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親しい者同士の自然会話における CN と JP の「推量」の「ダロウ」使用

第 6 章 場面別に見た自然会話における CN の「ダロウ」の使用状況

6.2 親しい者同士の自然会話における CN の「ダロウ」の使用状況

6.2.2 親しい者同士の自然会話における CN と JP の各用法の「ダロウ」の使用

6.2.2.1 親しい者同士の自然会話における CN と JP の「推量」の「ダロウ」使用

上記の表49から分かるように、CNでは「推量」の「ダロウ」が最も多く使用されている。

その使用例を見ると、いずれも、下の(180)(181)のような「単純ダロウ」であり、「推量」

の「複合ダロウ」の使用は全くない。

(180) CNF05:私も、んー、私は今彼氏が、いないから、んー、たぶん、んー、理想的な 彼氏は、んー、背が高くて、手が暖かい、ユーモアがある男が大好きです、

もちろん頭、頭が CNF06:いい人?

CNF05:いい人、はい、そうです

CNF06:厳しいルールですよね、まあ、そのルールにた、達する、たし、達する人 が少なく、少ないでしょう、私はそう思います<はい>手が高くて、そし て、手が暖かくて、そして?<んー、頭>頭がいい、頭がいいよ、難しい よね

(181) CNM07:うん<んー>じゃあ、一応方向とかは幼稚園の先生かな<あ>十年後<そ う、そう考えています>でも、でも、ずっと先生でいるつもりですか、そ れとも、まあ、卒業して、なんか、じゅう、十年後で、あのー、先生から 幼稚園の院長とか、なる予定とか、どうかなーって

CNM08:私は、もし、私なら、たぶんずっと先生で、いても構わないです、た<う ん>子供が好きですからね、もし、ほ、もし、上の方にしんしょくしたら、

まあ、たぶん、子供と接触することはないでしょう<あー>ないだろう、

102 それ、それ、それ

CNの「ダロウ」の使用例には、下の(182)(183)のような「ダロウ」自体に関係している不 自然な例が存在する。

(182) CNM03:はい、どんな仕事をやりたいんですか<ええと>先生とか

CNM04:先生?たぶん、十年後は、今は、ええと、通訳になりたい<通訳者>通訳 者<はい>そして、たぶん十年後は自分、自分なりの力で、ええと、有名 みたいな通訳者、になると、それはいいだろう、それはいいんです (183) CNM05:(前略)たぶん、じゅ、たぶん十年、十年後の後<うん>私たちの人生は

段々平和になる<はい、確かにそうですね>【人名】さんと、【人名】さ んと、また、あのー、どうきょう、同郷会で<うん>んー、昔の笑い話な ど<うん>一緒に飲みながら、しゃ、しゃべります

CNM06:できればいいでしょう、今、彼女ができますか

(182)(183)の録音を確認すると、いずれも下降調を取っていた。また、(182)では、「ダロ

ウ」文を発話した後、言い直しており、(183)では、「ダロウ」文を発話した後、話題を変え て話し続けている。さらに、いずれも10年後のことについて話しているといったことから、

話し手が「推量」の意味で「ダロウ」を使用していると考えられる。しかし、(182)(183)で は、いずれも自分の願望を「推量」の「ダロウ」によって表しているため、自分の願望では なく、ほか人の願望を話しているように聞こえる。つまり、自分のことを言っているにもか かわらず、突き放してほか人事を言っているように聞こえる。また、(182)(183)の話し手は

「いいダロウ」を「決まり文句」として使っている可能性もあると思われる。

また、CNの「ダロウ」の使用例を詳しく見ると、下の(184)(185)のような「ダロウ」の前 の部分が不自然であることが分かる。

(184) CNF10:たぶん【相手の名前】さんはあのう、五年ぐらい、五年後、もうたぶん<

結婚し、した>結婚していると思います CNF09:はい

CNF10:私はたぶん十年後は彼氏いるかどうか、それ分からない、む、難しい、私 にとっては、彼氏とか

CNF09:私は【相手の名前】さんはご、五年後彼氏いるの、いる可能性が多いと思 い、思う、もういくつかの彼氏がいる、い、いたのだろう

(185) CNM03:あっ、そっか、んー、私は最近、なん、なんでも、なん、何もし、してい ないので、とてもつまらないですが、ええと、十年後の、んー、未来の様 子を想像したことがありますか

103 CNM04:え?十年後の自分?ええと、十年後の自分と言えば、えー、え、ええと、

十年後は、今は私は、ええと、二十一歳ですから、ええと、十年後は三十 一歳です、ええと、あの時は、たぶん妻もあると、えー、そして、えー、

自分の子供もある、もいる、えー、だから、ええと、たぶん幸せな人生を 送っていますだろう

(184)はテンスと関係しており、(185)は接続する形式と関係しており、それぞれ「彼氏が

いるだろう」「送っているだろう」に直すと、容認度が高くなると思われる。

一方、JPでは、下の(186)(187)のような「単純ダロウ」だけではなく、(188)(189)のよう な「複合ダロウ」の使用も多く見られる。

(186) JPF01:でも、たぶん、結婚したり、子供出来たら、たぶん、ガラッと変わると 思う、私はね<あー>「私」っていうようになると思う、少なくとも JPF02:子供が<そう>「俺」みたいな

JPF01:そう、言葉遣いを直してると思う<うんうんうんうん>さすがにその年 にふさわしい言葉遣いになって

JPF02:なるでしょう、働くんなったら絶対なると思う

(187) JPM05:そうね、子供とかもね、二十九歳やったら、おるかもしれんね

JPM06:うーん、おるやろう、だって、親、二十四、三ぐらいに姉ちゃん産んど るから

JPM05:俺もたぶん一緒ぐらい時に、同じ年 (188) JPF02:転職して?

JPF01:うん、先生かもしれないし<うん>転職するなら先生がいいな、いや、ま あ、決められないけど、たぶんめっちゃ大変やろうね、三十超えて (189) JPM05:結局、目標、就職したら目標なくなるやん<うん>だからさ、俺はでかい

家といい車に乗るっていう目標<うーん>のもと生活しようと思っとる JPM06:その頃にはもう子供が学校やどうのこうのって

JPM05:そうそうそう、ちょうど、まあ、色々お金かかるやろうけど、そんな感じ かな

また、JPの「推量」の「複合ダロウ」を詳しく見ると、(188)(189)のように「ね」「けど」

と共起するもののほか、下の(190)(191)(192)のような「な」「から」「し」と共起するもの も見られる。

(190) JPM03:不思議な夢だな

JPM04:そうそう、三つ目が、三つ目が、なんだろうね、三つ目が、まあ三つ目が

104 研究だろうな

(191) JPM03:まあ、まあ、土日とか、空いた時間とかで、まあ、別にそんな<あー>基 本父親が、メインで仕事をするだろうから

JPM04:あー、そういうこと?あっ、そういうこと?

JPM03:僕はフォローみたいな感じ<うん>代々そうなんだって、じいちゃんが メインでやってる時は<あーん>父親が先生やりながら、フォローして (192) JPF08:ぐるっとね<うん>そこら辺<うーん>で、まあ<うん>んー、そうだ

ね、だから、【地名】?でも、暑いよね、【地名】とか【地名】で JPF07:まあ、暑いって暑いね、晴れが多いやろうし

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