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結果

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 97-101)

第 4 章 の概要

4.3. 結果

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はポジティブだが他者はネガティブ = 50.40%,自身はネガティブだが他者はポ ジティブ = 3.40%,自他共にネガティブ = 15.60%)。この事実は,我が国におけ る男性の育児休業問題が多元的無知に特徴づけられることを明瞭に裏付けてお

り,同時に偽りの実効化の心理的メカニズムを検討するうえで妥当な題材であ

る証拠といえよう。

4.3.2. 偽りの実効化の先行要因

本研究での主たる焦点は,多元的無知状態にある個人 (i.e. 男性の育児休業に 対して,個人的態度は肯定的だが,他者態度は否定的だと知覚している)による,

(個人的選好に反して)逸脱者に規範を強制する行動 (i.e. 偽りの実効化)の背景

には,どのような心理プロセスが存在しているのかを解明することである。先に

述べた本研究の焦点を踏まえれば,「男性の育児休業に対して,個人的態度は肯

定的であり,同時に他者態度も肯定的だと“正確に”知覚している個人 (i.e. 自 他ポジティブ群)」よりも多元的無知状態の個人において規範の実効化が誘発さ れる心理プロセスを検証せねば,偽りの実効化を引き起こす心理的メカニズム

を解明することにはつながらないだろう。したがって,以降の分析では自他ポジ

ティブ群 (N = 153)と多元的無知群 (N = 252)のみを分析対象として,印象管理戦 略仮説の妥当性について検証する。

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多元的無知群 (M = 2.01, SD = 1.03)と自他ポジティブ群 (M = 1.74, SD = 0.96)に おける逸脱者に対する非難を分析したところ,多元的無知群の方が有意に高い

ことが示された (Welch’s t[339.30] = -2.67, p < .01, d = .27)。偽りの実効化の心理

過程について検証するため,SPSS のマクロである PROCESS (Hayes, 2013)を用 いて,条件,回答者の年齢,性別を統制変数としてモデルに投入して,媒介分析

を実施した。Sobel test の結果,自他態度のカテゴリと逸脱者に対する非難との

関係を他者評価懸念が媒介することが明らかとなり,仮説3-1は支持された (間 接効果 = .11, SE = .02, 95% CI[.07, .17], z = 4.91, p < .001; Figure 5)。ただし,多元 的無知群と自他ポジティブ群における逸脱者に対する非難の平均値はどちらも

きわめて低く,全体の平均としてみれば,この行動が積極的に表出されるわけで

はないため,結果の解釈は慎重に行う必要性を示している。

続いて,逸脱者に対する非難および印象管理動機にカテゴリと社会的状況が

及ぼす効果について検証するため,2 (カテゴリ: 多元的無知群 vs. 自他ポジテ ィブ群) × 2 (条件: Public vs. Private) 被験者間分散分析を実施した。その結果,逸

脱者に対する非難におけるカテゴリの主効果 (F[1, 401] = 6.74, p < .01, ηp2 = .02) は有意だったが,条件の主効果 (F[1, 401] = 0.01, p = .94, ηp2 = .00)および交互作 用 (F[1, 401] = 0.00, p = .96, ηp2 = .00)は有意ではなかった。また,印象管理動機 においても有意なカテゴリの主効果 (F[1, 401] = 44.70, p < .001, ηp2 = .10)はみら

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れたが,条件の主効果 (F[1, 401] = 2.08, p = .15, ηp2 = .01)および交互作用 (F[1, 401] = 0.40, p = .53, ηp2 = .00)は有意ではなかった。以上より,仮説3-2は支持さ れなかった。

自他態度のカテゴリ

( 1=多元的無知群, 0=自他ポジティブ群 )

逸脱者に対する 非難 他者評価懸念

.32** .36**

.13* → .01

Figure 5. 他者評価懸念の間接効果

Note. ** p < .01, * p < .05(係数は全て標準化偏回帰係数)

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