第7章 経営の健全化対策
第2節 水道部との組織統合
1 下水道事業の業務と組織の変遷
下水道事業の業務は、下水道の整備や各施設の維持管理だけではない。整 備のための調査から整備計画の立案、各施設の建設や維持管理、事業の財源 や経営、市民への広報活動など多岐にわたる。山形市では事業の進展ごとに 組織を改編させ業務を行なってきた。平成21年(2009)下水道部は水道部と 統合したが、それまでの組織の変遷をみてみる。
昭和34年(1959)山形市建設部計画課の都市計画係で下水道事業を始める ための人員が配置され、昭和35年(1960)に建設部計画課下水道係が作られ、
3名が配属されたのがスタートであった。昭和36年(1961)には建設部下水 課となり、管理係(3名)・工務係(4名)が設けられ、この年の12月に事 業認可を受け市街地中心部約255haを第一期事業区域として、管渠と終末処 理場の建設を始めた。昭和37年(1962)以降、組織改編時のみまとめてみた。
年 部名 課 係 人員数
昭和38年
(1963) 建設部 下水道課 管理係 3名 下水課から下水道課 に名称変更
工務係 8名 10名 昭和40年
(1965) 建設部 下水道課
管理係 7名
工務係を廃止工務第 一・二係を新設 工務第一係 12名
工務第二係 3名 27名
昭和43年
(1968) 建設部 下水道課
管理係 7名
終末処理場を新設 工務第一係 8名
工務第二係 7名 終末処理場 10名
34名
第2節 水道部との組織統合
年 部名 課 係 人員数
昭和49年
(1974) 建設部 下水道課
管理係 4名
業務係を新設 業務係 5名
工務第一係 6名 工務第二係 6名 終末処理場 17名
41名
昭和51年
(1976) 建設部 下水道課
管理係 3名
終末処理場に業務係 を新設
業務係 4名 工務第一係 8名 工務第二係 7名 終末処理場 業務係 15名
41名
昭和54年
(1979) 建設部 下水道 事務所
管理課
管理係 4名
下 水 道 事 務 所 と な り、管理課・工事課・
浄化センターの3課 等11係 等 体 制 と な る流通センター処理場 を新設
業務係 4名 維持管理係 3名 排水設備係 4名
工事課
計画係 4名 管渠係 4名 河川水路係 3名 施設係 3名 浄化センター
管理係 6名 業務係 15名 流通センター処理場 1名
55名
昭和55年
(1980) 建設部 下水道 事務所
管理課
管理係 4名
前明石ケーキ処理場 を新設
業務係 3名 維持管理係 3名 排水設備係 4名
工事課
計画係 3名 管渠係 4名 河川水路係 4名 施設係 3名
第7章第2節
浄化センター
管理係 6名 業務係 15名 流通センター処理場 前明石ケーキ処理場 1名
55名
昭和56年
(1981) 都市
開発部 下水道 事務所
管理課
管理係 4名
都市開発部所属にな る管渠係を廃止、管渠 第一、二係を新設 業務係 3名
維持管理係 3名 排水設備係 5名
工事課
計画係 3名 管渠第一係 4名 管渠第二係 3名 河川水路係 2名 施設係 3名
浄化センター
管理係 6名 業務係 15名 流通センター処理場 兼1名 前明石ケーキ処理場 兼1名 56名
昭和62年
(1987) 都市
開発部 下水道 事務所
管理課
管理係 4名
管渠第一、二係・河 川水路・施設係を建 設第一、二、三係に 再編
業務係 4名 維持管理係 3名 排水設備係 3名
建設課
計画係 4名 建設第一係 6名 建設第二係 3名 建設第三係 3名
浄化 センター
管理係 7名 業務係 13名 流通センター処理場 兼1名 前明石ケーキ処理場 兼1名 57名
浄化センター
管理係 6名 業務係 15名 流通センター処理場 前明石ケーキ処理場 1名
55名
昭和56年
(1981) 都市
開発部 下水道 事務所
管理課
管理係 4名
都市開発部所属にな る管渠係を廃止、管渠 第一、二係を新設 業務係 3名
維持管理係 3名 排水設備係 5名
工事課
計画係 3名 管渠第一係 4名 管渠第二係 3名 河川水路係 2名 施設係 3名
