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枚方市の行政経営システムと施策評価について

枚方市では、(図表3)のとおり、平成 22 年度から評価・検証機能を織り込んだ行 政経営システムを構築し運用している。枚方市行政組織上、総合政策部が総合計画や 各事務事業の調整・総括、施策評価の主管を担っていることから、結果的に行政経営 システム全体の整備と運用のコントロールを総合政策部が行っているといえる。

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施策評価については、枚方市が作成している施策評価制度の概要によれば、「市民 による評価を次年度以降の施策展開につなげていくことを目的とし、評価のプロセス を外部に公表し、市民への説明責任を果たすとともに、学識経験者や市民等の外部評 価員(枚方市施策評価員)による評価も取り入れながら、市政運営の透明性と市民の 市政への関心を高めることを目指す」ものとされている。施策評価は、行政経営シス テムの中の重要な機能の一つとして位置づけられることから((図表4)の赤字囲み 部分)、施策評価についても総合政策部がその音頭をとり毎年のとりまとめを行って いる。

施策評価の概要、おおまかな流れや方法は、総合政策部へヒアリングした結果、次 のとおりであった。

1.役割の分担 「総合政策部」

施策評価の企画・調整・総括を行う。

「各部各課」

実行計画管理シートを作成・更新し、総合政策部に提出する。

2.例年の流れと方法

(1)6月初旬以降総合政策部からの依頼に基づき、各部各課が、実行計画管理シート

((図表5)参照)を作成・更新する。

(2)各部各課は部内で調整のうえ、6月下旬迄に総合政策部に提出する。

(3)7月上旬から8月中旬にかけて枚方市施策評価委員による施策評価が行われる。

(4)総合政策部が、施策評価のとりまとめを行い、施策評価報告書を作成する。

(5)9月上旬に議会報告が行われる。

そこで、施策評価についての実際の進め方や実態を理解するため担当課にヒアリン グを行うとともに、平成 29 年度及び平成 30 年度枚方市施策評価報告書並びに各事業 の実行計画管理シートを閲覧して施策評価が有効にかつ実質的に行われているかど うかを監査した。

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(図表3)【行政経営システムの流れ<イメージ>】

(出典)平成 29 年度「部の運営方針」添付資料はじめに/行政経営システムの流れ

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(図表4)【各種計画における施策評価の位置づけ】

施策評価は、いわゆるPDCA8サイクルにおいてC(check:取り組みの検証・

評価)とA(action:取り組みの改善・見直し)の機能を持つ。

(資料)平成 29 年度施策評価報告書2頁に基づき作成。

8 PDCAサイクルとは、「内部統制による地方公共団体の組織マネジメント改革~信頼さ れる地方公共団体を目指して~(平成 21 年3月地方公共団体における内部統制のあり方に 関する研究会)」によれば、「自らを取り巻くリスクを洗い出し、組織マネジメントのある べき方向性を首長がきちんと認識した上で、自らの判断で整備・運用を行い、評価・改良 を図る」ことをいう。

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(図表5)【実行計画管理シート(サンプル例)】

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(2)施策評価全般について

(問題点等)

(1)企画課は、施策評価にあたって各部各課に適切に指導・モニタリングを行うべ き(施策評価事業の有効性)

本報告書の監査の結果に関する記載の全体にわたって記載していることである が、当該事業の有効性を測る指標として設定された重要業績評価指標が、そもそも 成果指標として適切でないものが発見された。

【関連指標がそもそも成果指標として適切でないケース(例示)】

事業名 現在の関連指標 望ましい関連指標の例 記載頁 地域産業基盤強

化事業

地域産業基盤強化奨励金を利用 した新規立地及び設備投資した 件数(累計)

市内製造業の製造品出荷 額

95

中小企業経営安 定化支援事業

地域活性化支援センターホーム ページ等のアクセス数

経営相談件数 制度利用者の満足度 制度利用件数

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また、PDCAサイクルの運用上、関連指標についてさらなる活用の余地がある ものが認められた。

【関連指標についてさらなる活用の余地があるケース(例示)】

事業名 関連指標 課題 記載頁

地域産業基盤強 化事業

地域産業基盤強化奨励金を利用 した新規立地及び設備投資した 件数(累計)

