科 目 目 的 到 達 目 標
事例研究・判例研究などを通じて、財産法上の基礎的論点を横断的に分析することに より、具体的紛争における問題発見能力・分析能力・解決能力の向上を図ることを目 標とする。
授 業 概 要
取り上げる事例・テーマは、ゼミ生の関心を尊重するが、一応、教員の方でも2年
間を通じてゼミに参加すれば民法総則から債権各論まで包括的に検討できるような素 材を準備している。なお、民法(債権法)改正についても検討する。
<研究予定テーマ>
【民法総則分野】権利外観法理、詐欺・強迫の守備範囲と消費者保護、法人の「目的 の範囲」 、動機の錯誤、代理権の権限濫用、表見代理、無効の相対化、時効制度の存在 理由、時効完成後の債務承認、信義則の適用場面、事情変更の原則 【物権法分野】
登記の機能、民法 177 条の「第三者」 、無効・取消・解除と登記、取得時効と登記、相 続と登記、登記請求権、占有の機能、占有訴権の存在意義、留置権が成立する範囲、
第三者による抵当権侵害、物上代位における「差押」の意義、法定地上権の成立の可 否、譲渡担保の法的性質とその効力、動産担保の競合 【債権総論分野】強制履行に おける間接強制の有用性、第三者による債権侵害、債務不履行責任と不法行為責任、
損害賠償の範囲、相殺の担保的機能、履行補助者の過失、債権者代位権の転用、債権 譲渡の対抗要件具備の衝突、不真正連帯債務概念の有用性、民法 478 条の適用範囲、
種類債権の特定・受領遅滞・弁済の提供の位置関係、弁済による代位 【債権各論分 野】継続的契約関係の解除・解約、危険負担における債権者主義、売主の担保責任、
利息の制限、賃借権の物権化、敷金の法的性質、サブリース契約、信頼関係破壊の法 理、安全配慮義務、請負契約と建築建物の所有権の帰属、転用物訴権、不当利得類型 論、709 条の「過失」 、因果関係の証明、企業責任、使用者責任における外形理論、共 同不法行為の立法趣旨、受忍限度論、違法行為に対する差止請求、過失相殺の要件と 機能
授 業 計 画
およそ、1週間に1つの事例(法科大学院における民法総合演習で使用する事例教材レベル)
や判例に取り組むことを予定している。ただし、事例・判例が難解であったりした場合には、
複数週にまたがることもある。いずれにせよ、先を急ぐよりもじっくりと議論し、ゼミ生が 各テーマについてしっかりと理解・納得することを優先する。
【春学期】(1)ガイダンス、(2)事例研究①、(3)事例研究②、(4)事例研究③、(5)事例研究④、
(6)事例研究⑤、(7)事例研究⑥、(8)事例研究⑦、(9)事例研究⑧、(10)事例研究⑨、(11)事 例研究⑩、(12)事例研究⑪、(13)事例研究⑫、(14)事例研究⑬、(15)事例研究⑭
【秋学期】(1)事例研究⑮、(2)事例研究⑯、(3)事例研究⑰、(4)事例研究⑱、(5)事例研究⑲、
(6)事例研究⑳、(7)事例研究㉑、(8)事例研究㉒、(9)事例研究㉓、(10)事例研究㉔、(11)事 例研究㉕、(12)事例研究㉖、(13)事例研究㉗、(14)事例研究㉘、(15)まとめ
評 価 方 法
