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調査について

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 106-109)

経鼻経管導入の際は、延命治療はしないとする弟夫妻との葛藤があったが、「家族で なくても、その人の命をつなぎたいと望むことがあってもよいのではないか」と考え、

家族に頼んで経鼻経管を装着したことを、ときどき込み上げる想いを押さえながら語 っていた。フォーラムに参加していた筆者は、本人の意思確認が困難な高齢者への経 管栄養導入のプロセスを、本人、家族、介護者のそれぞれの関係性から捉えることが できる貴重な事例と考え、発表後にXに声をかけ、調査協力を依頼して快諾を得た。

A3の親族である弟夫妻への調査は、Xの紹介によって協力を得た。

6.2.2 調査協力者の概要

調査協力者は、経鼻経管を利用してい る高齢者本人A3(男性76歳)、A3とは 父親の異なる弟BM(男性59歳)、BM の妻BW(女性57歳)、現在A3が過ご している富山型施設を運営している介 護者 X(女性 57 歳)である(表 6-1)。 B3 夫妻(BM と BW)は飲食店を経営 しており、Xは近隣在住のその客だった。

A3には水頭症に起因した歩行障害、認知症があり、A3とBMの実家がある他県の療 養型病院に入院していたが、転倒などの危険性があり介護が必要なため入院の継続は 困難と退院を迫られ、B3夫妻はXに相談した。Xは当初、受け入れ先探しと転居の 手続きのみを引き受けたが、成り行きで、現在は自身が運営する富山型施設でA3と 同居している。

同居をはじめ 2年が過ぎた 2013 年8 月、A3は誤嚥性肺炎を発症して経口摂取困 難となり、経鼻経管が装着された。調査開始時の水分・栄養補給は経鼻チューブを介 して行われていたが、Xとスッタッフが経口摂取再開に取り組み、装着から4ヶ月後 の 12 月には経口のみで水分・栄養が確保できるようになり、経管チューブは抜去さ れている。歩行は困難であり、日中は車椅子に座いる。会話は、その時の調子によっ て続くときもあるが、通常は、自分の世界のなかの誰かを呼び、何かを頼み、訴えて いる。

図6−1 事例[3]関係図 家族(?)

介護者 A3

BW BM

76 X 59

57 57

B3 夫妻

表 6-1 事例[3]の調査協力者一覧(2013.11現在)

6.2.3 調査期間と調査方法

調査は、2013年11月25日から2014年5月2日まで、表6-2に示した年月日・

場所・方法で行った。A3が居住している富山型施設では、A3とXの日常生活を中心 に、経管栄養投与、食事、入浴、おやつ、訪問診療受診、弟夫妻(BM,BW)との面 会、ケアカンファレンスなどの様子を参与観察した。Xへの半構造化インタビューで は、XとA3の関係、A3が現在の富山型施設に居住することになった経緯、A3の誤 嚥性肺炎発症から経管栄養導入に至までの経緯、A3 の日常生活の様子などを中心に 聞き取りを行った。BM,BW への半構造化インタビューでは、A3 への経管栄養導入 を検討する以前の経管栄養に対する印象、A3 との関係性などについて聞き取りを行 った。訪問診療の主治医と看護師には、A3の身体状況と疾患の推移について聞いた。

表 6-2 調査期間と調査方法

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