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運輸部門

ドキュメント内 第1章 (ページ 57-60)

第 2 章 省エネルギー目標達成に向けた現状と課題

2.8. 省エネルギー導入目標・温暖化目標達成に向けた現状把握及び課題

2.8.2. 運輸部門

1. エネルギー消費の推移

運輸部門のエネルギー消費は2000年に20.5Mtoeであり、2005年まで20Mtoe台前半で推 移していたが、2007年から増加速度がGDPと同程度に加速しはじめた。2015年に2000年 比倍以上の48.4Mtoeに増加した。

出典:Ministry of Energy and Mineral Resources (2016) “Handbook of Energy & Economic Statistics of Indonesia 2016”

図 2-17 運輸部門のエネルギー消費量の推移

2. 運輸部門のエネルギー消費のシェア

運輸部門のエネルギー消費は 2015 年現在、最終部門の39%を占め、産業の 24%よりも 多い。ちなみに、バイオマスを除いた場合、同比率が40%である。

出典:Ministry of Energy and Mineral Resources (2016) “Handbook of Energy & Economic Statistics of Indonesia 2016”

図 2-18 運輸部門のエネルギー消費のシェア(2015年)

20.5 21.822.3 23.026.2 26.2 25.0 26.329.0 33.1

37.6 40.8

45.347.549.1 48.4

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

消費(Mtoe)

運輸 産業 家庭

業務 その他 非エネ利用

産業, 24%

家庭, 33%

業務, 3%

運輸, 29%

その他, 1%

非エネ利 用, 9%

37 1)道路部門のエネルギー消費量

インドネシアが公表したガソリンや軽油等のエネルギー消費量のデータ(上記Handbook

2016)に基いて推計すると、道路部門のエネルギー消費量は2000~2015年までの平均とし

て運輸部門の92.5%を占めており、また2015年92.5%を占めている。一方、IEAデータに 基いて計算すると同比率が88.2%であった。本試算はIEAの統計データを利用する。

出典:International Energy Agency (2016) “World Energy Statistics and Balances 2016”,

Ministry of Energy and Mineral Resources (2016) “Handbook of Energy & Economic Statistics of Indonesia 2016”

図 2-19 道路部門のエネルギー消費量(左・インドネシアデータと右・IEAデータ)

3. 省エネルギー目標

国家エネルギー省エネプログラム(National Energy Conservation Programme:RIKEN)(2011 年)では運輸部門の省エネ目標として2025年BaU比で20%の省エネとしている。同プロ グラムにおける運輸部門の省エネプログラムとして、公共交通機関の開発と交通システム の改善の2つのプログラムを実施することが計画されている。

一方、インドネシア運輸省(Ministry of Transport)は国家輸送システムの企画、運用管理 における省エネ原則の実施、道路車両品質のテスト、燃焼完全性(エネルギー効率)を含 めた排気ガスのテスト、効率的な国家輸送システムと高効率自動車製造等の業務を管轄す る中央行政機関となっている。運輸省は2013年に第 201(2013)省令を公布し、温室ガス 削減のために「回避(avoid)、 代替(shift)、改善(improve)」の方針を運輸部門に適用す ることを明確した上で、いくつかの政策を示した。例えば「自動車フリー週末」、「石油か らガスへの燃料代替」、「公共交通開発(TOD)」、「非動力車使用の奨励」などの実施行動が 作成されている。

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014

消費量(Mtoe

運輸部門 道路部門

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 50.0

2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014

消費量(Mtoe

運輸部門 道路部門

38 4. 省エネルギー政策とその課題

全般

1991年に発令された省エネに関する大統領令No.43/1991では、全てのエネルギー使用者

(工業、電力、輸送、産業、公共事業、貿易、不動産、ホテル、商業ビル、一般家庭)に 対してエネルギー効率改善の実施を義務付ける。2007年8月に公布された「エネルギー法」

でも「省エネは政府、地方政府、事業者、国民の責務である」と規定している。

2012年6月には追加的に、省エネ関連のエネルギー鉱物相規定「公用車と鉱業・農園用 の車に対する補助金付き石油燃料の販売制限に関する 2012年第 12号規定」の規定の交付 を行った。本規定では、公用車に対する補助金付き石油燃料の販売制限、ならびに鉱業・

農園用の車に対する補助金付き石油燃料の販売制限を決定した。この他に、首都ジャカル タで高級車を対象とした補助金付き石油燃料の販売制限の実施が検討されていた。

2015年はガソリンとディーゼルに対する補助金が撤廃された。

LCGC(Low Cost Green Car)への減税措置

2013 年 5 月、インドネシア政府は低価格かつ低燃費の LCGC 車(Low Cost Green Car)

に対し、優遇策の導入を開始した。以下の条件を満たすことで、LCGC 適合車として奢侈 販売税 10%減免が認められる。

① 燃費効率:20km /ℓ以上走行可能

② 排気量:ガソリン車 1,200cc 以下、ディーゼル車 1,500cc 以下

③ 機動性:4.6m未満の最小回転半径

④ 現地調達率:部品の現地調達率は 80%以上

⑤ その他:エアバックなど安全装置抜きの場合、9,500 万ルピア以下に抑える

LCGC が実施した結果、環境に比較的に優しい自動車は消費者が優先的に選択されるよ

うになった一方、自動車メーカーも競って規格に合った自動車を多く生産するようになっ た。実際LCGC車の販売が好調であった。インドネシア自動車協会によれば、2016年上期 インドネシアの新車販売台数が1%増にとどまっていたにも関わらず LCGC車は 10%も増 加した。

道路整備と交通システムの改善

インドネシアは道路整備を急速に進めている模様である。アジア開発銀行によるクラス 区分別の道路延長の推移をみると、2004 年には最低限の基準を満たす「クラスⅢ」が約半 数を占めていたが、2012 年には「クラスⅢ」がほとんどなくなり、「クラスⅠ」もしくは

「クラスⅡ」に変わっており、道路整備が急速に進展していることが伺わせる21

インドネシアの途上国における適切な緩和行動(NAMA: Nationally Appropriate Mitigation Actions, 2010)は財政面における投資コストや投資内容が明確に示している。そのうち運輸

21 経済産業省 (2016b) http://www.data.go.jp/data/dataset/meti_20160907_0012

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部門では年率9.5%で投資の拡大の必要があるとし、2010~2014年の間に総額19京9,495兆 ルピアの投資を見込んでいた。

5. 課題を解決する技術の提案

インドネシアは国内石油生産の低迷に伴い、石油消費を抑制する方針を打ち出している。

具体的には一次エネルギー消費に占める石油の割合を現状(2013年)の46%から2025年

に25%までに削減する計画となっている。 自動車は石油消費の80%以上を占めているた

め、石油消費の削減の担い手となっている。自動車普及台数は2025年に2倍程度増加する と試算されているため、自動車の石油消費の削減が課題である。しかし、燃費基準等の規 制措置が形成されていない。ただし、燃費基準の導入は燃料品質の向上、とりわけ硫黄分 の減少が急務となっている。現状ではEURO2にも満たさない場合があるから、燃料品質の 向上にとって最大のネックとなっている。

一方、既存の自動車に関しては、車検制度の導入により大量にある年式の自動車の廃止 が期待されている。また、自動車単体の省エネルギー政策のほか、公共交通機関の整備、

道路状況の改善、道路交通信号の合理化も重要な省エネルギー政策となっている。

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