第 9 章 モデルプロジェクト詳細
9.3. 大阪発の中小製造業におけるビジネス情報共通 EDI 連携
9.3.4. サービスモデル
03.大阪PJは、注文情報のみならず、金融連携、IoT連携等、「中小製造業の取
引において伝達すべきビジネス情報網羅するEDIプラットフォームの拡販」を掲 げ、新たなサービスモデルを創出した(図 53)。
取引 ケー スNo.
企業名 受発注 区分
従来業務の特徴 調査実証プロセス全体 注文プロセス
帳票入力 送受信 実績管理
従来業務 時間
[秒]
EDI実証 業務時間
[秒]
業務時間 削減率
[%]
従来業務 時間
[秒]
EDI実証 業務時間
[秒]
業務時間 削減率
[%]
1 ニプロン 発注 システム 郵送 システム 2,473 158 94% 1,807 94 95%
1 KDエレクトロ
ニクス 受注 システム FAX システム 834 184 78% 567 12 98%
2 コイズミ照明
デバイス 発注 システム メール システム 1,965 117 94% 620 94 85%
2 シャープ新潟
電子工業 受注 システム メール システム 14,798 1,054 93% 6,638 158 98%
129
図 53 03.大阪PJ 新たなサービスモデルイメージ (1) 普及サービスの特徴・仕組み
03.大阪PJの新たなサービスモデルでは、大きく分けて業務アプリケーション、
EDIプロバイダー、連携I/F の3種類の商品が含まれる。業務アプリケーション としては、株式会社エクスの既存製品に、今回の実証検証を通じて開発した中小 企業共通EDI対応機能を実装したバージョンを商品化し提供する。既存商品は、
次の3つのコンセプトに対応していたものがある。
① 中堅・中小製造業向け生産管理システム
② 小規模製造業向けクラウド生産管理システム
③ 海外中小製造業向け生産管理システム
共通EDIプロバイダーも、株式会社エクスの既存のクラウドEDIサービスに中 小企業共通EDIメッセージ対応機能を実装したバージョンを商品化し、提供する。
何れの業務アプリケーションも共通EDIプロバイダーとシームレスな連携が可能 である。
(2) ターゲットユーザー
まずは、株式会社エクスの現状のメインターゲットである、FAX・紙取引が主
体の年商10~300 億程度の製造業をターゲットとする。その中でも、加工業や組
立業に注力する。その後、その他の製造業へターゲットを拡大していく。国内製 造業への普及を受けて、海外の製造業へ進出する。最終的に、他業界へもターゲ ットを広げることを目指す。(図 54)
プラットフォームサービス EXtelligence
凡例
中小製造 発注企業
(自社顧客) EDIプロバイダーサービス
EDIFAS EDIFAS FREE
他社
中小企業共通EDI対応 プロバイダーサービス 中小製造
発注企業
(他社顧客)
中小製造 受注企業
(他社顧客)
中小製造 受注企業
(自社顧客)
電脳工場 シリーズ
中小製造 発注企業
(他社顧客)
他社 業務 アプリ
中小製造 受注企業
(他社顧客)
EDIFASAgent
商流情報 商流情報
商流情報 商流情報
他社 業務 アプリ
EDIFASAgent
電脳工場 シリーズ 電脳工場 エクス社
パートナー 他社ITベンダー
データの 流れ
データ以外の 流れ・働き等
連携
ユーザ・新規 顧客への促進
ステーク ホルダ
製品
・サービス
※赤背景、赤枠はPJ管理法人
プロバイダ間連携
ユーザ・新規 顧客への促進
ユーザ・新規 顧客への促進
ユーザ・新規 顧客への促進 インセンティ
ブ支払
連携
インセンティ ブ支払
電脳工場
MF 電脳工場
MF 注文情報
注文回答情報
注文情報
注文回答情報
EDIFAS クライアント
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図 54 03.大阪PJ セグメント別ターゲットユーザー
(3) 利活用する情報
企業間にてデータ連携され利活用する情報は、以下を想定している。
①注文・注文回答情報
②見積依頼・回答情報
③出荷情報
④納入指示情報
⑤生産計画情報
⑥検収情報
⑦請求情報
以下、企業間におけるIoT情報を中心とした関連情報
⑧支給情報
⑨支給受領情報
⑩支給消費・在庫情報
⑪工程指示実績情報
⑫作業実績情報
⑬IoT情報 中堅・中小製造業
加工業 組立業
その他製造業 海外製造業
他業界
2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度~
131 (4) サービスの効果
本サービスモデルでは、前述の各商品を導入することで、サービスモデル全体 から得られるメリットを段階的に享受できる。
システム未導入の企業に対しては、自社の規模や業務形態に即した業務アプリ を導入することで業務の合理化を行うことができる。これは、発注企業も、受注 企業も同様である。
発注企業は、業務アプリケーションとシームレスに連携できるEDIを導入する ことで、購買業務に係る作業は大きく削減され、作業の正確性も大幅に改善され る。
受注企業も、購買情報の受け取りに要する時間が削減され、納期回答などの回 答データの送信も容易になるが、自社の業務アプリとEDIの連携という課題が残 る。そこで、受注企業が連携エージェントを導入することで、受注企業のEDI情 報の取込み、回答が業務アプリ上で行うことができるようになり、受注企業の販 売業務に係る作業も大きく削減される。仮に、規模が小さく、システムへの投資 が難しいユーザーには、無償版を提供し、これを利用することでEDI導入のハー ドルを低減させる。発注企業はEDIでやりとりできる企業が増えればより多くの メリットを享受することでできる。
さらにこのサービスモデルを確立することで、受発注企業のみならず、製造業 界、IT業界にとって以下のメリットを得られる。
●受発注企業に期待される効果
① リードタイムの短縮やサービスの向上
② 品質管理機能の強化
③ 合理化推進によるコストダウンの実現
④ ビジネスチャンスの拡大
⑤ Industry4.0など最新のトレンドへの対応準備
これら以外にもEDIプロバイダーサービスを利用することでBCP(事業継続 計画)の共有や支給品在庫の適正化などの効果が期待される。
●業界(製造業)全体に期待される効果
① サプライチェーンの見える化によるムダの排除
② 小企業における海外取引(グローバル化)の促進
③ デマンドチェーンとサプライチェーンの融合による全体最適の推進
④ 本のものづくりの国際競合力の強化
⑤ 中小製造業の経営基盤強化
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●IT業界に期待される効果
① 企業の枠を超えた業界ビッグデータの生成
② AI(人工知能)やデータマイニングなどの新ビジネスの創生
③ アジアにおけるITトップリーダーの評価確保
④ 従来のSI主体のビジネスモデルから、プラットフォーム事業への転換
(5) 普及推進体制・連携チャネル
普及にあたっては下図の推進体制を敷く。特に全国に展開する販売店網へ働き かけを強め普及を図る。(図 55)
図 55 03.大阪PJ 普及推進体制
以下の販売連携チャネルにて中小企業共通EDIの普及を目指す。(図 56)
株式会社エクス
電脳工場シリーズの開発・販売
Extellignceプラットフォーム(EDIFASの開発・販売)
全国に展開する拠点
(大阪、東京、名古屋、広島、福岡、沖縄)
経営層
営業/SE EDI部隊
各種業界団体 中央行政
中小企業庁など トップレベルで中央行政に対 して、意見具申などのアプ ローチを行う。
現場レベルで各種業界団体 との協力を推進する。
パートナー エンドユーザー
全国に展開する拠点網を最 大限に活用し、普及を図る。
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図 56 03.大阪PJ 連携チャネル