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東京都の動向と木質バイオマスエネルギー導入

第 9 章 檜原村における二酸化炭素排出削減方法の検討

資料 3 東京都の動向と木質バイオマスエネルギー導入

資料3 東京都の動向と木質バイオマスエネルギー導入

3.1 東京都の動向

東京都で現在行われているエネルギーや森林・環境に関連した施策には、以下のようなものがありま す。

(1) 東京都環境基本計画

(H9年3月策定、H14年1月改定)

目 的

東京は、自動車の増大に伴う大気汚染や化学物質による健康被害の懸念など、都民の健康と安全を 脅かす直接的な危機と、膨大なエネルギー消費に伴うヒートアイランド現象の発生や二酸化炭素の増加に よる地球温暖化など、都市と地球の持続可能性の危機の二つの危機に直面している。こうした環境の危機 の認識のもと、環境施策における都の果たすべき責務と可能性などを踏まえ、「健康で安全な環境の確保 と持続可能な社会への変革を、東京から実現する」を基本理念として掲げ、「東京都環境基本計画」を策 定した。

概 要

おおむね2015年を目途に、できる限り具体的な数値目標を設定し、施策の方向を示している。

1.「浮遊粒子状物質の環境基準を2010年度までにすべての測定局(※)で達成する」などの目標を掲 げ、(1)自動車公害対策の徹底、(2)有害化学物質対策の推進、(3)騒音・振動等の防止に取り組む。

2.「2010年度までに東京の温室効果ガス排出量を、1990年度対比で6%削減する」などの目標を掲 げ、(1)地球温暖化の防止、(2)ヒートアイランド対策の展開、(3)廃棄物の発生抑制・リサイクルと適正な処 理の推進に取り組む。

3.「人工林は計画的な間伐等の実施や混交林化の推進などにより、公益的機能の回復を目指す」など を目標に掲げ、(1)緑の保全と再生、(2)水質の保全と水循環・水辺環境の再生、(3)生物多様性の確保と 自然とのふれあいに取り組む。

(2)新「東京都環境基本計画」

(H20年3月策定)

目 的

平成9年に策定した東京都環境基本計画の基本理念を基に、さまざまな施策に取り組んできたが、東 京の環境を取り巻く状況を見ると、都にこれまで以上に積極的な環境施策の展開を求めるものになってい る。このため都は、これまでの取組の成果や課題、さらに、国内外の社会状況の変化も踏まえ、持続可能 な東京の実現に向けた取組を一層強化するため、新たな環境基本計画を策定することとした。

概 要

東京が直面する環境問題についての新たな認識として、1.気候変動の危機の顕在化、2.環境汚染に対 する予見的かつ継続的な対応の必要性、3.より質の高い都市環境の形成による都市の魅力の向上をか かげ、少ないエネルギー消費で、快適に活動・生活できる都市を目指し、東京から、世界の諸都市の“範”

となる持続可能な都市モデルを発信していく。

(3)森づくり推進プラン

(平成16年4月~平成21年3月)

目 的

都内の森のうち、荒廃の危機に直面し、戦略的取組が必要な多摩の森を主な対象とし、

1.森のもつ多面的機能を持続的に発揮するための森の健全な育成及び再生・保全

2.資源循環型社会への転換や地球温暖化防止、快適な都民生活の創造などに貢献する多様な森林 産業の創出と発展

3.都民の参加・協働により森を守り育てるしくみづくり を目的としてプランを策定した。

概 要

低迷する東京の林業、担い手減少荒廃が進む多摩の森、低下する森のはたらきなどの森林の危機を克 服するため、東京の財産として豊かな森づくりを進めるし、時代が要請する「森林産業」を創出する等の取 り組みを行う。また、森と森林産業を支える人・技術・しくみをつくり、森に対する理解を広げ、森林所有者 だけでなく、都民、事業者等が幅広く参加・協働して森を守り育てるしくみを創設する。

備 考

現行プランの計画期間が本年度で終了するとともに、森林・林業を取り巻く情勢の変化に対応するた め、平成21年度から平成30年までの10ヵ年計画(5年後を目処に見直し)の新たなプランに現在改訂 中。

檜原村新エネルギー詳細ビジョン

資料 3 東京都の動向と木質バイオマスエネルギー導入事例

(4) 地球温暖化対策都庁プラン

(H17年8月)

目 的

都庁全体における温暖化対策を更に進展させるため、地球温暖化対策に特化した実行計画として策 定したもの。「地球温暖化対策の推進に関する法律」第21 条第1 項に定める「地方公共団体実行計画」

に該当し、今後、本プランに基づき、都民や民間事業者等の模範となるよう都庁職員が地球温暖化対策 に取り組むとともに、アイデアを出し合い、果敢に地球温暖化対策のリーディングプロジェクトとなる事業に 挑戦して、東京全体で地球温暖化対策に取り組むことを目的とする。

概 要

本プランに掲げた目標の達成に向け、具体的な温暖化対策が適切に実施され、温室効果ガス排出量 が削減されているかどうかを把握するため、毎年度、進捗状況の調査を行う。また、各局は、重点施設、推 進施設及びその他の施設を含めた局の事務事業活動に伴う温室効果ガスの排出量を把握し、都庁全体 の温室効果ガス排出量についても、毎年度、把握し点検及び評価をい、継続的な改善を行う。また、それ ぞれの事業に即した地球温暖化対策を推進するための「局実行プラン」が策定され、計画的な取組が進 められている。その他、進捗状況については、毎年度、環境局において取りまとめ、TAIMS などを通じて 各局にフィードバックするとともに、環境局ホームページ等様々な媒体を通じて公表している。

