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第 5 章 変形抑制効果のメカニズムに関する考察

5.6 本章の結論

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生じないがせん断破壊が生じた。結果的には盛土法尻の水平変位の低減には繋が らなかった。ポアソン比を小さくした場合についても同様にせん断破壊が生じた ことにより効果は確認できなかった。

・ そこで,せん断強度,引張強度の両者を同時に大きくして検討した結果,盛土法 尻の水平変位は低減した。しかし,敷金網に挟まれた地盤の地盤定数として仮定 したせん断強度定数,引張強度は一軸圧縮強さ𝑞𝑞𝑢𝑢 = 1000kN/m2 の浅層改良を想 定したものであり,敷金網に挟まれた地盤にこのような大きな強度が発揮するこ とは現実的ではなく,それが水平変位の抑制効果とは考えられなかった。

・ 盛土底面の変位を拘束した条件で行った二次元弾塑性 FEM解析の結果,盛土底 面に大きな最小主応力𝜎𝜎3が発生し,これにより大きなせん断応力も発生せず,盛 土本来の変形特性が発揮できることが明らかとなった。

・ 実際には盛土底面はある程度の水平変位が生じるため,盛土底面の変位を固定し た場合とフリーの状態との中間的な状態にあるものと推察した。

・ さらに,それを検証するために,実際の地盤調査結果,土質試験結果を反映させ た二次元弾塑性 FEM解析を行い,敷金網に挟まれた地盤要素の最小主応力が増 大することが確認された。最小主応力の増大によって水平変位が低減されている ことが検証できた。

・ この最小主応力の増大は,土のうの理論で求めることができ,敷金網に挟まれた 地盤の版状効果は,この最小主応力の増大の効果であると結論付け,強度や変形 特性が増加するのではなく,本来持っている盛土の変形特性が維持されることに よって水平変位が低減されるメカニズムを明らかにした。

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1) 田中淳,白井康夫,伊賀屋豊,井上泰治,宮原尊洋,日野剛徳:佐賀平野における 軟弱地盤上道路盛土の動態観測結果について,全地連「技術フォーラム 2013」長 野,p.128,2013.9.

2) 白井康夫,小海尚文,伊賀屋豊,日野剛徳,下山正一,門前亨,田中淳:有明海北 岸低地における沖積層と洪積層の境界区分(その 2),土木学会第 66 回年次学術 公演会,pp.739~740,2011.9.

3) 小海尚文,白井康夫,伊賀屋豊,日野剛徳,田中淳,門前亨:有明海北岸低地にお ける沖積層と洪積層の境界区分(その1),土木学会第66回年次学術公演会,pp.737

~738,2011.9.

4) 安達健司:ALID/WIN 地盤土の構成則,地盤ソフト工房,pp.91~108

5) 吉田昌史;敷金網による盛土の側方変形抑止効果とその評価,九州大学大学院工 学府建設システム工学修士論文,2011.

6) 松岡元;地盤工学の新しいアプローチ-構成式・試験法・補強法, 京都大学学術出 版会 , pp.244~250, 2003.

7) 安福規之・落合英俊・金重正浩・河村隆;ジオグリッド補強土のダイレタンシー特 性を考慮した拘束効果と設計への導入,ジオシンセティックス論文集,pp.279~ 286,2005.12.

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第 6章 水平変位低減を目的とした敷金網工法の