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北陸ブロックにおける建設投資の将来展望

週休 2 日制については、 地域の建設企業における建設技能者の給料形態は日給月給制が多く、

1.2.4 北陸ブロックにおける建設投資の将来展望

我が国の名目建設投資は、1992 年度の約

84.0

兆円をピークに、長らく減少傾向が続き、

2010

年度には約

41.9

兆円まで減少した。しかし、東日本大震災の復旧および復興事業の本格化を受け て、2011 年度以降は増加に転じている。今後も、2020 年東京オリンピック・パラリンピックに 係る事業や再開発事業、リニア中央新幹線事業などの大型プロジェクトがある程度建設投資を下 支えする見込みである。

以下、北陸ブロックにおける建設投資の動向について分野別に現状および今後の展望について 述べる。

(1) 建設投資全体の動向

図表

1-2-36

は、北陸ブロックにおける名目建設投資額の推移を示したものである。長期的な

動向を捉えると、直近のピークである

1996

年度(約

4.9

兆円)から減少傾向が続いていたが、

2013

年度には

2005

年度以来となる

3

兆円台に達した。2014 年度は

2.7

兆円となり、2015 年度 以降も

2

兆円半ばで推移する見通しとなっている。

1990

年度を

100%とした場合の各年度の伸び

率は、2014 年度まで全国を下回ることなく推移し、2015 年度以降も全国を上回る見通しとなっ ている。

図表1-2-36 北陸ブロックにおける名目建設投資の推移

(出典)2014年度までは国土交通省「平成29年度建設投資見通し」、2015~2018年度は当研究所推計

( 注 )名目建設投資額に「建設総合統計年度報」により算出した北陸ブロックの全国に占める投資割合を乗じ て北陸ブロックの各投資額を求めている。

図表

1-2-37

は全国および北陸ブロックにおける名目建設投資に占める種類別割合を示したも

のである。政府建設投資の割合は、全国の

35%に対して北陸ブロックは47%と高く、一方で民間

0%

20%

40%

60%

80%

100%

120%

140%

0 1 2 3 4 5 6 7

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18

名目政府土木投資 名目政府建築投資 名目民間土木投資

名目民間建築投資 北陸(1990年度=100) 全国(1990年度=100)

(兆円)

(年度)

(兆円) →RICE推計

建設投資の割合は、全国の

49%に対して38%と低い。これは建設投資全体が公共事業などの政府

建設投資の動向に影響されやすいことを示している。

図表1-2-37 全国および北陸ブロックにおける名目建設投資に占める種類別比較

(出典)国土交通省「平成29年度建設投資見通し」を基に当研究所にて作成

(2) 政府建設投資

図表

1-2-38

は、北陸ブロックの政府建設投資の推移を示したものである。公共工事の削減と

ともに長期にわたる減少傾向が続いた北陸ブロックの政府建設投資は、

2011

年度には過去のピー ク時

1998

年度(約

2.7

兆円)の

5

割程度の約

1.4

兆円となった。2013 年度には

2005

年度以来 の

1.6

兆円台に回復したものの、2014 年度は再び減少、2015 年度以降は

1.4

兆円未満の水準が 続く見通しとなっている。

図表1-2-38 北陸ブロックにおける政府建設投資の推移

(出典)2014年度までは国土交通省「平成29年度建設投資見通し」、2015~2018年度は当研究所推計 政府土木

47%

政府建築 5%

民間土木 10%

民間建築 38%

北陸

政府土木 35%

政府建築 6%

民間土木 10%

民間建築 49%

全国

0%

50%

100%

150%

200%

0 2 4 6 8

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 名目政府土木投資 名目政府建築投資 北陸(1990年度=100) 全国(1990年度=100)

(兆円)

(年度)