出席状況や報告内容等を勘案し、総合評価を行う。
テ キ ス ト 参考文献等
通常授業では、基本的に、民法事例教材を使用する予定である(ここ数年は、遠藤が 作成したオリジナル事例も用いている。現行法と改正法の両方に触れる)。ゼミ生の 希望によりサブゼミを実施する場合には、法律文書の起案や、ここ数年間の重要判例 解説等を行う。夏合宿(予定)では、集中的に事例分析に取り組む。
授 業 外 の 学 習 状 況
毎週、報告のための準備(事例分析、文献調査、報告のための書面作成)を行っても らう。希望者に対してサブゼミや法律文書作成指導を実施する。
そ の 他 特 記 事 項
教員の方から何かを強制的に押し付ける指導をするつもりは一切なく、例年、どれく らい真剣に学修するかは各ゼミ生の自主性(=責任)に任せている。したがって、真 剣に民法学と向き合う姿勢・意欲を有さない者の受講は、お互いの不幸となるため、
遠慮願う。
担当者氏名・ゼミ名
小賀野 晶 一 小賀野ゼミ
演 習 テ ー マ
現代民法の課題
募集年次・人員 募集学科 3年次 開講形態
4年ゼミへの
持ち上がりの可否 テーマの継続
3 年
の み 4 年
の み 3・4年 合 同
法律 国企 政治 可 不可
1年間で 完 結 4年ゼミ に継続3年次 10 名 ○ ○ ○ ○ ○ ○
[演習概要]
履 修 条 件
本学部のカリキュラムに設置されている民法の科目や、民法の関連科目を履修してい
ること、あるいは並行履修することが望まれる。
科 目 目 的 到 達 目 標
本科目は、民法の現代的課題を明らかにし、課題解決のための検討・報告・討論を行 い、その成果を文章にまとめる作業を通じて、現代民法への関心を深めることを目的 とする。主として判例の分析を中心に、(1)地域社会の出来事に関心をもつ力、 (2)
判決を読む力、(3)法的問題を発見し、問題解決に向けて文献を調査する力、(4)文章 にまとめる力、(5)説明し、討論する力、の5点を養うことを到達目標とする。
授 業 概 要
民法のⅠ.物権・債権、Ⅱ.契約、不法行為、Ⅲ.親族・相続、Ⅳ民法に関する学際分野 のそれぞれから現代的課題を選び、課題解決のための学習を行う。毎回、当該テーマ についての教員の解説、受講生による分担報告を経て,受講生の全員で討論する。分 担者は討論の成果を活かして最終報告書にまとめ、提出する。
授 業 計 画
民法に関する現代的課題を、民法の全分野、すなわち総則、物権、債権、親族、相続のほか、
民法に関する学際分野から探しだし、最高裁判決の分析を中心に検討し、その成果を論考(レ ポート)としてまとめる。以上の学習の過程に対しては随時教員の助言が行われる。
1.民法総論、2.物権法概論、3.債権法概論、4.契約総則(意思表示、契約の成立・効 力・解除等)、5.贈与、6.売買法概論、7.売主の責任、8.消費者契約、9.消費貸借・
使用貸借、10.賃貸借、借地借家法、11.雇用・請負、12.委任・寄託、医療契約、13.組 合、終身定期金、和解と示談、14.法定債権概論(事務管理、不当利得、不法行為)、15.
