• 検索結果がありません。

2. 個々の試験結果の要約

2.3 対象患者集団であるNSCLC患者の薬物動態

2.3.4 試験1200.33

表題:

LUX-L

UNG

4:アファチニブ 1

1

回連日経口投与の第

I/II

相非盲検試験-進行

NSCLC

患者を対象とした第

I

相試験およびエルロチニブまたはゲフィチニブの治療後に治療不応とな った

NSCLC

患者を対象とした第

II

相試験

資料番号(報告書番号):[CTD 5.3.3.2-9(U -2037)](第

I

相);[CTD 5.3.5.2-1(U -2226)]

(第

II

相)

目的:本試験の第

I

相パートの目的は,進行

NSCLC

日本人患者におけるアファチニブの

MTD

を決定し,第

II

相試験の推奨用量を決定することであった。副次目的はアファチニブの

PK

パ ラメータの評価であった。本試験の第

II

相パートの目的は,第

1

世代の

EGFR TKI

に治療不応 となった進行

NSCLC

の日本人患者を対象に,第

I

相で決定された推奨用量でのアファチニブ 単剤投与の有効性を推定することであった。

方法:本試験は非盲検,非対照,多施設共同第

I/II

相臨床試験であり,標準的治療法では効 果が認められないか,または他に適切な治療法がない進行

NSCLC

の日本人患者を組入れた(本 試験の第

I

相パート)。アファチニブ

20~50 mg

1

1

回投与し,

RECIST

[CTD 5.4-4(R01-0754)]

の評価に基づく疾患進行または治験薬の中止を要する治験薬との因果関係の否定できない有害 事象が認められない限り治療を継続した。第

I

相パートは用量漸増法で行った。第

1

コースの

Day 1

の投与後

24

時間まで,および

Day 28

72

時間までの間に薬物動態用検体を数回採取し た。トラフ

PK

試料は,第

2,3

および第

4

コースの

Day 15

の投与前ならびに第

3

および第

4

コースの

Day 1

に採取した。第

II

相パートでは,第

1

および第

2

コースの

Day 1

および

Day 15

にトラフ PK試料を採取し,第

1

および第

2

コースの

Day 15

の投与後

30

分以降の任意の時刻 に

1

試料を採取した。

結果:第

I

相パート:定常状態でのアファチニブの主要薬物動態パラメータを表

2.3.4:1

に示す。

総曝露量(AUC)および最高血漿中濃度(Cmax)は,定常状態のアファチニブ

50 mg

群を除き,

用量の増加と共に増加した。用量比例性から乖離するような顕著な傾向はなかった。第

1

コー

スの

Day 28

で求めたアファチニブの終末相半減期の方が信頼性が高かった。みかけの全身クリ

アランス(CL/F,CL/F,ss)は高く,みかけの分布容積(Vz

/F,Vz/F

,ss)も高かった。しかし,ヒ トでのアファチニブの絶対バイオアベイラビリティは不明であるため,それらの値の解釈には 注意が必要である。AUC および

C

max に基づく累積係数の幾何平均値は,それぞれ

1.96~3.97

および

1.63~4.41

であった。視覚的評価に基づき,第

1

コースの

Day 8

には定常状態に達した と考えられた。

20 mg,40 mg,または 50 mg

投与時の日本人での曝露(Cmax (,ss)および

AUC

0-24 (τ,ss))を,海外で の第

I/II

相試験のメタアナリシスの結果[CTD 5.3.5.3-1(U -1153)]と比較した(図

2.3.4: 1)。

アファチニブ

20,50 mg

の単回投与後ならびに定常状態での曝露の幾何平均値は同程度で(表

2.3.4: 1

および表 3.2.2: 3参照)あったが,

40 mg

投与群の定常状態での曝露の幾何平均値(Cmax

AUC

τ,ss)は,外国人の約

2

倍高く,日本人に

50 mg

を投与したときの曝露よりも高い値を示し

た。母集団薬物動態解析から明らかになった曝露を上昇させる共変量について(3.3および

3.4

項),個別の被験者ごとにそれぞれのデータを調べたが,原因は特定できなかった。しかしなが ら,日本人と外国人の間で

20,40,50 mg

投与後の個々の

C

max (,ss)および

AUC

0-24 (τ,ss)の分布は よく重なることが示され,さらに単回投与後ならびに

20,50 mg

の定常状態での曝露の幾何平 均値は同程度であったことから,概して日本人と白人で薬物動態に大きな違いはないと結論付 けた。

2.3.4: 1

日本人

NSCLC

患者にアファチニブ

20~50 mg

1

1

回単回経口投与

(Day 1)および反復経口投与(Day 28)したときのアファチニブ

PK

パラ メータの比較(試験

1200.33)

