約 1.5 倍
運営期間 44 年間の最初の 1 年間で、実績値と目標値の差異のうち 3 割前後の達成率となっ ていることから、好調なスタートを切れたものと考えられる。
図表1-4-51 関空・伊丹空港の各指標の実績と最終年度目標値
2014年度実績
(新関空会社運営)
2016年度実績
(民間運営1年目)
最終年度目標
(2059年度)
目標達成率
(2016年度実績)
発着 回数
合計 27.7万回 31.7万回 39.0万回 35.4%
関空 14.2万回 17.8万回 25.5万回 31.9%
伊丹 13.5万回 13.9万回 13.5万回 (目標達成)
旅客 人数
合計 3,466万人 4,082万人 5,751万人 27.0%
関空 2,004万人 2,572万人 4,153万人 26.4%
伊丹 1,462万人 1,510万人 1,598万人 35.3%
貨物取扱量 87.4万トン 88.8万トン 194.1万トン 1.3%
営業収益 1,497億円 1,802億円 2,509億円 30.1%
(注)目標達成率は2014年度実績~最終年度目標の伸率に対する2014年度~2016年度の伸率の割合
(出典)オリックス株式会社、VINCI Airports S.A.S「関西国際空港及び大阪国際空港特定空港運営事業 等実施契約締結について」(2015 年 12 月 15 日)及び関西エアポート株式会社ウェブサイト<
http://www.kansai-airports.co.jp/>を基に当研究所にて作成
⑥運営事業開始後の新規サービス等の取組
関西エアポートによる空港運営開始から現在までの新規路線誘致や増便、新規サービス
1. エアラインマーケティング
マーケティングチームの強化
料金戦略の見直し
営業機会の拡大
◇現在の顧客・社会ニーズと課題の理解・分析
◇利用客、従業員、地域コミュニティへの最適なソリューションの提供
◇地域コミュニティとの良好な関係の維持・構築
◇国内外の利用客に、より友好的で、利用しやすい空港へ ビジョン
活性化施策
(航空系事業)
活性化施策
(非航空系事業)
活性化施策
(設備投資)
アジア太平洋地域の航空業界における先駆者として世界に認知され、新たな空港運営の 姿を創造し続けるワールドクラスの空港運営会社をめざす
アプローチ
施 策
3. ビジネスマーケティング
地元企業と連携したビジネス機会の追求
自治体・官庁と連携した観光業プロモーション
地域社会との連携による空港プロモーション 2. 旅客マーケティング
観光コンテンツの発信・開発
顧客関係管理
旅客利便性の向上
3. 店舗構成
旅客の様々な属性やニーズに即応した店 舗展開
グローバルに人気のあるブランドの誘致 1. 搭乗手続き
空港利用者の待ち時間帯、
利便性・快適性の調査
搭乗の一連の手続きの最 適化
2. レイアウト
旅客動線の最適化
全旅客が待ち時間を楽しめる共 通エリア
商業店舗の中央集中化 1. 更新投資(補修・維持)
沈下対策(関西国際空港)
ターミナルビル整備
エアサイドメンテナンス
ITシステムの更新
2. 戦略投資(拡張・新規)
ターミナルの拡張
商業施設の建設
他交通機関との連携強化
ユニバーサルデザイン
等は下表のとおりである。航空系事業ではアジア各地と関西空港を結ぶ路線の新規就航が 目立つほか、2017 年度からは着陸料等の改定も行われた。本改定では国際線の着陸料引き 下げや中長距離路線の就航を促すための割引制度、空港施設の効率的な利用に向けた「ピ ーク/オフピーク料金」等の施策が盛り込まれており
29、今後も新規路線の就航等が期待で きる。また非航空系事業ではターミナルビル内の簡易宿泊施設開業や商業施設「DFS」等 の新規開業、 「ITM 空港アカデミー」 、 「KIX サイエンス教室」といった催事の開催等がみら れ、これらの取組が両空港の利用者増に寄与しているものと考えられる。
今後も関空・伊丹空港における新規路線誘致や利用者・エアラインにとって魅力的なサ ービス等の展開により、同空港が中心となって関西圏が一層活性化することに期待したい。
図表1-4-52 関西エアポート株式会社による新規路線誘致・新規サービス等
サービス等開始日
(または公表日) 内容
2016年4月7日 ティーウェイ航空が関西⇔グアム線を増便 2016年5月11日 エアアジアが関西⇔クアラルンプール線を増便
2016年6月1日 山東航空が関西⇔済南線を増便 2016年6月3日 香港航空が関西⇔香港線を新規就航 2016年6月10日 天津航空が関西⇔大連線を新規就航 2016年6月13日 上海吉祥航空が関西⇔南京線を新規就航 2016年7月20日 ITM空港アカデミー(昆虫教室)開催
2016年7月22日 KIXサイエンス教室(水素・マグネシウム空気電池教室)開催 2016年8月25日 春秋航空日本が関西⇔東京(成田)線を新規就航
2016年8月29日 香港航空が関西⇔香港線を増便
2016年9月5日 Uni-top Airlines(友和道通航空)が関西⇔深圳線を新規就航 2016年9月23日 日本の空港として初のアリペイ決済を取り扱い開始
2016年10月28日 関空で日本初の「スマートセキュリティー」システム導入 2016年11月1日 エアプサンが関西⇔大邱線を新規就航
2016年11月22日 バニラエアが関西⇔函館、成田線を新規就航 2017年1月10日 バニラエアが関西⇔奄美大島線を新規就航
