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低輝度集合解析に基づく臓器境界判定手法

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3.5 内出血貯留箇所の自動検出アルゴリズムの設計

3.5.4 低輝度集合解析に基づく臓器境界判定手法

さい番号を採用し,大きい番号は小さい番号で配列全体を再帰的に塗りつぶす.

以上の処理により,全ての内出血貯留にはグループ番号が割り振られ,配列 変数には0または2以上のグループ番号が存在することになる.

(i) マーカー円の配置

境界検出を行った後,臓器の内部と考えられる場所にマーキングを行う.具 体的には境界が存在しない場所に円を配置する.画像ピクセルと同じ数配列が 存在する配列変数を用意して,配置した円の位置に1それ以外を0とする.微 分画像から有効と考えられる境界を緑に,また,配置した円を赤で示した画像 をFig.3.14に示す.

(ii) 繰り返しによる拡大

ここからこの赤い画像を展開していき臓器領域を抽出していく.画像の全ピ クセルに対して,あるピクセルの上下左右斜めのどこかに領域が存在した場合 あるピクセルも領域とする処理を全ピクセルに対して行う.10回行った例を Fig.3.15に示す.

Fig.3.13 Morrison's pouch on a US image (between Liver and Kidney)

Fig.3.14 Marking a unit circle

(iii) 境界衝突時の拡大停止処置

円の拡張は,境界で停止しなければ画像全体を埋め尽くしてしまう.しかし,

臓器の境界は臓器を包括的に包んでいないため,境界にぶつかったら止まると いう処理だけでは,円の拡張を停止させることができない.そこで,ある回の 拡張作業において領域が境界と衝突した場合,衝突したピクセルの10ピクセル 周囲に寿命を設定し,拡張を防ぐといった手法を用いる.

あるピクセルが境界と判定されている場所に衝突した際,その前後左右10 ピクセル範囲に存在するピクセルに寿命という概念を設定する.寿命は,10 という数値で設定され,拡大にあわせて,寿命が設定されているピクセルから 拡張されたピクセルは,寿命の数値をインクリメントした値を持った状態で拡 張していく .

今回は最大寿命を15とした.つまり,境界に衝突した場合,その回りにあ るピクセルは5回の拡張しか行えないこととなる.これにより空いている境界 をすり抜けて画像全体に領域が拡張されるのを防ぐ.問題点として,臓器の中 に存在する血管などによる小さな境界にも反応して寿命が発生してしまうが,

臓器が大きい限り,回り込み領域の展開を行うことができると考えられる.そ して,ある回に 1 ピクセルも展開できなくなったら領域展開を終了とする.実 際にこの寿命処理を用いた領域展開を行ったものをFig.3.16に示す.

Fig.3.15 Expansion of the unit circle area

(2) 臓器判定

(1)の処理により,画像を幾つかの臓器候補に分割し終えたら,次はそれぞれ の領域が何の臓器であるかを同定する.それが今回新たに提案する,低輝度集 合の解析である.先ず,超音波画像輝度値に対して微分をし,極値を求める.

ここで言う極値とはピクセルの輝度値が最も暗くなる部分を指す.この処理を 式(3.5, 3.6)に基づいて,画像に対して横と縦の2方向に対して行う.行った極 値調査において,極値となった低輝度集合ピクセルを白,それ以外を黒にした 画像をFig.3.17に示す.

Fig.3.16 Settlement of the unit circle area

Fig.3.17 Imaging extremal value based on differential brightness

ここで,腎臓・肝臓の領域の輝度に関して分析してみると,黒:白の面積比 に違いがあることが分かった.白:黒とは,ある面積を持ってきた場合その面 積に存在する白(極値)と黒の比のことである(Fig.3.18). 詳細は,第7章総合 評価に示す.

この特性を利用して,臓器の判定を行う.Fig.3.16 に示すように,超音波画 像を複数の領域に分割後,極値調査により調べられた低輝度集合の面積占有率 から,それぞれの領域を肝臓・腎臓に分割し,求めるべき臓器境界を探しだす (Fig.3.19).

Fig.3.18 The ratio of low brightness to high brightness Ex.) Black : White = 3 : 6

Fig.3.19 The result of organ area segmentation

E(x, y) = 1:∆P

∆x = 0 AND ∆P

(∆x) > 0,∆P

∆y = 0 AND ∆P

(∆y) > 0 E(x, y) = 0:∆P

∆x ≠ 0 OR ∆P

(∆x) ≤ 0 OR ∆P

∆y ≠ 0 OR ∆P

(∆y) ≤ 0

(3.5)

P: Brightness value of the pixel E(x,y): Extreaml value

Ex a a =A a (E(x, y) = 1)

A a (E(x, y) = 0)

(3.6)

(3) 内出血貯留検知

以上の手法から,求められた臓器境界,それに8方向フィルタを用いた内出 血貯留疑いのある低輝度領域の2つの情報を利用して,内出血貯留疑いを探し だす.臓器境界は,臓器判定完了後の2つの臓器の間に存在する領域とする.

具体的には画像の,ある y=n の1行において,2つの領域に囲まれている範 囲を臓器境界とする.そして,その範囲に低輝度領域が存在するかどうかを調 べ,存在する場合それを内出血貯留と認める.

完成したシステムの操作パネルをFig.3.20に示す.

Fig.3.20 Interface for pooled internal bleeding detecting system