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第 3 章 本事業の成果

3.3. 普及計画案

3.3.2. 普及に向けたロードマップ案

事業終了後の2018年度より、ISDNサービスの終了が予定されている2024年度 までの7年間の普及の進め方について整理し、ロードマップ案を作成した(図29)。

図 29 普及ロードマップ案

外部環境のタイミングとの兼ね合いや、中小企業共通EDIの普及進度を想定し、

ISDNサービス終了までを3つのフェーズに分け、それぞれの普及の進め方を次のよ うに想定した。

ここで横展開として示した「サプライチェーン系モデル」「中小ユーザー系モデル」

「ベンダー系モデル」は、後述する普及モデル(98 ページ参照)毎の普及展開を示 す。

(1) フェーズ1 開拓期 (2018-2019年度)

フェーズ1は、2018年度から2019年度までの2年間、本事業の12のモデルプ ロジェクトそれぞれを起点とした普及を確実に支援し、その他ベンダーの中小企 業共通EDI対応製品の準備を促進する開拓期である。

(ア) フェーズ戦略

事業終了直後の時点では、中小企業共通EDIに準拠した製品が市場に少ないこ とから、まず中小企業共通EDIの普及準備が整っている本事業のモデルプロジェ クトの普及計画を支援に注力することで、早期に効果的な普及を図る。他方で、

先の普及を見据え、ベンダーへの啓発活動を実施する。また、全銀EDIシステム の稼働に伴い、中小企業共通EDIとの連携事例を確実に創出し、EDIの高付加価 値化を図る。

凡例

H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36

2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024

対応製品が市場に少ないことから、ま ず12のモデルPJの支援に注力する

一方で、先の普及を見据え、ベンダー への啓発活動を実施する

全銀EDIシステムの稼動に伴い、中小 企業共通EDIとの連携事例を創出し、

EDIの高付加価値化を図る

対応製品が市場に出回りだし、12のモデルPJの普及計画も 軌道に乗り始めたタイミングで、普及規模を見込めるベン ダー系モデルを中心に、普及モデルの横展開を加速する。ま た、その実績を元に、大企業、業界と連携協議し、接続を開 始する

インボイス方式への対応で、EDIの需要が増えることを見越し、

それまでに中小企業共通EDIの普及・認知を拡大する

中小企業共通EDIの普及・認知が一定 進んだ後、普及モデルに限定せず、広 く中小企業にアプローチすることで、

ISDNサービス終了までに広く普及を果 たす

軽減税率制度 の導入 全銀EDIシステム

の稼働

インボイス方式 対応期限

ISDNサービス 終了予定

フェーズ1 開拓期

フェーズ2 普及啓発期

フェーズ3 普及拡大期

12のモデルPJの普及計画を支援

(広報支援、課題解決支援等)を行い、

計画値から数を上積み

少数の仕様対応製品を武器とし、各モ デルの導入シナリオに沿って、仮説検 証をしながら普及開拓を実施 IT導入補助金、ものづくり補助金を活用 し、普及を促進

対応製品の拡大に伴い、各モデルにて、今まで課題解決が 難しかったケースへも導入が可能となるなど、普及のリーチ を拡大

実績を元に、大企業、業界と連携協議

対応製品を持つベンダーが、その顧客に対応製品の導入・更 新を行なうことに伴い、EDIの導入支援や利用促進を促し、規 模感ある普及を目指す

ベンダーへ啓発活動を実施 啓発後、対応製品開発期間を要する ため、初期は仕込みの時期

一定の普及がなし得た後、

取引先の中小企業共有EDI への対応状況や、規模の経 済性による安価なサービス 提供により、導入のハード ルが下がることで、普及モ デルに限らず小規模事業者 を含めた普及促進を行なう

大企業、業界との対話・調査開始

12のモデルプロジェクトの普及計画が軌道に乗った後は、自走的普及を推進

(適宜、情報交換、課題解決支援等を実施)

54 (イ) モデルプロジェクト

本事業の12のモデルプロジェクトは、それぞれの普及計画に従い普及活動を開 始する。普及推進協議会(仮称)はその支援として、広報支援、技術面を含む課 題解決支援等を行うことで、モデルプロジェクトの普及計画にある普及者数の確 実な実現と、更なる上積みを狙う。

(ウ) 横展開

サプライチェーン系モデルについて、広く普及展開させるために、中小企業共 通EDIと大企業、業界標準EDIとの連携を見据えた、大企業・業界との対話・調 査を開始する。

また、サプライチェーン系モデル、中小ユーザー系モデル共通して、モデルを 実現するための中小企業共通EDI対応製品は、まだ市場に少ない想定である。し かし、数少ない製品を武器としながら、それぞれのモデルの導入シナリオを仮説 検証し、モデルと導入シナリオを精緻化することにより、実績作りと並行して、

