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友人同士の CN による日本語会話と友人同士の JP による日本語会話

第 3 章 研究課題と研究方法

3.2 研究方法

3.2.1 使用データ

3.2.1.3 友人同士の CN による日本語会話と友人同士の JP による日本語会話

友人同士の会話では、CNが「ダロウ」をどのように使用しているのかについて明らかに するために、実際の会話を収集した。本研究では2017年3月に中国華北地区の6つの大 学において日本語を専門として学んでおり、日本留学経験がないN1を取得したCN20名

(女性10名、男性10名)を対象にし、以下のような手順で友人関係の同性2名をペアに し、会話データを収集した。

手順① あらかじめ、条件を満たすCNの調査協力者を募集し、協力者に所在大学での話 しやすい場所を決めておいてもらう。

手順② 協力者に調査の概要を説明し、調査同意書と協力者情報表を記入してもらう。

手順③ 協力者に以下のような指示を出す。「10年後の自分について想像して、2人で確 認し合いながら15分程度でお話しください。話題がどの方向に飛んでもかまい ません。会話はICレコーダーで録音します。準備できたら、録音開始のご指示

32 をお願いします。時間になったら、止めさせていただきます。」

手順④ 協力者からの指示をもらい、録音を開始する。

手順⑤ 15分程度で会話を終了させる。

協力者としての20名のCNの具体的な属性は表13にまとめた。

表13 友人同士会話参加者のCNの属性

会話 会話参加者(年代) 録音日時 会話1 CNF01(20代前半)/CNF02(20代前半) 2017年3月9日 会話2 CNF03(20代前半)/CNF04(20代前半) 2017年3月9日 会話3 CNF05(20代前半)/CNF06(20代前半) 2017年3月9日 会話4 CNF07(20代前半)/CNF08(20代前半) 2017年3月9日 会話5 CNF09(20代前半)/CNF10(20代前半) 2017年3月10日 会話6 CNM01(20代前半)/CNM02(20代前半) 2017年3月10日 会話7 CNM03(20代前半)/CNM04(20代前半) 2017年3月14日 会話8 CNM05(20代前半)/CNM06(20代前半) 2017年3月17日 会話9 CNM07(20代前半)/CNM08(20代前半) 2017年3月21日 会話10 CNM09(20代前半)/CNM10(20代前半) 2017年3月26日 (F:女性 M:男性)

比較して見るために、本研究では2017年1月~2月の間に、同様な手順で日本北陸地区 に在学中の大学生のJP20名(女性10名、男性10名)を対象とし、友人関係の同性2名を ペアに、会話データを収集した。

協力者としての20名のJPの具体的な属性は表14にまとめた。

表14 友人同士会話参加者のJPの属性

会話 会話参加者(年齢、出身地) 録音日時

会話11 JPF01(20代前半、石川県)/JPF02(20代前半、富山県) 2017年1月19日 会話12 JPF03(20代前半、愛知県)/JPF04(20代前半、長野県) 2017年1月23日 会話13 JPF05(10代後半、石川県)/JPF06(10代後半、長野県) 2017年1月31日 会話14 JPF07(10代後半、石川県)/JPF08(10代後半、石川県) 2017年2月1日 会話15 JPF09(20代前半、石川県)/JPF10(20代前半、石川県) 2017年2月2日 会話16 JPM01(20代前半、滋賀県)/JPM02(20代前半、静岡県) 2017年2月3日 会話17 JPM03(10代後半、愛知県)/JPM04(10代後半、秋田県) 2017年2月6日 会話18 JPM05(10代後半、石川県)/JPM06(10代後半、石川県) 2017年2月6日 会話19 JPM07(10代後半、石川県)/JPM08(10代後半、兵庫県) 2017年2月9日 会話20 JPM09(10代後半、石川県)/JPM10(10代後半、石川県) 2017年2月9日 (F:女性 M:男性)

33 収集した会話の録音データの文字化にあたって、迫田(2016)に提示されている「I-JAS の書き起こしルール」参考にし、本研究の目的に沿うように修正したものを文字化ルールと して用いた。基本的な文字化ルールは以下の表15のとおりである。

表15 基本的な文字化ルール

基本方針

発話は基本的に発話に忠実に書き起こすが、発話の重なりやポーズの長さ、

笑いなどの情報は付与しない。

誤用及び正用の表示は行わない。

改行 基本的に話者の交代をもって改行する。

あいづちと発 話の重なり

あいづちと見なされる発話は、< >で相手の発話の中に挿入する。発話が 重なっている場合は、別の発話として改行して表記するか、あいづちとして 相手の発話に挿入する。

表記方法

一般的な漢字仮名交じり文とする。

数字は基本的に漢数字で記す。

オノマトペはカタカナで記す。

アルファベット通りの発音をしている場合はアルファベット全角で記す。

個人情報 個人情報であると特定される箇所は、【 】を用い、【人名】【地名】のように 示す。

記号

< > あいづち

、 間・ポーズ

― 伸ばされた音

? 上昇イントネーション

### 聞き取り不能

「 」 直接引用

『 』 書名、映画名、ドラマ名

(迫田(2016:170-173)を参考にして作成)

友人同士の CN による会話とJP による会話に使用されている「ダロウ」を次の手順で収 集した。

手順1:「でしょ」「だろ」「やろ」を順次キーワードとして検索し、「でしょ」「でしょう」

「だろ」「だろう」「やろ」「やろう」を含む文を目視で確認した後、一例ずつ抽出 する。

手順2:抽出した「ダロウ」文をエクセルに入力しデータ化する。

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