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第 8 章 普及計画案の策定

8.2. 普及に向けた中小企業の分類とその考察

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94 (イ) セグメント2

社内システムが業務単位で存在し、企業間データ連携についても視野に入れ ている企業群

(ウ) セグメント3

社内システムが一般オフィスシステム程度であり、企業間データ連携に対す るニーズが強くなく、IT投資が限られる企業群

本来、詳細なアクションプランまで作成するのであれば、これらセグメントの観 点を含め、詳細にターゲットを定義するべきであるが、本書では普及計画案として 方向性を定めるため、この整理までに留めるものとし、事業終了後の詳細化におい ては、後述する普及シナリオと併せ、セグメントやターゲットを明確化していく必 要がある。

図 36事業規模と社内IT化状況から見た中小企業のセグメントイメージ

8.2.2. 受発注区分と導入決定要因、基本アプローチ

次に、対象企業が受注企業の立場であるか、発注企業の立場であるか、その受発 注区分によってその導入決定要因が異なることに着目して整理を行った。また、ど ちらの立場がより普及に向けてアプローチをしやすいのか、基本的な整理を行った。

(1) 受発注区分とそれぞれの導入決定要因

受注企業、発注企業では、置かれている状況が異なり、企業間データ連携の実 現に向けての動機も異なることが想定される。

受注企業、発注企業それぞれに、ほぼ同様の生産性向上効果(業務時間削減効

Excel・紙運用 業務アプリ運用

Excel・紙を中心とした運用 業務アプリごと、それぞれの運用 業務統合ERPを中心とした運用

大企業 1.1万者 中小企業(中規模) 55.7万者

中小企業(小規模) 325.2万者

セグメント3

ほとんど存在していない セグメント2 企業規模

[EDI必要性、IT投資・運用の可能性]

ほとんど存在していない セグメント1

社内IT化状況

[受発注データと社内データ連携しやすさ]

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果)があることは、本事業のモデルプロジェクトによるシステム連携調査実証か ら明らかになった。

実現さえすれば効果の見通しは立っているものの、企業のニーズに訴求できな ければ、データ連携システムの導入に至らず、その効果を発現できない。よって、

受注企業、発注企業それぞれの立場において、データ連携システムの導入決定要 因として何があり得るかをリストアップした。

(ア) 発注企業にとっての導入決定要因

 業務効率化

- 発注処理における入力効率化・処理ミス軽減 - 発注処理の承認(確認)スピード化

- 受発注処理プロセス進捗状況の双方共有

 経営の見える化

- 仕入コスト削減のためのデータ分析可能

- 買掛金のリアルタイム管理(キャッシュマネジメントの実現)

 コスト削減

- 社内・社外帳票の電子化による印刷コスト低減

 会計仕訳(決算書)に対する信頼性確立

- 取引データ・会計仕訳データの信ぴょう性担保

 補助金

- IT導入補助金、ものづくり補助金など

 外部要因(導入せざるを得ない要因)

- 電子帳簿保存法対応(要調整事案)

(イ) 受注企業にとっての導入決定要因

 業務効率化

- 受注処理におけるデジタルデータ処置作業が解消/軽減 - 見積回答のスピード化・正確性確立

- 受注・出荷対応処理のスピード化 - 受発注処理プロセス進捗状況の双方共有 - 受注データに対するデータ更新作業の簡便化

 経営の見える化

- 売上アップのためのデータ分析可能

- 売掛金のリアルタイム管理(キャッシュマネジメントの実現)

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 コスト削減

- 社内・社外帳票の電子化による印刷コスト低減

 会計仕訳(決算書)に対する信頼性確立

- 取引データ・会計仕訳データの信ぴょう性担保

 補助金

- IT導入補助金、ものづくり補助金など

 外部要因(導入せざるを得ない要因)

- インボイス方式対応(2023年10月以降 運用開始)

- 電子帳簿保存法対応(要調整事案)

(ウ) 受発注取引グループにとって、参画メリット・相乗効果

 製造グループにおける生産性向上

- 材料・部品から構成される製品つくりの企業間取引グループにおい ては、製造・在庫・出荷情報がリアルタイム連携され、製品つくり のリードタイム短縮が見込まれる

以上は、本事業の専門部会(普及部会)にて確認をした内容である。中小企業の セグメントと同様、事業終了後の詳細化においては、後述する普及シナリオと併せ、

中小企業に対し具体的にどの導入決定要因に訴求をするかを明確化していく必要が ある。

(2) 受発注区分と基本アプローチ

我が国の商習慣において、多くの場合は、発注企業は受注企業に対し、優位な 状況にある。下請法の整備もあり、過度の優位性はないものの、依然として残存 するこの状況を加味した上で、中小企業共通EDIを導入する基本的なアプローチ を検討する必要がある。

基本的なアプローチとして、発注企業を普及起点企業とした、次の手順による アプローチが有効であると想定され、基本アプローチと定めた(図 37)。

(ア) 手順1

複数の仕入先を持つ発注企業を普及起点企業として選定し、その取引先に対 し、中小企業共通EDI導入を図る。

(イ) 手順2

中小企業共通EDIを導入した取引先が、自身が発注者となる場合の取引先へ 中小企業共通EDI導入を持ち掛ける。

(ウ) 手順3

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手順1、手順2を繰り返し促進させることで、「点と点を結ぶ」結果を重ね、

未導入企業を減らしていく。

図 37 導入基本アプローチ(導入連鎖のしかけイメージ)