正直は救いの原則である
• すべての人が完全に正直であったなら,社会はどうなるでしょうか。
信仰箇条第 13 条に,「わたしたちは,正直〔である〕べきこと……を信じ る」とうたわれています。またモルモン書の中にはある民についての記述が あり,彼らは「神と人々に貢献する熱心さでも秀ひいでていた。彼らはすべての ことについてまったく正直でまっすぐであり,また最後まで確固としてキリスト を信じた」とあります(アルマ 27:27 )。この民は正直であったため,同はら胞からか らも神からも注目されました。正直の意義,および不正直へといざなう誘惑 と,その誘惑を克服する方法について学ぶことが大切です。
救われるためには完全に正直になることが必要です。ブリガム・ヤング大 管長はこのように述べています。「わたしたちは示された条件とともに救い を受け入れるのであれば,あらゆる思い,内省,熟考において,個人的な交わ りにおいて,取り引きにおいて,宣言において,生活上のあらゆる事柄におい て,……正直でなければなりません。」( 『歴代大管長の教え ― ブリガム・
ヤング』320 )
神はすべてにおいて正直かつ公正であられます(アルマ 7:20 参照)。わ たしたちも,神のようになるためにはすべてにおいて正直でなければなりま せん。ヤレドの兄弟は次のように証あかししています。「はい,主よ,……あなた は真理の神であり,偽りを言われることはありません。」(エテル 3:12 )逆 に,悪魔は偽り者です。事実,偽りの父と言われています( 2 ニーファイ 9:
9 参照)。「だましたり,うそをついたり,欺あざむいたり,誤ったことを教えたりす る人間は悪魔の奴 隷になります。」(マーク・E・ピーターセン,Conference
Report,1971 年 10 月,65 。または,Ensign,1971 年 12 月号,73)
正直な人は真理と正義を愛し,言葉と行いにおいて誠実です。偽ったり,
盗んだり,だましたりしません。
偽りは不正直である
偽りとは故意に相手をだますことです。正しくない証言も偽りの一種です。
主はイスラエルの民に次の戒めを与えられました。「あなたは隣人について,
偽証してはならない。」(出エジプト 20:16)イエスは地上におられたときにも 同じ戒めを教えられました(マタイ 19:18 参照)。偽る方法はほかにもたく さんあります。真実でないことを話せば,偽証の罪を犯すことになります。身 ぶりや表情や沈黙により,あるいは真実の一部のみを話すことにより故意に 人を欺くこともあり得ます。いかなる方法でも,真実でないことを信じさせよ うとするなら,それは正直ではありません。
主はそのような不正直を喜ばれず,わたしたちは自身の偽りについて申し開 きをしなければなりません。サタンは人々に,偽りを言うことは正しいと信じ 込ませるでしょう。サタンは次のように語りかけます。「だから,少しばかり 偽りを言い ……なさい。これは少しも悪いことではない。」( 2 ニーファイ 28:
8)サタンはわたしたちに自分の偽りを正当化するように勧めます。しかし,
正直な人はサタンの誘惑に気づき,偽りのない真実を語ります。たとえ自分に とって不利になると思われる場合でも,そうするのです。
盗みは不正直である
イエスは「盗むな」と教えられました(マタイ 19:18)。盗みとは自分の所 有物でないものを奪うことです。ほかの人や商店,団体などの所有物を許可 なく持ち去ることや,雇用主から商品や備品を奪うことは盗みです。音楽や 映画,写真や絵画,文章を著作権所有者の許可を得ずにコピーすることは不 正直であり,盗みの一形態です。また,必要以上の釣り銭や品物を受け取れ ば不正直であり,自分の取り分以上のものを取れば盗みとなります。
だますことは不正直である
負債を完全に返さなかったり,功績がないのに何かを得たりするのはだま すことです。労働時間をごまかして賃金を全額得る従業員は,雇用主をだま しています。逆に,従業員に対して公正でない雇用主もいて,本来支払うべき 賃金を支払わない場合もあります。サタンは次のように言います。「人の言
教師へ― 本章には,「偽り」「盗み」「だます」という不正直の形について述べた3つ の項があります。次のように行うとよいでしょう。生徒や家族を3つのグループに分 けます。各グループに,3つの項のうちの一つを割り当てます。各グループの一人一人 に,割り当てられた項を黙 読し述べられている不 正 直の 形について考えてもらいま す。次に,クラスまたは家族で各項目について話し合います。そのような状 況におい て正直であるための方法について話し合います。
第 31 章
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葉に付け込んで欺き,隣人を陥れる穴を堀りなさい。」( 2 ニーファイ 28:8)
不正な利益を得ることは不正直の一形態であり,いいかげんな仕事や商品を 売り込むことは詐さ欺ぎです。
不正直な行いを弁解してはならない
• 不正直を弁解すると,霊性はどうなるでしょうか。
不正直な行いをすると,人は様々な弁解をします。自分を守るため,また 人からよく思われたいためにうそをつきます。盗みを働いた人が,品物を手に 入れる資格があった,返すつもりだった,あるいは持ち主よりも必要としてい た,などと言って弁解します。またある人は,学校で良い成績を取りたかった から,「皆がしている」から,あるいは仕返しするためにという理由で不正を働 き人目を欺いています。
こうした数々の弁解は,不正直を理由づけようとするものです。しかし主 は,いかなる弁解も受け入れられません。言い訳をするとき,わたしたちは自 分自身を欺き,神の御み霊たまはともにいるのをやめます。そして,わたしたちはま すます不義に陥るのです。
完全に正直になることができる
• 完全に正直になるとはどういう意味でしょうか。
完全に正直になるために,自らの生活を注意深く見詰めなければなりませ ん。もしほんの少しでも不正直なところがあれば,直ちに悔い改める必要が あります。
完全に正直であるならば,道を誤ることはあり得ません。たとえ財産や友 人,さらに命を失うことがあっても,あらゆる信頼,義務,約束,あるいは聖 約に対して誠実になるのです。そのようにすれば,主や自分自身,またどんな 人にも何ら恥じることなく顔向けができます。ジョセフ・F・スミス大管長は 次のように勧告しています。「最も厳密な検査に耐えられる人格を持てるよう に,その生涯が開かれた本として読まれてもよいように,恐れることも恥じる こともないように,皆が生活しようではないか。」(Gospel Doctrine,第 5 版
〔 1939 年〕,252 )
• 正直であること,あるいは不正直であることによって,自分自身について感 じる気持ちにどのような違いが生じてくるでしょうか。
参照聖句
• 教義と聖約 50:17(真理の御霊によってのみ語る)
第 31 章
• 教義と聖約 76:103 - 106(偽りを言う者の行く末)
• 教義と聖約 42:27(隣人の悪口を言ってはならないという戒め)
• 出エジプト 20:15 - 16(盗んではならない,偽証してはならないという戒 め)
• 教義と聖約 42:20,84 - 85;59:6(盗んではならない)
• 教義と聖約 3:2(神は正直であられる)
• 教義と聖約 10:25 - 28(サタンは欺く)
第 31 章