(5) 総合的花粉症対策

(H18年1月)

目 的

首都圏では約4人に1人が花粉症に苦しんでいるため、八都県市(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川 県・横浜市・川崎市・千葉市・さいたま市)が共同して広域的な対策を推進するとともに、都民や民間企業 の参加を図りつつ、都独自の予防・治 療対策、花粉発生源対策に取り組んでいる。

概 要

利用しやすい花粉症の根本的治療方法である舌下減感作療法について、都立病院や民間の医療施 設等の協力を得て、臨床研究を実施することで、その開発を促進し、実用化を目指す。また、多摩地域の スギやヒノキの人工林を、持続的に木材生産を行う生産型森林と、奥山などの保全型森林とに区分し、そ れぞれに応じた花粉発生源対策を推進することで、多摩地域から発生するスギ花粉の量を10年間で2割 削減することを目指す。

(6) 多摩リーディングプロジェクト-明日の多摩を拓く-

(H18年1月)

目 的

現在、国が中心になって進めている三位一体改革がねらいとすべき地方分権は、国の新しい形をつ くる仕組みづくりであり、地方自治体にとっては、さらなる自立と自治体間の競争が求められているため、

これからの多摩は、持てる地域の優位性をより高め、発揮させていくことにより、一層の飛躍を目指して いくことが必要であるという認識のもとに、都がどのように多摩振興に取り組むのかを基本施策として明ら かにした。主な施策として、1)都の多摩重点推進事業の推進、2)国等事業の促進の働きかけ、3)市町 村事業への支援等があり、これらを柱に、今後、多摩振興をより実効あるものにするため、都の多摩振興 策の全体像や相互関係・進捗状況等を総合的にとらえるとともに、定期的に振興策のフォローアップを 行い、社会経済状況の変化に柔軟に対応して、必要な見直しを行っていくことを目的としている。

概 要

主な概要として、交通路網の整備など多摩の新しい基盤を創り、観光振興や農林業の活性など、産 業のフロンティアになることを目指す。また、多摩の森林再生事業から、水関係の向上をはじめ、シカ食 害の対策を実行するなど豊かな自然を再生し活かすことの他、山間部の災害対策を進め、安心を高 め、未来を育む事業に取り組む。

檜原村新エネルギー詳細ビジョン 資料 3 東京都の動向と木質バイオマスエネルギー導入事例

(7) 東京都再生可能エネルギー戦略

(平成18年3月)

目 的

都は、平成14年1月に策定した「東京都環境基本計画」において、再生可能エネルギーの普及と拡 大を地球温暖化対策の一つの柱として位置付けた。地球温暖化対策に加え、震災の危険に直面する 大都市として、防災対策を推進するという観点からも、東京において分散型の再生可能エネルギーの利 用を推進する必要がある他、再生可能エネルギーの利用拡大が進むことは、東京に新たな成長産業の ビジネスチャンスが生まれるという意義もある。

これらの観点から、これまでのパイロット的施策を越えて、再生可能エネルギーの本格的な利用拡大 を実現するため、今回、「東京都再生可能エネルギー戦略」を策定した。

概 要

東京における再生可能エネルギーの現時点における導入状況を全体的に明らかにするとともに、利 用拡大の意義を明確にし、中長期的視点に立った利用目標を提起した。また、利用拡大に向けた施策 の基本的方向を定め、今後、検討を進める利用拡大のしくみとプロジェクトを示した。

都は今後、この戦略を出発点として、都民・NPO・事業者などとの連携を深めつつ、広範な議論と行 動を巻き起こし、東京における本格的な再生可能エネルギーの利用拡大を実現していく。

(8) 東京都水道局環境計画(2007-2009)

(平成19年3月)

目 的

水道事業から発生する環境負荷の低減を目指して、平成16年度から「東京都水道局環境計画」を策 定し、総合的に環境施策を推進していき、自然エネルギー等による発電規模を平成28年度までに 10,000kW以上とすることを目指す。

概 要

主な取り組みとして、水源林機能の二酸化炭素の吸収や生態系の維持など水源かん養林機能を向上 させられるよう、水源林を適正に管理するとともに、その機能を向上させる複層林化を推進し、環境負荷 の低減に貢献していく。また、低公害車の導入の促進を行い、車両の更新や新規購入にあたって、東京 都指定低公害車のうち、もっとも環境性能の高いレベルの車両を導入し、二酸化炭素等の排出を低減し ていく。その他、安全でおいしい水を届けるために、高度浄水処理の導入を積極的に進め、自然エネル ギーの導入や省エネルギー施策の推進などによるエネルギーの有効活用を図り、二酸化炭素の排出を 抑制していく。

(9) 花粉の少ない森づくり運動

(H19年4月)

目 的

東京都の花粉症対策について、多摩のスギ花粉を10年間で約2割削減すること目的に、新たな運動 メニューとして「森づくり支援倶楽部」と「企業の森」の制度について提示した。花粉症対策としての間伐 や多摩産材の利用促進等にとどまらず、より広い意味での豊かな森づくりといった視点で、都市政策の 一環として林業、および、東京の森や首都圏の森の今後についての内容が盛り込まれた。

概 要

花粉の少ない森づくりを進めるために、都民や民間企業の皆様に対し、募金活動の推進や多摩産材 の積極的な活用のほか、ボランティア活動への参加などを呼びかける。