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東インドネシアの地方電力供給における再生可能エネルギーの活用

ドキュメント内 第1章 (ページ 135-138)

第 5 章 2050 年までの再生可能エネルギー導入ポテンシャルと導入促進に向けた政策の費用

5.2. 地方電力供給における再生可能エネルギーの導入量に関する分析

5.2.1. 東インドネシアの地方電力供給における再生可能エネルギーの活用

この分析では、東インドネシア地域を対象にし、同地域における2050年までの電力需要 を推計し、それに対して電力供給を再生可能エネルギーの導入が進まないレファレンスケ ース(ELectr_Ref)と再生可能エネルギー最大導入ケース(Electr_RE)の二つのケースを想 定し、電源開発モデルでそれぞれのケースにおいての電源構成を分析する。

試算で用いた化石燃料の価格想定と主な再生可能エネルギー技術の設備コストの想定を 図5-1に示す。2050年にかけて、石炭価格は据え置き、天然ガス価格は年率1.2%、ディー ゼルの価格は年率 2.2%で伸びていくと想定している。なお、地方発電用のディーゼルにつ いて、燃料の運搬費用が高いため、調達価格は全国レベルより大幅に上回っている。再生 可能エネルギーに関して、バイオマス発電の設備コストを一定にし、太陽光発電と風力発 電の設備コストは今後引き続き低減していくことを想定している。特に太陽光発電はこれ からもコスト削減の余地が大きい。水力発電と地熱発電については、サイトによって初期 コストが異なる。水力発電の初期コストは 2,300~3,100US$/kW、地熱発電の初期コストは

2,567~5,000US$/kWと想定しており、将来には安易に開発できるサイトが段々減っていくた

め初期コストも上がっていくを前提としている。

出典:各種資料により想定

5-1 化石燃料コスト(左)と主な再生可能エネルギー技術の設備コスト(右)の想定

東インドネシアにおける電力需要は 2025 年に 45TWh、2030 年に 67TWh、2050 年に

227TWhになると予測している。同地域における電力需要はインドネシア全国需要の8%強

に占める。

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

2015 2050

US$/kW

風力

バイオマス

太陽光 0

200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800

2015 2050

US$/toe

地方発電 用ディーゼル

ディーゼル

ガス 石炭

115

2050 年までの電力需要に対して、前述二つのケースにおける電源構成と再生可能エネル ギー発電量の見通し結果を図5-2と図5-3に示す。再生可能エネルギーの最大限活用を実現 した場合、レファレンスケースと比較すると年間火力発電の代替可能量は 2025 年に

26.3TWh、2030年に45.0TWh、2050年に141.2TWhとなる。

出典:日本エネルギー経済研究所推計

5-2 地方電力供給の電源構成見通し(レファレンスケースと再生可能エネルギー最大導

入ケース)

出典:日本エネルギー経済研究所推計

5-3 レファレンスケースと再生可能エネルギー最大導入ケースにおける再生可能エネ

ルギー発電量見通し

26%

8% 5% 7% 3% 4% 2%

36%

56%

10%

58%

5%

53%

7%

24% 22%

11%

22%

11%

26%

12%

14% 14%

74%

13%

81%

17%

79%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

Electr_Ref Electr_RE Electr_Ref Electr_RE Electr_Ref Electr_RE

2015 2025 2030 2050

再エネ

ガス

石油

石炭

5.9 6.3

32.6 8.8

53.6 38.3

179.1

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

Electr_Ref Electr_RE Electr_Ref Electr_RE Electr_Ref Electr_RE

2015 2025 2030 2050

TWh

116

再生可能エネルギー技術の初期コストが高いため、同じ電力需要を供給する場合、火力 発電と比べると、短期~中期的に総発電コストは増加する。Electr_REケース(再生可能エ ネルギー促進ケース)と ELectr_Ref ケース(レファレンスケース)における累積総発電コ ストを見ると、2025年まで前者の方は約80億ドルほど高い(図5-4)。他方、バイオマス以 外の再生可能エネルギー発電技術は殆ど燃料費がかからないため、運転費が火力発電より 安い。また、将来には化石燃料価格の上昇傾向に対し、太陽光や風力発電など再生可能エ ネルギー発電技術の設備コストが低減し続けることが予想される。実は地方における化石 燃料の調達コストが高いため、再生可能エネルギー技術の導入による燃料費回避の経済効 果はより早期に現れる。単年度の発電コストを比較すると、2025年時点でもElectr_REケー スにおける平均発電コストはELectr_Refより下回っている(図5-5)。累積でみると、2030

年までElectr_REケースのコスト増は2025年までより減少している。さらに2050年までの

時点には、火力発電の代わりに再生可能エネルギー技術を導入すると、総発電コストの節 約が期待できる。Electr_RE ケースにおける2050年までの累積発電コストはELectr_Ref よ り540億ドルほど安くなる。

出典:日本エネルギー経済研究所推計

5-4 再生可能エネルギー導入拡大による追加発電コストの累積(現在価値に換算)の見

通し

8 4

-54

-60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 20

~2025 ~2030 ~2050

brillion US$ (2015 value)

117 出典:日本エネルギー経済研究所推計

5-5 年平均kWhあたり発電コストの変化の見通し

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