第 9 章 檜原村における二酸化炭素排出削減方法の検討
資料 2 関連法令調査
2.2 木質バイオマス燃料利用に係る関連法令
木質バイオマス燃焼機器導入に際して、考慮すべき法律・条例その他の規制について調査を行いま した。木質バイオマスボイラー導入に際しては、法律・条令、その他の規制が関わってくるため、それら に該当する場合には許可の取得、または届出を行い、規制を遵守する必要があります。
木質バイオマスボイラー導入に関わる主要関連法規は、以下の通りです。
資-表 2-6 木質バイオマスボイラー導入に係る主要関連法規
No 法規の名称 施設の種類 許可/届出 許可届出の必要な規模 1 大気汚染防止法 ばい煙発生施設
(ボイラー) 届出 伝熱面積10 m2以上、またはバーナー燃焼能 力重油換算50L/h以上
2 消防法 火気使用設備
貯留倉庫 届出 ・ボイラー設置
・指定可燃物の貯留10m3以上
3 労働安全衛生法 小型ボイラー 届出 貫流ボイラー伝熱面積5m2超え10m2以下 4 廃棄物の処理及び清掃
に関する法律 小型焼却炉※1 許可 焼却能力200kg/h以上、または火格子面積 2m2以上
5 ダイオキシン類対策特
別措置法 小型焼却炉※2 届出 焼却能力50kg/h以上、または火格子面積 0.5m2以上はダイオキシン類排出基準の適用 6 建築基準法 建築物に設ける
煙突 - 許可・届出の必要はないが構造基準有り
※1廃棄物処理施設扱いとなった場合に適用
※2日本工業規格B8201及びB8203の伝熱面積の項で定めるところによる
2.2.1 大気汚染防止法
木質バイオマスボイラーを導入する際に、大気汚染防止法上の「ばい煙発生施設」に該当すれば、
規制対象となります。ばい煙発生施設の該当基準を以下に示します。
ばい煙発生施設に該当する場合には、必要書類をそろえて都知事への届け出を行います。その際 に該当するとされた規制対象物質については、規模に応じて年間に定められた回数でばい煙の測定 を行い、規制基準を遵守する必要があります。木質バイオマスボイラー設置時に該当するばいじんの 規制基準を、窒素酸化物の規制基準を示します。なお、硫黄酸化物については、木質チップの原料に 不純物を含まない限り問題はありません。また、ばい煙の測定回数を示します。なお、本事業で検討を しているボイラー規模は、本法の適用対象となるため遵守する必要があります。
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資料 2 関連法令調査 資-表 2-7 大気汚染防止法施行令におけるばい煙発生施設の該当基準
番号 種 類 規 模
1
ボイラー(熱風発生炉を含み、熱源 として電気又は廃熱のみを使用す るものを除く)
総理府令の定めるところにより算定した伝熱面積
(以下、単に「伝熱面積」という)が10m2以上である か、又はバーナーの燃料の燃焼能力が重油換算 50L/h以上であること。
資-表 2-8 大気汚染防止法施行規則におけるばいじん排出基準 施 設 名 規模 排出基準 固体燃焼ボイラー すべての規模 0.3g/m3N(O2 6%換算)
資-表 2-9 大気汚染防止法施行規則における窒素酸化物排出基準 施 設 名 規模(最大定格排出量) 排出基準 固体燃焼ボイラー 40,000m3未満 350ppm(O2 6%換算)
資-表 2-10 ばい煙測定回数
項 目 施 設 規模(最大定格排出量) 測定回数 ばいじん 木質バイオマスボイラー 40,000m3/h未満 年2回以上 窒素酸化物 ばい煙発生施設 40,000m3/h未満 年2回以上 硫黄酸化物 ばい煙発生施設 10m3/h以上 年2回以上※
※薬品等のが入っていない純粋な木質燃料には硫黄酸化物は殆ど含まれないが、測定を行う必要がある。
2.2.2 環境確保条例「ばい煙発生施設」
「ばい煙発生施設」の規制について定めているのは、「環境確保条例」です。東京都では、一定の基 準を満たすボイラーに対して集じん装置を設置するよう義務付けています。
資-表 2-11 集じん装置を設置するばい煙施設等(規則別表第 3)
番号 ばい煙施設の種類と規模 区分 集じん装置 1 ボイラー(伝熱面積が5m2以上
のものに限る。)
木屑(くず)を燃料とし て使用するもの
遠心力集じん装置(マルチサイクロ ン方式のものに限る。)又はこれと同
等以上の性能を有するもの
※日本工業規格(以下「規格」)B8201及びB8203の伝熱面積の項で定めるところによる。
2.2.3 騒音規制法(環境確保条例)
ボイラー施設において、送風ファンの能力(原動出力 7.5kW 以上)により騒音規制法の対象となる 可能性があります。この場合、地域により定められた騒音基準を遵守する必要があります。また、環境 確保条例では、騒音規制法より小さい原動機出力0.75kW以上のものに対しても規制を設けています。
該当する場合に、規制基準遵守が求められます。
2.2.4 消防法
ボイラーを設置する場合、そのボイラーの能力に関わらず、消防署への設置届けが必要となります。
また、燃料がチップの場合は、指定可燃物(木くず)とされ、10m3以上のチップを保管する場合には、
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2.2.5 労働安全衛生法(ボイラー及び圧力容器安全規則)
