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指導計画の書式の実態

ドキュメント内 乳児保育のカリキュラム編成の研究 (ページ 152-157)

第 4 章 乳児の保育内容編成の実際(調査 3)

第 2 節 指導計画の書式の実態

1、分析対象者の属性

有効回答数は412名で有効回収率は82,4%であった。有効回答者の属性は表4-1の通りである。近 畿圏412名、内訳は公立保育所71名(17,2%)、民間保育園266名(64,6%)、公立こども園15名(3,6%)、 民間子ども園60名(14,6%)である。このうち、現在0歳児担当者80名(19,4%)、1歳児担当者102 名(24,8%)、2歳児担当者92名(22,3%)、合計は274名(66,5%)であり、全体回答(順位)への 寄与は大きい。3・4・5歳児担当は31名(7,6%)であった。経験年数の平均値は12年である。本論文 は、乳児保育に関する研究であることから、調査対象保育者は、近畿圏412名のうち、現在0歳児担 当者80名(19,4%)、1歳児担当者102名(24,8%)、2歳児担当者92名(22,3%)、合計は274名(66,5%)

を抽出して分析を行うこととする(表4-1)。

表4-1 分析対象者の属性

(2) 所属

No. カテゴリー名 n %

1 公立保育園 71 17.2

2 民間保育園 266 64.6

3 公立こども園 15 3.6

4 民間こども園 60 14.6

全体 412 100.0

(3) 現在の担当クラス年齢

No. カテゴリー名 %

1 0歳児 80 19.4

2 1歳児 102 24.8

3 2歳児 92 22.3

4 3歳児 11 2.7

5 4歳児 11 2.7

6 5歳児 9 2.2

7 異年齢児混合 10 2.4

8 その他 97 23.5

全体 412 100.0

その他の内容

複数のクラスを担当している

(1) 保育経験年数...(数量)

合計 5138.50

平均 12.47

分散(n-1) 114.62

標準偏差 10.71

最大値 43.0

最小値 0.0

全体 412

152

(4)本論文分析対象 (現在0歳~2歳児担当者)

合計 男性 女性 274 9 265 100.0 3.3 96.7 80 0 80 100.0 0.0 100.0 102 6 96 100.0 5.9 94.1 92 3 89 100.0 3.3 96.7 全  体

現 在 の 担 当 ク ラ ス 年 齢

0歳児 1歳児 2歳児

2、指導計画の書式の実態(何を記述しているか)

調査項目1「指導計画における書式について」

あなたの園で作成している指導計画に○をつけてください。(複数回答可)

特に保育実践で活用している指導計画には◎を一つつけてください。

①保育課程 ②年間指導計画 ③年間・期別指導計画 ④期別指導計画 ⑤期別・月間指導計画 ⑥月間指導計画

⑦月間・週間指導計画 ⑧週案 ⑨日案 ⑩個別指導

⑪デイリープログラム ⑫その他( ) 乳児保育における指導計画の書式は次の通りである(表4-2・表4-3)。 1)単純集計(全体)(表4-2)

全体として 80%以上作成している書式は、月間指導計画(94.9%)・週案(90.1%)・個別指導計画

(87.6%)・保育課程(83.2%)・年間指導計画(81.8%)の順に5項目であった。80%~50%のものは、

年間・期別指導計画(72.4%)・日案(61.7%)・月間・週間指導計画(56.9%)・デイリープログラム

(52.2%)の順に 4 項目であった。50%以下のものは期別・月間指導計画(37.2%)・期別指導計画

(35.0%)の順に2項目であった。

結果からいえることは、第一に80%以上の回答があり、ほぼどの園でも作成されている書式は、月 間指導計画(94.9%)・週案(90.1%)・個別指導計画(87.6%)・保育課程(83.2%)・年間指導計画(81.8%)

である。逆に作成されていない傾向にあるものは、期別・月間指導計画及び期別指導計画である。こ の結果は、「期別」が保育所では受け入れられていないことを示している。事実、月間指導計画(94.9%)

と週案(90.1%)はいずれも高ポイントであることから、乳児保育の指導計画作成は、月が軸となっ ていることがわかる。すなわち、短期指導計画は週案が軸であり、長期指導計画は月間指導計画が軸 となっていることが示された。

一方、日案とデイリープログラムは内容としては同じことを示している。乳児保育は個別指導計画 が求められ、一日の生活リズムが重要である。しかしながら、「作成していない」という回答が、日案

(38.3%)とデイリープログラム(47.8%)という結果は驚きである。確かに、乳児は個別指導計画 として示すために、日案とデイリープログラムは不要であるという考えもある。経験と勘に依存して いるとも言える。また毎日の生活は変化が少ないという考えもある。しかしながら、担当制であって も1対1の保育ではなく、集団保育としてのクラス運営であることを考えたとき、少なくとも日案の 必要性があると考えるとき、乳児保育における保育内容編成の課題がみえる。

2)年齢別集計(表4-3)

年齢別にみると、0歳児は、80%以上作成している書式は、月間指導計画(97.5%)・個別指導計画

(93.8%)・週案(90.0%)・保育課程(85.0%)・年間指導計画(85.0%)の順に5項目であった。50%

以下のものは期別・月間指導計画(36.3%)・期別指導計画(37.5%)の順に2項目であった。1歳児

は、80%以上作成している書式は、月間指導計画(94.1%)・個別指導計画(83.3%)・週案(87.3%)・

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保育課程(79.4%)・年間指導計画(84.3%)の順に5項目であった。50%以下のものは期別・月間指 導計画(38.2%)・期別指導計画(34.3%)の順に2項目であった。2歳児は、80%以上作成している 書式は、月間指導計画(93.5%)・個別指導計画(87.0%)・週案(93.5%)・保育課程(85.3%)・年間 指導計画(62.0%)の順に5項目であった。50%以下のものは期別・月間指導計画(37.0%)・期別指 導計画(33.7%)の順に2項目であった。

