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横断層像下における血流速の計測と血流量算出

BASIS

5.5 血流量計測アルゴリズムの設計

5.5.4 横断層像下における血流速の計測と血流量算出

ける血流量計測技術課題の要件2つを解決する手法が入った血流量計測フェー ズ,そして算出した断面積と角度補正した血流速値から血流量を算出する補 正・算出フェーズの大きく3つから構成される.

断面抽出フェーズでは,既存にある画像処理技術を用いて,血管断面輪郭を 抽出する.続いて,補正・算出フェーズについて説明する.

はじめに,断面積の算出方法について説明する.Fig.5.12に示すように,断面 積計測時には,断面は血流方向に対して垂直な断面(以降,真断面と呼称)と なっていなければならない.しかし実際には血流速計測のために,血流方向と 超音波ビームの間にはある角度

θ

分(

θ

≠90[deg])のずれが生じており(Fig.5.13),

断面積S’は楕円形状の面積となる.この楕円形状における断面積S’から,真断面 時の断面積Sを算出するためには,血流方向と超音波ビームのなす角度

θ

の同定

が必要である.血流方向と超音波ビームのなす角度

θ

が同定できた場合,真断面 形状の断面積Sは,次式(5.16)で表される.なお,aは楕円長径,bは楕円短径を表 す.

= sin = a b sin (5.16)

続いて血流速においても,断面積と同様に血流方向と垂直の断面における血流 速分布を考慮した計測を行わなければならない.そこで,超音波ドプラを用い て計測する際の計測点を血管断面全体として,血流速計測を行い,その区間内 の計測した血流速の平均値に血流方向と超音波ビームのなす角度θを補正した 値を用いて,血流量を算出していく.

Fig.5.12 Cross-section area

血流方向と超音波ビームのなす角度

θ に基づいた

血流量の算出方法を式 (5.17)に示す.

=

= sin

cos θ

=

tan θ (5.17)

次に,血流方向と超音波ビームのなす角度θを超音波画像処理に基づいて同定 するための手法について説明していく.Fig.5.14に提案手法の手順を示す.

ステップ1では,技術課題要件の1つ目である血管変位によるドプラ遷移周波数 Fu=0を実現するために,プローブの位置FB制御を行う.次にステップ2,3を通 して,血流方向と超音波ビームのなす角度θを同定していく.そして,同定し たなす角度θを用いて,計測した血流速と断面積値の角度補正を行っていく.

要件である血管変位によるドプラ遷移周波数によるノイズの影響を低減すべ く,プローブの位置FB制御を行い,あたかも血管が静止しているかのようにす ることを目的とした制御を行う.Fig.5.15に血管追従制御のフローを示す.

Fig.5.13 Doppler angle for measuring blood speed

FB制御の内容としては,超音波画像から抽出した血管断面の中心座標値の各 フレーム間差分値(⊿x,⊿y)とその差分の微分値(d⊿x/dt,d⊿y/dt)を用い

Fig.5.14 Flowchart for identifying Doppler noise

Fig.5.15 Visual feedback control algorithm for tracking blood vessel

て,超音波画像の中心と血管断面中心を一致させるように追跡制御を行い,ド プラ遷移周波数Fu=0つまり,血管とプローブの相対速度を0にすることを実現 させる.

ステップ1では,超音波画像の中心と血管断面の中心が一致している状態を実 現させるFB制御を行い,ステップ2,3では,超音波画像の中心と血管断面の中 心が一致している状態下で各ステップを行っていく.

ステップ2,3を用いて,超音波ビームと血流方向の成す角度θを同定する.ま ず始めに,ステップ2では,血管断面の中心座標を原点とし,その断面における 血流方向をX軸,そして平面を設定する(Fig.5.16). 次に,超音波プローブの軸 と平面設定を行う.Fig.5.17のように,超音波画像における軸と超音波画像に対 して,y軸まわりに90度回転した断面(図中赤枠)を設定する.

Fig.5.16 Configuration of axes to blood vessel

Fig.5.17 Configuration of axes to US probe

そして, Fig.5.16で示したx-z断面とFig.5.17で設定した平面(赤枠)を一致さ せるため,超音波プローブの回転駆動制御を行い,Fig.5.18(Left)のように描出さ れている血管断面(楕円形状)が,Fig.5.18(Right)のように血管断面の楕円短径b が最小となる点を探索する.

この時点での超音波プローブと血管の位置関係としては,Fig.5.19に示すよう に,血流方向であるX軸の平面と超音波プローブのy-z平面が一致した状態とな り,血流方向と超音波ビームのなす角度θだけズレた状態となっている.

そこで,この状態から,Fig.5.20のように幾何学的に血流方向と超音波ビーム のなす角度θを算出する.式(5.18)に示す.ここで,Dは血管真断面時の径,a は楕円長径aである.

θ =

π

2

− cos

−1

D

a

) (5.18)

以上で,ステップ 2,3 が終了し,血流方向と超音波ビームのなす角度θが算 出できる.よって,このドップラー角度を用いて血流量を補正し,最終的な血 流量計測値を出力する.

Fig.5.18 Description of major/minor axis of blood vessel on a US image

Before rolling After rolling

Fig.5.19 Position relation between US probe and blood vessel

Fig.5.20 Geometrically-specifying Doppler angle