積算時の集計誤り 94

中小企業経営安 定化支援事業

地域活性化支援センターホーム ページ等のアクセス数

目標値を大幅に超過して いるが、見直しがなされ ていない。

107

枚方市駅周辺賑 わい創出事業

枚方市駅周辺の広場におけるイ ベント参加者数

目標値を大幅に超過して いる。

142

自 転 車 通 行 空 間・歩行空間整 備事業

歩道の設置延長距離 新たな目標値を設定すべ きである。

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交通安全啓発事 業

- そもそも目標値が定めら

れていない。

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このように、複数の事業において指標が適切ではないケース、指標についてさら なる活用の余地があるケースが認められた。当該施策評価をとりまとめする総合政 策部は適切に指標が設定され、活用されるようにガイドラインを策定することが必 要である(意見番号1)。また、形式的に実行計画管理シートが作成されたり施策 評価が行われることがないよう各部各課への指導とモニタリングをより適切に行 うべきである(意見番号2)。

(2)施策評価員の評価結果の活用について(施策評価事業の有効性)

例年7月上旬から8月中旬に施策評価員による施策評価が行われて、施策評価員 から施策評価に対する意見や提案を受けている。

しかしながら、実行計画管理上単年度での反映が難しいものについては、中長期 的な計画を策定するなどして中長期的に意見や提案を活用できるよう消し込みし て管理すべきであるが、これらの計画等が策定されていない。例えば、健康・医療 電話相談事業について、相談内容の分析を行い、改善につなげていくべきであると する提案・意見等、平成 29 年度の施策評価に対する意見・提案として挙がった事 項が、平成 30 年度の施策評価に対する意見・提案としてふたたび挙がっていたも のもあった。このように、複数年にわたって同じ意見・提案を受けている事業につ いては、単年度で改善できなかった理由を各課と共有した上で翌年度に引き継ぎ、

複数年にわたって同じ意見や提案を受けている理由を各課と継続して共有するこ とが必要である。その上で、前年度以前の評価結果を各課に振り返ってもらい翌年 度以降に活用できるような仕組みを検討し、改善に向けた取り組みを着実に進める 必要がある(意見番号3)。

(3)補助金の見直しについて

枚方市では行財政改革を推進する中で、各種事務事業の見直しとともに補助金の 見直しに取り組んでいる。補助金を取り巻く状況は今後も絶えず変化していくこと が予想されることから、補助事業の有効性をより高めるため、定期的に見直しを行 う方針である。また、少子高齢化の進展等により市税収入の減少が見込まれる中に おいても、人が集まるまちづくりを目指し、多くの施策を着実に実行していく必要 があることから、補助事業においても費用対効果を意識するとともに、行政の担う 役割の明確化、適正化・最適化の必要性について検討し、「補助金の見直しに関する 方針」を策定し、本方針に基づいた補助金の見直しを実施している。

このことについて、主に事業の経済性・効率性・有効性・公益性・準拠性・透明 性9の観点から資料の閲覧及びヒアリングを行った。

9 これらの定義や具体的な視点については本報告書 35 頁を参照されたい。

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(問題点等)

(1)補助金の終期設定の根拠について

現在、枚方市では、補助金についてサンセット方式10を導入し、原則として3年 間を見直しの期間として定め定期的な見直しを実施する試みを行っている。事実、

枚方市が作成した補助金一覧には、全ての補助金について始期と終期が設定されて いた。

補助金の定期的な見直しを行うことは、補助金交付の効果測定の機会を設定する ことであり望ましいことである。

ただし現状は、サンセット方式の根拠が条例や要綱等に規定されていないことか ら、サンセット方式の具体的な運用方法や終期の定め方等について、具体的に条例 や要綱等で規定することの必要性について検討を加えた。

このことについて、平成 29 年2月7日事務連絡にて、行革推進課から「補助金 の見直しに関する方針」が示されており、担当課では個々の補助金要綱の改正は不 要であるとの通知がなされている。担当課は、この方針に従い、個々の対応は行っ ていない。

そこで、枚方市全体の補助金のサンセット方式の運用方法について、「補助金の 見直しに関する方針」及び「枚方市補助金に係る補助制度の定期的な見直しに関す る要綱」を策定し補助金の見直しを統括している行革推進課にヒアリングを行った ところ、個々の補助金要綱を改正することも検討したが、各補助金要綱を個々に改 正していくのは業務が煩雑になるということ、補助金の見直しの管理を行革推進課 で一元管理したいという考えがあること、交付要綱が制定されていない補助金制度 があることから各補助金要綱への終期の設定は行っていないとのことであった。こ のため現時点においては、枚方市全体として、終期の設定を含めサンセット方式を 導入することについては「枚方市補助金に係る補助制度の定期的な見直しに関する 要綱」が根拠となっている。以下が、補助金見直しの流れを示したフローチャート である。

10 補助制度等について、予め制度の終期を条例や規則、要綱等で明示しておくことをい う。