年齢別には大きな違いは認められなかったが、個別指導計画や週案に関しては若干の違いがあった。

また、2歳児になると年間指導計画作成が減少していた。0歳児、1歳児の発達への視点が2歳児にな ると大きく変容しているともいえる。課題は、クラス運営としての期別計画への意識である。集団と しての子どもの存在や位置づけへの意識が必要である。また個人としてもどのような時期であるかと いうことは、特に「活動」の発展には必要である。大切なことは、子ども自身が「うまくできた」と 思えるように、「成功する」ように、大人が補助をするという「相補的関係」こそが乳児保育には重要 である。すなわち、乳児保育は「生活適応活動」であり、本論文では「大人と子どもの相補的関係」

をうまく使い分けることが重要であることを提案したい。そのためには、「長期の保育を見通す保育課 程」の場合には、「子どもに育てるべき大きな方向」、「内的活動」を提示することを軸においた「目標・

ねらい」が大切であると考える。「短期の保育を見通す指導計画」の場合には、その日の子どもの興味 の持ち方などを考慮してはどうかと考え検討する。

この長期と短期の2つの中間にある計画が、「年間・期別の指導計画」である。月間指導計画には、

保育課程・年間から整理したその月の活動の主な「心情・意欲・態度」、「内的活動」をねらいとして 書くことが重要である。すなわち、「ねらい」の次に「内容」には何を書くのかということである。基 本的に、「保育の内容」は、「子どもが成長を遂げていくためのねらい」がどのような事柄・材料(保 育材料・保育環境など)を通して子どもが成長していくのかを提起するものである。乳児保育は、「生 活適応活動」が保育の全体にあり、その上で保育の「ねらい・内容」があるとすれば、「保育内容」は どうなるのだろうか。特に、乳児保育は「子どもと大人との関係性」が重要な意味を持つ。「生活適応 活動」が「保育内容」として位置づけることの意味を確認しておきたい。「保育内容」を考えるとき、

乳児保育の実践構造は組織的・調和的に整理しておく必要がある。「発達の側面から保育内容を位置づ ける発想」と「子どもの活動から位置づける発想」についてはすでに確認してきた。「融合保育」の視 点からは両方必要であるとの視点から論ずることになる。

つまり、「発達の視点からのねらい」と「活動の視点からのねらい」をどう調和させるのかが保育内 容編成における実践構造の課題である。書式は、忙しい保育において合理化することは賛成であるが、

書式や指導計画の意味、保育内容編成の意味を考えた検討が求められる。

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表4-2 調査項目1「指導計画における書式について」

0~2歳児クラス計 1.書式

上段: 回答件数 中段: 横計割合 下段: 縦計割合

作成して いる

作成して

いない 合 計

228 46 274

83.2% 16.8% 100.0%

11.3% 4.9%

224 50 274

81.8% 18.2% 100.0%

11.1% 5.4%

147 56 203

72.4% 27.6% 100.0%

7.3% 6.0%

96 178 274

35.0% 65.0% 100.0%

4.8% 19.1%

102 172 274

37.2% 62.8% 100.0%

5.1% 18.5%

260 14 274

94.9% 5.1% 100.0%

12.9% 1.5%

156 118 274

56.9% 43.1% 100.0%

7.8% 12.7%

247 27 274

90.1% 9.9% 100.0%

12.3% 2.9%

169 105 274

61.7% 38.3% 100.0%

8.4% 11.3%

240 34 274

87.6% 12.4% 100.0%

11.9% 3.7%

143 131 274

52.2% 47.8% 100.0%

7.1% 14.1%

2012 931 2943

68.4% 31.6% 100.0%

100.0% 100.0%

合 計 11 デイリープログラム 6 月間指導計画 1 保育課程

2 年間指導計画

3 年間・期別指導計画

4 期別指導計画

5 期別・月間指導計画

7 月間・週間指導計画

8 週 案

9 日 案

10 個別指導

155

表4-3 調査項目1「指導計画における書式について」年齢別

園で作成している指導計画 保育課程 年間指導

計画

年間・期 別指導計

期別指導 計画

期別・月 間指導計

月間指導 計画

月間・週 間指導計

週案 日案 個別指導 デイリー

プログラ 全体 83.2 81.8 57.7 35.0 37.2 94.9 56.9 90.1 61.7 87.6 52.2 0歳児 85.0 85.0 60.0 37.5 36.3 97.5 51.3 90.0 61.3 93.8 51.3 1歳児 79.4 84.3 52.0 34.3 38.2 94.1 56.9 87.3 69.6 83.3 53.9 2歳児 85.9 76.1 62.0 33.7 37.0 93.5 62.0 93.5 53.3 87.0 51.1

現在の 担当ク ラス年

83.2

81.8

57.7

35.0

37.2

94.9

56.9

90.1

61.7

87.6

52.2

85.0

85.0

60.0

37.5

36.3

97.5

51.3

90.0

61.3

93.8

51.3 79.4

84.3

52.0

34.3

38.2

94.1

56.9

87.3

69.6

83.3

53.9

85.9

76.1

62.0

33.7

37.0

93.5

62.0

93.5

53.3

87.0

51.1

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 保育課程

年間指導計画

年間・期別指導計画

期別指導計画

期別・月間指導計画

月間指導計画

月間・週間指導計画

週案

日案

個別指導

デイリープログラム

全体 n=274 0歳児 n=80 1歳児 n=102 2歳児 n=92 園で作成している指導計画

(%)

156

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