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初期のイエス・キリストの教会

ドキュメント内 福音の原則 (ページ 92-100)

イエス・キリストの教会の特徴

 「わたしたちは,初期の教会にあったと同一の組織,すなわち,使徒,預言 者,牧者,教師,祝福師などがあることを信じる。」(信仰箇条 1:6)

 イエスはこの世におられたときに教会を設立されました。教会は「イエス・

キリストの教会」と呼ばれ( 3 ニーファイ 27:8 参照),会員は聖徒と呼ばれま した(エペソ 2:19 - 20 )。

啓示

 イエスは教会を設立するとともに,指導者に自ら教えと指示を与えられまし た。同様に,イエスは天の御父から教えを受けられました(へブル 1:1 - 2 参照)。このようにイエス・キリストの教会は人によらず,神により導かれたの です。イエスは弟子たちに,啓示はその上に教会を建てる「岩」であると教え られました(マタイ 16:16 - 18 参照)。

 イエスは復活後,昇天に先立って使徒たちに言われました。「わたしは世 の終おわりまで,いつもあなたがたと共にいるのである。」(マタイ 28:20 )この 言葉どおりに,主は天から引き続き導かれました。イエスは弟子たちに,慰 め主,啓示者である聖霊を遣わされました(ルカ 12:12;ヨハネ 14:26 参 照)。示現を通してサウロに語られました(使徒 9:3 - 6 参照)。イエスは ペテロに,ユダヤ人だけでなく全世界の人に福音を宣べ伝えるようにという 啓示を下されました(使徒 10 章参照)。数々の栄えある真理をヨハネに啓示 され,これは黙示録に記されています。新約聖書には,イエスが多くの方法 で御こころ心を明らかにして,教会を導き,弟子たちに光を注がれたことが記されて

教師へ― 家 族や 生徒に,教 会 の6つの 特 徴(「 啓示」「神の 権 能 」など,斜体で書 かれた見出し)のうちの一つを研究してもらうとよいでしょう。(大きなクラスでは,

複 数の生徒に同じ特 徴が割り当てられるでしょう。家族や小さなクラスでは,一人に 複 数の特 徴が割り当てられるかもしれません。)研究する時間を取った後,学んだこ とを話し合ってもらいます。

います。

神の権能

 神権がなければ,福音の原則を教え,儀式を執行することはできません。

御父はイエス・キリストにこの権能をお与えになり(へブル 5:4 - 6 参照),

次にイエスは使徒を聖任し,神権の力と権能を授けられました(ルカ 9:1 - 2;マルコ 3:14 参照)。イエスは,あなたがたがわたしを選んだのではない。

わたしがあなたがたを選んだのである。そして,あなたがたを聖任した,と言 われました。(ヨハネ 15:16 参照)

 教会の秩序を整えるために,イエスは十二使徒に最大の責任と権能を与え られました。ペテロを使徒の頭かしらに任命し,この世においても天においても祝 福を結び固める鍵かぎを授けられました(マタイ 16:19 参照)。さらにほかの役 員を聖任し,それぞれに特定の義務を与えられました。イエスが昇天された 後も,任命と聖任の規範は存続し,すでに権能を受けている人がほかの人を 神権の職に聖任しました。イエスは聖任が承認されたことを聖霊によってお 知らせになりました(使徒 1:24 参照)。

教会の組織

 イエス・キリストの教会は綿密に組織されました。教会は建物,すなわち

「使徒たちや預言者たちという土台の上に建てられたものであって,キリスト・

イエスご自身が隅のかしら石である」建物にたとえられます(エペソ 2:20 )。

 イエスは,使徒が務めを果たすのを助ける神権指導者をほかにも任命され ました。例えば,福音を宣べ伝えるために「七十人」と呼ばれた役員を二人一 組で遣わされました(ルカ 10:1 参照)。また,伝道者(祝福師)や牧者(管 理役員),大祭司,長老,ビショップ,祭司,教師,執事を教会に置かれました

(本書第 14 章参照)。これはすべて,伝道活動を行い,儀式を執行し,教会 員を教え鼓舞するために欠かせない役員です。この役員は,会員たちが「神 の子を信じる信仰の一致と彼を知る知識の一致」とに到達できるように援助 しました(エペソ 4:13)。

 聖書には神権や教会の組織と管理に関してすべてが記されているわけで はありません。しかし,教会の組織が優れて完全であることを示すのに十分 な記述が保たれてきています。使徒は全世界に出て行き福音を宣べ伝える ように命じられました(マタイ 28:19 - 20 参照)。そのため,1 か所にとど まって新しい改宗者を指導することはできません。そこで各地に神権指導者 が召されて聖任され,使徒が彼らを管理しました。使徒やその他の教会指導 者は各地の支部を訪れ,あるいは手紙を書きました。こうして,新約聖書には 第 16 章

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パウロ,ペテロ,ヤコブ,ヨハネ,ユダの手紙が収録されていますが,これらは 地方の神権指導者に勧告し指示するために書き送られたものです。