労働安全衛生法では、ボイラーの種類や規模により必要な手続きが異なります。簡易ボイラー(伝熱 面積5m2以下)を設置する場合には特別な手続きは必要としません。小型ボイラー(伝熱面積5m2超 え 10m2以下)を設置しようとする場合は、設置届を労働基準監督署長に提出することが必要になりま す。
伝熱面積10m2を超えるボイラーに関しては設置届を労働基準監督署長に提出し、さらに落成検査 を受けることが必要です。また、その運転に関しては有資格者(伝熱面積10m2超え30m2未満の場合 はボイラー取扱技能講習修了者)を要します。ただし無圧式のボイラーであれば、労働安全衛生法の ボイラーに該当しないため、手続きは不要です。
注)1.法規上は「ボイラー」だが、取扱う資格者などの関係から整理上通称として「小規模ボイラー」と呼ばれてい る。
資-図 2-1 労働安全衛生法におけるボイラーの分類 簡易ボイラー 小型ボイラー ボイラー
最高 使用 圧力
(MPa)
0.1
0 0.5 1.0 3.0 伝熱面積
(m2) ボイラー
(小規模ボイラー※)
簡易 ボイラ ー
小型 ボイラ ー
ボイラ ー
伝熱面積
(m2)
【 蒸気ボイラーの場合 】
最高 使用 圧力
(MPa)
1.0
0 5 10 30
ボイラー
(小規模ボイラー※)
簡易 ボイラー
小型 ボイラー
ボイラー
【 貫流ボイラーの場合 】
4
伝熱面積
(m2) 水頭圧
(MPa)
【 温水ボイラーの場合 】
0.1
ボイラー (小規模ボイラー※)
簡易 ボイラー
小型 ボイラー
ボイラー 小型
ボイラー
0.2
2
胴長さ
(mm)
胴の内径
(mm)
300
0 400 600 1,300
ボイラー ボイラー
(小規模ボイラー※) 小型ボイラー
簡易 ボイラー
ボイラー 200
750
2.0 3.5 伝熱面積(m2)
開放管又はゲージ圧力 0.05MPa 以下の U 形立管を蒸気部に取り 付けたものに適用
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資料 2 関連法令調査 資-表 2-12 労働安全衛生法におけるボイラーの分類ごとの届出方法
ボイラー種類 ボイラー取扱者 ボイラー取扱作業主任者 届出 検査 簡易ボイラー 資格の必要なし 選任の必要なし 届出の必要なし 特に指定なし 小型ボイラー 小型ボイラー取扱業
務特別教育の受講者
選任の必要なし 労働基準監督署
(設置後) ― 定期自主検査
(1回/年)
小規模ボイラ ー
ボイラー取扱技能講 習修了者以上
ボイラー取扱技能講習修 了者以上
労働基準監督署
(設置前) 落成検査 性能検査
(1回/年)
ボイラー ボイラー技士 ボイラー技士 労働基準監督署
(設置前) 落成検査 性能検査
(1回/年)
2.2.6 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)
本事業においてバイオマスボイラーの原料となる燃料(チップ)が廃棄物扱いとなった場合、廃掃法 上ボイラーは焼却炉扱いになります。廃掃法では、廃棄物を「自ら利用※1し又は他人に有償売却でき ないため不要となった物」としています。ただし、この燃料の取引形態※2のほか、燃料の性状※3及び 利用機器※4 等を総合的に勘案し判断することになります。つまり法律上、廃棄物燃焼炉としてではな く、ボイラーとして認められるには燃料となる木質バイオマスに有価性(商品性)があることが必要となり ます。そのため、自ら利用する場合も含めて設備導入時にはその都度、保健所または東京都産業廃 棄物対策課への相談が必要となります。
バイオマスを利用するボイラー等が本法の廃棄物焼却炉に該当した場合、その設備に関して構造 基準や維持管理基準を遵守する必要が生じます。この場合、構造基準を満たすためボイラーに補助 バーナーや高度な集塵機などの追加設備が必要となり、さらに維持管理基準で燃焼ガス温度を常時 800 度以上に保つ必要があります。しかし基準を遵守するためには、非現実的な運転を行わなければ 困難となります。
注)1.「自ら利用」とは、他人に有償売却できる性状の物を占有者が利用することをいう。他人に有償売却できない ものを排出者が使用することは、「自ら利用」に該当しない。
2.有償で引き取れば廃棄物ではない。但し、無償持ち込みの場合、輸送費を排出事業者が払っていることから、
逆有償と同様に解釈される。さらに有償の場合でも「買い取り金額-持ち込み業者が支払う輸送費」がプラス になっていない場合においても廃棄物とみなされる。
3.形状が一定であるか、一般的に流通しているものであるか等の観点から判断される。
4.導入する設備のシステム、構造及び規模等が、導入する施設の用途や規模等に対して適正であるか等の観 点から判断される。
2.2.7ダイオキシン類対策特別措置法(参考)
ダイオキシン類対策特別措置法では、廃棄物焼却炉(焼却能力50kg/h未満のものは除く)に対して、
ダイオキシン類(ポリ塩化ジベンゾフラン・ポリ塩化ジベンゾ―パラ―ジオキシン・コプラナーポリ塩化ビフ ェニル)の排出規制、基準量の遵守及び定期的な測定を義務づけています。また、本法の焼却炉の解 釈は廃掃法と同様に定義されます。
資-表 2-13 ダイオキシン類の排出基準(焼却炉となった場合)
対象 焼却能力 新設施設基準
4,000kg/h以上 0.1 ng-TEQ/m3N 廃棄物焼却炉