• 検索結果がありません。

日本の都市の現状と課題

週休 2 日制については、 地域の建設企業における建設技能者の給料形態は日給月給制が多く、

1.3 大規模スポーツ施設整備(スタジアム・アリーナ 等)を契機とした都市再生

1.3.1 日本の都市の現状と課題

(1) 将来人口の推移

図表

1-3-1

は、国立社会保障・人口問題研究所による我が国の将来推計人口を表したも

のである。我が国の総人口は

1965

年以降右肩上がりに増加し、

2008

年にピークの

128,083

千人となった。世界の総人口は現在も増え続けているのに対し、我が国では

2015

年時点

127,095

千人となり、ピーク時から

7

年間で約

1,000

千人減少している。国立社会保障・

人口問題研究所によると、今後も我が国の人口は減少を続け、2065 年の中位推計では

88,077

千人とピーク時から約

40,000

千人減少すると予測されている。

図表1-3-1 日本の将来人口推計

(出典)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」を基に当研究所にて 作成

( 注 )実績値は総務省統計局「国勢調査報告」および「人口推計 国勢調査結果による補間補正人口」

による。各年101日現在人口。1971年以前は沖縄県を含まない。

また、図表

1-3-2

は国立社会保障・人口問題研究所による年齢

3

区分人口割合の推計を 表したものである。

1965

年以降

2008

年まで人口は増え続けてきたものの、ほぼ一貫して

0

歳~14 歳および

15

歳~64 歳の割合は減少を続け、65 歳以上の高齢者の割合が増え続 けてきた。今後もこの傾向は続くと推測され、2065 年には

0

歳~14 歳は約

10

人に

1

50,000  60,000  70,000  80,000  90,000  100,000  110,000  120,000  130,000  140,000 

(千人)

(西暦)

【2008年】

128,083千人

推計値 実績値

高位推計 中位推計 下位推計

となり、

65

歳以上の高齢者は

10

人に

4

人の割合となる、超少子高齢化社会となる。また、

15

歳から

64

歳の生産年齢人口は

2

人に

1

人の割合まで低下するとみられている。生産年 齢人口の減少は、各自治体の税収減による財政難を招くと考えられ、市民生活を支えるサ ービスの低下が懸念される。

図表1-3-2 年齢3区分人口割合推計

(出典)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」を基に当研究所にて 作成

( 注 )算出の元となる総人口は総務省統計局「国勢調査報告」および「人口推計年報」による。各年 101日現在の総人口における老年人口(65歳以上人口)の割合。年齢「不詳人口」を按分 補正した人口による。1971 年以前は沖縄県を含まない。2015 年は、総務省統計局「平成 27 年国勢調査 年齢・国籍不詳をあん分した人口(参考表)」による。

( 注 )出生中位・死亡中位推計

(2) 人口集中地区( DID )の拡大と都市のスポンジ化

図表

1-3-3

は、我が国における人口集中地区(DID)の面積とその人口密度を表したも

のである。人口集中地区は統計データに基づいて一定の基準

1

により都市的地域を定めたも のであり、

1960

年の国勢調査より設定されている。これをみると、

DID

面積は

1960

年の 調査開始以来ほぼ一貫して拡大し続け、2015 年の調査において過去最大の

12,786

㎢とな り、1960 年と比較して約

3.3

倍に拡大している。一方

DID

における人口密度は、近年は

1 国勢調査基本単位区及び基本単位区内に複数の調査区がある場合は調査区(以下「基本単位区等」と いう。)を基礎単位として、1)原則として人口密度が1平方キロメートル当たり4,000人以上の基本 単位区等が市区町村の境域内で互いに隣接して、2)それらの隣接した地域の人口が国勢調査時に5,000 人以上を有する地域を「人口集中地区」としている。

0.0  10.0  20.0  30.0  40.0  50.0  60.0  70.0  80.0 

(%)

(西暦)

15歳~6465歳以上

0歳~14歳 推計値

実績値

横ばいとなっているものの、

1960

年と

2015

年を比較すると約

36%低下しており、市街地

の拡散が人口密度の低下を招いていることがうかがえる。

図表1-3-3 DID面積とDID人口密度の推移

(出典)総務省 国勢調査を基に当研究所にて作成

また、図表

1-3-4

は全国の空き地の推移を表している。左側の図を見ると、全国の空き 地は増加傾向にあり、特に直近

5

年で空き地面積は約

28%増と急増していることが分かる。

また、右側の図から、法人所有の未利用地は横ばいなのに対し、個人所有の空き地は

55%

増と大幅に増加していることが分かる。

法人所有の未利用地が増加していない理由としては、立地特性上などの理由から購入 者・賃借人とのマッチングが困難な土地を除き、利益を生まない未利用地は売却や賃貸に より早期に有効活用するという意識が高いことが考えられる。一方、個人所有の空き地が 増加している理由としては、国土交通省の調査(図表