2017年1月26日 S7(エスセブン)航空が関西⇔ウラジオストク線を新規就航 2017年2月10日 エアアジアがクアラルンプール⇔関西⇔ホノルル線を新規就航 2017年3月17日 簡易宿泊施設「ファーストキャビン関西空港」開業
2017年3月23日 2017年度以降の航空系料金を策定 2017年4月21日 関空でブランドブティック「DFS」運営開始
2017年4月24日 日本・台湾の鉄道会社と空港運営会社が相互連携 2017年5月12日 関空で商業施設2施設の運営開始
2017年5月12日 エアプサンが大邱(テグ)線を増便
2017年5月12日 ティーウェイ航空が済州(チェジュ)線と釜山線を新規就航 2017年6月26日 ジェットスター・パシフィックがハノイ線、ダナン線を新規就航
2017年7月7日 淡路島⇔関空の定期航路を10年ぶりに復活 2017年7月13日 大阪国際空港⇔有馬温泉線の定期バス運行開始 2017年7月27日 カンタス航空が関西⇔シドニー線を新規就航
(出典)関西エアポート株式会社ウェブサイト<http://www.kansai-airports.co.jp/>を基に当研究所にて 作成
29 関西エアポート株式会社「2017年度以降の航空系料金について」(2017年3月23日)
1.4.4 下水道分野へのコンセッション方式導入
(1) 我が国下水道経営全体の状況
①下水道経営全体の現状と課題
全国の下水道管渠延長は、2015 年度末現在で約
47万
kmである。このうち
50年(標準 的な耐用年数)を超過した管渠は約
1.3万
km(約3%)であり、10年後の
2027年には約
5.3
万
km(約11%)、20年後の
2037年には約
13万
km(約28%)にまで増加すると見込まれている。また、2014 年度現在で約
2,200箇所ある下水終末処理場についても、うち約
1,600
箇所(約
72%)で機械・電気設備の標準的な耐用年数である15年を超過している。
このため今後、管渠と処理場の双方で更新投資の増加が見込まれる。
30しかし一方で、地方公共団体の下水道担当職員は、1997 年度の約
4万
7千人をピークに 減少に転じ、2011 年度には約
3万
1千人と、ピーク時の
2/3にまで減少し、都市規模別で も、すべての規模の地方公共団体において職員数の減少が進んでいる。また、維持管理職 員は政令指定都市においても
51歳以上の職員が約
5割を占めるなど、職員の高齢化にとも なう技術の継承不全が懸念されている。
31②下水道経営に関する今後の方針
今後の人口減少の加速による下水道事業の収入減や、職員数の減少・高齢化、設備投資 費の増加等を要因とした下水道事業をとりまく厳しい環境の中で、効率的な運営と適切な 設備投資を実現するための選択肢として、コンセッション方式を含む
PPP/PFIの活用に期 待が寄せられている。
2016
年に国土交通省が公表した「平成
27年度国土交通白書」においても、 「下水道事業 は採算性が厳しく、管理やリスク分担が難しいとされており、コンセッション方式を柔軟 に活用することで、民間の創意工夫を取込み、地方公共団体の財政負担の縮減を図ってい くことが望まれる」と、今後のコンセッション方式の活用が示唆されている。
32現在国土交通省では、各地方公共団体に対して、PPP/PFI 優先的検討のための各種ガイ ドラインの整備や、2015 年
10月設置の「下水道における新たな
PPP/PFI事業の促進に向 けた検討会」等における案件形成に向けた情報・ノウハウの共有、また、案件形成や実施 方針・契約書作成等に対する財政支援等を引き続き実施することで、地方公共団体による 下水道事業へのコンセッション方式を含む
PPP/PFIの導入を支援する方針としている。
33
30 国土交通省「下水道分野におけるPPP/PFIの推進について」(2017年6月)
31 国土交通省「下水道分野におけるPPP/PFIの推進について」(2017年6月)
32 国土交通省「平成27年度国土交通白書」(2016年7月14日)
33 国土交通省「下水道分野におけるPPP/PFIの推進について」(2017年6月)
(2) 浜松市の事例
①浜松市下水道事業の現状と課題
浜松市の西遠処理区は、静岡県西部に位置し、天竜川以西から浜名湖東岸に至る沿岸内 陸部を計画対象区域とする下水道処理区であり、浜松市にある
11処理区のうちのひとつで ある。
浜名湖、都田川、馬込川、天竜川等の公共用水域の水質汚濁の防止と、地域住民の健全 な生活環境の改善を図るため、静岡県が県内最初の流域下水道事業として西遠流域下水道
(現西遠処理区)の整備を始め、旧浜松市、旧可美村、旧舞阪町、旧雄踏町、旧浜北市、
旧天竜市の順に供用が開始された。
2005年の天竜川・浜名湖地域
12市町村の合併により西 遠流域下水道区域の
3市
2町が全て浜松市となったため、「市町村の合併の特例に関する 法律」(2004 年
5月
26日法律第
59号)第
20条の規定に基づき、2016 年
4月に静岡県か ら浜松市に同事業が移管された。
34西遠処理区は、浜松市の下水処理水量全体の約
5割を担う最大の処理区である。
35図表1-4-53 静岡県の下水道事業実施市町箇所図
(出典)静岡県「静岡県の下水道」(2014年11月)
34 静岡県「静岡県の下水道」(2014年11月)
35 浜松市「浜松市公共下水道終末処理場(西遠処理区)運営事業募集要項」(2016年5月31日)