3. 全試験を通しての結果の比較と解析
3.6 曝露-効果関係
• たとえば,アファチニブの皮膚生検検体における作用と標的における作用との関係は不明 である。これらの組織は
EGFR/HER2
阻害[CTD 5.4-29(R10-4568)]に対しては異なる 反応を示す可能性があり,アファチニブの分布が皮膚と腫瘍コンパートメントとの間で異 なる可能性がある。• 生物学的評価が可能な腫瘍組織を有する患者が少数であったため,本試験における皮膚組 織での生物学的評価と臨床的ベネフィットの関係の解釈には注意が必要である。
• 皮膚生検は,アファチニブの
C
maxの時点で正確に採取されなかった。AKTまたはMAPK
などのリン酸化も時間によって異なるため,記載した試験において,マーカーに対するア ファチニブの最大効果を見逃した可能性がある。表
3.6: 1
アファチニブの血漿中トラフ濃度の四分位ごとのベースラインからWeek 6
までの標的病変の腫瘍径に基づく腫瘍縮小(独立判定委員会)(試験1200.32
)アファチニブの血漿中トラフ濃度の四分位値(N=193) トラフ≤Q1 Q1<トラフ
≤中央値
中央値<
トラフ≤Q3 トラフ>Q3 トラフ/腫瘍測定値が得られた患者
[N (%)] 49 (100.0) 48 (100.0) 48 (100.0) 48 (100.0) ベースラインからの最大縮小[mm]
平均値(SD) 中央値
(最小値,最大値)
-17.81 (18.48) -13.00 (-86.1, 6.2)
-12.60 (13.57) -8.40
(-43.9, 4.3)
-17.01 (14.15) -12.80 (-50.1, 1.0)
-15.05 (18.43) -14.65 (-64.2, 33.5) ベースラインからの最大縮小率
[mm]
平均値(SD)
中央値
(最小値,最大値)
-26.85 (18.87) -30.27 (-68.5, 11.3)
-24.91 (22.49) -22.66 (-82.2, 17.1)
-27.45 (15.97) -30.45 (-58.7, 7.5)
-23.38 (23.15) -25.15 (-75.5, 37.1) Q1:第1四分位,Q3:第3四分位
引用元:CTD 5.3.5.1-1(U -1199),Table 15.5.1: 1
表
3.6: 2
アファチニブの投与前血漿中濃度の四分位値ごとのPFS(独立判定委員会)
の要約(試験
1200.32)
アファチニブの血漿中トラフ濃度の四分位値(N=211)
トラフ≤Q1 Q1<トラフ
≤中央値
中央値<
トラフ≤Q3 トラフ>Q3 患者
合計[N (%)]
増 悪 ま た は 死 亡[N (%)]
53 (100.0) 38 (71.7)
54 (100.0) 33 (61.1)
53 (100.0) 31 (58.5)
51 (100.0) 37 (72.5) PFS [月]
P25th(95% CI) 中央値(95% CI) P75th(95% CI)
6.70 (2.79, 8.21) 11.10 (8.18, 13.80) 19.22 (13.77, 21.88)
8.31 (5.34, 10.97) 13.77 (10.84, 16.56)
19.29 (16.53, NE)
6.93 (3.94, 9.46) 13.60 (9.40, 16.36)
NE (15.44, NE)
2.86 (2.56, 5.36) 8.25 (5.32,11.30) 16.59 (11.14, 24.67) NE:評価不可(not estimable)
Q1:第1四分位,Q3:第3四分位
引用元:CTD 5.3.5.1-1(U -1199),Table 15.5.1: 2
いずれの有効性評価項目についても,アファチニブの血漿中トラフ濃度との間に相関性は認め られなかった。解析の時点では,最終の全体生存期間のデータは未成熟であったため,重要な 解析はできなかった。
同様に,試験
1200.23
[CTD 5.3.5.1-2(U -3048)]および試験1200.22
[CTD 5.3.5.2-4(U -3047)] で実施した探索的解析においても,薬物動態と有効性の間に相関性を確認することができなか った。引用元:
図
3.6: 1
3.7
下痢およ15
のト/ざ瘡+ も重い
C
中トラフTKI
によ 分類2
の たアファ および試 の試験1
ニブ投与CTD 5.3.5.1-1
1
アK
曝露量-よび発疹/ざ ラフ濃度が
)と第
1
コCTCAE gra
フ濃度の中央 よる治療歴が のうち試験 ァチニブの5
試験1200.33
1200.22,試
与前の血漿中1(U -1199),
アファチニブ
Kaplan-Meie
-安全性の相
ざ瘡+は,アこれらの有害 ース
Day 15 de
の有害事 央値を算出し がなく,アフ1200.22
およ50 mg
開始用3)を対象と
試験1200.23,
中濃度を
CT
,Figure 15.5.
