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檜原村における木質バイオマス供給の可能性

第 4 章 木質バイオマスの調達方法に関する調査

4.4 檜原村における木質バイオマス供給の可能性

4.4.1木質バイオマス供給に関する今後のビジョン

檜原村には大規模な製材所や木材加工施設は存在しないため、まとまった量の製材端材等バイオ マスエネルギー原料を調達することが出来ません。そのため、街で発生するバイオマスではなく、山で 発生するバイオマスの利活用を検討する必要があります。

近年、村内の林業は間伐が主体となっており、抜倒後の材木は林地に放置されるのが一般的でし た。しかしながら、平成 18 年度から東京都において花粉症対策事業が開始され、皆伐方式による主 伐が実施されるようになりました。このため、平成 18 年度から 10年間は一定量の主伐材の発生が予

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ここでは木質バイオマスを村内で一定量自給し、エネルギー利用を行うため、現在から50年後まで を想定し、A~Cの段階を設定しました。

図 4-13 今後の木質バイオマス供給ビジョン

Aは、期間として現在から5年後を想定しています。まず、現在実施されている花粉症対策により発 生する林地残材の利用を行います。特に全幹集材後、プロセッサで枝葉を落とした際の土場残材を利 用します。また、皆伐で発生するB材・C材等、価値の低い材については、パルプ材・合板原料などの 利用とともに、薪・チップ等のエネルギー利用も同時に検討・推進します。同時に、これまで利用できな かった間伐材を搬出するための路網整備を進めていきます。

Bでは、5年後~10年後を想定しています。この時期は、村内でエネルギー利用を行う木質バイオ マスは最低限獲得出来る時期となります。花粉症対策由来の材に加え、50 年生以上のスギ・ヒノキが 間伐対象範囲となるため、間伐を利用間伐とし、間伐材でも一定価値を持つ材として販売を行います。

伐採時に販売する残材はエネルギー利用を行います。

Cは30年後~50年後以降を想定していますが、ここで花粉症対策は終了しているため、村内にお ける自立的な林業活動のみによって、材の伐採・搬出、残材の有効利用が行われ、持続可能な森林 経営と資源活用が達成されます。

4.4.2提案型集化化施業の実施に向けて

林野庁では平成19年から23年にかけて、森林所有者・森林組合等が連携し、原木供給量の増大 をはかる「施業集約化・供給情報集積事業」を実施しています。この事業は、

1.森林所有者との合意形成による施業の集約化と原木供給可能量の取りまとめ 2.提案型集約化施業の普及・定着化のための人材の育成

を趣旨としています。「提案型集約化施業」とは、小規模に分散した林地を取りまとめ、路網を整備し つつ、林業機械を効率的に用いて森林整備を実施していくことを指します。前提条件となる林地のとり まとめ(団地化)を行うためには、森林所有者に対し、施業内容と施業を実施することの利点をわかりや すく説明する必要があります。その際、「施業提案書」を用いることが効果的であるとされます。

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【資料:提案型集約化施業ポータルサイト】

図 4-14 提案型集約化施業の流れ

【資料:提案型集約化施業ポータルサイト】

図 4-15 森林施業提案書の構成イメージ

「提案型集約化施業基本テキスト」では、伐り捨て間伐でhaあたり15万円程度の事業単価を、路網 整備を行いつつ利用間伐を実施することで、事業単価を50~120万円へ上昇させることが可能である と指摘しています。利用間伐により事業単価を向上させることは、事業体が事業量に応じた収入を確

施業集約化

(林地とりまとめ等)

森林所有者へ施業 の提案 提案型集約化施業

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以下に、檜原村の条件を考慮しながら、材価から必要施業量を求める試算を行います。

【資料:「提案型集約化施業 基本テキスト」(平成19年度施業集約化・供給情報集積事業)】

図 4-16 提案型集約施業による収益構造改革 (1)総事業費と事業単価の把握

前提条件として、間伐時木材価格を5,000円/m3、補助金を3,000 円/m3とし、そこから事業単価 を5,069円/m3と設定しました。この数値をもとに、事業単価及び間伐事業費を求めます。

表 4-22 前提条件(間伐)

木材価格 5,000

補助金 3,000

小計① 8,000

所有所返却予定金 1,000 仮定

木材運搬費 1,931 統計値

小計② 2,931

事業単価(円/m3) ①-② 5,069

費用 収入等

村内の林地は、急俊な地形が多く、タワーヤーダを用いた施業が通例となっています。ここでは、タ ワーヤーダとプロセッサを組み合わせたシステムを用いることを設定しました。

表 4-23 施業条件 工程条件の確認

伐倒:チェンソー(2)、集材:タワーヤーダ(2)、造材:プロセッサ(2)、集材:グラップルローダ(1)

試算結果は以下のようになりました。年間必要事業量は9,065m3ですが、平均的なhaあたり間伐 量を50m3とすると、約180haの面積に相当します。なお、平成19年の間伐実績は223haであるこ とから、いかに間伐材を搬出し利用間伐の体制を整備できるかが課題となります。また、本システムの 生産量は急斜地、全木搬出時で20m3代後半が一般的であることから、45m3はやや高いため、事業 単価の設定条件を現在の所持している機械等の状況と併せて検討が必要です。

単位:円

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表 4-24 試算結果

年間事業費 事業単価 必要事業量 1人当たり事業量 1班当たり生産性

(万円) (円/m3) (m3/班・年) (m3/人・年) (m3/班・日)

5,495 5,069 10,840 1,549 54

表 4-25 事業単価の算定

5,495 あ+い 4,495 A+B

A機械経費 1,695 ①+②+③

 ①減価償却費 1,000

 ②維持修理費 500

 ③燃料費 195

B人件費 2,800 ①×②

 ①一人当たり総人件費 400 ※社会保険料含む

 ②一林産班当り人数(人) 7

1,000 ①+②

 ①プランナー経費 400

 ②事業管理費 600

10,840 年間事業費/事業単価 1,549

8 54 必要事業量(m3)

年間事業費  あ現場作業費

 い間接事業費

1班当り1日生産性(m3/班・日)

1人当たり事業量(m3/人・年)

1人1日当り生産性(m3/人・日)

表 4-26 必要事業量の算定

減価償却費 維持修理費 燃料費

タワーヤーダ:中 2,200 440 220 65 725 4

プロセッサ:中 1,900 380 190 65 635 3

グラップルローダ:中 900 180 90 65 335 2

合計 5,000 1,000 500 195 1,695 8

機械の種類 購入価格 年間の機械経費

1日当り経費

表 4-27 工程経費の算定

年間費用 計算の根拠

現場作業費 現場従業員賃金 2,800 日額×人数×日数

機械償却費 1,000 「機械経費」参照

機械維持修理費 500 「機械経費」参照

機械燃料費 195 1日あたり燃料消費量×単価×日数×台数

小計 4,495

間接事業費 プランナー経費 400 日額×人数×日数

事業管理費 600

小計 1,000

費用の内訳

表 4-28 工程費用の算定

作業工程 人数 工程生産性 人件費 機械経費 工程費用 工程単価

(m3/日) (万円/人・日) (万円/日) (万円/日) (万円/m3)

伐採 2 54 4 0 4 217

単位:万円

単位:万円 単位:万円 単位:円

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