1 )Wound(創傷)
・皮膚の健康の維持・増進
・褥瘡ケア(保有者・予防ケア)
・慢性潰瘍(術後開放創など)のケア
・足病変のケア(予防を含む )
・脆弱な皮膚の管理
・瘻孔・栄養瘻の管理、ケア 2 )Ostomy(オストミー)
・術前ケア、ストーマサイトマーキング
・造設後〜退院までのケア
・退院後のフォローアップ
・小児のストーマケア(入院・外来)
3 )Continence(失禁)
・陰部のスキンケア
・生活指導
・失禁用具を使ったケア
・自己導尿指導
・行動療法( 骨盤底筋訓練、膀胱訓練など ) 2 .活動の実際
・病棟訪問…各病棟 1 回/週 訪問日以外の相談も 随時対応
・外来患者への相談・指導
・NSTミーティングへの参加…1 回 / 週
・褥瘡に関するデータ管理(患者把握・体圧分散 マットレス保有状況)
・褥瘡発生報告書の作成・発行…1 回 / 月
・勉強会の企画・運営…各病棟、委員会からの依頼 3 .結 果
Wound ケア・相談件数は表 1 に示す。活動を開始 したばかりの 2007 年 12 月褥瘡保有者ケアと予防ケ アが多く、他の皮膚トラブルに対するケア・相談依 頼は少ない。活動して 8ヵ月後の 2008 年 7 月には慢 性潰瘍( 術後創離開を含む)や栄養ろう(PEG・胃 ろう・腸ろう)の相談も増えてきている。褥瘡予防 ケアが減っているが、これは 2008 年 4 月から褥瘡ハ イリスク患者ケア加算が開始となったため、相談件 数として集計しなかったためである。8ヶ月の合計 を見ると褥瘡に関する相談が圧倒的に多い。
表1 Woundケア・相談件数
褥瘡ケアと同時に褥瘡患者の実態、マットレスの 保有状況の調査も実施した。褥瘡保有者は院内発 生・持込を含め月平均約30人程度であった。何らか の褥瘡対策が必要な褥瘡管理加算対象者は約250人/
月、褥瘡ハイリスク患者加算対象者は約100人/月で ある。2008年4月から開始となった褥瘡ハイリスク 患者ケア加算件数・収入については表 2 の通りであ る。それまでの褥瘡管理加算の実施で年約69万円の 収入であったのに対し、褥瘡ハイリスク患者ケア加 算開始後は褥瘡管理加算と合わせて月約50万円、年 間660万円以上の増収が見込まれる。
表2 経済的効果
褥瘡ハイリスクケア加算褥瘡管理加算
体圧分散マットレスについては、病床数606床に 対し高機能エアマット16台、汎用マットレス142台 で病床数全体の23%保有だった。
Ostomyケア・相談件数は表 3 に示す。消化器外科 病棟にWOCNが配属されているため、術前から退院 までの患者に対するケアは少ない。8ヶ月間を通し て退院後のケア・相談依頼が多い。それは当院にス トーマ外来がなかったことがあげられる。またオス トメイトがストーマ造設に至った疾患以外の疾患で 入院した場合、そのストーマケアについては退院後 として集計した。
対象患者(人) 収益(円)
4 月 91 455,000
5 月 97 485,000
6 月 111 555,000
7 月 101 505,000
合 計 400 2,000,000
相談内容 2007.12 2008.7 8ヶ月合計 皮膚の健康の維持・増進 2 0 5
褥瘡 / 保有者 20 11 221
褥瘡 / 予防 39 0 221
慢性潰瘍 7 38 150
足病変 0 8 41
足病変 / 予防 2 0 26
脆弱な皮膚の管理 5 0 28
瘻孔ケア 0 0 24
ドレーン管理 0 0 5
気管切開孔 0 0 0
栄養瘻の管理 5 12 54
対象患者(人) 収益(円)
4 月 315 63,000
5 月 239 47,800
6 月 233 46,600
7 月 241 48,200
合 計 1,028 205,600
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県西部浜松医療センター学術誌 第 3 巻 第1号(2009)
表3 Ostomyケア・相談件数
Continenceケア・相談件数は表 4 に示す。Wound・
Ostomyに比べ相談件数が少ない。その中でも多い のは陰部のスキントラブルに対するものであった。