 新約聖書を読むと,この教会の組織は存続するよう意図されていたことが 分かります。例えば,ユダが死んで使徒は 11 人になりました。イエスの昇天 後間もなく,11 人はユダの代わりを務める者を選ぶために集まりました。使 徒たちは聖霊からの啓示によって,マッテヤを選びました(使徒 1:23 - 26 参照)。主は使徒が教会を管理するよう規範を定めておられました。教会の 組織はイエスが設立されたままの状態で存続するはずであったことは明らか なようです。

第一の原則と儀式

 使徒は二つの基本原則,すなわち主イエス・キリストを信じる信仰と悔い改 めを教えました。新しい改宗者は,神の御子であり贖あがない主であるイエス・キリ ストを信じ,罪を悔い改めた後に,二つの儀式,すなわち水に沈めるバプテス マと聖霊の賜たまものを授けるための按あんしゅとを受けました(使徒 19:1 - 6 参照)。

これが福音の第一の原則と儀式でした。イエスは「だれでも,水と霊とから 生うま

れなければ,神の国にはいることはできない」と,以前から教えておられま した(ヨハネ 3:5)。

死者のために執行される儀式

 イエスは生者,死者を問わず,あらゆる人に福音を聞く機会を与えられまし た。イエスは亡くなってから復活されるまでの間,すでにこの世を去った人々 の霊のもとを訪れ,死者の中に伝道活動を組織されました。イエスは義にか なった使者を任命し,すでにこの世を去ったすべての人の霊に福音を宣べ伝 える力を授けられました。こうして,福音を受け入れる機会が死者に与えられ たのです( 1 ペテロ 3:18 - 20;4:6;教義と聖約 138 章参照)。主の教会 の会員は死者のために儀式を執行しました( 1 コリント 15:29 参照)。とい うのは,バプテスマや確認などの儀式は,この世で行わなければならないか らです。

霊的な賜物

 すべての忠実な教会員は御たまの賜物を受ける資格がありました。御霊の 賜物は各自の必要,能力,責任に応じて与えられました。この賜物の中には,

病を癒いやす,あるいは癒される力を含む信仰の賜物,預言の賜物,啓示の賜物 などがありました。(御霊の賜物については第 22 章でさらに詳しく採り上 げています。)霊的な賜物は常にまことのイエス・キリストの教会に存在しま す( 1 コリント 12:4 - 11;モロナイ 10:8 - 18;教義と聖約 46:8 - 29 参 第 16 章

照)。イエスは弟子たちに,これらのしるしや霊的な賜物は,信じる者には常 に伴うと語られました(マルコ 16:17 - 18 参照)。そして大勢の弟子たちが 聖霊の力によって奇跡を行い,預言し,示現を見たのです。

• イエス・キリストの教会には,どうしてこの 6 つの特徴が必要なのでしょう か。

アメリカ大陸におけるイエス・キリストの教会

 イエスは復活後,アメリカ大陸の民を訪れて御自身の教会を組織されまし た。最初に 3 日間お教えになり,その後もしばらくの間,しばしば戻って来ら れました( 3 ニーファイ 11 - 28 章参照)。それから民のもとを去り,昇天さ れました。この民はその後 200 年以上の間義にかなった生活を送り,神が造 られた最も幸福な民となりました( 4 ニーファイ 1:16 参照)。

まことの教会からの背教

•背教とはどういう意味でしょうか。

 いつの時代にも悪人は常に神の業を妨げようとしてきました。使徒がまだ この世にいて,発展期にある教会を管理していたときにもこのことが起こりま した。イエスがお教えになった分かりやすい真理に代えて,古い異教の思想 やユダヤ人の信条を説く教会員が現れたのです。公然と反抗する人もいまし た。さらに教会外部からの迫害も起こりました。教会員は信仰のために拷ごうもん にかけられ,殺されました。また使徒も次々と殺され,あるいは地上から取り 去られました。邪悪と背教のゆえに使徒の権能と神権の鍵も地上から取り去 られました。イエス・キリストが設けられた組織はもはや存在しなくなり,混 乱が生じました。教会の教義にますます多くの誤った教えが入り込み,間も なく教会は完全に崩壊してしまったのです。まことの教会が地上に存在しな かった期間を「大背教」と呼んでいます。

 その後間もなく異教の信条が,クリスチャンと呼ばれる人々の考えを支配す るようになり,ローマ皇帝はこの偽りのキリスト教を国教と認めました。この 教会はイエスが組織された教会とはまるで異なっており,神は姿形も実体もな い存在であると説いていました。

 当時の人々は人類に対する神の愛を理解できなくなっていました。人間が 神の子であることを知らず,人生の目的を理解していませんでした。神権と啓 示がもはやこの世に存在しなかったので,多くの儀式が変えられてしまいまし た。

第 16 章

ドキュメント内 福音の原則 (ページ 92-100)