不法行為法概論、16.過失、権利侵害・違法性、17.因果関係、18.責任無能力者の監督義 務者の責任、19.使用者責任、注文者・請負人の責任、20.土地工作物責任、営造物責任、
21.共同不法行為、22.損害論概論、23.損害論各論、24.名誉毀損、25.時効、26.親族 法概論、27.親族法各論、28.相続法概論、29.相続法各論、30.民法の課題と展望
評 価 方 法
出席及び授業への参加度等(50%) 、レポート(50%)
テ キ ス ト 参考文献等
テーマに応じて指示する。
民法学者川井健の民法解説ビデオを適宜使用する。
授 業 外 の 学 習 状 況
予習、復習をしっかりすること。授業で提出された課題にとりくむこと。
最高裁判所ウエブサイトを開き、新しい判決をフォローすること。
そ の 他 特 記 事 項
この授業の主役は受講生です。毎回の授業時に発言のできる意欲ある学生の参加を望
みます。
担当者氏名・ゼミ名
唐 津 博 労働法
演 習 テ ー マ
重要労働判例の検討
募集年次・人員 募集学科 3年次 開講形態
4年ゼミへの
持ち上がりの可否 テーマの継続
3 年
の み 4 年
の み 3・4年 合 同
法律 国企 政治 可 不可
1年間で 完 結 4年ゼミ に継続3年次 10 名 ○ ○ ○ ○ ○ ○
[演習概要]
履 修 条 件
「労働法(個別的労働法)」 、「労働法(集団的労働法) 」を履修していること。
科 目 目 的 到 達 目 標
・労働法の基本的知識を身につけて、労働法の基本的枠組みと論理を理解している。
・労働判例の内容を理解して、労働紛争の法的論点を整理できる。
・労働紛争の解決方法を考えることができる。
授 業 概 要
・毎回、テキストの各回のテーマに即した労働判例を取り上げて、レポーターが検討報告を
行う。
・レポーターの報告内容について質疑を行う。
・その後に、レポーターが取り上げるべきであると考えた論点について、全員で討論 する。
授 業 計 画
各回の授業内容は、以下のとおりです。
1.年間スケジュール、各回のテーマ・担当レポーターの決定 2.レクチャー:「労働判例」の読み方
3.労基法上の「労働者」
4.労組法上の「労働者」
5.労組法7条の「使用者」
6.偽装請負と労働契約の成立 7.採用、試用
8.採用内定 9.就業規則の効力 10.賃金
11.賃金支払4原則
12.パートタイム労働者と賃金差別 13.退職金と競業避止義務
14.「労働時間」の概念 15.時間外労働
16.年次有給休暇と時季変更権
24.過労自殺 25.解雇の法規制 26.解雇権濫用法理 27.整理解雇 28.退職強要 29.辞職
30.有期契約と雇止め
評 価 方 法
・報告レジュメの内容・報告(プレゼン)の内容 40%、討論参加度 30%、出席 30%
テ キ ス ト 参考文献等
・テキスト:唐津博・和田肇・矢野昌浩編『新版労働法重要判例を読むⅠ(総論・労 働組合法関係)』 、同『同Ⅱ(労働基準法・労働契約法関係)』 (日本評論社、2013 年)
・参考書:村中孝史・荒木尚志編『労働判例百選(第9版)』(有斐閣、2016 年)、土 田道夫・山川隆一編『労働法の争点』 (有斐閣、2014 年)
授 業 外 の 学 習 状 況
・全員、テキストの該当判例を予習し、質問事項を整理してくること。
・予習のさいには、参考書等を利用して関連する裁判例、学説等について確認・理解 しておくこと。
そ の 他 特 記 事 項
・各回の担当レポーターは報告レジュメを作成して、プレゼン担当期日の少なくとも
1週間前までに、メール等を利用して教員に提示しチエックを受けること。
担当者氏名・ゼミ名
木 川 裕一郎 民事訴訟法演習
演 習 テ ー マ
民事訴訟法の基本論点
募集年次・人員 募集学科 3年次 開講形態
4年ゼミへの
持ち上がりの可否 テーマの継続
3 年
の み 4 年
の み 3・4年 合 同
法律 国企 政治 可 不可
1年間で 完 結 4年ゼミ に継続3・4年次 15 名 ○ ○ ○ 〇 〇 ○
[演習概要]
履 修 条 件
民事訴訟法を履修済みまたは同時履修していること
科 目 目 的 到 達 目 標
授業目的は、①二年間で民事訴訟法の基本論点を学習すること、②民事訴訟法または 倒産法に関する最新の最高裁判例につき、15 校程度の国公私立大学の学生と合同ゼミ を実施する。合同ゼミは、テーマ判例につき、分析したうえで、対戦形式で他大学の 学生とディベートする形式をとる。
授 業 概 要
おおよそ、7 月~10 月を上記②の準備に充て、それ以外の時間を①に充てる。
10 月第2週または第3週の週末に②のディベートを実施する。
授 業 計 画