ブの投与前血
er
曲線(試験 相関ファチニブ 害事象の最
5
のトラフ血 事象(下痢おした。本分析 ファチニブの よび試験
120
用量の投与を した。また,
試験
1200.
TCAE grade
1: 1血漿中濃度の 験
1200.32
)投与の
1
週 もよい指標 血漿中濃度と および発疹/析は,
2
つの患 の40 mg
開始00.32)と,E
を受けたNS
両
NSCLC 32
および試 ごとに要約の四分位ごと
)
目または
2
となると考 との関係を探/ざ瘡+)発現 患者集団に対
始用量の投
EGFR TKI
にSCLC
患者(患者集団(
試験
1200.33)
した。
との
PFS
(独週目に発現 え,有害事象 探索的に検討 現時おけるア 対して行った 与を受けた による治療後
(試験分類
4
開始用量が)の合計につ
独立判定委員
現することか 象(下痢およ 討した。各患 アファチニブ た。すなわち
NSCLC
患者 後に治療不応 のうち試験40 mg
また ついても,ア員会)の
から,Day よび発疹 患者の最 ブの血漿 ち,
EGFR
者(試験 応となっ 験
1200.23
は50 mg
アファチ下痢の最も重い
CTCAE grade
とアファチニブの血漿中トラフ濃度との関連性を表 3.7: 1に示す。アファチニブのトラフ濃度の中央値は,下痢の重症度に伴って上昇しており,アファチニブの 血漿曝露と下痢の間の相関が示された。
表
3.7: 1
下痢の最も重いCTCAE grade
とアファチニブのトラフ濃度(Cpre,ss)との関連性
アファチニブの血漿中トラフ濃度(Cpre,ss) Day 15
下痢の重症度 50 mg開始用量(SAF 4) 40 mg開始用量(SAF 2) 合計
N 中央値 N 中央値 N 中央値
0 1 86.4 1 86.4
CTC grade 1 159 35.6 113 25.2 272 31.3
CTC grade 2 152 44.1 93 31.6 245 39.6
CTC grade 3 90 50.1 35 35.8 125 47.5
引用元:CTD 5.3.5.3-9(U -3312),Table 2.8.1.14
Cpre,ssは母集団薬物動態解析(CTD 5.3.3.5-3(U -1394))のデータ
発疹/ざ瘡+の最も重い
CTCAE grade
とアファチニブの投与前血漿中濃度(トラフ濃度)との 関連性を表 3.7: 2に示す。アファチニブのトラフ濃度の中央値は,発疹/ざ瘡+の重症度に伴っ て上昇しており,アファチニブの血漿曝露量と発疹/ざ瘡+との間の相関が示された。表
3.7: 2
発疹/ざ瘡+の最も重いCTCAE grade
とアファチニブのトラフ濃度(C
pre,ss) との関連性アファチニブの血漿中トラフ濃度(Cpre,ss) Day 15
発疹/ざ瘡+の重症度 50 mg開始用量(SAF 4)40 mg開始用量(SAF 2) 合計
N 中央値 N 中央値 N 中央値
CTC grade 1 125 37.9 77 27.6 202 34.4 CTC grade 2 164 39.9 111 26.8 275 34.2 CTC grade 3 73 52.1 39 31.4 112 45.1 引用元:CTD 5.3.5.3-9(U -3312),Table 2.8.4.10
Cpre,ssは母集団薬物動態解析(CTD 5.3.3.5-3(U -1394))のデータ