2016
年
9月に金沢港大浜岸壁拡張部分が完成し、
2万トン級貨物船の
2隻同時接岸や大型クル
ーズ船の接岸が可能となった。また、新幹線開業により新幹線とクルーズを組み合わせたいわゆ
る「レール&クルーズ」が可能となったことも追い風に、金沢港へのクルーズ船寄港数も大幅に
増加し、首都圏など幅広い地域から乗客を集めている。
図表1-2-6 金沢港へのクルーズ船寄港数の増加
(出典)石川県企画振興部提供資料(2017年5月)
また、東北新幹線と北陸新幹線を乗り継ぐことで東北地方からの時間距離も大きく短縮された ことから、東北からの観光客も大きく増加している。新たに金沢駅と仙台駅間を大宮駅での乗り 換えなしで結ぶ団体専用の直通新幹線も双方向で運行されており、利用も好調となっている。
②敦賀延伸で期待される効果
金沢・敦賀間が開業することで、東京・福井間の所要時間は現在の
3時間
25分から
2時間
53分と
32分短縮される。金沢・福井間の所要時間は
41分から
24分、富山・福井間の所要時間は
1時間
9分から
44分とそれぞれ
17分、25 分短縮される。また、北陸は日本屈指の豪雪地帯であ るため、航空便の欠航や列車ダイヤの乱れが発生することがあるが、北陸新幹線の延伸により交 通の定時性が確保される。
北陸経済連合会によると、敦賀開業による北陸全体の経済波及効果は年間約
800億円、雇用創
出効果は年間約
7,200人と試算されている。
図表1-2-7 北陸新幹線 金沢-敦賀間の開業による経済効果
(出典)北陸経済連合会「北陸新幹線 金沢-敦賀間の早期開業による経済効果」(2012年11月)
この他、東海道新幹線の代替機能という効果もある。東海地震、東南海・南海地震が近い将来 に発生が予想されている中で、北陸新幹線は北陸圏を経由して首都圏と関西圏を繋ぐ高速交通ネ ットワークとして重要な役割を担うものになる。
福井県では「福井県高速交通開通アクション・プログラム」を
2016年
3月に策定し、北陸新 幹線の敦賀開業の効果を最大限に引き出すための取組に着手している。具体的には、福井県内に 開設される
4駅(芦原温泉駅、福井駅、南越(仮称)駅、敦賀駅)を拠点として並行在来線、地 域鉄道、バスなどの一体性を高める新交通システムの導入等により地域交通ネットワークを強化 する。さらに、福井市や敦賀市などの各都市の魅力を高め、新幹線を迎えるまちづくりと同時に 老朽化・低密化した都市の更新を効果的に実施するため、中長期視点に立ち公共施設やビジネス・
商業機能の再集約と再配置を図ることとしている。
(2) 港湾機能の強化
北陸ブロックの港湾は、他地域と比べ成長著しい東アジア諸国に対して地理的に有利な位置に あることから、東アジア諸国等との国際航路の拡充・誘致等の国際物流機能を強化するため、新 潟港、伏木富山港、敦賀港等において集荷活動やポートセールスに取り組むとともに、国際物流 ターミナル等の整備が進められている。
①新潟港
新潟港は日本海側沿岸のほぼ中央に位置し、本州日本海側唯一の政令指定都市である新潟市を 背後に擁し、1868 年の開港以来、人流中心の西港区と物流中心の東港区という機能分担のもと、
新潟県及び周辺地域の人流・物流の拠点として重要な役割を果たしており、
2011年
4月に国際拠 点港湾に指定されている。
建設経済レポート№59 では新潟港(東港区)国際海上コンテナターミナル整備事業を取り上げ ており、岸壁(水深
14m)は2012年
6月より供用を開始している。2015 年の外貿コンテナ貨 物取扱量は
16.1万
TEUで、本州日本海側最大の取扱量となっている(図表
1-2-8)。なお、2017年の新潟港の外貿コンテナ取扱量は、1~7 月で
9.7万
TEUと約
6%増加(前年同月比)している(うち
5~7月は
4.7万
TEUで約
16%の増加)。図表1-2-8 外貿コンテナ取扱量の推移(新潟港)
(出典)北陸地方整備局「港湾事業の事後評価説明資料(新潟項港東港区国際海上コンテナターミナル整備事業)」
(2016年12月)
また、コンテナターミナルの運営は
2014年
4月に民営化され、株式会社新潟国際貿易ターミ ナルに移管されており、民間の知恵や工夫を活用し、集荷や新規航路の開拓などに取り組んでい る。
新潟県では、近年の社会経済情勢、海上物流動向、新潟港に対する要請を踏まえ、
2000年以来、
15
年ぶりとなる新潟港港湾計画の改訂を
2015年
3月に行っている。この新潟港港湾計画では、
2020
年代後半(平成
40年代前半)を目標年次として、北東アジアゲートウェイ機能の進化、地
域経済の発展への貢献、太平洋側港湾のバックアップ機能の強化を3つの方針として掲げ、西港
区ではバルク貨物船の大型化と浚渫土砂量の縮減への対応、内貿
RORO船及び旅客船の需要への
対応、防波堤計画の見直し並びに交流拠点機能強化、東港区ではコンテナ取扱機能の強化及び外 貿