自己導尿指導は対象となる患者が少なく、指導経験 のある看護師も少ない。そして院内統一の指導パン フレットもなかったため病棟から依頼があった。行 動療法については病棟看護師同士の会話に「介助が 楽になるかもしれないから関わらせて欲しい。」と WOCNが持ちかける事が多く、病棟からの依頼は少 なかった。
表4 Continenceケア・相談件数
外来部門ではオストメイトに面接をしながらス トーマ外来の紹介を行った。2008年 4 月から開始と なった糖尿病合併症管理料(フットケア)の加算が 行えるように関係部署に働きかけた。専門外来・相 談窓口の開設、告示には至っていない。
考 察
褥瘡対策において2002年の褥瘡対策未実施減算か らはじまり2006年の褥瘡ハイリスク患者ケア加算と 大きく変化している。著者が専従で配置されるま で、当院の褥瘡対策を行う看護師は副部長と兼任で
あった。そのため褥瘡予防に必要なマニュアル整備 は行っていたものの、予防環境を十分に整える事ま では実施できなかった。また褥瘡保有者の実態も詳 細に把握できていなかった。褥瘡管理を専従で行う 事で、当院での褥瘡体策の実態がさらに明確になり 活動の指標となっている。早急に取り組む課題とし て、須釜が米国創傷・オストミー・失禁認定看護師 協会のガイドラインに褥瘡予防、褥瘡保有者には体 圧分散マットレスの使用が強く推奨されている2)と 述べているようマットレスの整備を行うことであ る。これにより院内褥瘡発生を減らし、褥瘡治療効 果を高め、医療コスト削減につながると考える。
マットレス整備は病院の経済的負担となるが、褥瘡 ハイリスク患者ケア加算を続けていくためには必要 不可欠なものである。それを実施する事は、褥瘡予 防環境の充実・医療コストの削減・医療の質向上・
年約660万円以上の増収となり病院の利益になる。
排泄ケアに関して衛生観念が強くなるにつれ排泄 物は不要物としてしか扱われなくなってしまい、タ ブー感だけが増大してきた3)とあるように、患者・
看護師もケアに消極的であった。また専門外来は少 なく対象者が満足な治療やケアを受けているとはい いがたい4)ともあるように当院でも相談窓口がな く、看護師も問題視していない事から、患者が満足 できるケアを受けられる体制は整っていない。ス トーマ外来だけでなく失禁ケア外来の設立は患者満 足につながり、看護師の失禁ケアに対する意識向 上・看護の質向上につながると考える。
全体を通して当院の皮膚・排泄ケアの特徴は、何 か皮膚にトラブルが生じてから介入になることが多 い。看護におけるスキンケアは予防的スキンケアを 重視5)するほうが患者の精神的負担は少なく、病院 の経済的負担も少ない。そればかりか現場での看護 省力化にも役立つ5)。今後も患者満足と病院経営の ための活動を行っていきたい。
文 献
1 )溝上裕子・真田弘美 褥瘡ハイリスク患者ケア 加算が褥瘡発生および医療コストに与える効果 に関する研究 日本創傷・オストミー・失禁研 究会 第11巻第2号 p59-62
相談内容 2007.12 2008.7 8ヶ月合計
術前ケア・説明 0 0 5
サイトマーキング 0 1 6
造設直後 0 5 6
造設後 3 日〜退院 5 9 55
退院後 12 15 151
小児のストーマケア(入院・外来) 4 0 18
相談内容 2007.12 2008.7 8ヶ月合計
陰部のスキンケア 22 9 106
生活指導 0 0 0
失禁用具のケア 1 0 2
自己導尿指導 1 9 21
留置カテーテル管理 1 0 6
行動療法 1 0 15
その他(失禁以外も含む) 5 10 31
2 )宮地良樹・真田弘美 編著 新・褥瘡のすべて 永井書店 2006年 p66
3 )西村かおる 患者さんと介護家族のための心地 よい排泄ケア 岩波書店 2008年 p5
4 )田中秀子・溝上裕子 監修 失禁ケアガイダンス 日本看護協会出版会 2007年 p7
日本看護協会認定看護師制度委員会創傷ケア基 準検討会 編著 スキンケアガイダンス 日本 看護協会出版会 2002年 p25-26
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県西部浜松医療センター学術誌 第 3 巻 第1号(2009)
はじめに
単純 X 線検査は、100 年以上の歴史があり、現在