浄化センター
管理係 6名 業務係 15名 流通センター処理場 兼1名 前明石ケーキ処理場 兼1名 56名
昭和62年
(1987) 都市
開発部 下水道 事務所
管理課
管理係 4名
管渠第一、二係・河 川水路・施設係を建 設第一、二、三係に 再編
業務係 4名 維持管理係 3名 排水設備係 3名
建設課
計画係 4名 建設第一係 6名 建設第二係 3名 建設第三係 3名
浄化 センター
管理係 7名 業務係 13名 流通センター処理場 兼1名 前明石ケーキ処理場 兼1名 57名
年 部 名 係 人員数
(1989) 下水道部平成元年
管理課
管理係 5名
下水道部になる 管理課業務係を廃止 し、管理課普及係、
工事課建設第四係を 新設
普及係 5名 維持管理係 5名 排水設備係 4名
建設課
計画係 5名 建設第一係 4名 建設第二係 5名 建設第三係 5名 建設第四係 5名
浄化センター
管理係 7名 業務係 13名 流通センター処理場 兼1名 前明石ケーキ処理場 兼1名 69名
(1992) 下水道部平成4年
管理課
管理係 5名
浄化センターに水質 係を新設
普及係 5名 維持管理係 6名 排水設備係 4名
建設課
計画係 6名 建設第一係 5名 建設第二係 6名 建設第三係 5名 建設第四係 5名
浄化センター
管理係 3名 業務係 14名 水質係 4名 流通センター処理場 兼1名 前明石ケーキ処理場 兼1名 75名
(1992) 下水道部平成8年 管理課
管理係 6名 管理課普及係を廃止 し料金係、利用促進 料金係 3名 係を新設
利用促進係 3名
第7章第2節
維持管理係 5名 排水設備係 4名
建設課
計画係 5名 建設第一係 7名 建設第二係 6名 建設第三係 6名 建設第四係 6名
浄化センター
管理係 3名 業務係 14名 水質係 4名 流通センター処理場 兼1名 前明石ケーキ処理場 兼1名 78名
平成12年
(2000) 下水道部
管理課
管理係 4名
建設課に庶務係を新 設
料金係 4名 利用促進係 2名 維持管理係 5名 排水設備係 4名
建設課
庶務係 3名 計画係 4名 建設第一係 6名 建設第二係 6名 建設第三係 6名 建設第四係 6名
浄化センター
管理係 3名 業務係 14名 水質係 4名 流通センター処理場 兼1名 前明石ケーキ処理場 兼1名 78名
維持管理係 5名 排水設備係 4名
建設課
計画係 5名 建設第一係 7名 建設第二係 6名 建設第三係 6名 建設第四係 6名
浄化センター
管理係 3名 業務係 14名 水質係 4名 流通センター処理場 兼1名 前明石ケーキ処理場 兼1名 78名
平成12年
(2000) 下水道部
管理課
管理係 4名
建設課に庶務係を新 設
料金係 4名 利用促進係 2名 維持管理係 5名 排水設備係 4名
建設課
庶務係 3名 計画係 4名 建設第一係 6名 建設第二係 6名 建設第三係 6名 建設第四係 6名
浄化センター
管理係 3名 業務係 14名 水質係 4名 流通センター処理場 兼1名 前明石ケーキ処理場 兼1名 78名
平成4年(1992)以降は、平成8年4月1日に管理課普及係が料金係と利 用促進係に分かれ、合計人員は78名となった。平成12年(2000)に建設課に 庶務係が新設され、その後は平成19年(2008)3月、流通センター終末処理 場が廃止されたため部署も廃止、平成21年までは人員の増減はあるものの、
組織の変更はなかった。
2 水道部との組織統合
平成17年(2005)11月20日に山形市新行政改革プランが発表された。地域 分権や少子高齢化や社会構造が変化する中で行政は市民の多様化するニーズ に向け、「経営」の視点に立って資源(人、物、金、情報)を活用し、最小の コストで最適な成果をあげるために取り組んだプランであった。このプラン の重点改革事項として、下水道事業の維持管理業務の効率化を図るため、地 方公営企業法の全部を適用して、水道事業との統合を行うことが盛り込まれ た。