将来の確実なモデル展開の基盤を作る。また、IT 導入補助金、ものづくり補助金 などを活用することで、ユーザー企業の導入意欲を向上させる。

ベンダー系モデルについて、まずはベンダーに中小企業共通EDI対応製品を開 発してもらうことを目指し、啓発活動や、開発支援を行う啓発活動後、すぐに製 品が市場に出るわけではないことから、フェーズ1の期間は主に中小企業共通EDI 製品の仕込みの期間と位置づける。

(2) フェーズ2

フェーズ2は、2020年度から2022年度までの3年間、フェーズ1にて整えた 環境をもとに、中小企業共通EDIの普及を本格的に開始し、また、大企業や業界 標準EDIとのデータ連携を具体的に目指す普及啓発期である。

(ア) フェーズ戦略

フェーズ1にて、12のモデルプロジェクトの普及計画はそれぞれ確実に立ち上 がり、また啓発活動により、ベンダーから中小企業共通EDI製品が市場に多く出 回り始めた状況をもとに、本格的に普及モデルによる横展開を開始する。特に、

ベンダー系モデルは、モデルプロジェクトの普及計画者数を参考とすると、他の モデルより市場規模が見込めることから、優先度を高め普及推進を進めることで、

確実な普及実績を作ることを目論む。また、普及実態を掲げることで、大企業や 各業界との調整を本格的に開始できることを想定している。

また、フェーズ 2 の終了タイミングは、インボイス方式の対応期限を意識して いる。インボイス方式への対応のためにEDIの需要が増大することを見越し、そ れまでに中小企業共通EDIの確実な普及・認知を目指す。

(イ) モデルプロジェクト

モデルプロジェクトは、フェーズ 1 における普及推進協議会(仮称)の支援に より確実な立ち上がりを終え、それぞれが自走的に普及を開始する。フェーズ 1

55

のような密な支援ではないが、各モデルプロジェクトは中小企業共通EDIの先行 事例であることから、普及においてモデルプロジェクトが直面する課題は中小企 業共通EDIの共通の課題であることが想定されるため、適宜情報交換や、課題解 決支援を行うことで、自走的な普及を支援する。

(ウ) 横展開

サプライチェーン系モデルの広い普及のために、大企業や業界との具体協議を 開始し、連携のあり方を具体化する。フェーズ 1 における対話・調査にて、大企 業やそれぞれの業界にとって連携協議の適切なタイミングを判断し、またフェー ズ1における普及実態を掲げることで、地に足のついた協議を行う。

また、サプライチェーン系モデル、中小ユーザー系モデル共通して、フェーズ1 にてモデルや導入シナリオが精緻化され、また様々な特徴を持つ中小企業共通 EDI対応製品が市場にあることから、フェーズ1にて導入を留まった企業に対し てもアプローチが可能となることで、更なる普及拡大を行う。

ベンダー系モデルについては、フェーズ1にて中小企業共通EDIの対応製品の 開発を終え、市場に出るタイミングであることから、ベンダー系モデルの導入シ ナリオを本格展開する。ベンダー系モデルは、モデルプロジェクトの普及計画の 普及者数を参考とすると、比較的規模が見込めることから、効率的な普及推進の あり方として、普及推進協議会(仮称)はベンダー系モデルの支援注力の度合い を上げて対応する。

(3) フェーズ3

フェーズ3は、2023年度からISDNサービスが終了を予定している2024年度 までの1-2年間、中小企業共通EDIの認知が中小企業を中心に社会的に進んだこ とを前提として、実態的な普及を加速度的に実現し、ISDNサービス終了までにそ のニーズを取り込みきることを目指す普及拡大期である。

(ア) フェーズ戦略

中小企業共通EDIの認知が進んだ後は、普及モデルに限らない普及展開を行い、

広く中小企業を中心とした普及を目指し、インボイス方式への対応ニーズを取り 込みながら、ISDNサービス終了への対応ニーズまで確実に取り込むことを目指す。

(イ) モデルプロジェクト

フェーズ 2 と同様、各モデルプロジェクトの自走的な普及促進と併せ、先行事 例として普及推進協議会(仮称)が適宜支援を行う。

(ウ) 横展開

フェーズ2までの普及活動の結果、中小企業共通EDIが中小企業にとって身近 で利用実績のあるものとなることを目指す。この段階では、普及モデルも新規モ デルとして派生があると想定するほか、モデルの形に限らずに、取引先のいずれ もが中小企業共通EDIに対応している状況から、関連する企業がそれぞれ中小企 業に取り組む姿を見込んでいる。また、この時期に至るまでの検討、支援環境、