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第 4 章 今後の課題と提言

4.3. 他のデータ連携システムとの接続の実現及び効率化

本事業の調査では、主に中小企業共通EDI標準に対応した業務アプリケーションを 利用するユーザーと中小企業共通EDI標準に対応したデータ連携サービスプロバイダ ーの範囲で調査実証を行い、その実現性や有効性を確認したが、中小企業共通EDIが 真に「業種の垣根を越えたデータ連携システム」となるためには、既存の業界標準EDI をはじめとして、他のデータ連携システム(プロバイダー等を含む)との接続が不可 欠である。

4.3.1. 既存の業界標準EDIとの接続

本事業の調査においては、その一部であるが、中小企業共通EDI標準に対応したデ ータ連携サービスプロバイダーと、普及実績のある流通BMS(流通ビジネスメッセー ジ標準)を用いたデータ連携システムとの接続について調査実証を行った。その結果、

双方の調整により通信(データの疎通)自体は比較的容易であるが、双方が必要な業 務情報を送受信するためのメッセージ仕様の変換・マッピングについては、実現に向 けて今後より多くの調整・検討が必要であることが分かった。

本事業の専門部会(通信規格分科会)における有識者の議論においても、他の業界 標準EDIサービスプロバイダーなど既存のデータ連携システムとの接続の必要性と、

その接続調整にあたっては多大な工数が発生する旨課題が提示された。また、その解 決の一案として、特に負荷がかかることが想定される、仕様の異なるデータ連携シス テム間の通信およびデータ変換機能(以下、ゲートウェイという。)について、あるデ ータ連携サービスプロバイダーが集約的に実装(以下、ゲートウェイセンターという。) することで、個々のデータ連携システムがそれぞれゲートウェイを実装する方法以外 のオプションとして示され、企業間データ連携のサービス全体の負荷(コスト)が削 減に繋がり、企業間データ連携が効率化されるビジョンが示された。

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中小企業共通EDIのコンセプトにおいても、健全性として、中小企業の業務規模や 企業体力に適合したコストや作業負荷である必要が示されており、効率的で低コスト となる仕組みが求められている。また、普及観点においても、FAX の置き換え等を見 込んだ際に、代替サービス費用を大きく見込めないことから、仕組みの効率化は有効 な手段であると想定される。

他方で、中小企業共通EDIは、中小企業の共通仕様として効率的かつ効果的な標準 となることを狙うが、ベンダーにビジネスとしての制約をかけるものではない。ゲー トウェイセンターを担うデータ連携サービスプロバイダーが 1 つ以上存在した上で、

それぞれのデータ連携システムは、それぞれがゲートウェイを実装するか、ゲートウ ェイセンターに接続するか、自由に選択できる姿が望ましいであろう(図31)。

図 31 ゲートウェイセンターのイメージ

4.3.2. 「Web-EDIによる多画面問題」の解消

本事業では、「1.3.1.国内の企業間データ連携の問題 (2)」(8 ページ)にて示した ように、主に大企業が独自のWeb-EDIを用い中小企業と企業間データ連携を行うこ とによる、中小企業の多画面問題を課題として認識し、その解決を目指した調査を 行ってきた。

本事業にて実施した調査実証では、主に FAX 等の紙取引に対する中小企業共通 EDI の置き換えが対象となったため、直接多画面問題の解消に至る事例を創出でき たわけではない。しかし、多画面問題解決と、「1.3.1.国内の企業間データ連携の問 題 (3)」(9 ページ)に示したように紙取引問題に対する解決を両立するためには、

紙取引を電子化した際に Web-EDI と並ぶ固有色の強いシステムになるのではなく、

多くの企業・業界に対しての取引を可能とする標準化された仕組みが必要であり、

本事業ではその仕様として「中小企業共通EDI標準(初版)」を策定した。

企業 ① 共通EDI 対応業務アプリ

企業 ⑥ 個別の 業務アプリ 共通EDI

対応プロバイダー

A 共通EDI以外の

プロバイダー等 個別のデータ 連携システムD EDI GW

企業 ② 共通EDI 対応業務アプリ

共通EDI対応 ゲートウェイ センター

企業 ④ 共通EDI 対応業務アプリ

共通EDI 対応プロバイダー

C 共通EDI 対応プロバイダー

B

企業 ⑧ 個別の 業務アプリ 共通EDI以外の

プロバイダー等 個別のデータ 連携システムF

企業 ⑦ 個別の 業務アプリ 共通EDI以外の

プロバイダー等 個別のデータ 連携システムE 企業 ③

共通EDI 対応業務アプリ

企業 ⑤ 個別の 業務アプリ

システムF GW システムE

GW システムD

GW

システムF GW

EDI GW システムE

GW

EDIGW

本調査事業の主な実証範囲 今後接続が必要な他のデータ連携システムの範囲

GWセンターは、他の データ連携システムとの

GWを集約し提供する

GWセンターの利用は任意であり、

自らGWを実装する場合も、GWセ ンターを運営する場合もある

GWセンターの利用で GW実装の負荷が減

凡例 :中小企業共通EDI標準に対応したデータ連携範囲

:他のデータ連携システムとの連携

:他のデータ連携システム内での連携範囲

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多画面問題を解決するには、Web-EDIを用いている大企業が、EDIの仕組みを中 小企業共通EDIに置き換えか、または既存の業界標準EDIの場合と同じように、ゲ ートウェイ経由で中小企業共通EDIに接続することが必要となる。

その実現のためには、Web-EDI利用企業に対する啓発、交渉が必要となることか ら、事業終了後に、普及推進協議会(仮称)を中心として取り組むべき課題である が、本事業の成果である「中小企業共通EDI標準(初版)」は、その交渉に資する仕 様として力強い一歩を踏み出したといえよう。

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