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観光客を対象にした調査の概要

第8章 観光客が観光ガイドに抱くイメージ,評価と観光客の視点からみた中国観光

第 2 節 観光客を対象にした調査の概要

1.調査の概要

一般の中国人観光客が抱く中国観光ガイドに対するイメージや評価を把握すること,お よび観光客が考える現在の中国観光ガイドの育成課題を考察するために,本研究は質問紙

138 史颹(2013)は「観光ガイドの総合素質が低い傾向にある」といっている.

139 李森(2013)は「全国の旅行社の人的資源調査のデータによると,2010年年末まで,観光ガイドの

流失率は30%を超えていた」といっている.

140 陳艶紅(2008)は「観光ガイドは高社会地位,高収入のイメージからだんだん離れている」といって いる.彭雯娟(2014)は「観光ガイドに対して社会的評価が不公平である」といっている.

175

調査を実施した.尚,この調査は,中国で最も信頼性が高い

SNS

ウェイチャットを通じて 回答者に調査票を送るという手法を用いて,2016年

9

1

日から

15

日までの

2

週間実施 し,回収した有効調査票は

745

部である.

そして,この調査で使用した調査票は

2

部構成になっており,前者は,回答者の居住地,

性別,年齢,学歴,職業,収入,ガイド付き旅行に参加した経験の有無とその回数を尋ねて いる.他方,後者は,回答者が観光ガイドに抱くイメージ,ガイド付き旅行に対する満足度,

ガイドが直面する問題点などで構成されている(表8-1参照)

8-1 観光客を対象にした調査の質問項目一覧

1.居住地 2.性別 3.年齢

4.学歴 5.職業 6.月収

7.ガイド付き旅行に参加し た経験の有無

8.ガイド付き旅行に参加 した回数

9.ガイド付き旅行に参加 したときの満足度

10.観光ガイドに抱くイメー ジの良し悪し

11.観光ガイドに抱くイメ ージに影響を与えた要因

12.ガイドが直面するキ ャリア開発上の問題点

2.回答者のプロフィール

回答者の居住地は,北京,上海などの東部地方が全体の

4

分の

3

を占めている.これに 対して,東北,中部,西部,香港,マカオ,台湾と海外からの回答者は合計しても全体の約

4

分の1に過ぎない.他方,回答者の約

3

分の

2

が女性であり,女性の割合が高いことが本 調査の回答者の特徴である(表8-2参照)

8-2 回答者の居住地と性別 (N=745,%)

東部地方 74.4 男性 34.0 その他地方 25.6 女性 66.0

これに対して,回答者の年齢は,29 歳以下が全体の約

41%,30

歳以上

50

歳未満が約

48%でああり,この両者が全体の約 9

割を占めている.これに対して

50

歳以上の回答者は

全体の約

1

割であることから,高齢者の回答者が少ないといえる.さらに,回答者の学歴

176

は,4年制大学卒以上が主体であり,全体の約

3

分の

2

を構成している(表8-3参照)

8-3 回答者の年齢と学歴 (N=745,%)

年 齢 学 歴

29歳以下 41.2 高卒以下 9.0

30歳以上50歳未満 47.9 3年制大卒 22.5

50歳以上 10.9 4年制大卒以上 68.5

一方,回答者の職業は,公務員・公企業職員,会社員が全体の約半数に達しており,学生 が約

5

分の

1

を占めている.そして,回答者の月収は,

8,000

元未満である人が全体の

8

割 以上に達しており,平均的な中国人の月収に近い(表8-4参照)

8-4 回答者の職業と収入 (N=745,%)

職 業 月 収

公務員・公企業職員 22.3 3,000元未満 27.1

会社員 28.9 3,000元以上5,000元未満 31.0

学生 19.6 5,000元以上8,000元未満 23.4

その他の職業 29.3 8,000元以上 18.5

さらに,ガイド付きの旅行を経験した回答者は,全体の約

63%(467

人)存在している.

そこで,この旅行の経験者と取り出し,その利用回数を聴取したところ,

1

回が

10.5%と少

数派であり,逆に約

8

割以上の回答者は複数回利用しており,

4

回以上利用した人も全体の 約

4

割存在していた(表8-5参照)

8-5 観光ガイド付き旅行を利用した経験の有無とその利用回数

ガイド付き旅行経験の有無

(N= 745,%) 利用回数 (N=467,%)

ある 62.7 1回 16.8

ない 37.3 2~3 41.6

4回以上 41.6

177

一方,このガイド付き旅行経験の有無と回答者のプロフィールとの関連性をχ2検定によ り調べたところ,学歴(χ2(2)=1.4894,p=.474>.01),および居住地(χ2(1)=2.848,p=.091

>.01)では,統計的に有意な差異がなかった.

しかし,性別(χ2(1)=7.919,p=.005<.000.年齢(χ2(2)=51.525,p=.000<.01),職業(χ

2(3)=43.421,p=.000<.01),および月収(χ2(3)=39.092,p=.000<.01)のあいだには有意な差 異がみられたそこで,これら

4

つのプロフィールに対して,残差分析を行ったところ,以下 がわかった(表8-6および表8-7参照)

㋐男性では利用経験者相対的に少なく,逆に女性では利用経験者が多い

㋑29歳以下では相対的に利用経験者が少なく,30歳以上では利用経験者が多い

㋒職業では,学生の利用経験者が相対的に少なく,公務員・公企業職員,その他の職業に 就く回答者のなかに利用経験者が多い

㋓月収が

3,000

元以下の利用経験者が相対的に少なく,それが

5,000

元を超えると利用 経験者が多くなる

8-6 性別,年齢と観光ガイド付き旅行経験の有無の関連性 N=745 経験

性別 ある ない 経験

年齢 ある ない

男性 141 -2.8

112

2.8 29歳以下 146

-7.1

161 7.1 女性 326

2.8

166 -2.8

30歳以上 50歳未満

289 6.1

108 -6.1

50歳以上 32.

2.1

9 -2.1

178

8-7 職業,月収と観光ガイド付き旅行経験の有無の関連性 N=745 経験

職業 ある ない 経験

月収 ある ない

公務員・公企 業職員

124 3.6

42

-3.6 3,000元未満 91

-6.1

111 6.1 会社員 129

-1.0

86 1.0

3,000元以上 5,000元未満

152 1.2

79 -1.2

学生 61

-5.9

85 5.8

5,000元以上 8,000元未満

123 2.5

51 -2.5 その他の職業 153

2.7

65

-2.7 8,000元以上 101

2.8

37 -2.8