→RICE推計

図表

1-2-39

は、北陸ブロックの

4

県における普通建設事業費の推移を示したものである。歳出 全体に占める普通建設事業費の割合は、全国平均を

7~8%を上回る時期を経て近年でも4~6%を

上回る推移を示しており、建設事業費が他の地域と比較して大きなウェイトを占めている。

図表1-2-39 北陸ブロックにおける普通建設事業費の推移

(出典)総務省「地方財政統計年報」を基に当研究所にて作成

( 注 )全国とは47都道府県の合計

(3) 民間住宅建設投資

図表

1-2-40

は、北陸ブロックにおける住宅着工戸数の推移を示したものである。1990 年度を

100%とした場合の各年度の伸び率は、2001

年度以降、

2007

年度を除き全国を下回る形で推移し

ている。

今後の見通しとしては、人口や世帯数の減少により、中長期的にみると民間住宅建設投資は減 少していくと考えられる。

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

0 4,000 8,000 12,000

03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15

新潟県 石川県 富山県 福井県 歳出に占める割合(北陸) 歳出に占める割合(全国)

(年度)

(億円)

図表1-2-40 北陸ブロックにおける住宅着工戸数の推移

(出典)国土交通省「建築着工統計調査報告」を基に当研究所にて作成

図表1-2-41 北陸ブロックにおける住宅着工戸数の利用関係別内訳

(出典)国土交通省「建築着工統計調査報告」を基に当研究所にて作成

( 注 )2007~2016年度の実績にて算出

図表1-2-42 北陸ブロックにおける住宅着工に係る参考指標

(出典)総務省「2013年住宅・土地統計調査」、「2010年国勢調査」を基に当研究所にて作成

0%

60%

120%

0 5 10

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 新潟県 石川県 富山県 福井県 北陸(1990年度=100%) 全国(1990年度=100%)

(万戸)

(万戸)

(万戸)

(万戸)

(万戸)

(万戸)

(万戸)

(年度)

(万戸)

マンション 戸建

全国 33.2% 39.6% 0.9% 26.3% 12.0% 13.1%

北陸 56.2% 34.6% 0.9% 8.2% 2.7% 5.6%

持家 貸家 給与 分譲

※( )は全国における順位 新潟県 石川県 富山県 福井県 全国

75.5% 70.8% 79.4% 76.5%

(5) (18) (1) (4)

2.77

2.58

2.79

2.86

(6) (22) (4) (2)

52.4% 53.6% 54.0% 56.1%

(7) (4) (3) (1)

513

千円

596

千円

630

千円

547

千円

(30) (5) (2) (20)

世帯所得

(月額実収入)

526

千円

持ち家住宅率

61.7%

1世帯当たりの

人員

2.42

共働き率

43.5%

(4) 民間非住宅建設投資

図表

1-2-43

は、北陸ブロックにおける民間非住宅建設投資の推移を示したものである。1990

年度から減少傾向が続き、2010 年度には

1990

年度(約

1.4

兆円)の約

4

割弱である

0.5

兆円ま で落ち込んだが、その後は微増傾向が続いている。

1990

年度を

100%とした場合の各年度の伸び

率は、全国とほぼ同様の推移となっている。

今後の見通しとしては、交通ネットワークの整備や企業の設備投資の持ち直し等により、しばら く民間非住宅建設投資は横ばい基調が継続するものと思われる。

図表1-2-43 北陸ブロックにおける民間非住宅建設投資の推移

(出典)2014年度までは国土交通省「平成29年度建設投資見通し」、2015~2018年度は当研究所推計

図表1-2-44 北陸ブロックにおける非住宅建築着工床面積の推移

0 100 200 300 400 500

07 08 09 10 11 12 13 14 15 16

事務所 店舗 工場・作業場 倉庫 学校の校舎 病院・診療所 その他

(万㎡)

(年度)

(出典)国土交通省「建築着工統計調査報告」 非住宅着工床面積は公共・民間の合計

0%

25%

50%

75%

100%

125%

0 4,000 8,000 12,000 16,000 20,000

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 名目民間土木投資 名目民間非住宅建築投資 北陸(1990年度=100) 全国(1990年度=100)

(億円)

(年度)

