第 6 章 水平変位低減を目的とした敷金網工法の設計手法の提案
6.4 まとめ
盛土法尻および側方地盤の水平変位低減を目的とした敷金網工法の設計手法を ,精 度よりも簡便さ,使いやすさを優先し,広く一般的に用いられるようなものとするこ とを考え,道路土工軟弱地盤対策工指針 1)と同様に,盛土中央の沈下量と軟弱地盤層 厚の関係から設計手法を提案した。
側方地盤の水平変位量は式6.4.1を用いて算出する。なお,盛土法尻および側方地盤 の任意の地点の設計係数𝐶𝐶2𝑑𝑑は図- 6.4.1のチャートからを読み取って求める。
なお,敷金網の線径の違いによるチャートの作成も試みたが,網目 56mm,敷金網 の敷設間隔 30cm,本研究で用いた地盤条件においては実務上無視しうる程度の違い しか現れなかったため,代表曲線として線径 2.6mm の敷金網を用いた場合のチャー トを提案した。
側方地盤水平変位量 𝛿𝛿𝑥𝑥𝑑𝑑=𝐶𝐶2𝑑𝑑∙ 𝑆𝑆 6.4.1 ここに,
𝐶𝐶2𝑑𝑑 :設計係数(図- 6.4.1の値)
𝑆𝑆 :盛土中央における最終全沈下量(m) 𝐻𝐻 :軟弱地盤層厚(m)
𝑥𝑥 :盛土法尻からの水平距離(m)
0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25
0 0.5 1 1.5 2
係数C2d
盛土のり尻からの距離𝑥𝑥と軟弱地盤層厚Hの比𝑥𝑥/ H 無対策(敷金網なし)
盛土高2.5m,H=9.8m(基本ケース) 盛土高1.5m,H=9.8m
盛土高2.5m,H=4.7m 盛土高2.5m,H=15.5m 盛土高2.5m,H=21.7m 道路土工
金網を敷設した場合の設計曲線
図- 6.4.1 敷金網工法を用いた場合の𝑥𝑥 𝐻𝐻⁄ と𝐶𝐶2𝑑𝑑の設計曲線
【敷金網の条件】
網目 56mm
敷設間隔 30cm(計 2枚)
線径 2.6mm以上が望ましい
-146-
図- 6.4.2に本研究で提案する側方地盤の水平変位低減を目的とした敷金網工法の設
計フローを示した。フローに示すように,目標水平変位量を満足する敷金網の線径や 敷設間隔,網目などを選定する設計手法を提案することを試みた。しかし,本研究で は以下の課題を踏まえて,敷金網の網目 56mm,線径 2.6mm以上(推奨),敷設間隔 30cm(計 2枚)の条件での設計内容に留めた。
本研究では未改良地盤に敷金網工法を採用する場合について,解析的に図- 6.4.1の チャートを作成し,側方地盤の水平変位量を求める式を提案した。
サ ン ド ド レ ー ン 工 法 や 深 層 混 合 処 理 工 法 を 併 用 す る 場 合 に つ い て は 道 路 土 工 の 簡 易式自体が適用範囲外であり,別途検討が必要である。特に,深層混合処理工法を実
地盤調査・土質試験
地盤モデル作成 地盤定数設定
一次元圧密沈下解析
(盛土中央の最終沈下量 𝑆𝑆 算出)
道路土工の簡易式による
無対策時の盛土法尻および側方地盤の 水平変位量の算出 𝛿𝛿𝑥𝑥𝑛𝑛=𝐶𝐶2∙ 𝑆𝑆
側方地盤の水平変位対策が必要?
(目標水平変位量𝛿𝛿𝑥𝑥𝑑𝑑>𝛿𝛿𝑥𝑥𝑛𝑛=𝐶𝐶2∙ 𝑆𝑆)
YES
無対策時の盛土中央の最終沈下量 𝑆𝑆
および目標水平変位量𝛿𝛿𝑥𝑥𝑑𝑑より係数𝐶𝐶2𝑑𝑑(𝐶𝐶2𝑑𝑑=𝛿𝛿𝑥𝑥𝑑𝑑⁄𝑆𝑆)を算出し,
提案するチャートから𝐶𝐶2𝑑𝑑を満たす敷金網の線径などを選定する。
END NO
図- 6.4.2 提案する設計手法のフロー
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施した場合には,改良率や改良長,フロート長(未改良厚さ)などによって水平変位
量は図- 6.4.1のチャートよりも大きくなる場合もあるので注意が必要である 2)。
-148- 参考文献
1) 社団法人日本道路協会;道路土工 軟弱地盤対策工指針,pp.152~154,2012.8.
2) Yutaka Igaya,Takenori Hino,J.-C.Chai;Behavior of traial embankments on sofut AriakeClay depositswith and without column improvement,International Symposium and Exhibition on Geotechnical and Geosynthetics Engineering, pp.354~362,2010.12.
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