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保育内容の整理の観点

ドキュメント内 乳児保育のカリキュラム編成の研究 (ページ 176-179)

第 5 章 乳児の保育内容編成の原理―融合保育の視点から―

第 1 節 保育内容の整理の観点

1、保育内容編成の軸となるのは何か

指導計画の編成は2つの課題を持っている。まず、指導計画の内容をどう整理するかの課題である。

どのような指導計画の編成を行うとしても、乳児保育の内容の中核になるものは何かという課題をは じめその前提である保育観・子ども観を含めた整理が課題となってきたことは前章までで指摘してき たことであるが、指導計画の内容の編成の点では少なくとも次の課題を検討しておく必要がある。

1)保育をどのように考えるのか、特に、保育内容の軸は何か、保育者と子どもの関係を軸にして 保育の構造をどうとらえるのかである。

2)子どもの成長をどのような視点や内容からとらえるのか、特に、「子どもの活動」からか「領域

からか」という課題を提示してきた。また、「活動と発達の領域を統合する」としても保育における「ね らいと内容」の把握は学校教育ほど単純ではない。実践では、「ねらいと内容」が重複してきたという 問題があり、その解明とも関連している。特に、乳児保育における「玩具(教材)」とは何かについて 明確に考えること。子どもの学習活動に焦点を当てている学校教育とは別の発想が必要である。

3)「ねらい」や「内容」の関係をどのように整理するのかが課題である。ねらいは方向目標である か到達目標かは別にして、子どもが達成する状況を示すものである。では、乳児保育において、「ねら い」はどのような視点から、どのような内的活動を明示すればよいのか。また「内容」は「玩具(教 材)」なのか、「玩具(教材)」だとすればそれは何かという議論が必要である。

2、保育内容編成の手続き・方法をどう考えるか

次に、保育内容編成の手続き・方法を明確にする課題がある。これまでの考察によって明らかにさ れてきた2つのタイプの保育内容は、スコープとして活動の領域を想定するのか、発達の領域を採用 するのかという課題があることを示してきた。次の課題を検討しておく。

1)5つの項目を各々どのように組織すればよいのかである。「養護と教育のねらい」から子ども理 解を行っていることが多いが、子ども理解は他の視点が必要ではないか。

2)ねらい・目標は、長期指導計画と短期指導計画ではおさえる内容は異なるのか、同じでよいの か、その関係はどうあるべきか。すでに述べたように、領域のねらいから出発する場合には子どもの 具体的な活動を想定するとすれば、ねらいが活動に転換する必要が認められる。しかしながら、具体 的にはどのようにすればよいのか。

3)保育内容という言葉を使っているが、保育内容は学校でいう教材と同じ意味なのか。もし違う とすれば保育における保育内容とは何が課題かを検討する。

保育内容編成論は多様な課題を残している。保育内容編成論は、学校教育とことなり、幼児教育学 からは理論的に考察されていないからである。本論文では、2 つのタイプを取り出し検討を加えた。

すでにこの2つの編成論は第1章で提示をしている。

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表1-8

2

つのタイプの保育課程の比較 X活動重視タイプ

1965年保育所保育指針

Yねらい重視タイプ 2008年保育所保育指針

C 融合の保育

1、保育課程(保育計画)の 定義

保育所における保育内容に ついての全体計画である。

発達段階に即して、入所し てから退所(修了)するま での間に指導することの望 ましい内容を所定の年数に わたって、一貫性をもって 作成するものが保育計画で す。

保育課程を上位に位置づ け、全職員の共通認識の下、

計画性を持って保育を展開 し、保育の質の向上を目指 すことが重要とされまし た。

子どもの内的活動を示す保 育内容の全体計画です。

2、保育課程(保育計画)編 成の手順

1、保育内容の区分 2、年齢の区分

3、望ましい活動の選択 4、望ましい活動の配列 5、全体としての一貫性 6、保育計画の作成

1、保育理念 2、保育方針 3、保育目標

4、発達過程に基づいた各年 齢の全体計画

5、各年齢別の「ねらい」「内 容」を一貫性を持って組

6、保育課程の編成

保育目標を目指して、子ど もの内的活動を「ねらい」・

「内容」を一貫性を持って 組織します。

3、保育課程(保育計画)

保育内容の区分

保育内容の区分

年齢区分により、子どもの 活動をいくつの領域に分け て保育内容を考えることが できます。

年齢区分:領域

13カ月未満:生活・遊

13カ月から2歳まで:

