています。今年度、未整備地区であった立谷川・飯塚・椹沢・大曽根・

村木沢・西山形・本沢・南山形等が排水区域へ編入することにより、『排水 処理基本構想』に基づく、公共下水道で整備すべき地域が全て認可区域とな り、全ての市民が、下水道を利用できるようになります。」と述べている。

 時代は国の第8次下水道七箇年計画(平成8から14年度まで)が終了し、

中央省庁が再編(平成13年度)され、新しい国の下水道計画である社会資本 整備計画へ変わろうとしていた。こうした国の大きな方向転換の中での長 期計画の策定であった。また、新重点プロジェクト「ゆとり・うるおい環境 プロジェクト」の「豊かで爽やかな自然環境を保全し、良質な生活環境をつ くる」も組み入れられた。この長期計画では、下水道事業の経営方針を立て、

それを基に具体的な6つの設備整備方針を策定している。計画の期間は平成 23年度までとなっていた。