第5章 観光教育機関の視点からみた中国観光ガイドの育成課題
第 1 節 中国観光教育機関における観光ガイド教育の現状
2 観光教育機関の現状
(1) 観光教育機関と在校生の規模(2015
年)中国国家旅游局のデータによると,2015年,中国全国で,観光系大学及び観光学院(専 攻)を設置する大学の総数は
1,518
校(前年より396
校増加)で,在校生の数は57.1
万人(前年より
3.58
万人増加)であり,中等職業学校129の中で,観光関係課程を設置する学校 は789
校(前年より144
校減少)で,在校生の数は22.6
万人(前年より9.21
万人減少)であった.
つまり,2015年,中国全国で観光教育機関(観光関係課程を設置する大学と中等職業学 校)の総数は合わせて
2,307
校(前年より252
校増加)に達し,在校生の数は両者合わせ て79.7
万人(前年より4.37
万人増加)に達したことが分かる(表 5-1 参照).129 略称は中職である.中学校卒業後進学できる学制は普通3年の学校で,高校の学歴に相当する.
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表5-1 2000-2015年中国における観光教育機関および在校生総数の推移(2000~2015年)
年 度
教育機関数 (単位:軒) 在校生数 (単位:万人)
観光系大学及 び観光学院
(専攻)を設 置する大学の
総数
観光関係コー スを設置する 中等職業学校
の総数
合計
観光系大学及 び観光学院
(専攻)を設 置する大学の
総数
観光関係コー スを設置する 中等職業学校 の在校生総数
合計
2000年 252 943 1,195 7.36 25.43 32.79
2001年 311 841 1,152 10.22 24.05 34.28
2002年 407 706 1,113 15.74 25.96 41.70
2003年 494 713 1,207 19.97 25.93 45.90
2004年 574 739 1,313 27.47 30.39 57.86
2005年 693 643 1,336 30.84 25.81 56.65
2006年 762 941 1,703 36.11 37.37 73.49
2007年 770 871 1,641 39.74 37.64 77.38
2008年 810 965 1,775 44.00 40.46 84.46
2009年 852 881 1,733 49.84 45.41 95.24
2010年 967 1,001 1,968 59.61 49.03 108.64
2011年 1,115 1,093 2,208 59.98 48.34 108.33
2012年 1,097 1,139 2,236 57.62 49.72 107.34
2013年 959 873 1,832 49.44 27.72 77.16
2014年 1,122 933 2,055 43.52 31.81 75.33
2015年 1,518 789 2,307 57.1 22.6 79.7
出所:中国国家観光局データセンター「中国旅游業統計公報(2000~2015年)」に基づき,筆者作成.
(2) 観光教育の発展過程(2000-2015
年)2000
年から2015
年までの中国における観光教育機関数の推移から見れば,中国におけ る観光教育機関の総数は増加する傾向にある.そして,2015年と2011
年を除くと,2013 年まで観光系中等職業学校より観光系大学が多い.だが,2013年からは観光系大学の数の122
ほうが多くなった(図5-1参照).つまり,近年,観光教育機関の総数は増加する傾向にあり,観光教育を担う教育機関は,
中等職業学校より大学が多くなっているといえる.
図5-1 中国の各種観光教育機関数の推移(2000~2015 年) 単位:軒
出所:表5-1に同じ.
他方,観光教育機関における在校生数を見ると,その総数は
2011
年までは増加する傾向 にあったが,2011 年から減少する傾向が見える.それは近年,中国の少子化で,各教育機 関の新入生の数は減少しているという原因があると思われる.そして,2006
年を除き,2005
年以降,大学の在校生数は中等職業学校のそれを大きく超えている(図5-2参照).ここから見れば,将来,観光教育機関における在校生の総数は減少する傾向にあるものの,
現在では,中等職業学校より大学の在校生の数のほうが多いことが理解できる.そして,中 国の高学歴社会の到来を考慮すれば,今後は,観光関係コースを設置する観光系大学及び観 光学院(専攻)の方が中等職業学校よりも主流になると推測する.
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図5-2 中国の各種観光教育機関における在校生数の推移(2000~2015年) 単位:万人
出所:表5-1に同じ.