生活・遊び 2歳:健康・社会・遊び 3 歳:健康・社会・言語・

遊び

4 歳:健康・社会・言語・

自然・音楽・造形 5 歳:健康・社会・言語・

自然・音楽・造形 6 歳:健康・社会・言語・

自然・音楽・造形 活動(生活・遊び)を具 体化して区分。①食事 ② 排泄 ③着脱 ④休息 ⑤ 環境 ⑥あそび・音楽リズ ム・体育 ⑦健康・安全 ⑧ 清潔 ⑨言語 ⑩集団 ⑩ あそび・絵画製作など。

保育の内容は「ねらい」及 び「内容」で構成される養 護と教育。

「ねらい」は、第1章に示 された保育目標をより具体 化したものであり、保育士 等が行わなければならない 事項及び子どもが身につけ ることが望まれる心情・意 欲・態度などの事項を示し たものです(2008年保育所 保育指針解説書p56) 年齢区分はない。発達過程 に応じて保育所が「ねらい」

示す。

養護:生命の保持・情緒の 安定

教育:健康・人間関係・環 境・言葉・表現

保育の内容は、子どもの内 的活動を、生活活動と遊び 活動の全体を一貫して示し ます。

4、保育課程、活動領域 領域の区分は、各年齢の子

どもの発達段階に応じ、子 どもの諸能力を調和的に発 達させるに必要な諸活動 が、適切に選択されること がめざされています。

「内容」は、「ねらい」を達 成するために子ども、子ど もの生活やその状況に応じ て保育士等が適切に行う事 項と保育士等が援助して子 どもが環境に関わって経験 する事項を示したもので す。

子どもの内的活動への保育 者の役割を明確にします。

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2 つのタイプの保育課程の比較(続き)

X活動重視タイプ 1965 保育所保育指針

Yねらい重視タイプ 2008 年保育所保育指針

C 融合の保育

5、保育課程、保育目標 子どもは豊かに伸びていく

可能性をそのうちに秘めて いる。その子どもたちが、現 在を最もよく生き、望ましい 未来を作り出す力の基礎を 培うことが保育の目標であ

る。次の7つを掲げています。

保育理念、保育方針に応じた

「保育目標」を保育全体の保 育の方向性として整理する こと。

この目標は保育所が目指す ものであり、それを踏まえて さらに子どもの育ちの点か ら、教育の部分では目標を6 つ示しています。

子 ど も の 内 的 活 動 を

「保育目標」に応じて 保育全体の保育の方向 性として整理します。

6、保育課程、枠組み 事例2-1の場合

A:年間保育計画書

①期区分

②月区分

③期間のねらい

④主な行事の予定 B:年齢別年間保育計画表

①年齢区分

②保育内容区分(活動区 分)

事例2-2の場合 1、子ども像 2、保育目標

3、クラス年齢の全体 4、ねらい

5、地域の実態 6、食育

子どもの育ちや地域の 実態により、子どもの 内的活動・ねらいを発 達過程への理解に示し ます。

7、保育課程、期のねらい 時期区分は各年齢区分では

ありません。保育目標を達成 するために、保育全体を期区 分にしています。

発達過程や子どもの実態を 意識するため、期のねらいは 示していません。

子どもの育ちや地域の 実態により、子どもの 内的活動・ねらいを期 別にも示します。

8、保育課程、年齢のねらい 年齢区分別「保育のねらい」

は指針に示される保育のね らいを参考にして各保育所 が示します(表2-4参照)

子どもの実態、地域の実態等 を考慮する。発達過程への理 解により保育所が創意工夫 して「ねらい」を示す。「0 歳から6歳児」までの発達過 程を0歳児から5歳児の全ク ラスで示す。「保育目標」に 即して、「養護」と「教育」

の目標を鑑みて各保育所が

「ねらい」で表しています。

子どもの内的活動・ね らいを発達過程とクラ ス運営の両方で示しま す。

9、保育課程、年齢の区分 (2)年齢の区分

保育内容の構成は、先の表に 示した年齢区分に基づいて、

それぞれの子どもの年齢に 即して行うものとする。ここ にあらわした年齢区分は暦 年齢による。(1歳児・2歳児・

3歳児・4歳児・5歳児)

子どもの発達過程、8つの区 分。

(1)おおむね6カ月未満

(2)おおむね6カ月から 1 3カ月未満

(3)おおむね13カ月未 満から2歳未満

(4)おおむね2

(5)おおむね2

(6)おおむね2

(7)おおむね2

(8)おおむね2

発達過程とクラス運営 の両方で示します。

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