空き家・空き地対策推進事業では、平成 29 年度に空き家・空き地に対する総合的 な相談窓口を設置し、近隣住民等からの苦情や相談を環境保全課が受付けている。空 き家・空き地対策推進事業は、3課で役割分担しており、苦情や相談対応は環境部環 境保全課、空家等の利活用は都市整備部景観住宅整備課、危険な空家等の対策は都市 整備部建築安全課が担っている。そのため、事業の経済性・効率性・有効性の観点か ら、総合的な相談窓口で受けた案件について、適切な課で対処され、実施すべき作業 の漏れ又は重複がないよう密接な連携が図られているか、当該事業に関わる一連の流 れをヒアリング及び資料閲覧により検証した。また、事業の公益性・準拠性・透明性
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の観点から、受付けた案件に対して適切に対処されているかについても、同様の手続 にて検証した。
なお、平成 28 年度に以下の枚方市空家等実態調査の業務委託契約が締結され、平 成 29 年度に委託料の一部の支払いが行われていることから当該契約についても併せ て監査の対象とした。
【委託契約の概要】
契約名 契約先 平成 29 年度支出額
枚方市空家等実態調査業務委託 K1株式会社 7,490 千円
契約方法 契約額
制限付き一般競争入札(業務希望型) 総価契約
9,990 千円
予定価格積算方法 一者随意契約の場合の理由 複数の業者から見積を徴取し、それを基に
担当課で設計を行った。
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【過去5カ年度における委託先事業者及び委託料の推移】
年度 委託先事業者 委託料
平成 25 年度 - -千円
平成 26 年度 - -千円
平成 27 年度 - -千円
平成 28 年度 K1株式会社 2,500 千円 平成 29 年度 K1株式会社 7,490 千円
(問題点等)
(1)相談案件の管理方法及び記録票の管理について
空き家・空き地対策推進事業は環境部環境保全課、都市整備部建築安全課及び都 市整備部景観住宅整備課の3課で役割分担して事業を実施している。そのため、事 業の経済性・効率性・有効性の観点から、実施すべき作業の漏れ又は重複がないよ う、密接な連携を必要とする。
事業の一環として平成 29 年度に空き家・空き地に対する総合相談窓口を設置し、
近隣住民等からの苦情や相談を環境保全課が受け付けている。相談内容に応じて、
草木の繁茂等環境保全課で対応すべきものは対応し、建築基準等安全上問題のある 案件は建築安全課等適切な他課へ引継ぎを行っている。相談窓口を通った案件は、
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全て環境保全課が連番を付した記録票を作成し決裁を経て対応の上、顛末を記録票 に記載している。また、進捗管理のための一覧表(空き家苦情進捗管理)も作成し ている。相談電話の一部は、建築安全課に直接入ることがあり、その案件のうち建 築安全課で新規に受けた案件は環境保全課と同一の一覧表に記録しているが、過去 からの継続案件の再相談案件は建築安全課が管理しているため、環境保全課の一覧 に記載されていない。また、景観住宅整備課においても、直接電話を受けた案件で、
同課で対応したものは景観住宅整備課の管理案件であるため環境保全課の一覧表 に記載されていない。このように、現状は、空き家・空き地に関する相談案件は内 容に応じて各課で管理している。担当者間で月1回程度相談案件の情報共有会議を 開催しているとのことであるが、相談件数の正確な把握及び情報の効率的かつより 充実した利活用のためには、一覧表等のデータで漏れなく情報を一元管理する仕組 みが必要である(意見番号 43)。
また、平成 29 年度の記録票を確認したところ、稟議決裁後の経過記録の一部が データで保存されたままで稟議決裁された記録票に添付されていないものがあっ た(結果番号 16)。作成記録の適切な管理保存が必要である。記録票及び一覧表に おける相談案件ごとの顛末については、何をどこまで記載するか担当者の判断に任 されているが、記録票に記載すべき項目や顛末を漏れなく、かつ、わかりやすく記 載することができるよう、記録票や一覧表を工夫することが有用である(意見番号 44)。
(2)相談案件への対応方法について
総合相談窓口で受付けた案件に対する対応方法については、「空家等に関する相 談への対応フロー(概要)」があるのみで、明確なマニュアルはなく、その都度担 当者が相談案件の近隣への影響度合い等を勘案して対応方針を立て、決裁を受けて いる。そのため、1回の対応で改善しない継続指導案件について、その後の対応期 間にばらつきが見られ、例えば雨水が隣家に入ってくる案件及びアンテナが外れて 相談者の家の屋根に乗っている案件は半年以上その後の対応をしていないが、空き 家の樹木が公共道路側に越境している案件はおおむね半年ごとに対応されていた。
これは、相談窓口は空き家が特定空家等にならないよう事前に助言を行うものであ り、周辺への悪影響の程度や危険等の切迫性を勘案し総合的に判断して対応を行っ た結果である。一律の対応を確実に行い、再対応の時期を逸することのないよう、
また、担当者の判断業務の煩雑さを解消するために、対応マニュアルを策定すべき である。なお、対応マニュアルでは、相談内容の客観的な分類基準、分類に応じた 対応策、解決したかどうかの判断基準及び一度の対応で解決しない場合の分類に応 じたその後の対応方法等について定めるべきである(意見番号 45)。
172 (3)重要業績評価指標について
今後の人口減少から空き家率の上昇そのものは避けられないため、重要業績評価 指標である空き家率の指標の目標は「上昇の抑制」と設定されているが、具体性が なく、何をもって目標が達成されたか判断できない。例えば、全国平均と比較した 目標を設置するなど、どの程度上昇を抑制するのか具体的な目標を定めておくべき である(意見番号 46)。
当該指標を設定しているのは、都市整備部景観住宅整備課であることから、本件 意見は都市整備部景観住宅整備課に対するものとしているが、既述のとおり、空き 家・空き地対策推進事業は環境部環境保全課、都市整備部建築安全課及び都市整備 部景観住宅整備課の3課で役割分担して進めている事業であること、空き家・空き 地の増加は人口減少のほか我が国における新築ニーズの高さなどさまざまな要因 によってもたらされるものであることから、3課で目標を共有するとともに、適時 適切に情報共有、協力しながら事業を推進することが必要である。
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