1-3-5)では「相続で取得したが、

今のところ利用する予定がないため」が最も高くなっていることから、個人の場合、先祖 代々の土地を相続で取得するというケースも多く、代々受け継いできた土地のため売却が 検討されないケースや、所有者が希望する価格と購入者・賃借人が希望する価格との間に 乖離があり、売却・賃貸が実現しないケースが多いことが考えられる。また、土地所有者 の高齢化に伴い、体力的に土地の維持管理が難しく土地活用が行われにくいことなども考 えられる。

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000

(㎢) (人/㎢)

DID面積 DID人口密度

(西暦)

図表1-3-4 全国の空き地の推移

(出典)国土交通省 第1回都市計画基本問題小委員会(2017年215日)資料4-1より転載

図表1-3-5 所有する土地を利用していない理由

(出典)国土交通省ウェブサイト「空き家等の現状について(参考資料)」

<http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000131.html> より転載

このように、我が国では人口減少・少子高齢化が進んでおり、今後もこの傾向は加速度

的に進むとみられる。都市においては、市街地の面積は変わらないにもかかわらず利用さ

れない空き地が生まれる、いわゆる都市のスポンジ化が起きる。また、少子高齢化により

税収が減少し財政状況が厳しくなる中、無秩序に拡大した市街地でこれまでと同様に行政

サービスの提供や公共施設の維持管理を行うことが困難となることが予想される。今後効

率的に行政サービスと公共施設の維持管理を行うためには、高齢者を含めた住民が公共交

通によって生活利便施設に容易にアクセスできるコンパクトなまちづくりが急務であると

いえる。

(3) 大規模スポーツ施設整備を契機とした都市再生の動き

2015

8

月に国土形成計画(全国計画)の変更が閣議決定された。国土形成計画は、

国土形成計画法に基づいて策定されるもので、国土形成計画(全国計画)と広域地方計画 の

2

つの計画から構成される。全国計画は、国土に関わる幅広い分野の政策について、長 期を見通して統一性を持った方向付けを行うものであり、今回の変更は

2014

7

月に国 土交通省が策定した国土のグランドデザイン

2050

等を踏まえ、急激な人口減少、巨大災 害の切迫等、国土に係る状況の大きな変化に対応して

2015

年から概ね

10

年間の国土づく りの方向性を定めたものである。そこでは、 「対流促進型国土」の形成を基本コンセプトに 掲げ、 「コンパクト+ネットワーク」によるまちづくりを促進している。対流とは、多様な 個性を持つ様々な地域が相互に連携して生じる地域間のヒト、モノ、カネ、情報の双方向 の活発な動きと定義し、それ自体が地域に活力をもたらすとともに、イノベーションを創 出するものであり、地域の多様な個性が対流の原動力であって、個性を磨くことが重要と している。また、 「対流促進型国土」を形成するためのまちづくりとしてコンパクト+ネッ トワークを掲げ、医療、福祉、商業等の機能をコンパクトに集約し、交通、情報通信、エ ネルギーの充実したネットワークを形成する取組が求められている。

コンパクトなまちづくりをさらに推進するため、2015 年

8

月には立地適正化計画が制 度化され、357 都市で立地適正化計画について具体的な取組が行われ、うち

112

都市が計 画を策定・公表している(2017 年

7

31

日時点)。立地適正化計画は、都市全域を見渡 したマスタープランである市町村マスタープランの高度化版として位置づけられている。

立地適正化計画では、各都市にあった居住機能や医療・福祉・商業、公共交通等の様々な 都市機能の施設を誘導する区域(居住誘導区域、都市機能誘導区域)が設定され、市民の 生活を支えるコンパクトなまちづくりと公共交通のネットワークによるコンパクト+ネッ トワークへの取組が強化されている。

対流促進型国土を形成するためには、アクセスが容易な都市拠点に、魅力ある施設が立 地していることが重要である。また、その施設は、大きな集客力を持つことで他地域から の集客(流入)を可能とし、活発な動きを生みだすものである必要がある。

そのような施設のひとつとして、大規模なスポーツ施設が考えられる。プロスポーツの 試合開催ともなれば、一度に数千人から数万人の来場が見込め、また、そのような施設は コンサートや各種イベントなどの用途としても利用できる。さらに、市民も利用可能な施 設であれば、そこでの健康増進活動や地域コミュニティの形成、活発な交流に繋がり、大 規模スポーツ施設が都市再生のひとつのカギとなり得る。

そのような大規模スポーツ施設に関し、スポーツ庁と経済産業省によるスポーツ未来開

拓会議では、スポーツ市場の拡大に向けて新ビジネスの創出や他産業との融合、スタジア

ム・アリーナの建設・改修による収益向上等の具体的な政策を進める必要があるとされて

いる。また、第

6

回未来投資会議(2017 年

3

24

日)においては、安倍内閣総理大臣が

Outline

関連したドキュメント