RORO船への対応などが位置づけられている(図表
1-2-9)。
図表1-2-9 新潟港港湾計画改訂のポイント
(出典)交通政策審議会第59回港湾分科会 資料1(2015年3月10日)
②伏木富山港
伏木富山港は、本州日本海側の中央部に位置し、その恵まれた地理的条件により、古くから日 本の重要な港として栄え、2011 年
4月に国際拠点港湾に指定されている。
伏木富山港は3つの地区(伏木、新湊、富山)から構成され、富山県を中心に北陸地方の物流 拠点として極めて重要な役割を果たしている。
建設経済レポート№59 では伏木地区の国際物流ターミナル整備事業を取り上げた。2013 年度 からは、大規模地震発生時において海上からの緊急物資を受け入れるため既存岸壁(水深
14m)の耐震化を進め
2016年度に供用している。国際物流ターミナルの整備により大型クルーズ船の 寄港も可能となり、近年では国内だけでなく外国のクルーズ船も寄港している(図表
1-2-10)。なお、2017 年度には
22万トン級の大型クルーズ船に対応した防舷材・係船柱の改良を行ってい
る。
図表1-2-10 伏木地区クルーズ船入港隻数とボイジャー・オブ・シーズ入港状況
(出典)北陸地方整備局「港湾事業の再評価説明資料(伏木富山港伏木地区国際物流ターミナル整備事業)」 (2015年9月)
富山地区では、施設の長寿命化を図るため、老朽化した岸壁の改良工事を実施しているところ である。
新湊地区では、
2016年度からコンテナターミナルの岸壁の延伸事業に着手した。本事業により 船長
140m級のコンテナ船が
2隻同時に荷役可能となり、滞船が解消され富山県が施工するふ頭 用地の拡張と併せてコンテナ取扱能力の拡大が見込まれる(図表
1-2-11)。
図表1-2-11 伏木富山港(新湊地区) 国際物流ターミナル延伸整備事業
(出典)国土交通省北陸地方整備局伏木富山港湾事務所「伏木富山港(新湊地区)国際物流ターミナル延伸整備 事業着工式記者発表資料」(2016年5月)
③敦賀港
敦賀港は、国際コンテナ、国際
RORO船航路を有し、国際物流拠点として機能している。
また、苫小牧港との間に
RORO船航路(週
6便)、フェリー航路(週
8便)が就航し、当該航 路を利用する貨物の
8割強が大阪府や愛知県など関西・中京方面を発着しており、北海道と関西・
中京圏を結ぶ海上輸送拠点の中核をなしている。
建設経済レポート№59 では
2010年
10月に供用開始した鞠山南地区国際物流ターミナルを取 り上げており、2010 年
10月に岸壁(水深
14m)が供用開始され、外貿コンテナを取り扱っている。また、
2015年
4月からは敦賀港~大竹港~神戸港を結ぶ内貿定期コンテナ航路が開設され、
2016
年の敦賀港のコンテナ取扱貨物量は約
8万
TEUとなっている(図表
1-2-12)。
鞠山北地区を利用しているフェリー・RORO 船の船社は、近年の輸送需要に対応するため、船 舶を大型化し、輸送能力の向上を図っているが、荷さばき地が不足していること、また、敦賀港 背後に立地する化学繊維工場敷地において、バイオマス発電所が建設され、従来の敦賀港の取扱 貨物に加え、発電用の燃料を鞠山北地区で新たに取り扱うことになり、鞠山北地区の用地不足に 拍車がかかることになった。そのため、RORO 船の貨物を鞠山南地区に移転させるとともに、
RORO
船移転後の用地をフェリー用地に転換するなど、港全体で既存ストックを活用し、ふ頭再 編を行うことで、敦賀港における国内幹線輸送の強化を図るため、
2017年度より岸壁(水深
14m)の延伸に着手している。
図表1-2-12 敦賀港全コンテナ取扱個数の推移
(出典)福井県土木部港湾空港課ウェブサイト<https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kouwan/>
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2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
移入
移出
輸入
輸出
(TEU)(3) 高規格幹線道路網の整備
北陸
4県を通る高規格幹線道路としては、全線開通している北陸自動車道、関越自動車道、東 海北陸自動車道、舞鶴若狭自動車道、部分開通している中部縦貫自動車道、能越自動車道、日本 海沿岸東北自動車道などがある。
図表
1-2-13は北陸ブロックの高規格幹線道路の整備状況を示したものである。ここでは舞鶴若
狭自動車道の全線開通後の整備効果及びミッシングリンクの解消に向けて事業が進められている 中部縦貫自動車道、能越自動車道、日本海沿岸東北自動車道の整備状況について紹介する。
図表1-2-13 北陸ブロックの高規格幹線道路の整備状況
(出典)国土交通省ウェブサイト 道路路線図(2017年4月1日現在)を基に当研究所にて作成
①舞鶴若狭自動車道