Day 20 mg 40 mg 50 mg

1 (N=3) (N=3) (N=6)

パラメータ 単位

gMean gCV

[%] gMean gCV

[%] gMean gCV [%]

AUC0-24 [ng·h/mL] 147 84.5 2992 6.01 539 59.0 Cmax [ng/mL] 12.4 101 18.9 45.8 44.4 60.6 tmax1 [h] 3.87 (3.00- 4.98) 4.05 (2.00- 8.95) 3.00 (2.02- 4.95) t1/2 [h] 21.3 63.1 37.92) 24.9 14.8 20.0 CL/F [mL/min] 1200 39.5 7992) 19.5 1030 55.9

Vz/F [L] 2200 122 26202) 5.22 1320 62.8

28 (N=3) (N=3) (N=5)

パラメータ 単位

gMean gCV

[%] gMean gCV

[%] gMean gCV [%]

AUCτ,ss [ng·h/mL] 409 16.5 1240 9.73 1010 71.5

Cmax,ss [ng/mL] 26.9 24.9 83.3 30.1 66.8 71.6

tmax,ss1 [h] 3.97 (2.92- 4.95) 2.97 (1.98- 4.02) 3.00 (0.983- 5.03)

t1/2,ss [h] 38.5 14.4 40.4 11.9 33.5 22.2

CL/F,ss [mL/min] 814 16.5 538 9.73 827 71.5 Vz/F,ss [L] 2710 30.3 1880 3.78 2400 80.6

RA,AUC 2.79 80.7 3.972 2.81 1.96 98.7

RA,Cmax 2.17 94.8 4.41 43.8 1.63 96.4

1)中央値および範囲を示す。

2N=2

引用元:CTD 5.3.3.2-9U -2037),Table 11.5.2: 1

Dose [mg]

Cmax of afatinib [ng/mL]

0 20 40 60 80 100 120 140 160

Dose [mg]

AUC0_24 of afatinib [ng·h/mL]

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800

20 40 50 20 40 50

N=13/3 N=30/3 N=73/6 N=12/3 N=30/2 N=69/6

Dose [mg]

Cmax,ss of afatinib [ng/mL]

0 50 100 150 200 250

non-Japanese Japanese

Dose [mg]

AUCτ,ss of afatinib [ng·h/mL]

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

20 40 50 20 40 50

N=15/3 N=27/3 N=51/5 N=15/3 N=26/3 N=51/5

gMean

Non-J:外国人,J:日本人

引用元:CTD 5.3.5.3-1(U -1153),Table 7.3.2: 1,CTD 5.3.3.2-9(U -2037),Tables 15.6.2.1: 1-15.6.2.1: 3 り作成

2.3.4: 1

外国人または日本人でのアファチニブ

20 mg,40 mg

または

50 mg

1

1

回反復経口投与時の初回投与後(上段)および定常状態(下段)におけるア ファチニブの薬物動態パラメータ

II

相パート:個体間変動は大きかった(>47%)。患者内でのアファチニブのトラフ血漿中濃 度は,薬物動態観察期間を通して安定していた。投与開始後に既定の有害事象を発現した患者 は減量したために,アファチニブ

50 mg

のトラフ血漿中濃度の幾何平均値は経時的に低下し,

2

コースの

Day 15

までに

40 mg

群または

30 mg

群それぞれの投与量のトラフ濃度とほぼ等し くなった。

データが少ないことから,トラフ血漿中濃度と検討した共変量または有害事象の発現率との関 係を明らかにすることはできなかった。

結論:アファチニブの

t

maxおよび

t

max,ssの中央値は

3~4

時間であり,定常状態における終末相 半減期の幾何平均値は

33.5~40.4

時間であった。みかけの全身クリアランスおよびみかけの分 布容積は高かった。累積係数は

C

max

1.96~3.97(R

A,Cmax),AUCで

1.63~4.41(R

A,AUC)であ った。Day 8(投与開始から

7

日後)には定常状態に達したと考えられ,トラフ血漿中濃度は観 察期間を通して安定していた。個体間変動は大きかった。

2.4

特殊集団における薬物動態