下水道部は、平成20年(2008)に汚水管渠整備の完了を目指しており、整 備完了後は維持管理に舵を切ることになる。それまで多額の事業費を投入し てきたことや、整備後は市の財政も厳しさが増すことなどを予測して地方公 営企業会計を導入し、経営を安定させることが目的であった。この地方公営 企業会計導入を契機に、水道部との組織の統合を目指した。当時の市川昭男 市長は平成18年(2006)2月28日の市議会3月定例会で、企業会計方式の導 入とともに組織の統合について以下のように答弁した。
「……最後に、水道事業と組織の統合でございますが、下水道事業に企業 会計方式を導入した場合でも、水道事業と下水道事業それぞれ事業ごとに会 計を処理する必要があると考えております。(略)……上下水道事業の組織 を統合することにより、窓口一本化による市民サービスの向上が図られると ともに、総務部門の類似業務の一元化による人件費の抑制、及び経営資源の 効率的利用による経費の削減が図られるなどの効果があると考えておりまし て、(中略)……組織の統合について現在具体的に検討を進めているところ でございます。……」
また、平成20年度の下水道整備完了という目標を念頭に置きながら、統合 時期を検討していること明らかにした。その後、準備が整い、現実に水道と 下水道が統合したのは平成21年(2009)4月1日であった。
平成20年度の下水道部の組織は管理課・建設課・浄化センターの2課1施
第7章第2節
※ 埋設証明書とは、道路の掘削工事において既に地下に埋設されているガスや水道管・下水道管がどこに埋まっ ているかを調べて、工事関係者へ連絡するもの。
設体制で、平成21年4月1日の上水道・下水道組織統合と共に、上下水道部 は8課2室2施設体制となった。管理課の庶務・経理を担当する管理課管理 係の事務は新組織の総務課や経営企画課に引き継がれた。管理課料金係、利 用促進係で担当していた下水道使用料金や受益者負担金、下水道利用促進の 事務は、新組織の営業課下水道係に引き継がれた。下水施設の維持管理を担 当していた管理課維持管理係は新組織の下水道建設課維持管理係となった。
また、家庭の排水設備等の工事の受付や審査、指定下水道工事店の指導監督 などを担当する管理課排水設備係は、新組織の給排水課排水設備係となっ た。建設課には庶務係、計画係、建設第一係、第二係、第三係、第四係があっ た。この内、庶務係、計画係と汚水管渠建設を担当していた建設第一から第 三係はそれぞれ新組織の下水道建設課管理係、計画係、建設第一係、第二係 に再編された。第四係は雨水整備を担当していたが、新組織では雨水施設建 設室となり、下水道部組織のほとんどが上下水道施設管理センターに移転し た後も、業務で関連のある市役所庁舎7階のまちづくり推進部河川道路整備 課に残り、雨水施設の建設にあたった。浄化センターは管理係・業務係・水 質係があり、所属部署として業務委託していた前明石ケーキ処理場があった が、これはそのまま新組織に引き継がれた。
(表7−2−1参照)
平成21年(2009)3月20日から下水道部は市役所庁舎9階から、山形市南 石関の水道部庁舎へ移転し、4月1日に新しい組織としてスタートした。な お、下水道の各種手続き等は3月23日から新庁舎で受付を開始した。
組織の規模は平成20年度の統合前は水道事業148名と下水道事業77名の合 計225名だったが、統合して水道事業142名、下水道事業62名の合計204名と なった。
組織の統合で、一時的に移転に伴う費用が増加したり、事務的な手続きが 煩雑になったりしたが、メリットとしては窓口が集約できたことや給水装置 と排水設備の審査・検査が同時に行えるようなり、市民サービスが向上(営 業課・給排水課)した。その後、平成25年度からは上水道で以前から導入さ れていた水道管路情報システムに下水道情報を入力することで下水道管路図 面をコンピューターで管理し、管路情報の共有化が可能になった。これによっ て、下水道事業の日常の維持管理業務に利用できるほか、上水道と下水道で 別々に行っていた埋設証明※発行が一元管理でき、ひとつの窓口で対応でき るようになった。また、災害時の緊急対策においても、上下水道として統一