→RICE推計

図表1-2-45 北陸ブロックにおける非住宅建築着工面積の使途別内訳

12.7%

9.9%

14.0%

13.2%

16.6%

24.0%

13.2%

10.1%

7.8%

8.6%

6.1%

6.3%

29.5%

27.9%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

全 国 北陸

事務所 店舗 工場・作業場 倉庫 学校の校舎 病院・診療所 その他

(出典)国土交通省「建築着工統計調査報告」

( 注 )20072016年度の非住宅建築着工床面積(公共・民間計)にて算出

図表1-2-46 北陸ブロックにおける工場立地件数

02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 16

全国

844 1,052 1,302 1,544 1,782 1,791 1,630 867 786 869 1,227 1,873 2,471 1,028

新潟県

34 42 42 52 57 62 50 28 26 35 30 44 47 39(8)

石川県

13 6 18 32 46 54 45 16 12 12 16 15 30 13(30)

富山県

24 25 25 32 36 38 33 16 14 13 13 21 17 11(31)

福井県

3 11 9 23 14 12 15 13 8 15 17 12 22 15(26)

※( )内は全国における順位

18 11 15 1,070

35 21

(出典)経済産業省「工場立地動向調査」

おわりに

北陸ブロックにおける社会資本整備の動向とその期待される効果について見てきたが、地域が 抱える様々な課題の解決や改善に対し、さまざまな社会資本が重要な役割を果たしていることが 確認できた。

北陸ブロックでは、経済成長の著しい中国を始めとして、韓国、ロシア等の環日本海諸国との 貿易が全国的に拡大する中、環日本海諸国を主な輸出入相手国とする北陸ブロックの港湾の重要 性が増しており、国際物流ターミナルの整備が進んでいる。高速交通ネットワークに関しては、

北陸新幹線の敦賀延伸事業、中部縦貫自動車道、能越自動車道、日本海沿岸東北自動車道におい てミッシングリンクの解消に向けた事業が進められている。港湾整備においては、大型クルーズ 船の受け入れも進んでおり、新幹線金沢開業、高速道路の開通との相乗効果により観光客も着実 に増加している。また、防災対応としては、安全で安心できる地域の形成に向け、大河津分水路 の拡幅工事に着手している。大河津分水路は建設後

90

年以上経過し、施設の老朽化・機能低下 も懸念されており、港湾の予防保全の観点からの対策等とともに、既存ストックの有効活用、あ るいは老朽化対策として捉えることもできる。日本海側で豪雪地帯であるということから、地方 都市における人口減少も他地域より深刻な状況ではあるが、コンパクト・プラス・ネットワーク の取組の一環として進められている見附市の健幸都市づくりは、実にユニークでそのエビデンス となる効果も発現してきている。また、5 年前の建設経済レポート№59 で取り上げたプロジェク トについは、想定されていた整備効果が確実に発揮されてきており、地域の発展に大きく寄与し ていることも確認できた。

また、地域建設業の現状と課題について、各県の建設業協会へ取材した。4 県とも今後の建設 投資の見通しについて大きな伸びは見込めず大変厳しいとの声が聞かれ、経営を継続し得る受注 工事量の確保とともに、担い手の確保・育成が重要な課題として認識されており、現場見学会や 会員企業による合同での研修など、業界全体で様々な取組がなされていた。

北陸ブロックはその自然特性を活かした美しい景観、個性ある歴史・文化などのすぐれた地域 資源を有している。また地理的にも環日本海諸国へのゲートウェイを担う地域であり、外貿コン テナ取扱量の増加、大型クルーズ船の寄港による観光交流の拡大、北陸新幹線、高規格幹線道路 の整備の進展による三都市圏との繋がりが強化されつつあり、日本海国土軸の中枢ブロックとし て大きな期待が寄せられている。

このような北陸ブロックへの期待に応えるためにも、現在進められている社会資本の整備を着

実に推進するとともに、整備された既存ストックの効果をより一層発揮させるためのソフト、ハ

ード両面の取組が今後とも望まれる。

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